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09月11日-01号

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  1. 上越市議会 2000-09-11
    09月11日-01号


    取得元: 上越市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-25
    平成12年  第4回(9月)定例会        平成12年第4回上越市議会定例会会議録(1日目)                                  平成12年9月11日(月曜日)出 席 議 員    1番   栗  田  英  明          2番   岩  崎  哲  夫    3番   佐  藤     敏          4番   古  澤     弘    5番   仲  田  紀  夫          6番   森  田  貞  一    7番   渡  辺  明  美          8番   近  藤  彰  治    9番   上  松  和  子         10番   水  澤  弘  行   11番   杉  本  敏  宏         12番   樋  口  良  子   13番   大  島  武  雄         14番   山  岸  行  則   15番   坪  井  正  澄         16番   市  村  孝  一   17番   小  林  克  美         18番   早  津  輝  雄   19番   西  沢  幹  郎         20番   永  島  義  雄   21番   小  林  林  一         22番   船  崎  信  夫   23番   牧野島      清         24番   田  村  恒  夫   25番   本  城  文  夫         26番   星  野     実   27番   市  川  文  一         28番   小  林  章  吾   29番   渡  辺   一太郎         30番   石  平  春  彦説明のため出席した者 市    長  宮  越     馨 副  市  長  山  口  弘  司       副  市  長  永  井  紘  一 副  市  長  大  野     孝       副  市  長  藤  原   満喜子 副  市  長  横  田  直  幸       副  市  長  井  上  隆  邦 収  入  役  松  苗  正  彦       教  育  長  斉  藤     弘 政策審議局長  中  川  周  一       総務課長    東  條  邦  俊 財務課長    三  上  雄  司       都市計画課長  野  口  和  広                          介護・健康 農林水産課長  駒  沢  定  雄               高  橋   美智子                          づくり課長                          文化生涯 地球環境課長  寺  田  清  二               田  村     博                          学習課長                          教育委員会 ガス水道局長  佐  田  克  巳               小  池     衛                          事務局長 教育委員会         杉  山   百合子 委員長 代表監査委員  栗  田  修  行 農業委員会         松  嶋  敏  一 会    長職務のため出席した事務局職員 事務局長    伊  藤   三津雄       次    長  白  石  行  雄 係    員  高  原   るみ子       係    員  川  瀬   ゆかり議 事 日 程  第1 会議録署名議員の指名  第2 会期の決定  第3 諸般の報告  第4 議案第81号より第112号及び報告第8号本日の会議に付した事件  第1 会議録署名議員の指名  第2 会期の決定  第3 諸般の報告  第4 議案第 81号 平成11年度上越市一般会計歳入歳出決算認定について     議案第 82号 平成11年度上越市国民健康保険特別会計歳入歳出決算認定について     議案第 83号 平成11年度上越市診療所特別会計歳入歳出決算認定について     議案第 84号 平成11年度上越市索道事業特別会計歳入歳出決算認定について     議案第 85号 平成11年度上越市下水道事業特別会計歳入歳出決算認定について     議案第 86号 平成11年度上越市老人保健特別会計歳入歳出決算認定について     議案第 87号 平成11年度上越市直江津駅南地区土地区画整理事業特別会計歳入歳出決算認             定について     議案第 88号 平成11年度上越市農業集落排水事業特別会計歳入歳出決算認定について     議案第 89号 平成11年度上越市地域振興券交付事業特別会計歳入歳出決算認定について     議案第 90号 平成11年度上越市病院事業会計決算認定について     議案第 91号 平成11年度上越市ガス事業会計決算認定について     議案第 92号 平成11年度上越市水道事業会計決算認定について     議案第 93号 平成12年度上越市一般会計補正予算(第3号)     議案第 94号 平成12年度上越市国民健康保険特別会計補正予算(第2号)     議案第 95号 平成12年度上越市下水道事業特別会計補正予算(第2号)     議案第 96号 平成12年度上越市病院事業会計補正予算(第2号)     議案第 97号 上越市美術品取得基金条例の制定について     議案第 98号 上越市ファミリーヘルプ保育園条例の制定について     議案第 99号 上越市手数料条例の一部改正について     議案第100号 上越市社会福祉事務所設置条例及び上越市社会福祉法人の助成に関する条例の             一部改正について     議案第101号 上越市老人デイサービスセンター条例の一部改正について     議案第102号 上越市老人憩の家条例の一部改正について     議案第103号 上越市シニアセンター条例の一部改正について     議案第104号 上越市ガス供給条例の一部改正について     議案第105号 市道路線の廃止について     議案第106号 市道路線の認定について     議案第107号 事務の委託に関する協議について     議案第108号 財産の取得について     議案第109号 工事請負契約の締結について(高田駅前雁木建設事業その7工事)     議案第110号 新潟県消防団員等公償組合規約の変更について     議案第111号 新潟県交通災害共済組合規約の変更について     議案第112号 新潟県自治会館管理組合規約の変更について     報告第  8号 専決処分した事件の承認について(平成12年度上越市下水道事業特別会計補             正予算(専第1号))  会議時間の延長          午前10時0分 開会及び開議 ○石平春彦議長 これより平成12年第4回上越市議会定例会を開会いたします。 各位には御多忙の折、御参集をいただき深く感謝いたします。 これより本日の会議を開きます。 △日程第1 会議録署名議員の指名 ○石平春彦議長 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において仲田紀夫議員及び西沢幹郎議員を指名いたします。 △日程第2 会期の決定 ○石平春彦議長 日程第2、会期の決定を議題といたします。 お諮りいたします。 今期定例会の会期は、本日から9月27日までの17日間といたしたいと思います。 これに御異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○石平春彦議長 御異議なしと認めます。 よって、会期は17日間と決定いたしました。 △日程第3 諸般の報告 ○石平春彦議長 日程第3、諸般の報告をいたします。 議会報告第10号リフレ上越山里振興株式会社の経営状況について市長から報告がありましたので、お手元に配付のとおり報告いたします。 △日程第4 議案第81号より第112号及び報告第8号 ○石平春彦議長 日程第4、議案第81号より第112号及び報告第8号を一括議題といたします。 提出者の説明を求めます。 宮越馨市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 おはようございます。本日ここに、平成12年第4回市議会定例会を招集し、提案いたしました案件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 21世紀を目前に控え、地方分権一括法が本年4月から施行されるなど、私たち自治体は真の自立と変革を求められております。こうした中、私は、平成11年を特に「行政改革実行元年」と位置づけ、皆さんの御理解をいただきながら複数担当副市長制の導入を初めとする数々の改革を実践するなど、これまでも新しい時代にふさわしい斬新な行政スタイルの確立に向けて着々と取り組みを進めてまいりました。 IT革命が市民生活の中に急速に浸透し始め、あらゆる既成の概念を見直すことが求められている中で、自前の政策立案能力を高めるため本年4月には上越市創造行政研究所も設立したところでありますが、自主自立の精神にのっとり「地方からの国づくり」を目指して、さらなる努力を続けてまいる所存でありますので、議員並びに市民の皆さんの御理解・御協力を改めてお願い申し上げます。 それでは、提案いたしました案件につきまして、御説明いたします。 議案第81号は、平成11年度上越市一般会計の、また議案第82号から議案第92号までは各特別会計の歳入歳出決算の認定についてでありますが、認定に付すに当たり、11年度の財政環境及び収支の状況と主要事業の成果等について御説明いたします。 昨年1月18日に閣議決定された「平成11年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」によれば、我が国経済は、景気回復のための諸施策の実施により、平成11年度は、はっきりとしたプラス成長へ転換する年と位置づけられるとし、国内総生産(GDP)の成長率は、名目・実質とも0.5%程度になるとの見通しが示されました。 こうした経済見通しのもとで、国の平成11年度当初予算は、平成10年度第3次補正予算と一体的にとらえたいわゆる15カ月予算の考え方に立って、景気対策を最重点に編成されましたが、平成10年度当初の実に3倍を超える21兆7,100億円もの赤字国債を発行せざるを得ないなど、財政状況はさらに厳しいものとなりました。 また、地方財政計画もおおむね国と同一の基調で策定されましたが、約13兆円もの巨額の財源不足を地方債や交付税特別会計での借り入れなどで補うという、これまでにも増して厳しい内容となりました。 このような情勢のもとで平成11年度がスタートいたしましたが、その後も景気の動向は予断を許さない状況が続いたことから、政府においては11月11日に総額18兆円の「経済新生対策」を決定し、着実な景気回復を図ることとしたところであります。 当市の平成11年度当初予算も、景気低迷の長期化、恒久的減税の実施などにより、行政を執行していくための根幹的な財源である市税が大幅に減少する見通しとなる極めて厳しい財政環境の中ではありましたが、市政全般にわたる総点検・総見直しを継続して進めながら、「人・環境・まちづくり」を政策の基本に据えて編成し、一般会計では前年度当初に比べ7.7%増(市の制度融資である預託金を除いても1.8%増)と、地元の景気に最大限の配慮をした「粘り腰予算」を編成いたしました。そして、国の「経済新生対策」を受け、一般会計・特別会計合わせて23億円を超える公共事業費を追加補正するなど、市民生活の安定と一日も早い景気回復を願い全力を挙げて取り組んだところであります。 それでは、決算の概要及び特徴等について、一般会計を中心に御説明いたします。なお、歳入の主なもの及び歳出の総論につきましては、私、市長が説明し、各部門の詳細については担当副市長並びに教育長、ガス水道局長がそれぞれ説明いたしますので、よろしくお願い申し上げます。 まず歳入についてでありますが、その根幹をなす市税は、当初予算を2億4,400万円余り(以下、万円未満省略)上回る191億9,183万円の決算となりましたが、前年度に比べると1億2,325万円、0.6%の減少となりました。税目別に現年課税分を中心に説明しますと、個人市民税所得割は、当初予算を300万円余り上回る55億8,458万円の決算となり、時間外手当など所定外給与の減少や恒久的減税の影響などにより前年度に比べ5,539万円、1.0%の減となりました。また、法人市民税の法人税割では、運輸・通信業など一部の企業が伸びを示したことなどにより、当初予算を1億6,900万円余り上回る18億6,968万円となりました。しかしながら、景気低迷の長期化は依然として製造業、卸・小売業等の業績回復に影響を与えており、前年度対比では3億1,955万円、14.6%の減となっております。一方、固定資産税は前年度に比べ1億4,380万円、1.7%の増で、当初予算を2,900万円余り上回る86億7,728万円となりました。その内訳を見ますと、土地では、課税標準額を段階的に評価額に近づける負担調整措置などにより0.5%増に、家屋については、景気の長期低迷等により新増築の件数は前年度に比べ減少しましたが、税額では3.7%増に、また、償却資産は、一部企業で活発に設備投資が行われたものの、全体としては減少傾向となったことにより0.4%の減となりました。次に軽自動車税は、四輪乗用車が引き続き好調な伸びを示し、前年度に比べ3.9%増の2億1,218万円に、また、市たばこ税は、国から地方への税源移譲などにより、前年度に比べ6,488万円、7.4%増の9億4,440万円になりました。このほか、特別土地保有税は、前年度に比べ15.0%増の6,272万円に、都市計画税は1.9%増の10億2,966万円となりました。また、昨年4月にオープンした「くわどり湯ったり村」の入湯税は、多くの皆さんから御利用いただいたことにより、当初予算を96万円余り上回る666万円となりました。 地方譲与税は、当初予算を1,900万円余り上回る4億9,269万円で、前年度に比べ1,504万円、3.1%の増となりました。 利子割交付金は、低金利を反映し低調に推移いたしましたが、当初予算を2,000万円余り、また、前年度を1,700万円余り上回る1億6,802万円となりました。 地方消費税交付金は、当初予算を1億200万円余り上回る13億4,228万円となりましたが、長引く景気低迷の影響等により、前年度に比べ7,504万円、5.3%の減となりました。 地方特例交付金は、恒久的な減税に伴う地方税の減収の一部を補てんするため平成11年度に創設されましたが、当初予算を2,100万円余り上回る4億7,149万円となりました。 地方交付税は、当初予算を8億6,800万円余り上回る76億7,894万円となり、前年度と比較すると10億4,240万円、15.7%増の大幅な伸びとなりました。普通交付税は、景気低迷による税収の落ち込みや減税などによる財源不足に対する補てん措置がなされたことなどにより、当初予算より6億1,800万円余り、前年度より8億9,255万円多い64億2,894万円が交付されました。また、特別交付税は、コンピューター西暦2000年問題対策や介護保険制度導入に向けての広報・啓発に係る経費が算入されたこと、さらには、副市長制を初めとする大胆かつ斬新な行政改革の取り組みや先進的な環境施策の取り組みなどに対する支援を積極的に働きかけたことなどにより、前年度に比べ13.6%増の12億5,000万円となり、当初予算を2億5,000万円上回る結果となりました。 使用料は、水族博物館入館料の減などにより、当初予算を2,100万円余り下回る6億6,562万円の決算となりました。各施設の運営に当たっては、これまでも常に点検・見直しを行い改善を図っておりますが、今後とも自治体経営の視点に立って効率的な運営に努めるとともに、市民の皆さんが一層利用しやすい施設となるようサービスの向上に努めてまいりたいと考えております。 国庫支出金は、本年4月からスタートした介護保険制度の円滑な導入を図るため介護円滑導入臨時特例交付金が8億4,207万円交付されたこと、また、子育て支援を推進するための少子化対策臨時特例交付金が1億6,053万円交付されたことなどにより、前年度に比べて13億2,129万円、34.0%増の52億484万円となりました。また、県支出金は「くわどり湯ったり村」の建設などリフレッシュビレッジ事業が完了したことなどにより、前年度に比べ2億2,340万円、7.8%減の26億5,000万円となりました。 財産収入は、預金利子及び土地売払収入などで1億2,821万円の決算となりました。 繰入金は、各種事業の財源に充てるため財政調整基金から3億5,000万円を繰り入れたほか、減債基金から1億円を繰り入れて市債の繰上償還に充てました。また、介護保険事業の運営に必要な事務処理システムの改修費用として介護保険円滑導入基金から525万円を繰り入れるなど、各基金の目的に沿って事業執行に必要な経費に充当するため繰り入れを行いました。 市債は、恒久的な減税に伴う減収の補てん措置として平成11年度から地方特例交付金制度が創設されたことにより、減税補てん債が前年度に比べ5億9,000万円余り減少となったほか、リフレッシュビレッジ事業及び雁木通りプラザの建設が完了したことなどにより、全体では前年度に比べ10億4,680万円、20.3%減の40億9,980万円となりました。また、いわゆる通常分につきましては、極力抑制に努めながら充当事業を厳選したことにより、前年度に比べ4.3%少ない26億700万円の発行となりました。なお、参考までに申し上げますと、繰越事業分を起債許可年度に戻して許可額ベースで見ても平成11年度債は前年度より13億2,100万円余り減の42億1,460万円に、このうち通常分は1億3,200万円余り減の27億400万円となっております。この結果、平成11年度末における一般会計債の残高は、平成10年度末に比べて約8億1,300万円ふえて463億9,400万円余りに、また、このうち通常分は約1億2,500万円増加して、315億3,300万円余りになりました。なお、特別会計の市債残高は、快適なまちづくりを目指し引き続き下水道事業を積極的に推進したことにより、前年度より約71億3,000万円増加し468億5,500万円余りとなりました。 続いて歳出の概要を性質別の区分に従って御説明いたします。なお、決算統計における普通会計の数値とは異なる部分がありますので御了承いただきたいと存じます。 まず、経常経費では、景気低迷の長期化により雇用環境が極めて厳しい状況となる中で、緊急雇用対策として国の雇用拡大政策を先取りする形で実施した特別採用職員の報酬や職員の退職手当の増加などにより人件費が3.2%増加したほか、物件費は、昨年4月にオープンした雁木通りプラザの管理運営費や不燃ごみの収集回数を月2回から週1回にふやしたことによる収集運搬委託料の増加などで4.2%増に、また、扶助費は、保育所措置費や知的障害者援護施設入所措置費などの増加により5.1%増に、補助費は、本町大町地区土地区画整理事業清算交付金の減などにより1.9%の減となりました。市債の元利償還金は49億9,754万円の決算となりましたが、定時償還分が前年度より1.3%増の48億9,465万円となり、これに加えて1億289万円の繰上償還を行いました。これらの結果、経常経費は全体で305億7,352万円となり、前年度に比べて2.1%の増加となりました。 積立金は、国からの交付金をもとに介護保険円滑導入基金に8億4,200万円余り、少子化対策基金に約9,700万円をそれぞれ積み立てたほか、春日山土地区画整理組合からの寄附金6,000万円を自前のまちづくり基金に積み立ていたしました。また、将来の財政需要に備えて財政調整基金に6億600万円余りを積み立てるなど、積立金全体では16億1,956万円の決算となりました。その結果、平成11年度末における財政調整基金の保有高は10年度末より約2億5,600万円ふえて24億1,300万円余りとなりました。 繰出金は、直江津駅南地区土地区画整理事業特別会計に対する繰り出しが事業費の増加に伴ってふえたことなどから、前年度に比べ4億745万円増の32億1,754万円となりました。 貸付金は、一日も早い景気回復に資するため、中小企業の皆さんや住宅を建設される方々の資金需要に円滑に対応できるよう万全を期したところですが、こうした中で、10年度に引き続き景気対策特別資金の貸し出しが増加したことなどにより、前年度より20億9,600万円余り、30.2%増の90億3,501万円となりました。 普通建設事業費は、リフレッシュビレッジ事業や雁木通りプラザの建設が平成10年度で完了したことなどにより、前年度に比べ15億795万円、14.6%減の88億2,790万円になりましたが、当市の新しいシンボルである直江津橋上駅と自由通路の建設や高田駅前整備に重点的に取り組むとともに、道路事業などの都市基盤整備を引き続き力いっぱい推進いたしました。また、市内3カ所で特定公共賃貸住宅を建設し、U・J・Iターンをされる方々や中堅所得者層の住宅供給が不足している現状の改善に努めたところであります。さらに、特別会計の公共下水道でも全力を挙げて事業に取り組み、普及率を前年度より3.3%アップの28.8%まで引き上げるとともに、農業集落排水では保倉西部、高士東部の両地区で供用を開始する一方、新たに金谷和田西部地区で事業に着手いたしました。 以上の結果、一般会計の決算額は、歳入総額561億6,919万円(前年度に比べ6.0%増)、歳出総額545億1,538万円(前年度に比べ6.1%増)となり、歳入歳出差し引きは16億5,381万円、ここから繰越明許費として平成12年度へ繰り越した4億4,048万円を差し引いた実質収支では、12億1,333万円の黒字になりました。 決算統計で分析された主な財政指標を見ますと、経常収支比率は、広域行政組合への負担金が増加したことなどにより補助費で0.5ポイント、保育所措置費などの増加により扶助費で0.4ポイント上がりましたが、人件費で1.6ポイント、公債費で0.5ポイント低下し、全体では前年度に比べて1.1ポイント低い77.0%になりました。また、公債費比率は、これまで市民生活にとって必要な多くの建設事業を推進しながらも、市債発行の抑制に努めてきたことなどにより前年度と同率の15.4%に、公債費負担比率は0.4ポイント下がって15.0%という結果となりました。 なお、一般会計歳出予算の不用額は、予算額の4.3%に当たる24億9,800万円余りとなりました。これは、長引く景気低迷の中で中小企業の皆さんの資金需要などに機動的に対応できるよう各種貸付金の予算を十分に準備したところでありますが、結果として予算の9.9%に当たる9億8,700万円余りの預託金が不用となったこと、年間の補正財源等として確保しておいた予備費が2億2,300万円余り不用となったこと、また、各種給付事業の対象者数の変動や事業執行段階における見直し及び入札執行差金、さらには経費節減努力等々により関係予算の2.7%に当たる12億8,700万円が不用となったものであります。 もとより、予算計上に当たってはさまざまな角度から十分な検討を加え、適切な計上に努めているところでありますし、その執行に当たっても効果的・効率的な執行に努め、平成11年度においても計画した事業をほぼ予定どおり執行した上で以上のような結果となったところでありますが、今後ともさらに適切な予算計上、事業執行に努めてまいりたいと考えております。 また、国民健康保険、公共下水道及び本年3月から新たに開始した病院事業など九つの特別会計は合わせて、歳入総額368億6,974万円(前年度に比べ10.8%増)、歳出総額361億1,603万円(前年度に比べ11.8%増)となりました。 今、上越市は、北陸新幹線を初めとする数々の大規模プロジェクトの進行とも相まって、着実な成長を続けております。このような中、平成11年度においても、伸び行く上越市の将来を的確に見据え、「みどりの生活快適都市・上越」の実現を目指して力いっぱい取り組んでまいりました。 以下、その主なものについて御説明いたします。 まず、ひとにやさしい市民福祉のまちづくり  市民福祉と防災対策の充実についてであります。 我が国社会は少子高齢化が急速に進行し、これまでの仕組みや制度を根本から見直す必要に迫られております。このことは当市においても例外ではなく、市民一人一人が自立し、健康で生きがいを持ちながら暮らすことができるまちづくり、安心して子供を産み育てることができるまちづくり、そして、必要なときに必要な保健医療福祉サービスを受けることができるまちづくりが喫緊の課題となっております。 このため、私は、福祉の充実を市政の最重点課題に位置づけ、これまでも上越市社会福祉計画に掲げた目標を前倒しで達成するなど、各種施策実現のスピードアップに努めてまいりましたが、平成11年度も引き続きデイサービスセンターなどの施設整備やホームヘルプサービスを初めとする各種ソフト事業の拡充に力いっぱい取り組むとともに、介護保険制度の円滑なスタートに向けて万全の対応を図りました。 当市における高齢化率は、平成12年3月末には1年前に比べ0.4ポイント上昇して19.2%となり、介護や支援を必要とする高齢者の数も年々増加しております。このため、関係機関等とも緊密な連携を図りながら、各種支援体制の充実に努め、さまざまな施策を展開いたしました。 在宅福祉サービスでは、利用者から希望の多い土曜・日曜及び祝日におけるデイサービスの実施施設を2カ所から6カ所に拡大して市民の要望にこたえるとともに、ホームヘルプサービスも土曜・日曜及び祝日サービスの促進と早朝・夜間サービスの拡充を図りました。 また、市内の公共施設を大いに利用していただき、仲間同士や世代間の交流に役立てていただくことにより、自立を支援し、介護の予防にも資する目的で開始した「シニアパスポート事業」では、ニーズの高まりにこたえて対象年齢を75歳から70歳に引き下げて制度の充実を図ったほか、70歳以上のひとり暮らし高齢者を対象とした「ふれあいランチサービス」は、これまで隔週水曜日だけの提供であったものを、平成11年度からは土曜・日曜及び祝日を除く週5日に実施日を拡大し、安否の確認や触れ合い活動も行うなど、年間で延べ1万5,000人もの方々から御利用いただきました。 高齢者福祉施設の整備では、介護保険サービスの中核機能を担うこととなるデイサービスセンターの計画的な整備を推進してまいりましたが、平成11年度には「デイホーム三郷」が完成し、JA上越が新たにサービスを開始した春日地区の施設とあわせて市内9カ所の施設でサービスの提供に努めました。さらに平成12年度の完成を目指して「デイホーム古城」と金谷地区デイサービスセンターの整備を進めたほか、五智養護老人ホームや特別養護老人ホーム「いなほ園」も新しい時代のニーズにこたえた施設として生まれ変わりました。また、寄贈していただいた家屋をリニューアルし、高齢者共同生活施設(グループハウス)の整備も行いました。 活力ある豊かな社会を築いていくためには、高齢者のパワーを存分に発揮していただくことが大切であります。そのため、元気な高齢者と手助けを必要とする高齢者の橋渡しをする「シニアサポートセンター事業」を昨年10月から開始いたしましたが、11年度末までに310名(本年8月20日現在では360名)の方々が会員登録をされるなど順調なスタートを切りました。また、平成10年10月にオープンしたシニアセンター「本町ふれあい館」は、高齢者の皆さんの創作活動の場として、また、世代を超えた交流の場として、平成11年度には8,300人余りの方々から御利用いただきました。 介護保険制度の円滑な導入に向けた取り組みでは、小学校区単位での住民説明会や介護保険市民フォーラムを開催したほか、「まんがでわかるやさしい介護保険」を発行するなど、制度の周知に努めるとともに、市民ニーズに的確に対応した施策を展開するため介護保険アンケートも行うなど、市民の意見を最大限に反映して介護保険事業計画を策定いたしました。また、介護保険制度のかなめとなる認定調査員やケアマネジャーについては、継続して研修を実施することにより資質の向上に努めるとともに、県内のトップを切って要介護認定審査を開始するなど、他の自治体に先行して準備を進めました。さらに、要介護認定において自立と判定された方々に対しては、戸別訪問による介護予防・生活支援サービスの提供やボランティアの活用を図るなど、スムーズに制度の導入が行われるように万全を期して対応いたしました。介護報酬額の国からの提示が大幅におくれ、制度開始直前まで制度の見直しが行われるなど、大きく揺れ動いた介護保険制度でありますが、当市においては、早い時期から円滑な制度導入に向けた体制づくりに努めたことや市民へのきめ細かな周知活動などが功を奏し、大きな混乱もなくスタートすることができました。市民ニーズやサービスの利用状況などについて、今後も研究を重ねながら充実した制度となるよう努めてまいります。 ところで、一人の女性が生涯に出産する平均子供数をあらわす合計特殊出生率は、平成11年には全国平均が1.34にまで低下する中で、当市の場合は県平均の1.48をも上回る1.72(平成10年は1.78)となっておりますが、国家の存亡にもかかわる少子化問題への適切な対応が喫緊の課題となっています。私は、安心して子供を産み育てることができる環境を整えるため、これまでも「ファミリーサポートセンター事業」や「乳幼児健康支援一時預かり事業」など数多くの先進的な施策を講じてまいりましたが、平成11年度も引き続き新規施策を織り込みながらさまざまな子育て支援事業を展開いたしました。 平成10年9月から開始した「ファミリーサポートセンター事業」では、11年度末の登録会員が前年度より173人ふえて382人(本年7月末現在では453人)となり、前年度の約10倍に当たる年間延べ3,635件の利用があったほか、高田・直江津両地区で行っている「乳幼児健康支援一時預かり事業」も前年度の3倍近い延べ430人の利用があるなど、ニーズにこたえた施策として着実な広がりを見せております。 乳幼児を交通事故の被害から守るため本年4月から装着を義務づけられたチャイルドシートの普及促進の取り組みでは、法制化の1年前から全国の自治体に先駆けてその購入費の一部助成を実施いたしましたが、潜在的なニーズがあったことから申請件数が当初見込みの200件を大幅に上回る1,490件にも上り、普及促進に大きく貢献したものと考えております。 また、次代を担う子供たちを健全に育てるため、健康相談や子育て相談の充実を図るとともに、3歳から6歳までの就学前幼児の入院医療費について、既に全額助成を実施してきた0・1・2歳児の入院医療費と同様、これまでの2分の1助成から全額助成に拡充したほか、保育料についても国の基準に比べて平均25%近くの軽減措置を引き続き行うなど、子育て家庭の負担軽減に意を用いたところであります。 さらに、小学校低学年児童を対象とした放課後児童クラブでは、開設場所を1カ所ふやして7カ所で実施いたしましたが、施策の浸透に伴って延べ利用者数は前年度に比べて1万2,100人余り、約45%増加し、3万9,600人余りとなるなど、保護者のニーズにこたえ、児童の健全育成に努めました。 先ほども申し上げましたが、例えば合計特殊出生率では、全国平均が平成元年の1.57から平成11年には1.34と0.23低下、新潟県平均が1.74から1.48と0.26低下するなど、ここ10年の間にそれぞれ15%程度低下している中で、当市においては1.86から1.72と0.14、7.5%程度の低下にとどまっております。一方、年間出生数を見ますと、全国では平成元年に124万人余りであったものが平成11年には117万人余りに、また、新潟県全体では2万5,200人余りであったものが2万1,800人余りと、それぞれ減少している中で、当市においては平成元年の1,355人に対して平成11年は1,455人とプラスになっているとともに、特に近年では、一時期に比べ出生数が増加傾向にあります。こうしたことから見ても、これまで私が力を入れて取り組んできた少子化対策、子育て支援のさまざまな施策が大きく寄与しているものと考えております。 なお、少子化問題に今後とも適切に対応していくため、学識経験者など専門家による「少子化対策検討委員会」を設置し、中・長期的な視点に立ってさまざまな角度から具体的な対応策を検討していただき、本年4月には中間提言をいただいたところであります。 障害者福祉の面では、障害を持つ方々が自立した生活を営み、主体性を保ちながら社会参加できるように、在宅サービスの充実や施設整備など、さまざまな支援策を引き続き実施いたしました。 在宅の障害者やその家族に対して、福祉サービスの利用援助やピアカウンセリング(障害者同士の支援)などを行う障害者生活支援事業を初め、住宅リフォームや介護者用自動車の改造費用等に対する各種助成事業、さらには在宅介護手当の支給など、障害を持った方々が安心して家庭生活を送ることができるよう力いっぱい支援を行いました。また、障害者の積極的な社会参加をサポートするため、タクシー利用に対する助成を行うとともに、福祉タクシーを運行する事業者に対して車両購入費用の補助を行ったほか、新たに障害者スポーツ教室も開催するなど、多様なニーズにこたえて事業を推進いたしました。 また、昨年4月に知的障害者通所授産施設「南さくら工房」が、そして7月には糸魚川市に知的障害者入所更生施設「メモリアルホームみずほ」が相次いで開設されましたが、これら施設の建設に対して支援を行うとともに、各施設における生活訓練や職業訓練などの充実にも意を用いたところであります。 なお、当市では、ノーマライゼーションの理念のもと、バリアフリー社会の構築に向けて昨年7月「上越市人にやさしいまちづくり条例」を施行いたしましたが、これを受けて、すべての市民がともに支え合い、助け合いながら、障壁のないまちづくりを総合的に進めるための「人にやさしいまちづくり推進計画(仮称)」の策定にも取り組みました。 次に、市民の健康づくりについてであります。「寝たきりゼロで、はつらつ人生80歳」を目標に平成7年度から取り組んでまいりました「健康回復5か年計画推進事業」は、この間、医学調査や生活実態調査等を実施するとともに、マンパワーの育成を図るなどさまざまな事業を展開してまいりました。事業の最終年度に当たる平成11年度では、これまで実施してきた事業を評価するための調査・健診等を行ったほか、NHKとの共催による「健康まるごとフェスタ'99」の開催や、日本歩け歩け協会等が主催する「平成の伊能忠敬ニッポンを歩こう」への市民参加を初め、事業の集大成として5年間の事業成果を市民の皆さんとともに検証する「健康づくり市民学会」を開催いたしました。この事業の実施により、地域・学校・職域が連携した健康づくり活動の輪が大きな広がりを見せ、市民の健康意識の高揚と生活習慣の改善が格段に図られてきているものと考えております。 また、生活習慣病の予防や病気の早期発見・早期治療を図り、市民の健康づくりを推進するため引き続き各種検診を実施いたしました。これまでも、基本健診と各種がん検診を同一会場で実施するなど、より多くの皆さんから検診を受けていただけるよう努めてまいりましたが、平成11年度からは乳がん検診にマンモグラフィー検診(エックス線による診断)を新たに導入するなど、さらに内容の充実を図ったことにより、ほとんどの検診において受診者数が前年を上回る結果となりました。 「上越地域医療センター病院」は、地域医療体制の継続と充実に欠かせない基幹施設として、国から旧国立高田病院の資産を譲り受け、本年3月1日にリニューアルオープンいたしました。開院に際しては、従来の内科と外科のほか、新たに整形外科を加えて診療科目の充実を図ったほか、慢性期疾患に対応する療養型病床群を設置するとともに、結核病床についても、その重要性と患者及び家族の利便性、さらには県からの強い継続要請も考慮し、病棟を新築してその機能を維持していくことといたしました。また、その運営については上越地域の医療全般にわたって貢献されている社団法人上越医師会にお願いいたしましたが、全面的な御協力をいただく中、おおむね順調にスタートしたところであります。 続いて、防災対策についてでありますが、阪神・淡路大震災を契機として結成・育成に努めてまいりました自主防災組織は、新たに30の組織が結成され、平成11年度末現在で191に達したところであります。また、災害等の非常時における職員の対応力を高めるとともに、積極的にボランティア活動に参加する意識の高揚を図るため、市役所消防隊も組織いたしました。 施設整備の面では、消防器具置き場を3棟改築したほか、防火水槽や消火栓など消防水利の充実を図るとともに、小型動力ポンプや積載車の配備を計画的に推進いたしました。また、総合防災訓練を行い、消防団を初めとした関係機関との緊密な連携や迅速な初動体制の確立と、住民の防災意識の高揚を図りました。 次に、のびやかな感性を持った人づくり  教育文化の向上と人づくりについてであります。 学校教育の面では、次代を担う子供たちの豊かな感性や生きる力をはぐくむため、引き続きすべての小・中学校で「のびやかスクールプロジェクト事業」に取り組んだほか、小学生を対象とした「上越子どもの船事業」や「環境教育推進事業」を実施いたしました。また、中学校では、学習指導の充実と生徒一人一人の個性の伸張を図るため、県内では初めて15人の教育補助員を配置し、チーム・ティーチングや教室外登校生徒への対応にきめ細かな取り組みを行いました。この先進的な施策は保護者や教師から大変に喜ばれており、平成12年度では小学校にも配置し、事業の充実を図ることとしております。 高度情報化社会に対応し、児童・生徒がコンピューターになれ親しみ、基本的情報処理能力を身につけることを目的に、教育用コンピューターの配備にも鋭意取り組んでおりますが、国の緊急地域雇用特別交付金制度を活用してコンピューター利用学習の補助等を行う情報教育推進員を配置し、コンピューター活用の一層の推進に努めました。 また、今後ますます進展する国際化に対応できる子供たちを育成するため、中学校では外国人指導助手を1人増員して6人体制にするとともに、小学校の英語会話クラブヘの外国人指導助手の派遣回数をふやすなど、児童・生徒の英会話力の向上に努めました。 さらに、各種大会に参加するための遠征費助成制度では、小学校、中学校ともに補助率を引き上げ、児童・生徒の対外的な活動の機会を確保するとともに保護者負担の軽減を図ったところであります。 学校給食では、子供たちにおいしい御飯を提供するため、これまでの一食炊きから麦缶炊き方式に切りかえることとし、平成11年度には小・中学校合わせて8校の切りかえを行いました。 教育センターは、指導・相談業務や各種研修等の充実を図るため、これまでの春秋会館から旧上越南職業安定所へ事務所を移転し、学校訪問カウンセラーによる相談活動、適応指導教室を積極的に推進いたしました。 また、市立幼稚園では、国の少子化対策臨時特例交付金制度を活用して新たに「預かり保育事業」を実施し、子育て支援の充実を図りました。 施設整備の面では、障害を持つ児童の利便性向上を図るため平成10年度から建設を進めてまいりました高田西小学校のエレベーターと、直江津中学校のプールを完成させました。また、城西中学校など4校の生徒相談室を、間伐材を利用し、木のぬくもりがあり気持ちの安らぐ空間となる「心の教室」として整備いたしましたが、気軽に来室して相談する生徒が増加するなど、早期の心のケアに効果を上げております。このほか、各小・中学校の整備を引き続き推進するとともに、周辺地域の著しい人口増加に伴い教室が不足している春日小学校の校舎を増築するための設計も行いました。 社会教育の面では、地域の自然環境や国際文化への関心を高め、体験しながら理解を深めることを目的として、小・中学生を対象に平成9年度から実施している「青少年チャレンジクラブ」を引き続き実施したほか、子供たちの健全な心を育てるために、新たに地域の大人が子供たちのメンタルサポートを行う「子ども育成サポートセンターモデル事業」を、5カ所のこどもの家を利用して実施いたしました。昨年10月の事業開始から、116名のサポーターの協力を得て、延べ1,604人の子供たちから参加していただくなど大きな成果を上げており、本年7月現在では、7カ所のこどもの家を利用して128名のサポーターの方々から献身的に活躍していただいております。 公民館では、広く市民各層から学習講座に参加していただけるように、保育ルームを設けるなど環境を整えました。また、さまざまな学習ニーズに対応して「英会話講座」や「上越の歴史探訪」など新たに6講座を加え、陶芸、パソコンを初め、子育てセミナーや健康講座等を引き続き実施いたしました。 図書館では、蔵書の充実に加えて、6月から9月までの間は開館時間を1時間延長して午後8時までとするとともに、年間を通じて土曜・日曜日は30分延長して午後6時までとするなど、サービスの向上に努めた結果、年間利用者は前年度に比べて1.7%増の11万9,000人に、また、貸し出し冊数も2.2%増の51万9,000冊余りになりました。子供たちの活字離れの防止と読書意欲の向上のため、「グリム童話の世界展」や読み聞かせなどを催したり、記念講演会や各種講座も開設いたしましたが、これらの事業活動を通じて図書館への関心が高まり、利用者や貸し出し冊数の増加に結びついたものと考えております。 総合博物館では、素朴画家として有名な「原田泰治の世界展」を開催し、グラフィックデザイン的手法を取り入れた独特の作品を通して、1万2,000人もの来館者から失われつつある日本の風景や自然を回想していただきました。また、江戸時代から明治・大正にかけて活躍した倉石米山、東洋越陳人、森蘭斎など26人による「久比岐野画人展」を開催し、多くの方々から先人のすぐれた作品を鑑賞していただきました。さらに、市民アートギャラリー雁木通り美術館では、初めての試みとして年末年始に「上村松篁が描く万葉の世界…井上靖著『額田女王』挿絵原画展」を開催し、松篁画伯のファンを初め多くの方々から飛鳥・奈良時代のおおらかで美しい「万葉の世界」を堪能していただきました。美術品の購入では、小林古径、富岡惣一郎、倉石隆の作品などを購入したほか、篤志家から多額な寄附をいただきましたので、小林古径の習作・素描等の作品群200点を購入いたしました。また、施設整備では、年々増加する貴重な資料や展示備品類等を適切に収納管理し、市民の皆さんからゆっくり鑑賞していただけるように展示室等の増築に取り組みました。 文化財保護関係では、春日山城跡史跡指定地の拡大と保存を積極的に進めておりますが、平成11年度では、新たな追加指定地の公有地化に着手するとともに、「春日山城跡整備5か年計画」の第1年次として本丸周辺の整備に着手いたしました。こうした中、歴史的財産の保存・整備に市民ぐるみで取り組むため、本丸へ土を運ぶ「土の一袋運動」を呼びかけた結果、多くの市民の皆さんから参加していただくことができました。また、発掘調査に伴い増加している貴重な出土品を収蔵し、調査研究の成果を公開する埋蔵文化財センターの建設に向けて、基本設計を行いました。 美しく個性的なまちづくりを進めていくためには、心の豊かさにつながる芸術・文化の振興が大変重要であります。このため、平成11年度も多様な文化施策を積極的に推進いたしました。 文化会館では、世界最高のピアニスト、リチャード・クレイダーマンの演奏会やノーベル文学賞受賞作家・大江健三郎氏と作曲家・大江光氏による講演会とコンサートを開催するなど、すぐれた芸術・文化を紹介するとともに、市民参加型の事業として「上越演劇教室」を新たに開催し、意欲あふれる市民の文化活動を支援いたしました。 坂口謹一郎博士顕彰事業では、記念講演会を開催したほか、2カ年計画で顕彰映像記録の制作に着手いたしました。 また、伝統ある「小川未明文学賞」は、未明生誕の地である当市が主催者として引き継いでいくことといたしましたが、平成11年度は当市において初の贈賞式を行うとともに、明治の面影を残す旧師団長官舎で「児童文学の先駆者・小川未明展」を開催いたしました。 近代数寄屋づくりの傑作と言われる小林古径邸の復原事業は、平成11年度で本邸の外観がほぼ完成いたしましたが、平成13年春のグランドオープンを目指し、アトリエの復元や管理棟の建設、庭園の整備などを順次進めております。 平成6年度から行っている市史編さん事業では、「藩政資料二」及び「兵事資料」の2巻を発刊するとともに、調査・研究の成果を広く紹介するため「市史講座」を開講いたしました。 女性政策の面では、「女性大学講座」や「男性講座」を開催するなど、性別にとらわれることのない対等なパートナーシップに基づく男女共同参画社会の創出に向けた啓発に努めました。また、当市と姉妹都市の関係者が一堂に会して「姉妹都市女性サミット」を開催し、女性をめぐる諸問題や今後取り組むべき課題などについて話し合い、新たなネットワークを構築いたしました。 生涯学習推進事業では、平成10年度に策定した「上越市生涯学習推進基本構想」をもとに、新たな推進プラン策定に向け、生涯学習に関する市民アンケートの実施や先進都市の調査・研究などを行いました。 次に、環境重視のまちづくり  環境対策の推進についてであります。 本年5月、国では、ライフスタイルや経済活動を見直し、経済活動での天然資源の消費が抑制された環境への負荷が少ない循環型社会を実現することを目指して「循環型社会形成推進基本法」を制定いたしました。 一方、地方自治体でも、地球環境の保全・改善に向けてさまざまな対策が講じられるようになってまいりましたが、当市が平成10年2月に全国の都市に先駆けてISO14001の認証を取得したことから、全国から1,900件を超える視察、照会が寄せられるとともに、平成11年度末には90(本年7月末現在では102)の自治体・機関が認証を取得するという広がりを見せており、当市の先導的な取り組みが環境政策の面でも大きな役割を果たしております。 こうした中、私は、平成11年度も引き続き「人・環境・まちづくり」の基本理念のもと、環境改善に向けた先進的で実効性のある施策を市民及び事業者の皆さんとともに積極的に推進いたしました。 まず、環境ボランティア活動の奨励を目的に新たに実施した「地球環境パスポート事業」では、町内会や環境団体など225団体の参加を得て全市的な取り組みを行うことができました。そして、この「地球環境パスポート事業」を初め、寺町まちづくり協議会による地域の環境改善に向けた自主的なまちづくり活動や、さらには快適な都市・生活空間の創出を実践するアーバンビレッジ事業など、市民参画によるアメニティヘの取り組みが高く評価され、環境庁長官から「アメニティあふれるまちづくり優良地方公共団体」として表彰を受けたところであります。 また、昨年6月、市民や環境NGO・NPOの皆さんの相談や交流の場として活用していただくとともに環境情報の受発信基地としての機能を担う「環境情報センター」を開設したほか、7月には、市内の小学生・中学生を初め全国の皆さんから自然体験を通じた総合的な環境学習をしていただくことを目的に、全国で初めての総合環境学習施設である「地球環境学校中ノ俣学習施設」を開校いたしました。平成11年度には両施設合わせて6,000人を超える多くの皆さんから御利用いただくなど、環境意識の啓発や環境教育の推進に大きな役割を果たしております。 さらに、21世紀を担う子供たちから世界の環境先進都市の姿を直接学んでいただくため、新たに「地球の翼事業」を開始したほか、環境問題に関するエキスパートを養成する「地球環境大使養成塾」も開設いたしました。また、「じょうえつこども環境議会」では、市内の全小学校の代表が集い、6項目にわたるみずからの行動目標を掲げた「じょうえつこども環境宣言」を採択するなど、環境意識の醸成を図ることができました。 省資源・省エネルギーの実現に向けた新エネルギー導入促進事業では、市民意識の高揚を図り、自発的な取り組みの拡大を促すため引き続き助成制度を実施し、住宅用太陽光発電システムの導入に対して2件、環境負荷の少ない自動車の購入に対して24件の助成を行いました。また、廃食用油をディーゼル車の燃料として再利用する試みに取り組んだほか、風力発電施設のシステム設計にも取り組むなど、率先して新エネルギーの普及を推進いたしました。 私たちの日常生活と密接なかかわりを持つごみの減量化・資源リサイクルヘの取り組みでは、環境改善行動の計画策定と実践をねらいとして平成10年度に大手町・春日・直江津の3小学校区で実施した「環境のまち整備モデル事業」を、11年度には「環境のまちづくり事業」として全市を対象に取り組みを拡充し、ごみの減量化や分別収集の推進など、市民の日常生活に根差した自主的・組織的な環境改善活動を積極的に支援いたしました。 また、新たに地元NPO等の参画を得て、自然環境の保全やごみの減量化及び分別方法など、身近な問題をテーマにした出前講座を開催したほか、シティクリーンキーパーにより散乱ごみや不法投棄物の回収も行うなど、市民ぐるみの環境美化活動を推進いたしました。 さらに、使用済み家電製品  冷蔵庫、洗濯機、テレビ、ルームエアコンの回収につきましても、ごみの減量化と資源の有効活用の観点から効率的な手法の検討を行い、平成13年度から施行される「特定家庭用機器再商品化法(いわゆる家電リサイクル法)」に対応したシステムづくりに備えるとともに、電動生ごみ処理機の購入費補助や資源物常時回収ステーションの設置など、きめ細かな環境施策を推進いたしました。 こうした取り組みの結果、資源物のリサイクルでは、前年度に比べて24.6%増の4,000トン余りを収集し、一方、「燃やせるごみ」や「燃やせないごみ」につきましては平成9年度の収集量約3万7,600トンをピークに、平成10年度には約3万6,100トンに、そして平成11年度では約3万5,500トンに減少するなど、市民の皆さんの御理解と御協力のもとで着実に成果を上げております。本年3月に制定した「上越市民ごみ憲章」を基本理念に、今後とも常に先導的な役割を担う地球環境先進都市として、資源循環型社会の構築に向け全力を挙げて取り組んでまいります。 次に、みどりのまちの推進事業では、美しい緑の空間を創出するため、市民の皆さんとともに公共施設、沿道、民有空閑地など91カ所、約5万1,000平米に花の植栽を行ったほか、ケナフの植栽や市街地商店街の緑化にも取り組みました。 また、子供たちが地球環境の大切さや緑のとうとさを学ぶ組織である「緑の少年団」への支援を行うとともに、「みどりの日フェスティバル」を開催するなど、意識の啓発と自主的な参加・取り組みの拡大に努めました。なお、今後とも継続的に市民ぐるみの緑化活動等を推進していくため、新たに「みどりの基金」を創設したところであります。 自然環境の保全と共生をコンセプトに、森林体験を通じた新しいライフスタイルの実践の場として準備を進めてまいりました「市民の森」整備事業では、全体面積272ヘクタールのうち42ヘクタールについて第1期工事として着手いたしました。整備区域内に生存している動植物の生態に最大限の配慮をしながら、分区林や自然観察ゾーン、ブナ林の遊歩道など平成13年度の完成を目途に、慎重に整備を進めていくことにしております。 また、公園等の樹木の剪定などにより生ずる枝葉をチップ化する機械を新たに配備し、マルチング材として活用するなど、ごみの排出抑制と地力循環型の環境にも配慮した新たな管理手法も導入いたしました。 次に、グリーンアメニティ30万人都市機能づくり  拠点都市基盤の整備についてであります。 昨年10月、上信越自動車道が全線開通し、当市は、首都圏・中部圏・関西圏の3大都市圏と最短ルートで結ばれました。また、直江津港では、火力発電所立地によるエネルギー港湾としての整備が本格的に始動するとともに待望のガントリークレーンも稼働するなど、当市は、国内外との限りない交流を創出できる拠点都市として、大きな期待が寄せられております。 一方、北陸新幹線は、四半世紀にわたる粘り強い運動が実を結び、長野-上越間の建設工事が着実な進展を見せておりますが、さらに上越以西の建設促進を目指す住民集会を開催するなど、関係団体等と連携を図りながら新幹線に寄せる沿線住民の強い熱意をアピールし、より一層の建設促進に向けた運動を展開いたしました。こうした運動の結果、平成11年度においては国の公共事業等予備費や第2次補正予算での重点配分を受け、長野-上越間では飯山トンネルを初め、すべてのトンネルの工事着手が実現いたしました。 昨年12月には与党の整備新幹線建設促進協議会において「長野-南越間を十数年でフル規格で整備する」方針などが取りまとめられ、さらに、本年4月には政府・与党整備新幹線検討委員会が発足し、財源の確保などについて所要の検討が進められております。しかしながら、依然として全線の整備方針は不明確であり、未着工区間の取り扱いや建設財源の確保など多くの課題が残されているため、これまで以上に関係団体、沿線住民と連携を密にし、早期開通を目指して力いっぱい運動を進めてまいります。 こうした状況を踏まえて、新幹線新駅の周辺整備を計画的に進めるため、専門家による検討委員会において平成10年度及び11年度の2カ年をかけて、将来の土地利用を見据えた専門的・技術的視点から検討を行っていただきました。そして本年3月に、これまでの検討結果として、信越本線を現状のままとし周辺整備を行うことの可能性を残しながらも、信越本線を新幹線の西側に移設する計画案が望ましいとする報告をいただいたところであります。 また、新都市市街地機能強化事業では、信越本線の連続立体交差化を視野に入れ、「鉄道と道路による骨格的な交通基盤の整備を軸としたまちづくり」を基本方針とした市街地整備のあり方について検討するとともに、本事業の国庫補助事業採択等を目指し、工法や事業化に向けた調査検討を行いました。 まちづくり政策推進事業では、市民のまちづくりに対する関心を高め、理解と知識を深めるため、「人にやさしい福祉市民のまちづくり」をテーマに「上越市まちづくり市民大学」を開講するとともに、まちづくりに関する事業や活動を促進し活性化を図るため、「まちづくりコーディネート事業」も実施いたしました。また、「みどりの生活快適都市・上越」を紹介するPRビデオを、都市圏に在住の上越市出身者や市内の各旅館などへ広く配布し、ネットワークづくりと情報発信に努めました。 安全で快適なまちづくりを推進し活力ある地域社会を形成していくためには、道路や下水道などの基盤整備は欠くことができません。平成11年度も、みどりの生活快適都市の実現に向け力いっぱい都市基盤の整備に取り組みました。 公共下水道の整備は、平成8年度からスタートした第8次下水道整備計画の4年目となりましたが、国の経済新生対策を受けて17億円の事業費を追加補正するなど、積極的に事業の推進を図り、138.1ヘクタールの管渠整備を行うとともに、新たに141.0ヘクタールの区域で処理を開始いたしました。この結果、平成11年度末における普及率は、前年度末より3.3ポイント向上して28.8%となりました。また、普及率の向上に伴い流入汚水量が増加しておりますので、計画的に処理場の整備を進め、平成11年度には汚泥脱水機棟の建設に着手いたしました。なお、農業集落排水を含めた普及率では、前年度より6.9ポイント向上して35.2%となりました。 道路整備事業では、身近な生活関連道路を初め、上信越自動車道にアクセスする中田原下箱井線など地域幹線道路の整備を引き続き推進いたしました。そして、これまで道路整備に力いっぱい取り組んできた結果、平成11年度末における市道の総延長は前年度末より10.3キロメートル延びて835.2キロメートルに、また、このうち改良済みは8.9キロメートル延びて614.6キロメートルに、舗装延長は11.4キロメートル延びて731.8キロメートルになり、改良率は0.2ポイント向上し73.6%に、舗装率では0.3ポイント向上し87.6%となりました。また、消雪施設集中管理システム等により効率的できめの細かい除雪に努め、冬期道路交通の確保を図るとともに、新たに、地球環境にやさしい無散水融雪施設の実験にも取り組みました。 美しく潤いのあるまちづくりを進めていくためには、良質な景観の形成が重要なポイントであります。このため、平成11年度においても景観フォーラムの開催や景観情報誌を発行するなど、引き続き市民の景観形成活動を支援したほか、これまでの検討を踏まえて、当市の景観形成の指針となる「上越市景観条例」を制定いたしました。 土地区画整理事業では、平成12年度中の完成を目指して高田駅前広場の整備を進めるとともに、雁木風アーケードの建設も推進いたしました。また、直江津駅南地区では、駅の南北を結ぶ自由通路整備事業に全力を挙げて取り組み、本年4月に直江津橋上駅舎とともに供用開始をすることができました。なお、土地区画整理組合による木田新田地区の区画整理では、住宅建設も順調に進み、公園等の整備を残すのみとなりました。 街路事業では、本町通り北谷内線の信越本線立体交差と下小町橋のかけかえ工事を推進したほか、直江津駅前通り線など各路線の整備を進めました。 公園整備では、高田公園を初め各公園の修景工事や植栽を行うなど緑化を進めたほか、当市の今後の緑化施策の指針となる「緑の基本計画」を策定いたしました。また、愛着の持てる地域の公園づくりとして、新たに「マイミニパーク事業」を開始し、地元住民が主体となって手づくりで公園を整備・管理する取り組みに対して支援いたしました。 治水対策では、未曾有の被害をもたらした平成7年の7.11水害の復旧事業が、国・県により集中的に進められたことによりほぼ完了し、治水安全度が格段に向上しております。今後とも、抜本的な治水対策としての保倉川放水路の円滑な推進に意を用いながら、災害に強いまちづくりに力いっぱい取り組むとともに、河川空間を活用したまちづくりも推進してまいりたいと考えております。 沖防波堤の築造とLNG火力発電所用地の造成が始まった直江津港では、エネルギー港湾としての本格的な整備が進められる一方、ガントリークレーンが設置されたことにより荷役効率が一段と高まるなど、日本海側の物流拠点港として大きな成長を続けておりますが、引き続き早期整備の促進と、国際コンテナ航路など広域交流拠点港としての条件整備に取り組んでまいります。 住宅整備では、U・J・Iターンをされる方々や中堅所得者層への住宅供給が不足している現状を改善するため、黒井地内など3カ所に特定公共賃貸住宅20戸を建設したほか、南新町住宅では高齢者等に配慮しエレベーターを設置するなど快適な住居環境の整備を進めました。 次は、たくましい地域産業づくり  農業・商工業の振興と勤労環境の改善についてであります。 後継者の不足や担い手の高齢化、中山間地における耕作放棄地の増加、そして食料自給率の低下など多くの課題に加え、米が輸入制限から関税化へ移行するなど、農業を取り巻く情勢は極めて厳しいものとなっております。こうした中、国では昨年7月、21世紀を展望した農政の再構築を目指して「食料・農業・農村基本法」を制定いたしました。 このような状況を踏まえ、私は、市民や学識経験者などで構成する検討委員会を設置し、当市の農業が抱える課題について検討を重ねていただくとともに、市民フォーラムを開催するなど広く市民の意見を反映させ、全国の自治体に先駆けて「上越市食料・農業・農村基本条例(いわゆる農都市条例)」を制定いたしました。これは、環境にやさしい循環型農業を確立し、地域内自給を基本とした安全な食料を安定的に供給することにより、都市機能と農村の持つ自然環境が調和する「みどりの生活快適都市」にふさわしいまち  すなわち「農都市」の形成を目指す当市の基本的な方向を指し示したものであります。 このように農業政策にとって大きな転機を迎えた平成11年度でありましたが、自給自足できるまちづくりを目指し、良質米の安定生産や米の消費拡大、園芸作物等への転換促進など、さまざまな施策を力いっぱい推進いたしました。 まず、意欲のある農業者や大規模農家の省力化、低コスト化を図る上で革新的な技術である水稲直播栽培に対し積極的に支援するとともに、「上越米」が産地間競争に打ち勝っていくために良質米生産供給基地の確立に向けて支援を行いました。また、自給率が極めて低い大豆の栽培を促進し、生産性や品質の向上を図るため、作付面積を拡大する上でネックとなっている収穫後の乾燥調整施設の整備を支援するなど、作付から出荷までの一貫した作業体系の整備・確立を支援いたしました。さらに、年々減少傾向にある米の消費量の拡大を図るため、小学校6年生を対象に上越米を使った調理実習や試食会を行ったほか、小・中学校の米飯給食を週3.0回から3.5回にふやすなどさまざまな取り組みを行ったところであります。 園芸につきましては、生産の拡大を一層促進するとともに、収益性の高い産地の育成を図るため管理機械やパイプハウスの導入を支援いたしました。また、農業生産活動に伴い排出される使用済みプラスチック類の回収処理システム整備に助成するとともに、有機栽培を中心とした循環型農業の確立を目指して「堆肥センターリサイクルシステム」の構築調査を行うなど、環境に優しい農業の推進を図りました。 「食と健康の村づくり」をテーマに桑取地区と金谷地区で整備を進めてきましたリフレッシュビレッジ事業では、「くわどり湯ったり村」「正善寺工房」「ヨーデル金谷」の3施設がオープンいたしました。それぞれ施設の特色を生かしながら多くの皆さんから御利用いただいておりますが、特に、中心的な施設である「くわどり湯ったり村」は、開館8カ月となる12月には早くも10万人ものお客様を数えるなど年間12万1,000人余りの方々から御利用いただき、大変なにぎわいを見せております。このため、日帰りで利用される皆さんからもゆっくりくつろいでいただけるように休憩室の増築を行ったほか、周辺の美しいブナ林の自然を生かしながら間伐材を利用した散策道や景観水路等の整備を行うなど、より快適に利用していただけるよう引き続き環境づくりに努めました。 農業基盤整備事業では、生産性の高い農業の確立に向けて市内各所で進めている圃場整備や農道整備などの土地改良事業に対して負担金・補助金を支出し、事業の促進と施設の維持管理等に努めました。また、農村総合整備事業では、三郷地区及び桑取・谷浜地区において集落道や用排水路、防火水槽などの生活環境整備を引き続き推進したほか、平成11年度に新たに事業着手した上越市東部地区では、農村地域の景観に配慮した並木道整備などを行いました。 横曽根・小猿屋・荒屋地内で進めているアーバンビレッジ事業では、親水水路、桜並木などの環境整備や道路改良工事などに取り組む一方、全国の自治体に先駆けて「優良田園住宅の建設の促進に関する法律」に基づく基本方針を定めるとともに、質の高い住宅建設と調和のとれた町並み形成を実現するための設計競技も実施いたしました。そして、本年2月からユーザーの募集を開始いたしましたが、ほぼ全区画でユーザーが決まり、去る7月には第1回目のユーザー会議を開催し、コーポラティブ方式によるまちづくりもスタートしたところであります。 特別会計で取り組んでいる農業集落排水事業は、保倉西部及び高士東部の2地区で処理施設が完成し供用を開始する一方、新たに金谷和田西部地区で事業に着手し、引き続き事業の推進を図りました。なお、平成12年度には、和田東部地区及び津有北部諏訪地区が事業採択されたことにより、今世紀中の全地区での事業着手を実現することができました。 林業関係では、西部中山間地域の主要施設である南葉高原キャンプ場と中ノ俣牧場を結ぶ広域基幹林道南葉高原線を初め5路線の開設、改築、改良工事を進めたほか、南葉高原キャンプ場では、南葉山荘のトイレ水洗化工事などを行い利便性の向上に努めました。 水産業関係では、火力発電所から発生する温排水を利用した養殖漁業導入の可能性について引き続き調査を行ったほか、有間川漁港では、平成6年度から第9次漁港整備長期計画に基づき外郭施設や係留施設などの整備を積極的に進めてまいりましたが、平成11年度をもって完了させることができました。 続いて商工業関係ですが、中小企業の景気動向は、中小企業白書によれば「平成11年度も中小企業を取り巻く環境は依然厳しく、景況の回復の足取りは大企業と比較して重かった」とされております。当市が本年4月に独自で行った景気動向調査においても、設備投資を行った企業の割合は前年度に比べ9.4%増加しましたが、売上高では前年度に比べ減少幅は縮小しているものの依然としてマイナス状態が続いており、また、上越公共職業安定所管内の有効求人倍率(パートを含む全数)も前年度を下回る状況が続きました。 こうした中、私は、経営と雇用の安定を図り一日も早い景気回復を実現するため、平成11年度も引き続きできる限りの対策を力いっぱい講じてまいりました。 金融政策の面では、景気対策特別資金の取り扱い期間をさらに平成12年12月末まで延長し、資金需要にこたえるとともに、より円滑な貸し付けを促進するため、新潟県信用保証協会が景気対策特別資金に対して行う信用保証について引き続き損失補償を行いました。また、小企業等経営改善資金の利子補給制度も継続するなど、中小企業者の資金需要に柔軟に対応し、経営の安定化を図るため全力を挙げて支援いたしました。 雇用確保対策の面では、中高年齢者の失業の増加に対処するため、昨年7月、全国でも初めての試みとなる求人開拓員(シティーワーク推進員)3人を配置し、上越公共職業安定所と連携を密にしながら市内の企業を直接訪問するなど求人開拓を推進したほか、上越人材ハイスクールでは中高年齢者の再就職を支援するための教育訓練を実施するなど、雇用の拡大・安定に向けて力を尽くしました。 このほか、勤労者住宅建築資金低利貸付金、持家住宅低利建築資金貸付金及び克雪住宅低利建築資金貸付金に係る利子補給制度を継続し、景気回復にも効果が期待される住宅建設の促進にも意を用いたところであります。 北陸自動車道に結節する上信越自動車道の全線開通、そしてガントリークレーンも整備されるなど年々機能が拡充されている直江津港  こうした、国内外との交流・物流拠点としての当市の優位性を背景に、平成11年度も首都圏や長野県を中心に企業誘致やポートセールスを精力的に展開いたしました。そして、企業進出の受け皿となる企業団地の整備も計画的に推進し、平成12年度からの分譲開始を目指して下五貫野第二企業団地の造成工事を進めるとともに、緊急流通業務団地の造成に向けた取り組みを進めました。さらに、長野県や新潟県内の港湾関連企業を対象に港湾の利用状況等について調査も行い、直江津港の利用促進に向けた今後の施策の方向性を探りました。なお、このような当市の積極的で計画的な取り組みが功を奏し、平成11年の通商産業省工場立地動向調査によれば、全国の企業立地件数が過去最低を記録する中で、当市では前年の3件を上回る4件の立地に結びつけることができました。 一方、地域産業の振興を図る総合拠点として、学識経験者や商工会議所などから成る検討委員会での討議を踏まえ、「(仮称)上越市産業振興センター」の設置構想を策定したほか、消費者ニーズの多様化やモータリゼーションの進行等により空洞化する中心市街地の活性化を図るため、商工会議所や地元商店街代表、消費者代表、学識経験者などが中心となって取り組みをされたTMO(タウンマネージメント機関)構想の策定を支援いたしました。なお、このTMO構想は新潟県内ではトップを切って策定されたものであります。 また、企業の研究・開発に対する支援や起業家養成塾の開催など、起業しやすい環境づくりを積極的に進めてまいりましたが、こうした支援策が高い評価を受け、昨年、民間調査機関が行った「起業しやすい都市ランキング」において当市は全国693市区中第3位にランクされたところであります。 このほか、民間事業所のISO14001認証取得に向けた啓発・支援を行うとともに、コンピューター西暦2000年問題に対しても危機管理の観点からさまざまな支援を行いました。 次に、歴史文化都市の名にふさわしい観光拠点づくりと余暇・スポーツの振興  歴史・観光・余暇・スポーツ施設の充実についてであります。 上信越自動車道の全線開通は、当市の観光施策の展開にも大きな弾みとなりました。こうした中、平成11年度も、当市の観光戦略の基本プログラムである「上越市観光振興5か年計画」に基づき観光施設の整備充実を図るとともに、各種イベントや誘客活動に積極的に取り組みました。 観光施設の整備では、親鸞聖人ゆかりの地整備の一環として「親鸞聖人上陸の地」「鏡ケ池」に引き続き、聖人の住居「竹ケ前草庵」があった「蓮池」周辺の整備計画に着手いたしました。また、ファミリーレクリエーションゾーンとして整備を進めている金谷山公園ではBMXコース周辺の植栽工事等を行ったほか、当市を訪れる観光客にきめ細かな観光情報サービスを提供するため、高田駅前広場の観光案内所建設に取り組みました。 観光イベントのメーンである「高田城100万人観桜会」では、コアイベントとして「わくわくランドin高田」を開催し、子供たちに人気のキャラクターショーなどさまざまな催し物を楽しんでいただいたほか、満開の桜の中でけんらん豪華に繰り広げられた「高田城歴代城主行列」は多くの観桜客を魅了したものと思います。また、「上越まつり」では、姉妹都市室蘭市から小学生を中心に編成された「よさこいソーラン」2チームを招き、新鮮で迫力ある踊りを披露していただきました。 また、忠輝公ゆかりの地交流事業では、五郎八姫のふるさと仙台市や松島町を訪問し交流を深めたほか、「謙信公のかちどき飯」の開発・試験販売など、当市の新たな特産品開発事業も積極的に推進いたしました。 このほか、上信越自動車道全線開通記念広域イベントとして、上越地域と佐渡・小木町、さらに北信濃3町村を加えた26市町村の参画により開催した「えちご・しなのゲートウェイフェスティバル2000」が延べ11万人もの参加者でにぎわいを見せたほか、長野市及び甲府市との連携により「謙信・信玄広域観光ルート」の開拓を推進するなど、新たな広域観光ネットワークの確立に努めました。 スポーツの振興の面では、市民の皆さんが生涯を通してスポーツに親しみ、健康の保持・増進に資することができるようJカップ野球大会を初め、テニス、バレーボール大会など各種大会やスポーツ教室を開催いたしました。こうした中で、上越の夏の風物詩となっている上越レガッタは、町内会や職場チーム、さらには上越教育大学の留学生も加わり、過去最多となる166クルーの参加を得て盛大に開催されました。 また、リージョンプラザ上越では、開館15周年を記念して、第5回JOCジュニアオリンピックカップ・ショートトラックスピードスケート選手権大会を招聘し、当市における競技の振興を図るとともに、スケート上越を全国に発信いたしました。 一方、体育施設の整備では、3カ年計画で進めてまいりましたオールシーズンプールの大改修が完了したほか、少年野球場の外周スタンド増設や今泉スポーツ広場の駐車場整備を行うなど、より使いやすい施設となるよう整備に努めました。 続いて、市民に開かれた市政、世界に開かれたまちづくり  地方主権の確立・国際化の推進についてであります。 本年4月、地方分権一括法が施行され、私たち自治体は本格的な「自己決定・自己責任・自己負担」の時代を迎えました。 私は、これまでも「地方の時代」に的確に対処するため、「オープンシステム」…開かれた市政、「マネジメントシステム」…自治体経営の理念に基づく市政、「マーケティングシステム」…行政施策の効果や市民ニーズにこたえる市政、「テクノクラート」…行政のプロ・専門家集団による市政、「アカウンタビリティ」…説明責任を明確にした市政という五つの行政スタイルのもと、数々の先進的な取り組みを実行してまいりました。特に平成11年を「行政改革実行元年」と位置づけ、7月には副市長制の導入を初め大規模な組織と職制の改革を行いました。とりわけ副市長制では、有為の人材を広く求めるため文化部門と環境部門を担当する2人の副市長について全国公募を行いましたが、38都道府県から200人もの応募があるなど、既成の概念にとらわれない地方自治の新しいあり方に対する関心の高さと期待の大きさを裏づけるものとなりました。 このように、権限と責任を明確にし、より安い経費で、より市民に近い行政を、よりスピーディーに行う「安・近・短」行政の実現を目指した当市の斬新で画期的な取り組みは、21世紀の新しい行政スタイルとして全国の注目を集め、自治体関係者を中心に数多くの視察や講演依頼、資料請求も絶えることなく、昨年12月には、革新的で先導的な行政計画を発掘・表彰する日本計画行政学会において、栄誉ある最優秀賞を受賞することができました。 また、コスト意識、経営感覚を持って行政執行に当たるように職員の意識改革を図り、より一層自治体経営を意識した行財政運営に意を用いるとともに、市民の皆さんに新たな角度から財務情報を提供するため、確立された基準のない中での試みでありましたが、他の自治体に先駆けて普通会計のバランスシートと主要施設の費用対効果を分析・試作し、公表いたしました。なお、本年3月に自治省から普通会計のバランスシートに関する作成基準が示されたところであり、このたび、この基準に沿って平成11年度決算等について分析を行うとともに、特別会計との連結も試み、参考資料としてお配りしたところであります。今後も、最小のコストで高品質な行政サービスを安定的・継続的に提供するため、引き続き研究を重ね改善を図りながら、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 また、昨年2月、市の諸制度や事務事業について、執行主体である市の組織から独立した外部の立場で検証・評価を行っていただく「行政監理委員会」を設置いたしました。平成11年度は、「開かれた市政の推進」と「行政改革の推進」について、それぞれ専門的な見地から幅広く検証をお願いし、本年3月に提言書を提出していただきましたが、いずれの施策も高い評価をいただいたところであります。 市民参加による双方向行政を具体化し、市民と行政が一体となって活動するための拠点施設となる「(仮称)市民プラザ」につきましては、平成10年度に策定した「上越市市民プラザ(仮称)基本計画」をもとに、具体的な整備手法等について慎重な検討を重ねてまいりました。そして、これまでの検討結果を踏まえ、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)に基づくPFI方式により整備することを決定し、昨年12月24日に実施方針を公表するとともに事業者の公募を行いました。その結果、7社から事業提案を受けましたが、提案内容等について、市民代表や学識経験者などから成る提案審査委員会で慎重に審査をしていただくとともに、市民プラザ整備検討委員会や庁内検討委員会でさらに検討を重ねるなど、慎重かつ適正な審査手続を経て事業者を選定いたしました。なお、さきの6月市議会で契約等についての議決をいただき、平成13年春のオープンを目指して環境整備を進めているところであります。 国際交流の面では、次代を担う中学生・高校生からオーストラリア・カウラ市でホームステイを体験してもらい、「平和」をテーマとした交流を深めたほか、環境先進都市ドイツ・フライブルグ市へ中学生の皆さんを視察に派遣し、あわせてリリエンフェルト市も訪問して交流を深めていただきました。 また、大連市旅順口区を訪問し桜による友好交流の推進を図るとともに、市制50周年を迎えた浦項市へ市民訪問団を派遣したほか、ロシア・ブラゴヴェシチェンスク市から代表団と少年少女民族舞踊団を招請し、華麗な踊りを披露していただくなど、それぞれ交流を深めました。 このほか、長期的な視野に立った国際化推進計画を策定するための調査を実施するとともに、さまざまな交流活動を展開している上越国際交流協会へ助成を行いました。 最後に、ガス事業会計では、ガス販売量が前年度比1.5%増加し、1億8,473万円の純利益を計上する堅調な決算となったものの、水道事業会計では、給水量が前年度に比べ1.7%減少し、4,193万円の純損失を計上する厳しい結果となりました。 このような状況の中、今後もより一層の企業努力を重ね、健全経営の確保と需要家サービスの向上に努めてまいります。 以上、平成11年度の財政状況と主要事業の成果などについて述べてまいりましたが、新しい自治の時代を迎えた今日、私は、自治体が真の自立を成し遂げていくためには、市民一人一人に自治意識が根づき、職員一人一人が経営感覚を身につけて事務事業の執行に当たることが極めて重要であると考えております。国・地方合わせた債務残高が平成12年度末には645兆円にも達するという我が国の財政事情は危機的な状況にありますが、創意工夫を凝らして夢多き新世紀に確かな歩みを進めることができるよう、今後ともより一層「開かれた市政」「ともに歩む市政」を推進し、安心して安全に暮らすことのできる「みどりの生活快適都市・上越」の実現を目指して、力いっぱい市政運営に当たる決意でおりますので、議員並びに市民の皆様の一層の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。 議案第93号は、平成12年度上越市一般会計補正予算であります。 歳入歳出予算総額に12億2,530万円を追加し、予算規模を560億8,172万円といたしました。 今回の補正は、平成13年春のオープンを目指し、PFI方式によりリニューアル工事を進めております「(仮称)市民プラザ」の備品購入費等を計上するとともに、緊急地域雇用特別交付金を受けて、西部中山間地の景観保全を図るために、カヤぶき家屋などを保存していく職人技術の伝承活動を行う経費や、地域IT化を推進していくために必要な情報インフラの整備などを行うための調査費を計上いたしました。 また、男性と女性が真に対等なパートナーとして参画できる社会を実現するため、「(仮称)上越市男女共同参画基本条例」の制定に向けて検討委員会を設置し、クオータ制を視野に入れ、市民及び事業者そして行政の責務などについて、あらゆる角度から専門的に検討・調査をしていただくための経費を計上いたしました。 なお、市民の住宅取得を支援するとともに、景気回復に幅広い効果が期待される住宅建設の促進を図る観点から、この間、持家住宅低利建築資金貸付金や勤労者住宅建築資金低利貸付金などの充実に努め、あわせてその利子補給補助も行っているところでありますが、景気の先行きは依然として予断を許さず、また、建築確認の申請件数も前年同期を下回る状況が続いていることから、利子補給補助の対象とする貸し付けの申し込み期限を来年9月30日までさらに1年延長することとし、必要な補正を行うものであります。 このほか、このたび、当市が取り組んでいる一連の小林古径画伯顕彰事業に賛同される篤志家から寄附の申し出をいただきましたので、これを機に、古径画伯の作品を初め当市にゆかりのある美術品等を円滑に取得するため、新たに美術品取得基金を設けることといたしました。 それでは、歳出予算から款を追って御説明いたします。 総務費は、7億2,189万円の補正であります。 まず広報広聴費は、「広報じょうえつ」を本年4月1日号からタブロイド判にし、紙面の充実に努めておりますが、より一層内容がわかりやすく、親しまれる広報紙とするため、カラー印刷の回数をふやすとともに、多くの市民の皆さんの御要望にこたえて保存に便利なファイルを各家庭に配布することとし、必要な経費を補正するものであります。 財産管理費では、地方財政法の規定に基づき、平成11年度決算剰余金の2分の1相当額6億1,000万円を財政調整基金に積み立てるものであります。 企画費では、「(仮称)市民プラザ」及びその中に開設を予定しております「(仮称)総合ボランティアセンター」の家具やOA機器の整備に要する経費等を計上いたしました。 女性政策費では、同じく「(仮称)市民プラザ」内に開設予定の「(仮称)女性センター」の備品購入費などを計上するとともに、年々増加傾向にある女性相談の件数がセンターの開設に伴いさらに増加すると見込まれることから、より一層きめ細かな対応を図るため女性相談員を1名増員することといたしました。また、男性と女性が真に対等なパートナーとして参画できる社会を実現するため、「(仮称)上越市男女共同参画基本条例」の制定に向けて調査・検討に要する経費を計上いたしました。 文化振興費では、高齢者の学習や交流の拡大と健康増進を図るため、寄贈いただいた故甲斐國子さんの住宅を「上越市老人憩の家ひなの園」として開設することとし、修繕料など所要経費を補正するものであります。 環境マネジメントシステム推進費では、これまで雁木通り美術館に併設して部分開設しておりました「環境情報センター」を「(仮称)市民プラザ」内に本格的なセンターとして開設するため、備品購入費など所要経費を補正するものであります。環境に関する情報を一層充実させ、地球環境学校や関連施設とのネットワーク化を図るなど、環境情報の受発信基地としての機能を強化・充実し、市民及び環境団体などの皆さんの活動拠点として利用しやすいセンターとなるよう整備してまいります。 国際交流費は、当市の国際交流活動の拠点として「(仮称)市民プラザ」内に開設する予定の「(仮称)国際交流センター」の備品購入費等を計上いたしました。 選挙執行費は、去る4月23日に執行いたしました市議会議員一般選挙の経費について、予算整理を行うものであります。 民生費は、1億6,722万円の補正であります。 社会福祉総務費では、市民の住宅取得を支援し、景気回復にも資する観点から、持家住宅低利建築資金貸付金について利子補給補助の対象とする申し込み期限を1年延長するとともに、需要に対して機動的に対応できるよう預託金を追加するものであります。 児童福祉施設費では、心身ともに健やかな子供の育成を図るとともに、保護者の育児不安の解消を図るため「(仮称)市民プラザ」内に設置する予定の「(仮称)こどもセンター」に係る備品購入費や臨時保育士賃金などを補正するものであります。 衛生費は、6,881万円の減額補正であります。 清掃総務費は、上越地域広域行政組合において、平成11年度決算剰余金が生じたことなどに伴い、ごみ処理経費等の市町村負担金が減額されることになりましたので、これにあわせて補正するものであります。 労働費は、8,108万円の補正でありますが、持家住宅低利建築資金貸付金と同様に、勤労者住宅建築資金低利貸付金について補正をするものであります。 農林水産業費は、2,203万円の減額補正であります。 農業振興費では、西部中山間地の景観を保全するため、緊急地域雇用特別交付金の採択を受けて、カヤぶき家屋などの保存をしていく上で必要な職人技術の習得や伝承活動に要する経費を計上いたしました。なお、「くわどり湯ったり村」の景観水路等の整備につきましては、工法の見直しなどにより減額するものであります。 林道整備事業では、林道難波線の事業費が決定したことにより、予算を整理するものであります。 商工費は、2,202万円の補正であります。 商工振興費は、緊急地域雇用特別交付金の採択を受け、地域IT化を推進するために必要な情報インフラの整備や情報ネットの利用促進などについて調査するための経費を計上いたしました。また、昨年11月7日の火災で被害を受けた直江津駅前商店街の雁木建設に対し、中心市街地の活性化及び直江津駅前市街地整備を促進する観点から助成することとし、所要額を補正するものであります。 土木費は、1億1,222万円の補正であります。 街路事業費では、まちづくり総合支援事業の補助内示に合わせて南城大手町線など3路線の補正を行うとともに、道路新設改良費につきまして事業の進捗状況等に合わせ、用地費を一部減額するものであります。 都市下水路費は、御殿山都市下水路について補助内示に合わせて予算を増額し、事業の推進を図るものであります。 また、持家住宅低利建築資金貸付金と同様に、克雪住宅低利建築資金貸付金について補正を行うものであります。 消防費は、2,429万円の補正であります。 災害対策費は、ナホトカ号油流出事故に係る損害補償の合意に基づき仮払金が支払いされましたので、これを上越市災害対策基金に積み立てるものであります。 教育費は、5,510万円の補正であります。 博物館費では、小林古径画伯の顕彰事業に賛同される篤志家から寄附の申し出をいただきましたので、これを機に、美術品等を円滑に取得することができるように、新たに美術品取得基金を設けることとし、寄附金10万円に合わせて平成11年度決算剰余金の中から5,000万円を積み立てるものであります。 文化財保存調査費は、春日山城跡の環境整備を推進するため、緊急地域雇用特別交付金の採択を受けて、三の丸周辺及び大手道周辺の環境整備等を行うものであります。 災害復旧費は、9,016万円の補正であります。 農地、農業用施設災害復旧費は、本年3月の融雪災害により被害を受けた道路及び水路3件の、また、林業用施設災害復旧費は、林道3路線の復旧費を計上いたしました。 道路橋梁災害復旧費は、本年1月に発生した地すべりに伴う三の輪台幹線の復旧費を補正するものであります。 次に歳入について御説明いたします。 まず、市税でありますが、固定資産税では、償却資産に係る申告状況が当初予算を上回る見通しとなりましたので、補正を行うものであります。 地方特例交付金及び地方交付税は、交付決定に伴い補正を行うものであります。 分担金では、農地、農業用施設災害復旧事業に伴う地元分担金を補正するとともに、国・県支出金については交付内示等に合わせて補正を行うものであります。 寄附金は、篤志家からの一般寄附金及び美術品取得に活用するための寄附金を計上いたしました。 繰越金は、平成11年度決算に伴い補正するとともに、諸収入では、ナホトカ号油流出損害補償の合意に基づく仮払金及び住宅建築資金貸付金(預託金)の回収金を計上いたしました。 市債は、街路事業や災害復旧事業などの補正に伴い6,470万円の補正を行うものであります。 以上の結果、今回の補正では、差し引き4,212万円の歳入超過となりましたので、これを予備費に計上して収支の均衡を図りました。 第2表は債務負担行為でありますが、新潟県が直江津港の荷役機械(ガントリークレーン)を整備するために借り入れた建設資金の償還計画が確定したことにより、市の負担分について債務負担行為を設定するものであります。 また、持家住宅低利建築資金貸付金などについて、利子補給補助の対象とする申し込み期限を延長することに伴い、債務負担行為の期間を延長するものであります。 第3表は地方債の補正でありますが、歳入予算に計上した市債と同額の限度額補正を行うものであります。 議案第94号は、平成12年度上越市国民健康保険特別会計補正予算であります。 歳入歳出予算総額から4,216万円を減額し、予算規模を78億1,264万円といたしました。 この補正は、平成11年度決算に伴う繰越金の補正を行うとともに、国庫支出金等の精算に係る補正を行うものであります。 歳入歳出差し引き不足額5,724万円は、予備費を減額して収支の均衡を図りました。 議案第95号は、平成12年度上越市下水道事業特別会計補正予算であります。 歳入歳出予算総額に652万円を追加し、予算規模を99億3,125万円といたしました。 この補正は、平成11年度決算に伴う繰越金の補正に合わせて資本費平準化債を1億8,000万円減額するほか、下水道センター(処理場)内の緩衝緑地整備工事に伴い事業費を組み替えるものであります。 歳入歳出差し引き652万円は、予備費に計上して収支の均衡を図りました。 第2表は、地方債の補正でありますが、歳入予算に計上した市債と同額の限度額補正を行うものであります。 議案第96号は、平成12年度上越市病院事業会計補正予算であります。 収益的支出に125万円を、資本的支出に2,600万円を追加し、歳出予算規模を23億1,956万円といたしました。 上越地域医療センター病院においては、本年3月の開院に際して慢性期疾患に対応した療養型病床を20床設置し、この間の利用状況は順調に推移しているところであります。しかし、上越医療圏では療養型病床群が不足の状況にありますので、今後とも必要な医療を適切に提供していくため新たに55床程度の療養型病棟を整備することとし、設計費を補正するものであります。なお、この財源には病院事業債を充てることにいたしました。 また、収益的支出では、建設事業等の実施に伴い当面必要な借入資金に係る支払利息を計上いたしました。 以上、平成12年度上越市一般会計及び特別会計補正予算について、御説明を申し上げましたが、続いて、今議会に提案いたしました新規制定条例及び一部改正にかかわる条例の主なものについて申し上げます。 最初に、新規に制定する条例についてであります。 議案第97号は、上越市美術品取得基金条例の制定についてであります。 当市は、平成7年度から上越市出身またはゆかりのある作家の美術品の収集・充実を計画的に進めてまいりました。さらに、今年度からは小林古径邸復原事業の完成を見据えて美術品購入の特別枠を設け、これまで古径画伯の作品を中心にして、665点にも及ぶ価値ある作品群の収集に努めてまいりました。 しかしながら、予算内での取得が難しい作品が出たような場合には、緊急対応が間に合わず、これまでチャンスを逃してしまうこともありましたので、緊急取得の財源とするため基金を設置するものであります。 なお、小林古径画伯顕彰事業に賛同される市民からの寄附の申し出もありますので、その篤志に感謝するとともに、貴重な財源として基金に積み立てていきたいと考えております。 議案第98号は、上越市ファミリーヘルプ保育園条例の制定についてであります。 少子化が急速に進行する中で、安心して子供を産み育てることができる社会を実現することが急務となっております。また、女性の社会進出や核家族化及びライフスタイルの多様化等に伴って、さまざまな形の保育の必要性が高まってきております。 こうした社会情勢を踏まえて少子化対策については、高齢化対策と同様、私の重点施策としていち早く積極的に取り組んでまいりました。 その具体的なものとして、保育料の負担軽減を初め、就労と育児の両立支援を図るための午後7時までの延長保育や休日の保護者の就労や病気などに伴う保育サポートとしての休日保育及び乳児保育、さらには病気回復期における乳幼児健康支援一時預かり事業などの特別保育のほか、子育てを助け合う組織として県内の自治体に先駆けて、ファミリーサポートセンター事業を実施してまいりました。 また、今年度からは、新たに少子化対策の一環として子育て家庭における経済的負担の軽減を一層拡充するため、第3子目以降3歳未満児の保育料を無料とするとともに、核家族化の進行に伴い、失われつつある三世代交流を促進し、子育てを地域が補完することを目的とした「地域子育て事業交付金」制度も創設したところであります。 このような中、保護者の育児不安解消と夜間に安心して就労できることなどをねらいとして、乳幼児を持つ家庭のトータル的支援を図るため、生後8週間からの産休明け保育や、夜10時までの夜間保育、さらには24時間保育などの緊急または一時的な特別保育を行う「上越市ファミリーヘルプ保育園」を開設し、保育サービスの充実と多様かつ柔軟なサービスの提供を図り、「安心して子どもを産み育てることができる環境づくり」を一層推進しようとするものであります。 次に、一部改正等にかかわる主な条例等についてであります。 まず、新潟県建築基準条例の改正により、新たに市が認定する事務が加わったため、上越市手数料条例を改正するほか、社会福祉事業法の改正に伴い引用している条文を整理するため、上越市社会福祉事務所設置条例及び上越市社会福祉法人の助成に関する条例を改正するものであります。 また、これまで整備を進めてまいりました老人デイサービスセンター、老人憩の家及びシニアセンターの3施設が供用開始できる見込みとなったため、必要な規定を整備するものであります。 特に老人デイサービスセンター「デイホーム金谷」は、既存施設の点検を踏まえ静養室を単独に設けたほか、一般の浴槽とは別に車いす専用の単独浴槽も設置するなど、利用者本位の設計にいたしました。定員は1日当たり15人を予定しておりますが、この施設の完成により、金谷地区及び旧高田市街地を中心とした方々への介護サービスの提供がより一層充実し、市民の期待にこたえられるものと思います。 このほか、県内初の天然ガススタンドが建設されることに伴い、専用ガス料金を新たに設定するため、上越市ガス供給条例を改正するとともに、平成13年1月1日をもって黒埼町が新潟市に編入合併されること等に伴い、関連する新潟県交通災害共済組合等3組合の規約を変更するほか、頸城村公共下水道事業に係る事務の委託に関する協議や市道路線の廃止及び認定等について提案するものであります。 最後に、報告案件について、御説明申し上げます。 報告第8号は、8月23日に専決処分いたしました平成12年度上越市下水道事業特別会計補正予算でありますが、歳入歳出予算総額に2,520万円を追加し、予算規模を99億2,473万円といたしました。 この補正は、公営企業金融公庫から借り入れた市債のうち、高利のものを低利に借りかえするために行ったものでありますが、利率決定の時期や許可申請等の期限などの関係から、専決処分で対応したものであります。なお、この借りかえにより、利子負担が820万円余り軽減されることとなりました。 以上、提案いたしました案件についてその概要を御説明申し上げましたが、今後とも21世紀に向けて上越市のさらなる発展のため、全力を傾注して市政運営に当たる決意でありますので、議員並びに市民の皆さんの一層の御理解と御協力を心からお願い申し上げますとともに、提案いたしました全議案について慎重御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。 ○石平春彦議長 この際、しばらく休憩いたします。          午後0時5分 休憩          午後1時0分 再開 ○石平春彦議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 提出者の説明を続けます。 山口弘司副市長。          〔副 市 長 登 壇〕 ◎山口弘司副市長 総務・財務部門及び政策審議局関係等の案件について御説明申し上げます。 議案第81号は、平成11年度上越市一般会計歳入歳出決算認定についてであります。歳出の主な内容につきまして款を追って御説明いたします。 常に市民の目線で事務事業の見直しを進め、厳しい財政状況の中、知恵を出し合い創意と工夫を凝らして、市民の多様なニーズに的確に、スピーディーに対応できる現場行政を目指すとともに、職員一人一人がコスト意識と経営感覚を身につけた自立できる自治体の確立に向けて努めてまいりました。 議会費は、予算現額3億4,653万円に対し、執行率95.6%の3億3,124万円、前年度に比べ5.8%減の決算となりました。 総務費は、予算現額66億8,585万円に対し、執行率94.9%の63億4,290万円(平成12年度への繰越明許費を加えると96.5%の64億5,021万円)の決算となりましたが、前年度に比べ職員の退職手当が2億4,343万円、財政調整基金への積み立てが3億9,930万円ふえたことなどにより9億7,451万円、18.1%の増となりました。 一般管理費では、地域コミュニティーづくりを推進するため、地域住民の触れ合いの場である町内会集会場建設とトイレ水洗化に27件の補助を行ったほか、地方バス路線運行対策では、通院・通学など日常生活を支える重要な交通手段である路線バスの運行を維持するため、浦川原線など18路線に補助いたしました。また、姉妹都市である室蘭市とともに参加いたしました清水市市制施行75周年記念スポーツ・文化親善交流会では151人の市民の皆さんから交流を深めていただいたほか、悲惨な核戦争の体験を語り継ぎ、平和をたっとび、命の大切さをはぐくむため、広島平和記念式典に20人の中学生を派遣し、現地で体験学習をしていただきました。 市の事務事業を検証・評価し、行政運営上の諸課題について提言をいただく行政監理委員会では、のびやかJトークやJウオークなどの市民対話事業を初めとした開かれた市政の推進と、行財政改革の一環として作成したバランスシートについて1年をかけて検証を行っていただき、本年3月に、いずれも高い評価をいただいたところであります。 庁舎等整備事業では、昨年7月の副市長制導入を初めとする大規模な組織の改革を行ったことに伴い、副市長室、庁議室、特別会議室を設置したほか、庁舎外壁タイル剥離落下防止工事を実施するなど、庁舎の維持・補修に努めました。 事務管理事業では、副市長制導入に合わせ組織・機構の見直しや職制の簡素化など、自治体経営の理念に基づく行政改革に取り組んでまいりました。また、科学的かつ効率的な事務執行をさらに推進するため、評価マニュアルを作成し試行するなど、政策評価・事業評価システムの導入に向けた取り組みを進めました。 緊急雇用安定化対策事業では、景気低迷下の雇用状況に意を用いながら、事務業務の執行態勢の見直しと多様な雇用形態を導入する観点から引き続き特採職員を採用するとともに、効率的で効果的な執行態勢の確立に向け「ワークシェアリング」を推進し、行政サービスの維持・向上と人件費の縮減に努めました。 広報広聴費では、「広報じょうえつ」やテレホンガイドなどを通じ、市政の動向や主要施策などの行政情報に加え、市民の日常生活に密着したきめ細かな情報の提供に努めてまいりました。また、昨年4月に「エフエム上越」が開局し、市民に身近な放送局として親しまれ、行政の情報も迅速・的確に伝える媒体として定着してきたところであります。市民対話事業では、「のびやかJトーク」や「市政モニター制度」など市民との対話をきめ細かに実施し、市政に対する市民生活の現場からの声を伺ってまいりました。 次に企画費でありますが、地方分権推進活動費では、地方分権社会のあり方を市民とともに考える「地方分権市民フォーラム」に350人の市民の皆さんから参加をいただき、分権型社会の確立に向けた市民や企業の具体的な取り組みについて活発な意見交換が行われるなど、市民レベルでの分権意識を高めることにも努めました。また、上越地方における産業振興と廃棄物の適正処理を推進するため、上越地方振興促進協議会が行う公共関与による産業廃棄物最終処分場適地選定調査に対し負担金を支出いたしましたが、現在8カ所の候補地が選定され、県において最終処分場設置に向けた検討が行われております。 新都市市街地機能強化事業では、信越本線の連続立体交差化を視野に入れ、「鉄道と道路による骨格的な交通基盤の整備を軸としたまちづくり」を基本方針とした市街地整備のあり方について検討するとともに、県の調査事業として採択されることを目指し、工法の検討など事業化に向けて調査・検討を行いました。 新幹線対策事業では、北陸新幹線の建設促進に向けた沿線住民の熱意をアピールするため、「北陸新幹線上越以西建設促進住民集会」を開催するなど、関連協議会、同盟会とともに建設促進に向けた運動を引き続き展開してまいりました。この結果、長野-上越間では飯山トンネルを初め、すべてのトンネルにおいて工事が着手されたほか、当市においては矢代川以東の8カ所で地質調査が実施されました。また、12年度においても長野-上越間に対して、当初予算額30億円に加え公共事業等予備費から70億円が配分されたところであり、建設工事は順調に進捗しております。 まちづくり政策推進事業では、引き続き「上越市まちづくり市民大学」を開講するとともに、まちづくりに関する事業や活動の促進及び活性化を図るため、市の事業担当課や地域のまちづくり協議会へ学術研究者、専門家等を派遣する「まちづくりコーディネート事業」も実施するとともに、地域別まちづくり支援事業では、平山キャンプ場に公衆トイレを新設するという自主的なまちづくり実践事業を支援いたしました。 職員研修費では、11人を中央省庁等へ派遣するとともに、政策立案能力や管理能力の向上を図る各種研修や国際化への適応力を高めるため海外派遣研修、外国語会話研修などを実施し、多様化する行政ニーズに積極的な対応を図りました。 電算システム費では、コンピューター西暦2000年問題への適切な対応を図るため、住民情報システムなど基幹業務のホストコンピューターの管理、運用に万全を期して危機管理に努めるとともに、市内の各事業所へも積極的に啓発活動を行いました。 消防費は、予算現額12億4,890万円に対し、執行率99.4%の12億4,140万円、前年度に比べ2.0%増の決算となりました。 消防費は、常備消防を担当している上越地域消防事務組合への負担金及び消防団員への報酬等が主な支出となりますが、平成11年度も計画的に消防器具置き場や小型動力ポンプ積載車、防火水槽等の消防施設整備を行うとともに、住民の防災意識の高揚を図るため総合防災訓練を行ったほか、「自主防災組織」育成のための先進地視察や防災資機材の購入に対する補助などを行いました。 公債費は、前年度に比べ1,655万円、0.3%増の50億4,046万円の決算となりました。 元金は、前年度に比べ4.3%増の32億8,633万円で、このうち繰上償還分は前年度より5,062万円少ない1億289万円となりました。また、利子は前年度に比べ6.4%減の17億5,413万円となりました。 議案第89号は、平成11年度上越市地域振興券交付事業特別会計歳入歳出決算認定についてであります。 歳入総額4億8,551万円、歳出総額4億7,472万円で歳入歳出差し引き1,079万円の決算となりました。なお、本会計は、平成12年3月31日をもって廃止となりましたので、歳入の超過額につきましては、今議会に提案しております一般会計補正予算に前年度繰越金として計上したところであります。 地域振興券交付事業では、国の緊急経済対策の一環として一刻も早い景気回復に資するため、県内のトップを切って郵送による確実な方法で交付を開始しましたが、当市の最終事業実績は、交付対象者の99.5%に当たる3万3,580人の方々に6億7,160万円を交付し、交付額の99.6%に当たる6億6,920万7,000円が換金されました。 議案第110号は、新潟県消防団員等公償組合規約の変更についてであります。 原子力災害対策特別措置法の改正に伴い、原子力災害における応急措置の業務に従事した者に係る損害補償事務を追加したほか、黒埼町が平成13年1月1日から新潟市に編入合併されることに伴い、構成団体を改めるものであります。 議案第111号及び第112号は、新潟県交通災害共済組合規約及び新潟県自治会館管理組合規約の変更についてであります。 黒埼町が新潟市に編入合併されることに伴い、構成団体を改めるものであります。 以上、関係議案等について御説明申し上げましたが、よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 ○石平春彦議長 永井紘一副市長。          〔副 市 長 登 壇〕 ◎永井紘一副市長 都市整備部門所管の案件について御説明申し上げます。 議案第81号は、平成11年度上越市一般会計歳入歳出決算認定についてであります。歳出の主な内容につきまして款を追って御説明いたします。 平成11年度は、北陸自動車道と結節する上信越自動車道の全線開通により一大高速ネットワークが完成し、また、直江津港では、待望のガントリークレーンが稼働するとともに、火力発電所立地によるエネルギー港湾としての本格的な整備が始まりました。これらの大型プロジェクトの事業効果を一層高めるとともに快適なまちづくりを目指し、都市計画道路を初め高田駅前や直江津駅周辺の整備など都市基盤整備の推進を図りました。 総務費・企画費の新幹線対策事業では、平成10年度及び11年度の2カ年にわたり新幹線新駅周辺整備計画の策定調査に取り組んでまいりました。上越市の新しい玄関口にふさわしい機能を考慮するとともに将来の土地利用のあり方を見据えて、信越本線の線形を中心に、国・県を初めとした鉄道及びまちづくりの専門家から成る検討委員会において、議論を重ねていただきました。そして本年3月に、信越本線を現状のままで周辺整備を行うことの可能性を残しながらも、信越本線を新幹線の西側に移設する計画案が望ましいとの報告を受け、現在、計画の実現に向けた具体的な調査に取り組んでいるところであります。 電源立地対策費では、電源立地等初期対策交付金を活用して発電所立地先進地の立地状況や地域振興策等を地域住民の皆さんとともに視察研修を行いましたが、関係者の一層の御理解をいただくことができたところであり、また今後の振興策を検討する上でも大変参考になりました。 社会福祉総務費の持家住宅低利建築資金貸付事業では、景気低迷が続く中、市民の住宅建設の負担を軽減するため平成10年12月に利子補給制度を創設し、持家住宅の建設促進を図っておりますが、11年度では124件の貸し付けと116件の利子補給補助を行いました。 土木費は、予算現額109億468万円に対し、執行率86.9%の94億7,463万円(平成12年度への繰越明許費を加えると98.2%の107億1,254万円)、前年度に比べ2.6%減の決算となりました。 道路橋梁総務費では、身近な生活道路として要望のありました私道整備16件に対して補肋を行ったほか、県道路事業42件について、その経費の一部を負担いたしました。 道路橋梁新設改良費では、上信越自動車道や山麓線など主要幹線にアクセスする中田原下箱井線等の地域幹線道路や生活関連道路の整備を引き続き推進しました。高田駅前線など3路線では、歩道新設工事等を行うなど人に優しい道路の整備を推進するとともに、戸野目川激特関連事業に伴う安江橋の橋梁かけかえ工事等を完成させることができました。 除雪費では、除雪ドーザ及びロータリー除雪機など4台を購入し、より効率的な除雪に努めるとともに、歩行者の安全確保と狭隘道路の交通確保等に取り組みました。 克雪総合計画費では、高田公園内において、地下水くみ上げの抑制策として環境負荷の少ない無散水融雪施設整備実験事業を行い、当市の気象状況に適した新たな融雪システムの方策を探りました。 河川費では、準用河川改修事業として青田川の支川であります前川の護岸工事と多自然型護岸等の設計を行いました。また、関川水辺・環境プラザ事業予定地につきまして、潤いのある水辺空間を創出するための基本設計を行ったほか、有間川地内で県が行っている急傾斜地崩壊対策事業の経費の一部を負担いたしました。 港湾費では、荷役作業の効率化を図るためガントリークレーンが設置されたことを契機に、直江津港の整備と利用促進を図るため積極的にPR活動を行うとともに、国・県が行う港湾改修事業の促進を積極的に働きかけました。また、タワークレーンの導入に対する助成も行いました。 景観デザイン事業では、景観に対する市民意識の向上を図るため、「上越市都市景観デザイン賞」や「景観フォーラム2000」を開催するとともに景観情報誌を発行し、広く市民の皆さんから景観形成に対する御意見をいただきました。そして、潤いのある美しいまちづくりを目指し、「上越市景観条例」を本年3月に公布したところであります。 土地区画整理費では、高田駅前の広場及び区画道路の築造工事を推進するとともに、高田駅前雁木建設事業も力いっぱい進める一方、直江津駅周辺では、橋上駅舎及び南北自由通路の建設に合わせて直江津駅南口広場の整備を推進いたしました。さらに、新幹線新駅周辺整備計画との整合性を図りながら、上越高田インター隣接地の具体的な整備計画や事業計画の策定も行いました。 街路事業では、本町通り北谷内線で信越本線立体交差事業を引き続き進めるとともに、下小町橋かけかえ工事に着手したほか、直江津駅前通り線など3路線の改良を進めました。 公園整備では、当市のシンボルであり市街地における貴重な公園緑地である高田公園を中心に整備を行いました。内堀護岸改修を初め、県のハートフルタウン事業とタイアップした県道沿い園路の拡幅や旧労働基準監督署跡地の修景工事を行ったほか、ソメイヨシノの補植を行うなど緑化にも努めたところであります。また、地元住民が主体的に計画から管理まで行う「マイミニパーク事業」を「愛の浦公園」と「至徳寺公園」の2カ所で開始し、市民が愛着を持てる公園づくりを支援するとともに、行政と市民、事業者が一体となって緑化施策を推進していくための指針となる「緑の基本計画」を策定し、市民の緑化意識の向上を図りました。 下水道費では、市街地の浸水防止と安全で快適な生活環境を確保するため、引き続き御殿山都市下水路の築造工事を進めたほか、下水道事業特別会計へ10億3,829万円を繰り出し、公共下水道の普及率アップに努めました。 住宅費では、「人と環境にやさしい住まい快適都市」を目指し、高齢者や障害者の方が安心して利用していただけるように、南新町住宅の1号棟と2号棟の間にエレベーターを設置するとともに出入り口部分にスロープを整備したほか、市内3カ所に木造2階建て住宅4棟20戸の特定公共賃貸住宅を建設し、U・J・Iターン者や中堅所得者層への住宅の供給に努めました。また、子安住宅整備事業では、高齢者が安心して快適に住めることを基本としたシルバーハウジング・プロジェクトの策定を行いました。さらに、「新潟らしい住まい・まちづくり」を基本理念に、シンポジウムやフェスティバルを開催し、省資源型建設資材の導入や省エネルギー住宅など環境に優しい住まいに関する認識や理解を深めていただきました。 議案第85号は、平成11年度上越市下水道事業特別会計歳入歳出決算認定についてであります。 歳入総額118億2,181万円、歳出総額115億2,335万円で歳入歳出差し引き2億9,845万円の決算となりました。 公共下水道の整備につきましては、快適で潤いのある都市環境の実現に向けて力いっぱい推進しているところであり、平成11年度も国の第2次補正予算を受けて17億円もの追加補正を行うなど積極的に事業に取り組みました。平成元年3月に市内の一部地区で供用を開始して以来、鋭意整備を進めてまいりましたが、11年度では、35町内、延べ27キロメートルの管渠敷設工事を施工し、138.1ヘクタールの整備を行ったところであります。その結果11年度末の供用面積は前年度より141.0ヘクタールふえて942.4ヘクタールとなり、普及率は前年度より3.3ポイント向上して28.8%となりました。また、西本町3丁目交差点周辺の浸水対策として平成10年度から工事を進めてまいりました臨海西雨水幹線工事を完成させる一方、処理水量の増加に対応するため、汚泥脱水機棟の建設に着手いたしました。 議案第87号は、平成11年度上越市直江津駅南地区土地区画整理事業特別会計歳入歳出決算認定についてであります。 歳入総額、歳出総額ともに9億4,620万円の決算となりました。 直江津駅南地区土地区画整理事業は、平成8年度でほぼ面整備を完了し、9年度からは直江津駅周辺の一体化を図るため南北を結ぶ自由通路の整備に取り組んでまいりましたが、11年度も全力を挙げて事業の推進を図り、本年4月7日に新しい直江津橋上駅舎とともに供用開始をしたところであります。 議案第99号は、上越市手数料条例の一部改正についてであります。 建築基準法の改正に伴い、規制内容の見直し及び行政事務における公平性・客観性の確保のため、新潟県建築基準条例が改正されました。 これにより、新たに「敷地と道路との関係等の制限の緩和における認定制度」が創設され、特定行政庁(建築主事を置く市町村)の事務となりましたので、この認定申請手数料を新たに加えるものであります。額は2万7,000円として他の認定申請手数料と同額に設定しております。 また、改正された建築基準法との整合を図るため、所要の文言の整理をあわせて行うものであります。 議案第105号及び第106号は、市道路線の廃止及び認定についてであります。 桜づつみ整備事業の用地となるための廃止や道路の築造、延伸などにより路線の起終点が変わるため従前の路線の廃止など7路線を廃止するものであります。 また、アーバンビレッジ整備事業などによる新設路線、生活関連道路や防災上必要な路線など新たに75路線を認定するものであります。 議案第107号は、事務の委託に関する協議についてであります。 頸城村では、平成17年度からの供用開始を目指し、公共下水道の整備を計画しております。この整備事業に係る建設事業の一部や下水を処理するための事務を頸城村から受託するため、これに伴う経費負担と事務処理について規約を定めるものであります。 議案第108号は、財産の取得についてであります。 ロータリー除雪車1台を指名競争入札の方法により、契約金額2,220万円で、株式会社カワサキマシンシステムズ新潟支店上越営業所から購入するものであります。 議案第109号は、工事請負契約の締結についてであります。 高田駅前雁木建設事業その7工事を指名競争入札の方法により、契約金額1億7,430万円で大栄・阿部・山口共同企業体と、工事請負契約を締結するものであります。 以上、関係議案等について御説明申し上げましたが、よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 ○石平春彦議長 大野孝副市長。          〔副 市 長 登 壇〕 ◎大野孝副市長 産業部門所管の案件について御説明申し上げます。 議案第81号は、平成11年度上越市一般会計歳入歳出決算認定についてであります。歳出の主な内容につきまして款を追って御説明いたします。 たくましい地域産業の育成を図るため、農業分野では、「上越市食料・農業・農村基本条例」(農都市条例)を制定し、食料、農業及び農村に関する今後の当市における基本的な施策の方向性を明らかにする中で、農業関係者のみならず、市民や事業者、行政が一体となって、地域内自給を基本とした安全な食料の安定的な供給を目指した農政を推進していくことといたしました。また、商工業の分野では、企業のリストラや金融機関の再編成といった社会・経済の急激な変化に地域経済、中小企業が的確に対応できるよう力いっぱい支援をいたしました。 総務費・企画費のこどもの国整備事業では、生産機能だけでなく、環境機能、教育機能など「農」の持つ多面的機能に着目し、子供たちが自然との触れ合いの中で仲間づくりができる施設として整備を行うための基本計画素案を作成するとともに、生態系の調査を実施いたしました。 労働費は、予算現額8億8,692万円に対し、執行率89.6%の7億9,468万円、前年度に比べ120.9%増の決算となりましたが、これは、勤労者住宅建築資金低利貸付件数が前年度より134件ふえて140件となり、預託金が4億2,796万円増加したことによるものであります。 平成11年度は、上越公共職業安定所管内の有効求人倍率(パートを含む全数)が、前年度の0.72倍をさらに下回る0.63倍という大変厳しい状態が続きましたが、昨年7月からシティーワーク推進員3人による新規雇用開拓を進め、本年3月末現在では職業安定所管内全体の約14%に当たる1,500人余りの求人を開拓することができました。また、上越人材ハイスクールにおいては3,900人余りに教育訓練を実施するなど雇用対策を推進したほか、景気対策の一環として、引き続き勤労者住宅建築資金低利貸付金の利子補給補助を行い、勤労者の住宅取得を支援いたしました。 上越勤労者福祉サービスセンターでは、新たに柿崎町と名立町の加入を得て8市町村による構成で一層の広域化を実現し、本年3月末現在における加入事業所数は616社、会員数では4,939人となるなど順調に運営を行っております。 農林水産業費は、予算現額24億1,456万円に対し、執行率89.3%の21億5,531万円(平成12年度への繰越明許費を加えると93.4%の22億5,534万円)の決算となりましたが、リフレッシュビレッジ事業の建設工事が完了したことなどにより、前年度に比べ35.5%の減となりました。 農業振興費では、認定農業者や大規模農家の省力化や低コスト化が図られる水稲直播栽培を積極的に推進するため、直播用田植機やトラクターの導入に対し支援を行うとともに、大豆などの生産性や品質の向上を図るため、大豆乾燥調整施設やコンバインの導入に助成し、作付から出荷までの一貫した作業体系の確立を支援いたしました。また、引き続き小学校を対象として上越米を使った調理実習を行うとともに、小・中学校の米飯給食回数をふやすなど米の消費拡大を図るため、積極的な取り組みを進めました。園芸振興事業では、収益性の高い効率的産地の育成を図るため培土機や管理機、パイプハウスの導入に対して支援を行うとともに、使用済みプラスチック類を一元的に処理するためのシステム整備に助成を行ったほか、市内3カ所にふれあい農園を設置し、野菜づくりを通じた生産者と消費者の交流事業にも助成を行いました。また、「くわどり湯ったり村」では、利用客の皆さんからゆっくりくつろいでいただけるスペースを確保するため155平米の休憩室を増築したほか、案内塔や看板を設置するなど利用者の皆さんが訪れやすい施設づくりに努めました。 農地費では、農村の生活環境整備を図るため三郷地区、桑取・谷浜地区で引き続き農村総合整備事業に取り組み、集落道や用排水路、防火水槽などの整備を推進するとともに、平成11年度からは上越市東部地区でも事業に着手し、新たな取り組みとして通学路における並木道整備を行い農村景観との調和を図ることに努めました。土地改良事業では、高生産性農業の確立に向け、農道の整備や圃場整備事業などに負担金・補助金を支出するとともに、土地改良区が実施する施設の維持や圃場整備事業に向けた調査などに助成をしたほか、ため池の点検・調査も実施し災害の未然防止に努めました。また、農村活性化住環境整備事業では、横曽根・小猿屋・荒屋地内で進めているアーバンビレッジ整備事業第1号地区で、親水水路、桜並木などの環境整備や道路改良工事などに取り組んだほか、質の高い住宅建設と調和のとれた町並みを形成するための設計競技を実施するなど、事業の推進を図りました。さらに、平成11年度に事業採択された水環境整備事業は、愛宕谷池周辺における農業水利施設の保全と春日山城跡に融合した水辺空間の整備を目指し、基本設計、生態系調査、史跡調査を実施いたしました。 林業費では、松くい虫の防除に努めるとともに森林を保全するための間伐の推進や森林資源を生かした散策道の整備を行ったほか、林道や作業道の整備を進めるとともに、南葉高原キャンプ場のトイレ水洗化や外壁塗装を行い利便性の向上に努めました。 水産業費では、直江津漁港に大型魚礁を設置し漁場の確保に努める一方、有間川漁港の第9次漁港整備長期計画に基づく整備を完了させることができました。 商工費は、予算現額95億3,162万円に対し、執行率90.0%の85億7,987万円(平成12年度への繰越明許費を加えると90.5%の86億2,870万円)、前年度に比べ15.4%増の決算となりました。 商工総務費では、にぎわいと交流の場である二七、四九、三八朝市の開設90周年を記念して行われた上越朝市商業協同組合のイベントに助成をいたしました。また、中小企業者の景況感や企業活動の的確な把握に努めるため、「上信越自動車道開通に伴う影響調査」などその時々に応じた個別調査を加え、市独自の景気動向調査を行いました。 商工振興費では、景気が低迷する中、貸付利率年1.5%と低利の景気対策特別資金の取り扱い期間を本年12月末まで延長したほか、新潟県信用保証協会が行う信用保証につきましても引き続き損失補償を実施するとともに、小企業等経営改善資金の貸付利率のおおむね2分の1程度に相当する1.0%の利子補給補助も継続して実施いたしました。 起業家を輩出する風土を醸成するため、前年度に引き続き「起業家養成塾」を開催し、34人の参加を得ることができたほか、伝統的産業等のすぐれた技能者である「上越マイスター」は、新たに6人を認定し、合わせて33人となりました。今後はこれらの方々のより一層の活躍の場も検討していきたいと考えております。また、ベンチャー企業や地場産業振興の総合的な拠点施設として「(仮称)上越市産業振興センター」の設置構想を策定いたしましたが、今後も関係機関と連携を図りながら引き続き検討してまいります。さらに、中心市街地の活性化を図るため、上越商工会議所等が中心となって取り組みをされた上越市TMO(タウンマネージメント機関)構想の策定に補助いたしましたが、このTMO構想は、県内では最も早く策定されたものであり、本年3月31日には上越商工会議所がTMOとして認定を受けたところであります。 直江津港は、近年、航路の新設・増設が相次いだことやガントリークレーンの導入等で機能が充実されたことにより、平成11年の外国貿易コンテナ貨物取扱量は5年前の10倍に当たる約1万3,700個となりました。また、昨年10月には上信越自動車道が全線開通し、「日本海ゲートウエー上越」の拠点性が格段に高まったことから、これらの優位性をアピールするため、東京及び松本市で合わせて127社の参加を得て「企業立地・ポートセールス説明会」を実施したほか、長野県の運輸関連同業組合を招聘して現地説明会も開催いたしました。そして、企業進出の受け皿となる下五貫野第二企業団地は、本年6月の分譲開始を目指し造成工事を進めるとともに、緊急流通業務団地につきましても工事着手に向けて準備を進めました。さらに、長野県・新潟県内の約1,110社に対し直江津港の利用促進に向けた企業利用港湾調査を実施し、今後の施策の方向性を探りました。こうした当市の計画的で積極的な取り組みにより、前年を上回る4件の企業立地に結びついたものと考えております。 観光費では、上信越自動車道全線開通イベントとして、延べ11万人もの参加を得て、「えちご・しなのゲートウェイフェスティバル2000」を開催するとともに、従来の圏域や枠組みを超えて長野市及び甲府市との3市共同による「謙信・信玄広域観光ルート」の商品化に向けた共同パンフレットも作成いたしました。また、観光拠点の整備では、親鸞聖人ゆかりの地整備事業として、蓮池整備の基本設計を策定したほか、直江津海水浴場の整備などを行いました。 毎年多くの観光客に楽しんでいただいている観桜会では、上越観光コンベンション協会と連携を図りながら、「高田城歴代城主行列」や「わくわくランドin高田」を開催するとともに、上越まつりでは、姉妹都市室蘭市の小学生を中心とした「よさこいソーラン」2チームによる新鮮で迫力ある踊りが大好評を博しました。また、姉妹都市・友好都市で物産展を開催し、上越市のPRに努めたほか、大型観光案内板等を設置し、観光客の利便性向上に努めました。 議案第84号は、平成11年度上越市索道事業特別会計歳入歳出決算認定についてであります。 歳入総額及び歳出総額ともに3,311万円、前年度に比べ13.9%増の決算となりましたが、ボブスレーコースの修繕やソリの更新などを行い、一層安全で快適に利用していただけるように努めてまいりました。 議案第88号は、平成11年度上越市農業集落排水事業特別会計歳入歳出決算認定についてであります。 歳入総額は38億1,905万円、歳出総額は37億5,605万円で、歳入歳出差し引き6,300万円の決算となりました。 平成5年度から進めている農業集落排水事業は、11年度では新たに金谷和田西部地区で事業に着手し、合わせて8地区で整備の推進を図りましたが、これまでの5地区に加え新たに保倉西部及び高士東部地区で供用を開始することができました。なお、平成12年度に和田東部地区、津有北部諏訪地区が新たに事業採択されたことにより、13地区すべてで事業に着手することができました。 以上、関係議案等について御説明申し上げましたが、よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 ○石平春彦議長 藤原満喜子副市長。          〔副 市 長 登 壇〕
    ◎藤原満喜子副市長 健康福祉部門所管の案件について御説明申し上げます。 議案第81号は、平成11年度上越市一般会計歳入歳出決算認定についてであります。歳出の主な内容につきまして款を追って御説明いたします。 少子高齢化がますます進行していることに加え、介護保険制度が導入されることにより保健・医療・福祉を取り巻く環境が大きく変革を遂げようとしている重要な時期にあることを踏まえ、これまでに引き続き、平成11年度も施設整備を初め各種ソフト事業の充実に全力を挙げて取り組みました。 総務費の明るい子どものまち推進費では、子供たちの遊びの場、子供同士の触れ合いの場として37カ所のこどもの家と11カ所の子どもプールを運営し、子供たちの健全育成に努めました。また、子供たちの情緒と創造性を高めるため、読書に親しむ機会を少しでも多く持つことができるように活動しておられる9カ所の子ども文庫に対し、その運営費の一部を助成するとともに、わんぱくラリー等の諸行事も開催し、自発性やチームワークを養うなど子供たちの健やかな育成を図りました。 民生費は、予算現額109億1,517万円に対し、執行率95.7%の104億4,701万円(平成12年度への繰越明許費を加えると97.1%の105億9,914万円)、前年度に比べ22.2%増の決算となりました。 昨年7月、「上越市人にやさしいまちづくり条例」を施行し、すべての市民がともに支え合い、あらゆる障壁のないまちづくりを総合的に推進するため、「人にやさしいまちづくり推進計画(仮称)」の策定作業に取り組むとともに、ハートフルタウン整備事業として高田公園内や旧県立中央病院交差点付近の歩道整備なども行いました。 障害者福祉では、知的障害者通所授産施設「南さくら工房」及び糸魚川市の知的障害者入所更生施設「メモリアルホームみずほ」などの施設建設費の支援を行う一方、これらの施設で障害者の皆さんが必要とする生活訓練などのサービスの提供に努めました。 また、生まれ育った地域で自立した生活を営み容易に社会参加ができるよう、引き続き在宅福祉サービスにも全力で取り組み、さまざまな支援を行いました。福祉サービスの利用援助や障害者同士が支援などを行う障害者生活支援事業では、在宅の障害者やその家族の方々などから約350件もの相談が寄せられ、悩み解消の手助けや福祉サービスの利用促進に努めました。さらには、社会参加の促進を図るため、約1,700人にタクシー料金や燃料費の助成を行うとともに、福祉タクシーの運行事業者に対しては車両購入費用に補助を行いました。このほか、リフトつき福祉バスの運行や、介護者用自動車の改造費用の助成を初め、カラオケ大会の開催や障害者スポーツ教室を開講するなど、福祉ニーズにこたえきめ細かなサービスの提供に意を用いました。また、障害者が安心して家庭生活が送れるよう、特別障害者手当などを支給したほか、介護者にはその負担感を和らげる在宅介護手当を支給するなど、福祉の一層の向上に努めたところであります。 健康増進や心身のリフレッシュなどに広く利用されているリゾートセンターくるみ家族園では、近年、近隣地域に類似施設が建設されてきていることなどにより利用者の減少傾向が続いておりましたが、平成11年度から上越市環境衛生公社へ管理運営業務を委託し、効率的な施設運営と新しい企画を導入するなど市民サービスに努めるとともに、シニアパスポートの対象年齢を5歳引き下げ70歳以上としたことなども影響し、利用者数は前年度に比べ約5,500人増の約6万人となりました。また、市民いこいの家でもシニアパスポートによる利用者数が約5,500人増加したことにより有料利用者数では6万1,000人余りに、無料利用者を含めた全利用者数では約6万5,000人という開館以来最高を記録するなど、市民の触れ合いと交流の場として多くの御利用をいただきました。 高齢者福祉では、21世紀の社会保障制度の大きな柱となる介護保険制度の導入に向け、基盤整備に全力を挙げて取り組みました。制度の円滑な導入を図るため、小学校区単位での住民説明会を初めとして、地域や団体などを対象に延べ120会場で説明会を開催するとともに、介護保険市民フォーラムの開催や、パンフレットの配布など制度の周知に努めました。また、介護保険アンケートを実施し市民ニーズの的確な把握に努めるとともに、認定調査員やケアマネジャーの研修を実施し人材の確保養成に努め、他の自治体に先駆けて認定申請の受け付けや認定審査会を開催するなど、万全を期して準備を進めてまいりました。そして、認定審査により自立と判定された55人の方には、保健婦が個別に訪問し介護保険サービスにかわる介護予防・生活支援サービスの提供やボランティアの活用を図るなど、混乱のないようきめ細やかな対応をしてまいりました。 デイサービスでは、希望の多い土曜・日曜及び祝日におけるサービスの実施施設を2カ所から6カ所に拡大して要望にこたえるとともに、ホームヘルプサービスも土曜・日曜及び祝日サービスの促進とあわせて早朝・夜間の利用要望にもこたえるなど、利用者の立場に立ったサービス体制の整備を進めました。なお、保健・医療・福祉に関する総合的な相談を受け、指導・助言や関係機関との調整等を行っている6カ所の在宅介護支援センターでは、年々相談件数が増加し、平成11年度は前年度に比べ3,000件も上回る約2万件の相談を受けております。 介護予防・自立支援のための施策も大変重要であります。先ほども触れましたが、平成11年度では「シニアパスポート事業」の対象年齢を75歳以上から70歳以上に範囲を拡大したほか、70歳以上のひとり暮らし高齢者を対象とした「ふれあいランチサービス」では、隔週の水曜日だけの提供であったものを、毎週月曜から金曜まで提供できるよう事業を拡大いたしました。とかく、不規則で栄養が偏りがちなひとり暮しの高齢者の自宅に弁当を宅配し、安否の確認や触れ合い活動も行うなど、年間で延べ1万5,000人の方々から御利用いただき好評を得たところであります。 施設整備の面では、「デイホーム三郷」の整備が完了した一方、平成11年度及び12年度の2カ年をかけてデイホーム古城と金谷地区デイサービスセンターの建設に取り組み、「デイホーム古城」は本年7月から供用開始をしたところであります。また、御寄附をいただいた家屋をリニューアルし、健常者を対象とした高齢者共同生活施設「グループハウス国府」の整備も行ったところであります。 少子化が進行する中で、安心して子供を産み育てることができる社会の実現に向けてさまざまな取り組みを進めるとともに、少子化問題の抜本的な解消を図るため、少子化対策検討委員会でさまざまな角度から具体的な対応策を検討していただきました。チャイルドシートの普及促進の取り組みでは、昨年4月から購入費に対する助成を開始いたしましたが、申請件数は当初見込みを大幅に上回る1,490件となり、普及促進と保護者への経済的支援が図られたものと考えております。また、小学校低学年児童を対象に遊びを通して子供たちの自主性や社会性を育てる放課後児童クラブでは、新たに稲田小学校を加えた7カ所で実施いたしましたが、利用者数は前年度と比べ、延べ人数で約1万2,000人増の約4万人となりました。このほか、育児の援助を受けたい人と行いたい人を会員として、仕事と育児の両立を支援しております「ファミリーサポートセンター運営事業」では、平成11年度末の会員数が380人余りにも達し、活動時間は延べにして9,500時間余りとなりました。 衛生費は、予算現額45億349万円に対し、執行率96.4%の43億4,114万円(平成12年度への繰越明許費を加えると98.0%の44億1,225万円)、前年度に比べ1.4%増の決算となりました。 人生80年時代を迎え、近年は「健康寿命」が注目されているように、「健康」は何物にもかえがたい財産であります。「寝たきりゼロで、はつらつ人生80歳」を目標に、平成7年度から「健康回復5か年計画推進事業」を展開してまいりました。 平成11年度では、事業の最終年度に当たり評価のための調査・健診等を行ったほか、「健康まるごとフェスタ'99」の開催や、「平成の伊能忠敬ニッポンを歩こう」への市民参加を初め、事業の集大成として5年間の事業成果を市民の皆さんとともに検証する「健康づくり市民学会」を本年3月に開催し、町内や学校などそれぞれの立場で取り組んでこられたことについて、実践発表などを行っていただきました。この事業の実施により、地域を初め学校・職域などが連携をとることで、健康づくり活動の輪が大きな広がりを見せ、市民の健康意識の高揚と生活習慣の改善が図られたものと思っております。 各種検診事業では、これまでも検診を受けやすい体制づくりに努めてきたところですが、11年度には乳がん検診にエックス線による診断を新たに導入するなど、さらに内容の充実を図ったことにより、ほとんどの検診で前年を上回る受診者を数え、基本健康診査と各種がん検診を合わせた延べ人数で3万8,000人を超える方々が受診されました。 一方、母子保健事業では安心して妊娠・出産・育児ができるよう、一貫した母子保健サービスを提供するために健康診査や保健指導の内容の充実に努めました。また、保健婦と保育士の連携を強め、子供への支援を効率的、効果的に推進できるよう体制を整えたほか、育児に関する情報提供や仲間づくりを支援することを目的に「子育てわくわくフェスタ」を開催し、関係団体とのネットワークの構築にも努めました。 また、妊産婦、乳幼児医療費助成事業では疾病の早期発見と早期治療を促進するため、乳児の入院・外来医療費の全額助成を引き続き実施するとともに、さらに11年度からは、就学前幼児の入院医療費について、これまでの半額助成から全額助成に拡大し、保護者の医療費の負担軽減を図りました。 議案第82号は、平成11年度上越市国民健康保険特別会計歳入歳出決算認定についてであります。 歳入総額は72億3,788万円、歳出総額は68億1,235万円で歳入歳出差し引き4億2,552万円の決算となりました。 国民健康保険税は、前年度に比べ1.0%増の28億7,899万円となりました。被保険者数は、前年度に比べ3.6%、1,192人の増となりましたが、景気低迷が続く経済状況により被保険者の収入が減少したことを反映し、1人当たりの保険税では、1,991円、2.2%減となりました。また、収納率も現年課税分で前年度より0.3ポイント低下し94.1%となりましたが、被保険者の皆さんの御理解を得ながら収納率向上に努めてまいりたいと考えております。 議案第83号は、平成11年度上越市診療所特別会計歳入歳出決算認定についてであります。 歳入総額及び歳出総額ともに480万円の決算となりましたが、延べ受診者数が前年度に比べ9.5%減となったことにより前年度に比べ31万5,000円、6.2%の減となりました。 議案第86号は、平成11年度上越市老人保健特別会計歳入歳出決算認定についてであります。 歳出総額124億9,409万円に対し、歳入総額では概算交付された国庫負担金等の不足により124億4,511万円となり、歳入歳出差し引き4,898万円の歳入不足となりましたが、この不足額につきましては、平成12年度に精算交付された国庫負担金等により補てんいたしました。 議案第90号は、平成11年度上越市病院事業会計決算認定についてであります。 御案内のとおり、上越地域医療センター病院は、地域医療の継続と充実を図るため旧国立高田病院の資産を無償で譲り受け、本年3月1日に開院いたしました。開院に当たりましては、診療科目をこれまでの内科、外科のほかに、新たに整形外科を加えて3科目とし、病床数は全体で125床といたしましたが、一般病床105床のうち、慢性期疾患に対応するための療養型病床群を20床設置いたしました。また、結核病床についても、新潟県からの強い要請を受けて20床を確保し、対応していくことといたしました。 病院の平成11年度決算は本年3月分だけの事業実績となりますが、患者数で見ますと、入院患者延べ人数は2,290人、1日平均73.9人となり、また外来患者の延べ人数は2,201人で1日平均100人となりました。当初計画と比較いたしますと、入院につきましては1日平均約10人下回ったものの、外来では1日平均47人も上回る結果となりました。 収支の面では、入院にかかる収入が5,640万円、外来にかかる収入が1,900万円、個別健診料や文書料その他で81万円となり、医業収益は合計で7,623万円となりました。一方、医業費用は、運営を委託しております上越医師会への委託料で7,133万円の決算となりました。 このように、おおむね順調な滑り出しをしていると思っておりますが、今後とも、利用される皆さんのニーズを的確にとらえ、医療サービスの向上と業務の効率化に心がけながら、地域の皆さんに良質の医療を提供できるよう、一層の充実を図ってまいりたいと考えております。 議案第98号は、上越市ファミリーヘルプ保育園条例の制定についてであります。 男女共同参画社会の進展に伴う家庭環境の変化による保育需要の多様化に適切に対応し、就労を初めとする社会活動と子育ての両立を可能としていくため、これまでに一時的保育、休日保育、乳児保育、乳幼児健康支援一時預かり事業等を実施してまいりましたが、産休明け保育、夜間保育及び24時間保育などの緊急または一時的な特別保育を行う「上越市ファミリーヘルプ保育園」を新たに開設することにより、保育サービスの充実と多様かつ柔軟なサービスの提供を図るものであります。 議案第100号は、上越市社会福祉事務所設置条例及び上越市社会福祉法人の助成に関する条例の一部改正についてであります。 社会福祉事業法の一部改正により、法律の名称の変更及び条例で引用している同法の条項の移動があったことから、条文の整理を行うものであります。 議案第101号は、上越市老人デイサービスセンター条例の一部改正についてであります。 平成11年度から2カ年で大貫地内に建設を進めてまいりました「デイホーム金谷」が完成することに伴う改正であります。 この施設は、金谷山のふもとに位置し、ヨーデル金谷とも近いことから地域的な一体感を醸し出すため、その外観はしゃれたヨーデル風のつくりといたしました。また、太陽光発電装置の設置を初め、夜間の安価な電力を活用したエコアイスを用いた冷暖房システムを導入するなど、環境都市にふさわしい施設として整備したところであります。 なお、施設の運営は、これまで同じエリアを対象としてサービスの提供をしてこられた社会福祉法人フランシスコ第三会マリア園にお願いすることといたしました。対象とする地域がほぼ同一であり、「デイホーム金谷」の利用者の大半が同法人の運営する「さくら聖母の園」から移る見込みであることや、利用者とサービス提供職員との良好な関係の継続維持が期待できること、長年の実績があり、その運営が非常に良好であることなどからお願いすることとしたものであります。 以上、関係議案等について御説明申し上げましたが、よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 ○石平春彦議長 横田直幸副市長。          〔副 市 長 登 壇〕 ◎横田直幸副市長 環境部門所管の案件について御説明申し上げます。 議案第81号平成11年度上越市一般会計歳入歳出決算認定についてでありますが、歳出の主な内容につきまして款を追って御説明いたします。 当市は、地球環境先進都市として「人・環境・まちづくり」を基本理念に置き、自然環境と生活環境の調和を図りつつ、快適で質の高い生活水準並びに地域社会の豊かさを目指したまちづくりを進めているところであります。このため、環境問題への取り組みを政策の最重点課題の一つとして位置づけ、地球環境問題の改善に資するためのシンポジウムの開催や自然エネルギー導入への取り組み、ごみ減量化・資源リサイクルヘの取り組み、あるいは緑化の推進などさまざまな環境施策を引き続き積極的に展開いたしました。 総務費のみどりのまち推進事業では、中心商店街の緑化を促進するため、アーケードの柱や街灯などを花卉で飾る「市街地特殊緑化推進モデル事業」を高田本町商店街、直江津駅前商店街において実施いたしましたが、市民の皆さんからは「明るくなった」「にぎやかになった」など、こうした取り組みを歓迎する評価をいただいたところであります。また、「市有地・市有施設花壇植栽事業」、「市有空閑地等コスモス植栽事業」を65カ所約1万8,000平方メートルで実施するとともに、地域参加型事業の「市街地空閑地景観対策事業」でも町内会等の取り組みによって市街地の民有空閑地26カ所約3万2,400平方メートルで緑化が進み、景観や環境意識の高揚に大きく寄与いたしました。環境植物「ケナフ」の植栽事業は、家庭、企業、学校などにおける環境教材として、また、減反の水田においても試験的な取り組みが行われるなど全体で約1万7,000平方メートルに植栽され、収穫されたケナフは紙製品に加工して活用を図りました。 また、次世代を担う子供たちの環境意識を高めるため、小学校4年生から6年生までの142人の参画によって、平成11年4月29日みどりの日に「緑の少年団」が発足し、自然観察や森林整備などの体験活動が行われたほか、地球市民として緑の大切さを考える「みどりの日フェスティバル」は、高田公園において緑化及び環境にかかわる14団体が一堂に会し、3,000人の市民が集う参加・体験型のイベントとして成功をおさめました。 このほか、上越市花と緑のまちづくり協議会の活動に助成をするとともに、みどりの基金を創設し、緑化に取り組む団体への支援を行いました。 さらに、「市民の森整備事業」につきましては、自然の持つ潤いや偉大さを実感し、もって地球環境への認識を高めることを目的に事業に取り組みました。桑取地区西谷内地内で全体計画面積272ヘクタールのうち、第1期として42ヘクタールについて平成11年度から3カ年で整備することとし、実施設計及び分区林のための作業路や林道改良の工事に着手しましたが、整備に当たっては、手を加えることを最小限にとどめ、自然の活用を最優先として事業を進めております。 環境マネジメントシステム推進費では、環境マネジメントシステム事業及び環境保全啓発事業を実施し、市民への環境保全・改善のための新たなインセンティブを与えるため、これまで以上に積極的な環境施策を推進いたしました。まず、市民・事業者・行政がともに連携しながら地域における環境保全・改善活動を進めるための新規事業として「地球環境パスポート事業」を実施いたしました。この事業には188の町内会や37の環境団体・事業所など、225団体の多くの皆さんから参画をいただき、地域における自主的な諸活動に取り組んでいただきました。 また、環境の専門家をお招きし、多くの市民とともに環境問題を考えるために開催した「第2回地球環境シンポジウム」では、廃食用油の再生燃料化事業の提言を受け、市民の皆さんから御協力いただきながら、速やかにその実用化を図ったところであります。 環境情報や環境学習施設の整備につきましては、昨年6月の環境月間に雁木通り美術館内に「環境情報センター」を部分開設し、平成11年度は5,200人余りの方々から御利用いただいたほか、自然体験学習を推進するため、「地球環境学校中ノ俣学習施設」を昨年7月に開校し、平成11年度は836人の方々から緑豊かな自然環境の中で植物や生物の保護、地質、星空などの観察体験を通した総合環境学習を行っていただきました。なお、この実績を生かして、去る7月22日には「宿泊施設」をオープンし、滞在型の環境学習の実現に結びつけることができたところであります。 さらに、環境保全・改善活動のより一層の推進に向けて、地域の内外でリーダー的役割を担っていただく人材の養成を図るため、「地球環境大使養成塾」を新たに開設し、38人の方を「地球環境大使」として認定するなど、人材育成の充実を図りました。 あわせて21世紀を担う子供たちへの環境教育も重要なテーマであります。このため、「環境教育人形劇」を引き続き実施したほか、新規事業として、海外の環境先進都市を視察する「地球の翼事業」や「こども環境議会」を実施するなど、さまざまな取り組みを通して、子供たちの環境に対する意識の啓発に努めました。「こども環境議会」においては活発な意見交換が行われるとともに、子供たちのみずからの行動目標として「こども環境宣言」も採択されたのであります。 自然エネルギーの導入に向けた取り組みでは、低公害車や住宅用太陽光発電システムの導入を推進するため補助制度を引き続き実施したほか、市民の皆さんに上越市オリジナルの「環境家計簿」を配布し、地球環境問題への理解を深めていただくとともに、エコライフヘの見直しなど環境改善に取り組んでいただくきっかけづくりを行いました。 なお、環境ISO14001の維持・運用では、マネジメントシステムの目的・目標に向け、職員が一丸となり積極的な取り組みを推進したことから、本年2月の定期サーベイランスでは、前年同様「向上」という高い総合評価をいただくことができました。 次に衛生費・環境衛生費の生活環境保全美化対策事業では、海岸や河川の清掃を初め衛生害虫駆除の薬剤配布、市内75カ所の公衆トイレの清掃など、生活環境の保全美化に努めるとともに、ポイ捨てや不法投棄に対してもパトロール活動の一層の強化を図りました。また、国の緊急地域雇用特別交付金を活用して新たに10人の「シティクリーンキーパー」を配置し、散乱ごみの回収活動を進め、市民の環境美化意識の啓発や美しいまちづくりに努めました。さらに、オゾン層破壊に歯どめをかけるためのフロンガス回収事業では廃冷蔵庫・ルームエアコン・カーエアコンから約720キログラムのフロンガスを回収し、平成7年度の事業実施以来約2,000キログラムの処理を行いました。このほか、生活排水対策事業では、合併処理浄化槽の設置に対して一部補助を行うなど、生活排水による公共用水域の水質汚濁の防止と生活環境の保全に努めてまいりました。 地域の皆さんの自主的な活動により行われている「有価物集団回収奨励事業」では、子供会など214の団体と資源回収業者に対し奨励金を交付し、ごみの減量化と再資源化を推進いたしました。 また、環境のまちづくり事業では、身近な環境問題に関する市民意識の高揚を図るため、上越市生活環境協議会と共催で「環境のまちづくりフォーラム」を開催いたしましたが、このフォーラムでは、大手町・春日・直江津の各小学校区の皆さんが平成10年度に各地域で取り組みをされた「環境のまち整備モデル事業」の活動内容の発表や東本町小学校5年生児童による環境体験発表などが行われ、参加した多くの市民の皆さんに共感を与えました。さらに、市民の皆さんへの環境施策の普及啓発を推進するため、新たに地元NPO等に委託して、自然環境の保全やごみの減量とリサイクルの推進など、身近な問題をテーマに環境普及啓発講座を開催し、延べ1,190人の皆さんから受講していただき大きな成果をおさめました。 昨年度から開始した「廃食用油再生燃料化事業」では、市内のモデル地区約1万5,000世帯の皆さんから御協力をいただき、家庭から出る使用済み天ぷら油の回収を進めましたが、11年度末までに1,135リットルを回収することができ、これを再生燃料として上越市環境衛生公社のじんかい収集車で使用いたしました。なお、本年4月からは、市内のガソリンスタンド49店舗でも油を回収していただいており、資源物としての有効活用が広がりつつあります。 次に、塵芥処理費では、可燃ごみ・不燃ごみの収集運搬及び中間処理を適正に進めたほか、資源物分別収集事業では、資源物常時回収ステーションを市内16カ所に拡大し、市民生活の利便性の向上を図ったところでありますが、この中で大和・富岡・谷浜の各小学校区には間伐材を利用し、景観性にも配慮した山小屋風のステーションを設置いたしました。 また、ごみ処理対策事業では、町内会のごみ集積施設の設置費に補助を行うとともに、電動生ごみ処理機及び生ごみ処理容器の購入に対しても補助を行い、生ごみの減量化と再資源化に努めました。 続いて、商工費・商工振興費の新エネルギー開拓活用事業では、直江津港・港公園内に出力600キロワットの風力発電システムを設置するための整地工事を実施したほか、市内における新たな適地を検討するための風況精査や、今後設置を予定している三の輪台でのシステム設計などを行いました。 土木費・公園管理費では、71カ所の公園の適正な管理に努めるとともに、新たにシュレッダー機能を有した機械を導入し、従来焼却していた樹木の剪定枝葉をチップ化し、公園の地力還元を図るなど、環境改善型の公園管理にも取り組みました。 以上、関係議案等について御説明申し上げましたが、よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 ○石平春彦議長 井上隆邦副市長。          〔副 市 長 登 壇〕 ◎井上隆邦副市長 文化部門所管の案件について御説明申し上げます。 議案第81号平成11年度上越市一般会計歳入歳出決算認定についてでありますが、歳出の主な内容につきまして款を追って御説明いたします。 「物から心」へ「ハードからソフト」へと、時代の流れが大きく変わる中で、精神的な豊かさや生きがいを求める市民の要望は、さらに多様化しております。このため、生活に潤いと安らぎをもたらす文化の振興には、かねてから特段の配慮と努力をしてまいりました。平成11年度は新たに文化部門の設置を初め、より一層意欲的な文化事業の展開を図り、多様な市民ニーズにこたえてまいりました。 まず、総務費・企画費のボランティア活動推進事業では、市民の皆さんからボランティアに対する理解をより一層深めていただくため、「ボランティアフェスタ」を開催し、記念講演会や小・中・高校生による体験作文の発表会などを行いました。一方、新たに消防庁の補助事業として全国5カ所の一つに選ばれた「災害ボランティアコーディネーター養成講座」を開講し、当初の予定をはるかに上回る94人もの皆さんから受講していただきました。このほか、本事業に対する理解の促進を図るため、活動情報を提供するハンドブックを増刊し、新成人や小学生に配布いたしました。 総合ボランティアセンターや女性センター、環境情報センターや子どもセンターなどさまざまな施設・機能をあわせ持つ「(仮称)市民プラザ整備事業」では、平成10年度に策定された「上越市市民プラザ(仮称)基本計画」をもとに、具体的な整備手法等について慎重に審議を重ねてまいりました。その結果、新たに民間の資金力や経営力などを活用するPFI方式を採用することとし、さきの6月市議会において契約等の議決をいただいたところであります。現在、来年春のオープンを目指し、関係団体との打ち合わせや整備工事を鋭意進めており、市民参加による双方向行政を具体化する施設として、そのオープンが待たれるところであります。 国際交流の推進では、21世紀を担う若い世代の国際感覚を醸成するための事業に積極的に取り組みました。中・高校生をオーストラリア・カウラ市でのホームステイ事業に派遣し平和のとうとさを学んでいただくとともに、ドイツ・フライブルグ市へも中学生を送り環境先進都市の取り組みをつぶさに見ていただきました。また、ロシア・ブラゴヴェシチェンスク市からは代表団や少年少女民族舞踊団を招請し、華麗な演技の披露とあわせ同年代の若者との交流を深めてもらいました。 環日本海圏交流も推し進め、大連市旅順口区とは桜による友好交流の推進を図るとともに、市制50周年を迎えた浦項市へ市民訪問団を派遣いたしました。このほか、多彩な活動を展開している上越国際交流協会へ引き続き助成を行うとともに、在住外国人のために生活ガイドブックの改訂版を発行するなど、外国人の皆さんにとっても暮らしやすい環境整備に努めました。さらに、長期的視野に立った国際化推進計画を策定することとし、現状についての調査などを行いました。 上越文化会館運営費では、自主事業の拡大や充実を図り、世界最高のピアニスト、リチャード・クレイダーマンの演奏会やノーベル文学賞受賞作家・大江健三郎氏と作曲家・大江光氏による講演会とコンサートなど質の高い事業を実施いたしました。また、市民参加型事業である「上越演劇教室」を新たに開催し、意欲あふれる若者などに演劇との触れ合いの場を提供いたしました。この演劇教室を巣立った高校生が、先月、文化会館において創作劇を上演するなど、早くも新たな活動が展開されております。 女性政策費では、「女性大学講座」や「男性講座」を通し、性別にとらわれることなく対等なパートナーシップでつくる男女共同参画社会推進に努めてまいりました。また、当市と姉妹都市の関係者が一堂に集う「姉妹都市女性サミット」を開き、女性をめぐる諸問題やこれから取り組む課題などについて話し合い、新たなネットワークを構築いたしました。このほか、平成10年度にスタートした「地域・慣習ジェンダー研究会」は、家庭や地域におけるさまざまな女性問題を調査・分析し、報告書を作成いたしました。 文化振興費の坂口謹一郎博士顕彰事業では、記念講演会を東京で開催するとともに、2カ年計画で博士の映像記録の制作を始めました。現在、関係者のインタビューやロケなどを精力的に行っており、来年3月には完成の予定であります。近代数寄屋づくりの傑作と言われ、高度な木造施工技術が集積された小林古径邸の復原事業は、平成11年度で本邸の外観がほぼ完成し、目下、来年春のグランドオープンを目指し、アトリエの復元や管理棟の建設、庭園の整備などを順次進めております。今後は、我が国の伝統木造文化を継承する貴重な文化財でもある古径邸を広く全国にPRしてまいりたいと存じます。また、昨年度から未明生誕の地である上越市が主催者として引き継いでいくこととなった「小川未明文学賞」は、当市において初の贈賞式を行い、あわせて明治の面影を色濃く残す旧師団長官舎で「児童文学の先駆者・小川未明展」を開催いたしました。 文化政策事務費では、婆相天復曲・上演実行委員会へ補助金を交付いたしましたが、港町直江津を舞台とした安寿と厨子王の悲しくも情愛に満ちた伝説の能は、500年ぶりに復曲・上演され、多くの人々に感動を与えてくれました。 生涯学習推進事業では、平成10年度にまとめた「上越市生涯学習推進基本構想」をもとに、生涯学習に関する市民アンケートの実施や先進都市の調査・研究などを行いました。これらを参考に、現在、今後10年間を目標とした具体的な生涯学習推進プランの策定作業を進めております。 スポーツ・レクリエーション活動推進事業では、Jカップ野球大会を初め、テニス、バレーボール大会など市民の皆さんが生涯を通してスポーツに親しみ、健康を維持できるよう各種大会を開催いたしました。また、上越の夏の風物詩となっている上越レガッタには、町内会や上越教育大学の留学生も初めて参加し、過去最多の166クルーが出場いたしました。 市史編さん事業では、昨年3月に待望の第1回配本「藩政資料一」を刊行し、5月には、記念講演会などから成る出版記念会を開催いたしました。また、「藩政資料二」及び「兵事資料」の2巻を発刊するとともに、調査・研究の成果を広く紹介するため、市史叢書第5号「史料集・高田の家臣団」や市史研究第5号を発行し、あわせて「市史講座」を開講いたしました。 総合文化施設運営費では、リージョンプラザ上越が開館15周年を迎えたことから、日本スケート連盟主催の第5回JOCジュニアオリンピックカップ・ショートトラックスピードスケート選手権大会を招聘し、長野オリンピック支援に続き、スケート上越を全国に発信することができました。 次に民生費・老人福祉費では、高齢者のパワーを地域社会で発揮していただくため、昨年10月、新たに「シニアサポートセンター」を設立し、元気な高齢者と手助けが必要な高齢者の橋渡しを図ってまいりました。本年8月20日現在で会員数も360人となり、提供者と利用者の双方から喜びの声が寄せられております。また、生きがい対策事業として、就業機会を提供するシルバー人材センターも会員数が1,100人余りとなり、それぞれ得意な分野での社会貢献に努めていただいております。 平成10年10月にオープンしたシニアセンター「本町ふれあい館」は、高齢者の創作活動や世代を超えた交流の場として大勢の皆さんから利用していただいております。なお、本年度は直江津小学校の空き教室を活用し、新たにシニアセンター「直江津ふれあい館」を11月に開設する予定であります。 議案第102号は、上越市老人憩の家条例の一部改正についてであります。 故甲斐國子さんの寄贈遺産である土地、建物を「上越市老人憩の家」の3番目の施設、「ひなの園」として供用するための改正であります。 市による有効活用を要望していた故人の遺志に基づき、高齢者の教養の向上及びレクリエーションの場とするため、施設の名称及び位置を定めるものであります。 「ひなの園」の名前は、寄贈された家で「ひなの会」と称して、おひなさまをめでながら、故人がお友達と親交を深めてこられたことに由来するものであります。 議案第103号は、上越市シニアセンター条例の一部改正についてであります。 高齢者の生きがいの充実と世代を超えた交流を図るために、平成10年10月にオープンした「本町ふれあい館」に次ぎ、新たに直江津小学校の空き教室を利用して、当市で2番目となるシニアセンター「直江津ふれあい館」を供用するための改正であります。 「直江津ふれあい館」は、ギャラリーと談話室を備えた施設で、高齢者の生きがいの充実を図るための創作活動発表の場のみならず、小学生等との交流の場として、利用していただくものであります。 以上、関係議案等について御説明申し上げましたが、よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 ○石平春彦議長 斉藤弘教育長。          〔教 育 長 登 壇〕 ◎斉藤弘教育長 教育委員会所管の案件について御説明申し上げます。 議案第81号平成11年度上越市一般会計歳入歳出決算認定についてでありますが、歳出の主な内容につきまして費目の順を追って御説明いたします。 教育費は、予算現額56億8,697万円に対し、執行率95.2%の54億1,529万円(平成12年度への繰越明許費を加えると95.7%の54億4,003万円)、前年度に比べ3.2%減の決算となりました。 次代を担う子供たちの豊かな感性やたくましく生きる力をはぐくむことが、ますます重要な課題となっております。いじめや不登校などさまざまな問題が指摘される中で、全小・中学校で「のびやかスクールプロジェクト事業」に取り組んだのを初め、新たに、中学校に教育補助員を配置しました。また、「子ども育成サポートセンターモデル事業」を実施するなど、子供たちの健全な育成に全力を挙げて取り組みました。 まず、事務局費でありますが、国際理解と友好親善を目指す北東アジア留学生受け入れ事業では上越教育大学の研修生として中国・琿春市から1名を受け入れ、研修や生活に必要な費用を支援したほか、昨年8月に当市で開催された第30回全国中学校新体操選手権大会に補助金を交付し、大会を成功に導きました。 教育センター費は、手狭となっておりました春秋会館内の事務所を旧上越南職業安定所へ移転した経費などにより前年度に比べ57.3%の増となりました。新センターでは昨年9月1日から業務を開始いたしましたが、教師の指導力を高める研修会の改善や工夫に努めるとともに、不登校児童・生徒に対する指導上の悩みや問題点について、Q&A形式の指導資料を発行するなど学校教育の充実を図りました。 私学振興費等では、国の少子化対策臨時特例交付金を受けて私立幼稚園9園に総額2,700万円の補助金を交付し、「預かり保育」の実施など子育て支援の充実を図りました。また、私立幼稚園及び私立高校の運営費や就園・就学費に補助するなど、私学の健全運営と保護者の経済的負担の軽減に努めました。 小学校の教育振興費では、次代を担う子供たちの豊かな感性や生きる力をはぐくむため、それぞれの学校の特色や地域の人材・素材等を生かした体験的な活動を推進する「のびやかスクールプロジェクト事業」に取り組んだほか、「上越子どもの船補助事業」では、船を利用したゆとりある宿泊体験学習を通して、風土の異なる地方の自然や歴史に親しみ、見聞を広め豊かな情操をはぐくむ活動を支援いたしました。また、子供たちが英語に親しみ外国人や異文化と触れ合う活動を推進したほか、新たに環境教育推進事業を実施し、児童が身近な自然に親しみながら地球市民としての自覚を深める体験活動等の充実を図りました。さらに、高度情報化社会に対応できるよう文部省基準に基づき計画的にコンピューターの配備を進めておりますが、平成11年度では小学校2校で配備を完了させるとともに、新たに情報教育推進員3名を配置してコンピューター活用の支援に努めました。一方、7月に開校した地球環境学校中ノ俣学習施設では、施設整備や体験学習メニューの充実に努めました。 小学校の学校建設費では、平成10年度に高志小学校校舎の増築工事が完了したことなどにより前年度に比べ66.4%の減となりましたが、11年度では、障害を持つ児童の利便性向上を図るため10年度に着工した高田西小学校のエレベーターを完成させたほか、周辺地域の著しい人口増加に伴い教室が不足している春日小学校の校舎増築に向けて、校舎の設計と本校舎が完成するまでの間に必要となる仮設プレハブ校舎の建設を行いました。 中学校の教育振興費では、学習指導の充実と個性の伸長に取り組んでいる全中学校に、新たに、教育補助員15人を配置し、学習指導におけるチーム・ティーチングや教室外登校生徒への対応に効果を上げることができたほか、外国人指導助手を1人増員し6人体制で国際化社会に対応した生徒の育成に努めました。また、生徒の技能向上を図るため、専門的な指導力を必要とする部活動に外部指導者を招いている学校に支援をしたほか、上越市・清水市生徒交歓会や各種大会遠征等に補助金を交付し、文化やスポーツ交流の促進と保護者の負担軽減に努めました。さらに、「のびやかスクールプロジェクト事業」では、小学校と同様にそれぞれの学校の特色を生かした教育活動を支援し、より開かれた学校づくりを推進しました。 中学校の学校建設費では、直江津中学校屋内体育館の改築事業が平成10年度に完了したことにより前年度に比べ44.1%の減となりました。11年度では、直江津中学校のプールを改築するとともに、間伐材を活用した「心の教室」を城西中学校など4校で整備をいたしましたが、気軽に来室して相談する生徒が増加するなど、早期の心のケアに効果を上げております。このほか、各学校の施設・設備の改修や営繕工事を計画的に行い施設環境の整備に努めました。 また、幼稚園費では、国の少子化対策臨時特例交付金を受けて「預かり保育事業」を実施し子育てを支援いたしました。 社会教育総務費では、自然体験活動など学校外活動の機会を提供する「青少年チャレンジクラブ」を実施したほか、新たに、地域の大人がサポーターとなって子供たちの心をはぐくむ「子ども育成サポートセンターモデル事業」を5カ所のこどもの家で実施いたしました。 公民館費では、広く市民各層から参加してもらえるように、保育ルームを設けるなど体制を整えるとともに、陶芸、パソコン等の人気講座のほかに、新たに英会話講座、上越の歴史探訪講座等6講座を加え、積極的に活動を推進いたしました。 図書館費では、活字離れの防止と読書意欲の向上を目指し、6月から9月までの間は開館時間を1時間延長し午後8時までとし、さらに年間を通じて土曜・日曜日は30分延長して午後6時までとしてサービスの向上に努めるとともに、蔵書の充実を図ったことにより、年間利用者は前年度に比べて1.7%増の11万9,000人に、また、貸し出し冊数も2.2%増の51万9,000冊余りになりました。 博物館費では、篤志家からの寄附により小林古径の習作・素描等の作品群200点を一括購入したほか、適切な収納保管機能を備えた収蔵庫とゆっくり鑑賞できる展示・休憩スペースを充実するため、設計と増築予定地内の発掘調査を実施いたしました。春の特別展では、素朴画家として有名な「原田泰治の世界展」を開催し、グラフィックデザイン的手法を取り入れた独特の作品を通して1万2,000人もの入館者に、失われつつある日本の風景や人々の生活ぶりを回想していただきました。また、市民アートギャラリー雁木通り美術館の特別展では、年末年始にかけて「上村松篁が描く万葉の世界」と銘打ち、「井上靖著『額田女王』挿絵原画展」を開催し、熱心な松篁ファンを初め多くの人々に、おおらかで美しい「万葉の世界」を堪能していただきました。 水族博物館費では、春の特別展「アフリカシクリッド展」、夏の特別展「イルカショーとマリンフラワー展」を開催し、合わせて12万人を超える入館者でにぎわいました。 文化財保存調査費では、発掘調査による出土品の収蔵や調査研究の成果を公開するための埋蔵文化財センター建設に向けて、旧上越テクノスクール跡地を購入したほか、基本設計を策定するなど準備を進めました。文化財保護関係では、春日山城跡の積極的な活用を図るため史跡の追加指定と公有地化を推進するとともに、「春日山城跡整備5か年事業」の第1年次として、本丸跡周辺の保全を図るため土砂流出防止工事を行ったほか、景観整備にも努めました。 体育振興費では、健康やスポーツに対する市民ニーズにこたえるため、各種のスポーツ教室や競技大会を開催し、スポーツの振興・普及に努めました。また、地域の交流を促進するファミリー綱引大会、ファミリー駅伝大会も引き続き開催したほか、競技力の向上を図るため体育協会と連携してテニス、剣道、サッカーなどの技術講習会を開催し、ジュニア層の強化に力点を置いた事業を展開いたしました。 体育施設費では、関係団体を初め市民の要望にこたえ、テニスコートの改修や少年野球場の外周スタンドの増設、今泉スポーツ広場の駐車場整備など、利用者にとってより使いやすい施設となるよう整備に努めました。また、オールシーズンプールでは、3カ年計画に基づく最終年次の工事を完了し、身体に障害を持つ人や高齢者にも配慮した使いやすい施設に生まれ変わりました。 議案第97号は、上越市美術品取得基金条例の制定についてであります。 美術品取得事業につきましては、平成7年度から必要の都度予算化し、取得してまいりましたし、今年度は小林古径画伯の貴重な作品群を取得するための特別枠を設けて充実を図っております。 美術品の取得に際しては、その購入チャンスを逃さない緊急な対応が必要であることから、臨時的に必要とされる購入資金を確保し、貴重な作品を円滑かつ効率的に取得するため基金を設置するものであります。 以上、関係議案等について御説明申し上げましたが、よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 ○石平春彦議長 佐田克巳ガス水道局長。          〔ガ ス 水 道 局 長 登 壇〕 ◎佐田克巳ガス水道局長 ガス水道局所管の案件について御説明申し上げます。 議案第91号及び第92号は、平成11年度上越市ガス事業会計及び水道事業会計の決算認定についてであります。 ガス・水道事業を取り巻く経営環境は依然として厳しい中、安全・安定供給の確保と需要家サービスの向上を目指し、事業を推進してまいりました。 まず、ガス事業会計についてであります。ガス販売量は前年度比1.5%増加し、総収益は34億6,120万円となり、これに対する総費用は、原料ガスの購入費や、マイコンメーター取りつけの保安経費など合計32億7,647万円で、差し引き1億8,473万円の純利益を計上いたしました。 建設改良工事では、低公害の天然ガス自動車を昨年に引き続き2台導入したほか、供給区域拡大に伴う導管の新設4,263メートルのほか、非耐震性老朽管の改良・入れかえ2万6,453メートルの管網整備など、総額15億3,091万円を投入し、安定供給の拡充に努めてまいりました。 次に、水道事業会計でありますが、給水量は前年度に比べ1.7%減少し、総収益は31億5,674万円となりました。これに対する総費用は、上越地域水道用水供給企業団からの受水費や、建設改良工事に伴う減価償却費など総額31億9,867万円となり、差し引き4,193万円の純損失を計上することとなりました。 建設改良工事では、前年度からの繰越事業で進めてきた城山浄水場の非常用自家発電設備が完成し、さらに、配水池に緊急遮断弁を設置するなど、災害に備えた施設の拡充を図るとともに、浄水場間の連絡幹線や新規需要に備えた配水管の新設6,972メートルのほか、石綿管や老朽管の改良・入れかえ4万3,142メートルの管網整備を実施するなど、総額35億9,396万円を投入し安定給水の確保に努めてまいりました。 以上のように、ガス事業は堅調な決算となったものの、水道事業は純損失を計上するなど厳しい状況にあることから、引き続き経営の合理化を図りながら、ライフライン事業者としての使命達成のため努力してまいる所存であります。 議案第104号は、上越市ガス供給条例の一部改正についてであります。 県内最初の天然ガススタンド(エコ・ステーション)が建設されることから、天然ガス自動車用スタンド専用ガス料金を新たに設定するものであります。 以上、関係議案等について御説明申し上げましたが、よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 ○石平春彦議長 この際、しばらく休憩いたします。          午後2時43分 休憩          午後3時 0分 再開 ○石平春彦議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 なお、本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次発言を許します。 18番、早津輝雄議員。          〔早 津 輝 雄 議 員 登 壇〕 ◆18番(早津輝雄議員) 私は、政友クラブを代表して、議案第81号平成11年度上越市一般会計歳入歳出決算認定について、議案第93号平成12年度上越市一般会計補正予算(第3号)についての二つの議案に関し、総括質疑をさせていただきます。 私どもの会派は、少なくとも11年度予算については全議案賛成したものであり、その立場を踏まえた範囲において質問いたします。事業、決算全体について言えることは、自治体の自立と改革を副市長制の導入を初めとして、大胆な行政のあり方の見直しを断行されていることをよく理解しております。これが総体的な評価であります。そうは申し上げても、ここに決算を提示されたのを精査いたしますと質問点も幾つかございますので、以下款ごとに質問を申し上げます。平成12年度補正予算については、賛成するか否かは別として、二、三御質問申し上げます。 まず、11年度決算についてであります。款項目に入る前に、1番目、上越市の景気動向の中でも、業種により格差が広まっております。融資制度、支援制度、その他総合的な対応が求められている現状において、業種間格差の広まっている実態と関連して、本決算から見た分析をどうされているのか質問いたします。そして、その分析に基づいて、今後をどう対応されるかであります。 2番目、財政調整基金、減債基金に対する決算を踏まえての基本的な考え方を改めて質問いたします。また、1人当たりの保有額で見てどうなのかであります。この点を質問いたします。 3番目、4款衛生費についてであります。関川をきれいにする協議会負担金及び関川・姫川水系水質汚濁負担金に関連して、関川の川底の土砂の有害物除去対策が11年度にどう進んだのかを説明してください。 4番目、7款商工費の企業設置等奨励金についてであります。これも大変有効な政策と判断しておりますが、交付後の追跡調査や確認は11年度についてどうだったかを教えてください。 次に、平成12年度補正予算についてであります。1番目、2款総務費の市民プラザ整備事業に関し、準大手ゼネコンの熊谷組が4,500億円もの債権放棄を要請したこと、社員6,500人を4,500人に削減する状況になったこと、そしてこれらの課題は今日解決したのではなくて希望的目標だという点であり、経営再建の前途は実に厳しいものと考えられますが、市民プラザの一連の契約に変更や課題がないのかどうかについて教えてください。 2番目、同じく2款総務費について、市長は冒頭の提案理由の要旨でも明言されました(仮称)上越市男女共同参画基本条例の策定に向けて検討委員会を設けたいとのことでありますが、9月議会の前段階において既に市民に伝わり、関心を呼んでおります。報道でも何回か記事として出ましたが、この公式な議会の場で、目的やねらいなどについて正しく、詳しく明らかにしてほしいと考えます。 新聞報道では、女性を3割か3分の1くらいとか、いろいろ既に示されていますが、私はむしろ人口で見ても半分以上が女性なのだから、ストレートにスライドさせる意味では、最初から50%を目標にしてよいのではないかとさえ考えます。ただし、これは各種検討委員会や審議会などに関してであり、議会に関しては大いに異論があります。つまり、現段階で条例に盛り込むことに異論があるということであります。議会は議会としての検討委員会を設けて方法論を検討し、実現へ向けて努力するのであれば、道は開けるかもしれません。市長は、多分すべて承知して一石を投じておられるものと推察しております。つまり、法律であれ、制度であれ、現場からの問題提起をしつつ、21世紀型に変えていく地方からの発信にねらいと重点を置かれているものと解釈しております。このことには、120%賛成できる発想であります。しかし、そのことと議会の件を条例に盛り込むこととは、現段階での法解釈からして大変に無理があり、到底同意できるものではありません。分けて進めるのが適切と思っております。来年の3月議会になって、条例が仮に提案された時点で質疑なり委員会で深く論議すればよいとして、現段階では検討委員会へ向けてのことであり、いずれにせよ、市長の考え方をまず詳細にお聞きし、説明を受けることが先決的基本と考え、質問といたします。 答弁をいただいてから、改めて必要に応じて再質問させていただきます。よろしくお願いをいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 お答え申し上げます。 まず最初に、上越市の景気動向調査についてでございますが、景気動向については従来国や県が実施した調査のみにより判断しておりましたが、平成10年度からは、より的確に市内の景気動向を把握するために、市の独自調査を加えて実施してまいりました。平成11年度は、売上高前年同期比の増加の割合が30%前後であるのに対し、減少の割合が50%前後と、景気は厳しい状況が続いたのであります。このような状況の中で、平成11年度では中小企業者の資金需要に円滑に対応するため、景気対策特別資金の取り扱い期間を平成12年12月末日まで1年間延長するとともに、同資金の信用保証協会付融資の損失補償を実施しましたところ、271件、23億3,450万円の利用があり、いわゆる貸し渋りに対応できたものと考えております。また、景気浮揚の効果が大きい住宅建設を促進する観点から、勤労者住宅建築資金を初め、持ち家住宅建築資金などの新規融資枠を大幅に増加するとともに、これらの資金に対する利子補給補助を行った結果、新設住宅着工戸数の伸び率は、県内各市の平均が前年度比0.2%の増に対し、当市では13.7%の増と、大きな効果を上げております。 このたび、市内411社から回答を得て集計した本年7月の景気動向調査によれば、2000年4-6月期の売上高前年同期比は増加の割合が39.6%と、1-3月期に比較して5.2ポイント改善され、平成10年5月調査開始以来最高となりました。また、売上高前年同期比平均増減率においても、全産業の2000年4-6月期がマイナス2.2と、1-3月期よりも0.4ポイント改善し、さらに7-9月期の見込みも0.2ポイント改善されているなど、資金繰りや雇用情勢で不安材料が見られるものの、景気は緩やかではありますが、回復の基調にあります。しかしながら、業種ごとに内容を吟味いたしますと、製造業では大企業から次第に中小企業へと回復の動きが広がり、また小売業においては比較的大規模な企業で積極的な設備投資意欲が見られるものの、建設業では雇用過剰感が大きいなど、御指摘のように業種間で景況感にばらつきが見えております。このように、景気の回復や産業構造の変革過程においては、業種間の歩調にある程度差が生ずることはやむを得ない側面はありますが、市としては景気の回復をより確かにするとともに、構造改革を促進するため、所要の施策を進めることといたしております。 景気浮揚策としては、勤労者住宅建築資金を初めとする住宅貸付金について、引き続き年1.8%の低利な融資を行うとともに、これらの資金の利子補給補助についても、平成13年9月末日まで1年間延長することといたしました。また、21世紀を目前にし、急激な国際化や情報化の進展に伴って日本経済が求められている構造改革について、政府では日本新生プランの中で、IT(情報技術)や環境、高齢化、都市基盤整備の4分野を中心として、景気回復と構造改革を推進していくこととしております。 このような中、当市では本議会に地域におけるIT化の方向性を検討する調査委託費を御提案したのであります。さらに、本年7月には上越商工会議所に経営指導やコーディネートなどのワンストップ・サービス機能を備えた上越ローカル支援センターが開設され、新規創業や新事業展開を積極的にサポートしているところであります。いずれにいたしましても、今後とも市内中小企業を取り巻く経済状況の一日も早い自律的な回復に向け、国等の施策動向を的確にとらえ、引き続き市としてとり得る適切な対策を講じてまいります。 次に、財政調整基金、減債基金に対する基本的な方針についてお答え申し上げます。まず、財政調整基金についてでありますが、私はこれまでも多くの事業を積極的に推進しながらも、一方では将来の財源確保に細心の注意を払い、財政に少しでも余裕等が生じた場合には、これを基金に積み立ててきたところであります。そして、平成11年度はこうして蓄えてきた基金も活用しながら、景気対策を初めとしてさまざまな施策に取り組んだところでありますが、効果的かつ効率的な予算執行に努めるとともに、地方交付税が予算を8億6,800万円余り上回って決定されたことなどにより、当初予定しておりました10億円の取り崩しを3億5,000万円にとどめると同時に、6億600万円余りを積み立てたところであります。その結果、平成11年度末の基金保有額は、10年度末より2億5,600万円余りふえて24億1,350万円となりました。 11年度末の保有額を県内20市で比較してみますと、人口1人当たりでは20市の平均が1万8,006円でありますが、当市はこれを若干上回る1万8,188円となっており、また標準財政規模に対する割合では、20市の平均値8.1%に対し、当市は8.8%であり、おおむね平均的な額を保有しているものと考えております。一方、類似団体の平均では、市民1人当たり保有額が当市より6,300円余り少ない1万1,849円となっておりますことを参考まで申し上げておきます。 なお、平成12年度におきましても10億円の取り崩しを予定したところですが、繰越金が予算を上回って確定したことなどから、6億1,000万円を積み立てることとしたところであり、今後とも基金の適切な確保と活用を図ってまいりたいと考えております。 また、減債基金についてでありますが、既に御承知のとおり、これまで基金を活用して市債の繰上償還を積極的に行ってきたところであり、その結果、平成11年度末の残高は170万円程度となりました。こうしたことから、残高は県内20市の中では少ないものとなりましたが、平成6年度から11年度までの6年間の繰上償還により、後年度に支払う予定でありました利息のうち2億9,000万円余りの軽減が図られるなど、基金を活用した繰上償還は極めて大きな効果を上げたところであり、当面の役割は達したものと考えております。 次に、関川の川底土砂についてお答えします。関川を初めとする河川の水質や底質等の調査は、国、県及び関川をきれいにする協議会でも毎年実施し、その状況把握に努めておりますことは議員も御案内のとおりであります。ちなみに、昨年度の調査結果では、いずれも環境庁が示している底質の暫定除去基準値25ppmを大きく下回っておりました。すなわち、自然的原因と思われる白田切川では6.4ppmでありましたが、それ以外ではダイセル化学工業株式会社の排水口直下の0.24ppmを最高に、他は0.08~0.01ppm以下とごく微量の数値であり、他の一般的な河川程度となっております。また、同時に行っている魚類の調査でも、暫定的規制値相当、総水銀で0.4ppmを超える水銀を含有する数値は検出されませんでした。 このように、関川の水銀については、底質、魚類とも国の基準を下回っている現状にありますが、引き続き国、県と連携を図りながら、協議会においても継続的な調査を行うなど、安全な水質確保に努めてまいりたいと考えております。 次に、企業設置奨励金についてお答え申し上げます。市では、地域内への新規設備投資を誘発し、雇用の拡大と安定及び産業の振興を図ることを目的として、上越市企業振興条例を設けております。企業設置奨励金については、この奨励措置のうちの一つの制度でありますが、奨励企業の指定を受けた企業に対し、課税された固定資産税額を算定基礎として、当該工場等の事業開始の日の属する年の翌年の4月1日を初日とする年度を初年度として、毎年度末に交付をしているものであります。交付に当たっては、提出された事業開始報告書に基づき、設備投資の内容と固定資産税の課税根拠となっている土地、家屋及び償却資産について厳重なつけ合わせの後、奨励金を算定し、市税の滞納のないことを確認した上で交付をしております。 交付後の営業実績等の追跡調査については、奨励企業指定について御審議いただいている上越市企業振興審議会の委員による奨励企業の現地視察、また担当職員による現地調査を実施するなど、奨励金交付事務に誤りのないよう細心の注意を払い、対処しております。また、奨励企業指定後に事業撤退など事業計画に変更が生じた場合には、所定の報告書を提出してもらい、奨励金交付の年限の途中であっても、上越市企業振興条例の規定に基づき奨励企業指定の取り消しまたは奨励措置の停止の処分を行っているものであります。 なお、奨励企業の指定を受け、設備投資が完了したにもかかわらず操業が開始されていない場合についても、条例の定めにより、固定資産税が課税されていても奨励金の交付をしないことを念のために申し添えさせていただきます。 次に、市民プラザ整備事業について、準大手ゼネコンの熊谷組の経営再建について報道がなされているが、市との契約上の不安や変更の必要がないのかについてお答えいたします。市民プラザ整備事業は、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆるPFI法に基づいて、自治体経営の一環として財政資金の効率的な運用を図るため、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用し、市民が集う、利用しやすい機能的な複合施設を整備しているものであります。 そこで、株式会社熊谷組の経営再建に係る情報については、私も新聞等報道で十分承知しているところでありますが、そもそも本PFI事業の契約の相手方は、株式会社上越シビックサービスという別法人の会社であり、当会社は自治事務次官通達の「地方公共団体におけるPFI事業について」に基づいて、株式会社熊谷組と日本管財株式会社がそれぞれ6対4の割合で出資して新たに設立した特定目的会社で、市の実施方針に基づいて市民プラザの設計、建設及び維持管理、中長期修繕並びに民間で運営する事業を行う会社であります。また、この会社においては、出資者のいずれかが撤退する事態になった場合、もう一方の出資者がその株式を購入するという株主間協定が締結されております。したがいまして、万が一熊谷組が撤退することになった場合でも、もう一方の出資者である日本管財株式会社が熊谷組の所有する株式を購入することになることから、本事業が継続できなくなることはありませんので、現在の契約に沿って事業が不安なく進捗していくものと判断いたしているところであります。 御指摘のとおり、熊谷組の経営再建についてマスコミ等で報道されておりますが、所管官庁の情報等も考え合わせ、ただいま申し上げましたとおり、市民プラザの整備事業が継続できなくなるという事態にはならないと考えておりますので、御安心いただきたいと存じます。所管官庁は建設省でありますから、建設省当局にも確認しております。そういう破綻等のおそれはないだろうと、こういう見通しをされておることを申し添えさせていただきます。 次に、上越市男女共同参画基本条例に関しての御質問にお答え申し上げます。昨年6月に男女共同参画社会基本法が制定されましたが、今回の条例制定にかかわる提案は、当該基本法の延長線上に位置するものであります。御案内のとおり、男女共同参画社会基本法は、男女の性別にかかわりなく、各人が個性と能力を十分発揮できる社会の構築を目的としております。特に女性の社会参画がいまだ十分でない我が国において、そのさらなる促進が当該基本法の大きなねらいであることは、論をまたないところであります。 女性の社会参画は、近年官民一体となった努力により一定の進展が図られたとはいえ、国際的なレベルから見れば、極めて立ちおくれているのが実情であります。その一例として、平成12年度の男女共同参画白書によれば、我が国の場合、女性が政治や経済活動に参画する機会は、調査した102カ国中第38位となっており、大変おくれている状況にあります。また、ことし6月ニューヨークで開催されました国連特別総会女性2000年会議での報告によると、政策決定過程への女性の参画は、日本の場合、先進24カ国中23番目と極めて低く、さまざまな議論や波紋が生じたことは御存じのとおりであります。 このような中、国においてはさきの基本法を受けて、目下具体的な行動計画を策定中であり、年末には公表されると聞き及んでおります。また、本問題に関し、先進的な自治体である東京都や埼玉県、出雲市などでは、既に男女共同参画条例が制定されております。 改めて申し上げるまでもなく、私は市長に就任以来、女性の積極的な社会進出を促すため、女性助役の登用という公約実現を初め、さまざまな施策を展開してまいりました。一方、平成7年には上越市女性行動計画を策定し、これに基づき女性の登用の推進に懸命の努力をしてまいりました。その結果、上越市の行政委員会や審議会における女性委員の割合は、平成6年3月末で13.6%でしたが、本年3月末では24.1%と10ポイント以上登用率が向上いたしております。さらには、女性中心の職場である保育園に男性保育士や保育園士、またホームヘルパーに男性を採用するなど、先進的な取り組みをも進めてまいりました。 このように私がこれまで行ってきた一連の施策は、男女共同参画社会の形成、とりわけ女性の社会参画を促す上で一定の成果をおさめてきたものと、少なからず自負いたしております。しかし、昨今の国内外の動向や世論を勘案したとき、女性の真の社会参画を実現するには、これらの施策では決して十分であるとは言いがたく、より実効性のある普遍的な仕組みづくりがぜひとも必要であると考え、このたび条例制定のための検討委員会の設置を提案いたすものであります。 本検討委員会では、今のところ委員数10人程度を予定し、うち3人は中央で活躍している学識経験者を考えております。検討していただく内容は、基本理念を初め、クオータ制の導入などであります。この場合、市議会を特別視することなく、官民問わず女性の社会進出があらゆる分野で図られるよう議論していただきたいと考えております。無論、昨今問題化している夫や恋人からの暴力、女性施策にかかわる苦情処理機関の設置なども検討内容に含まれます。特にクオータ制の導入には、公職選挙法や地方自治法、地方公務員法など関係法令との整合が不可欠であり、この点に関しましても検討委員会において専門的な立場から十分議論を尽くしていただきたいと願っておるところであります。市議会議員の皆さんも女性の議会進出を進める方策の一つとして、この際私の提案を真摯に受けとめ、大いに議論を深めていただきたいと存ずるところであります。 なお、男女共同参画社会基本条例の制定については、平成11年3月議会において条例を制定すべきではないかとの御質問をいただいております。制定の必要性等について研究を進めている旨、答弁を申し上げた経緯もあることを念のため、申し添えさせていただきます。 当市においてクオータ制を含む条例が実現すれば、女性の社会参画は飛躍的に促進されるものと確信をいたしております。調べたところによりますと、現女性国会議員の中でも何人かの方々が同じような考えを示されている情報もあります。この種の条例は、現在日本には存在しませんので、男女共同参画社会の実現を目指すための問題提起になり得ると考えているところであります。いずれにいたしましても、私はかねがね変化、刷新や新たなる発意、発想の必要性を唱え、地方主権の確立を提唱し、その実現に邁進してまいりました。今回の提案も、先ほど早津議員もおっしゃったとおり、まさに地方からの国づくりの一環であり、私の熱い思いが込められております。豊かで活力のある上越市を築くとともに、21世紀においても名実ともに先進国としての日本を構築するためにも、議員の皆さんからも格別な御理解と御協力を賜りたいと存じます。 以上です。 ○石平春彦議長 18番、早津議員。          〔早 津 輝 雄 議 員 登 壇〕 ◆18番(早津輝雄議員) 再質問をさせていただきます。答弁ありがとうございました。11年度決算に関しても再質問させていただきたい部分がありますが、それをやめて、今最後におっしゃったクオータ制導入一本に絞って質疑を集中させていただきたいと思います。 趣旨には大賛成でありますが、このクオータ制、私もよくこの言葉はまだぴんときておりませんが、私のわかる範囲では割り当て制という意味なのかなと思っておりますが、趣旨には大賛成ですが、この条例化、今おっしゃった既に他県市で男女共同参画の意味の条例を制定しているところもあると。私はそれは見ておりませんが、考えられるのはお願い条例、目的条例と、こういう範囲でないだろうかなと、こう予測します。今おっしゃったように、一つの目標達成の投げかけと、そこまでは私も一致しておりますが、そこから先をこれからちょっとまた質問させていただきたいと、こう思っているところであります。 そういうことですけども、私の質疑に失言があってはいけませんので、今ほど答弁いただいたメモを見ながら、正確に、慎重に質問をさせていただきたいと、こう思いながら上がりました。今般は、クオータ制へ向けての検討委員会設置のための補正と、こうはいうものの、条例制定が目的としての前提である限り、かなり深い質疑は当然であると、こう理解しております。 来るべき21世紀に向けて、大胆にも地方からの意識改革という点では、宮越市長の対応は次々と打ち出しておられる、いわばパイオニア的政策なのかなと。そういう意味では、全国的にも21世紀へ向けた国内でも有数な先駆者と言われてもいいのかなと、こう思います。環境ISOとか、今もおっしゃった副市長制導入など、全国自治体が注目する政策となってまいりました。このことは、言いかえればホームランを打ち上げられたのかなと、こう評価しておりますが、その点でこのたびのクオータ制導入は、もしや三つ目のホームランになるのかなと思いきやです、そこからちょっと変わってきますが、先ほどの答弁の範囲では内野フライに終わる可能性があるなと、こう今思ったところであります。 市長は、常々最初から疑惑ありきでする質問には毅然として対応すると、こう言われておりますし、それはそれでいいと思いますが、一方で政策に対し、相反する議論は大いに望むところだと、こうも言われてまいりました。私は今、今回の質疑では市長の常に言われているその後段を適用させていただきます。総括質疑は、一般質問とは大きく異なりますので、意見を挟まないように留意いたしますが、質問するために背景を述べながら質問することは十分考えられますので、御理解を賜りたいと、こう思うところであります。 私は、冒頭でも明確に述べましたように、基本的には同感であります。しかし、それは審議会や検討委員会などの分野であり、議会とかを含めて条例に割り当て制を盛り込むというのは大変無理があるように思います。市長もそれは承知していられるのかもしれません。つまり、法令に反した条例を制定してはならないという自治法に抵触するからであります。これは、今度答弁いただくことではっきりするかと思いますが、性別に関する平等精神の関係法律としては、御承知のように日本国憲法、男女共同参画基本法、そして同審議会設置法、それから公職選挙法、地方自治法、地方公務員法、それから世界人権宣言、市民的及び政治的権利に関する国際規約、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、このほか労働基準法など、差別、平等に関する法令はたくさんあります。一番基本になっている日本国憲法、これ今さら私が申し上げるまででもないですが、後でお話をさせていただく部分につながることだと思いますので、ちょっとお話をさせていただきたいと、こう思っています。 日本国憲法の第14条、法の下の平等等に関することの第1項で、すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、云々差別されないと、こう書いてあります、省略しますが。私から申し上げるまでもなく、日本国憲法は各種法律の総原点とも言うべき根幹をなしております。ここでも性別で何ら差別されないと規定し、あえて男性、女性のことについては一切触れていない、これが正しいと思います。それから、余り時間長くなってはいけませんので、できるだけ省略をしますが、男女共同の法についても、みずからの意思によって、社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、云々と、ここでもみずからの意思によってという表現にとどめて、性別の男女の役割分担じゃなくて、いわゆるクオータ制といいますか、そういう種のものは避けています。当然だと思います。それから、公職選挙法についても同じです。第1条の1項に、その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によってということで、特別女性が3分の1とか半分とかということは避けています。これも正しい見解です。さよう、ことごとくそういうことになっております。仮にも条例に女性の数を確保するための割り当てを意味する、数字が入るかどうかわかりませんが、意味する文言を入れた場合は、むしろ差別化をうたうことになるのではないかと、こういうふうに思うところであります。 これから検討委員会もあるということでありますし、十分時間があるような、あるいはちょっと急いでいるのではないかというような両面受け取れますが、市長の政治家としての見識、公約、いろいろあろうかと思います。その一方で、市には顧問弁護士、法務室等々そのほかいろいろあるわけでありますので、十分慎重に検討しながら、今申し上げた部分についても考え方を深く広めてほしいなと、こう思うところであります。 いろいろ背景を御案内申し上げながら質問させていただいたわけでありますが、とりあえずこのことについて御答弁を賜りたいと、こう思います。よろしくお願いいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 男女共同参画基本法というのが制定されまして、先ほども私が説明したとおり、国内外の状況がかなり変化してきていますし、また日本のポジション、あるいは国内におけるいろんな女性の社会活動への参画のありようがかなり変わってきていると思っていますし、そのテンポが非常にスピード感があるんではないかなと、こう私は受けとめております。 もともと女性のそういう社会参画が盛んになったということは、もう私が申し上げるまでもないんでありますけど、いろんな過去になかった教育の水準とかですね、いろんな社会に対する女性の理解度が高まるとか、あるいは一般的な各分野における女性の参画能力が高まってきていることは、これはどなたも否定するものではないだろうと、こう私は思っております。そういった中でありますから、この基本法が制定されたものと思います。 この制定にもかなりの時間がかかっておるようであります。世界的な視点、すなわちグローバル化、国際化、あるいはまた情報化ということも恐らく重なっているんでしょう。そういう中で、かなり女性の社会参画という問題についてはですね、古典的のような感じしますが、非常にこれは急がなければならない、そういう性格のものではないかなと、こう私は思っております。したがって、たまたまというか、この時期に私どもがそれらの諸問題を一度整理して、この基本法を受けた条例をどういう形でつくるかということに向かうこと自身は、非常にこの時期が適切ではなかろうかと、こう判断しているんです。 ただ、どういう形で検討を加えていくかということになると、今ほど既に御質問等があったように、いろんな反応、反響があるはずであります。ですから、むしろそういった前広な議論展開、このことが実は一番大事なことであって、ただ言いっ放しで論じ合うということではなく、一つの方向性を出しながら論点整理をするという、こういう段階を私は迎えたものと思っておるんです。ですから、その結果としてどういう条例がつくられるかということは、これは検討委員会の結果を待たなきゃなりませんが、その範疇を今からどうこうと決めることは、まず必要ないだろうと、こう私は思っています。すなわち、男女が参画できるすべての分野において検討していただくということからまず始まっていかないと、最初の一歩を踏み出すときに、ここの部分は違うんだよということで議論しますと、この議論は普遍的な、普遍性を持った男女参画型社会をつくるということでありますから、スタートのときから除外をするということは、これはあってはならないと私は思います。むしろ、いろんなことを男女の参画のチャンスがある、そういう分野がすべて対象になって検討していって、結果的にどの部分を上越市の基本条例として盛り込むかということを決めていけばいいんであって、初めにありきとか、ないとかということは、私はこれはいかがなものかというふうに思っておりますから、まずその辺のところを御理解いただいて、検討委員会を立ち上げるということが非常に重要であるし、その検討委員会の専門家を初め、メンバーとなられる方々の御意見を真摯に受けとめながら検討結果を待って、そしてさらにそれはまた政治的判断、あるいはいろんな行政的判断を加えながら、どういう形の条例にすればいいんだというところを議論すべき手続的な問題があるんではないかなと、こう私は思っております。 その中に、クオータ制をもちろん視野に入れるということのみならず、ほかの有効な手段、方法が、これは検討の結果、出てくることも十分にあります。ですから、クオータ制すべてじゃないんですね。それは、一つの手段として、今世にいろいろと議論されておりますことは先刻御承知であろうと思いますから、それはそれとしてわかりやすく私は提案理由として申し上げているだけであって、ほかの手段がまた有効なものがあれば、これはまたこれで条例化へと進めていくこともやぶさかではないと、こう思ってますから、初めに何かありきということではないということをぜひ御理解いただいて、この検討委員会設置予算案を御承認いただければありがたいなと、こう思っております。 ○石平春彦議長 18番、早津議員。          〔早 津 輝 雄 議 員 登 壇〕 ◆18番(早津輝雄議員) 総括質疑は3回までということですので、これで終わりますが、答弁ありがとうございました。 議論を始めるに当たって、今の御答弁では、私が今繰り返すのは当たっているかどうかわかりませんが、枠をはめることは適当でないと、こういうようなことをおっしゃられたというふうに受けとめました。確かにそのとおりだと思いますが、したがって冒頭にいろいろ新聞、うわさはこの件については出ておったけども、公式の本会議で改めてというか、初めてきちっと説明していただきたいというのはそういう意味が含まれておりましたけども、1日の定例記者会見を受けてのマスコミの報道の中に、職員数や各種の行政委員、審議会を初め、市議会議員も含めた女性登用率にクオータ制を導入する検討を始め、来年3月市議会をめどに条例制定を確認した云々と、そういう提案をしたい方針だと。これは、記者の方のとり方もあるので、正確に伝わっているかどうかというのはまた別かもしれません。という点で、これは先ほども触れましたが、くどいようだけども、条例の中に、かつてお願い条例とか、今回はお願い条例というよりも、目的条例だと思いますが、その範囲であれば大いに議論をして、先ほどおっしゃった外国に比べて日本は実におくれていると。私知らなかったんですが、そう言われて、ああ、大変だなと、一気に取り戻さなきゃならんなと。それにしても1年や2年で片づかないんだが、できるだけ早くエンジン全開にして向かわなきゃならん問題なんだなと、こう理解はしましたが、そういう意味で新聞報道のことをどうこう、今と食い違うとか食い違ってないとかということじゃなくて、やっぱり検討委員会の提案であっても、それが奥に条例制定を目指した検討委員会であるという位置づけは動かないわけですから、やはり自由に女性参画が盛り上がるように、確保されるように、ひとつ議論を深めてほしいと、そういう意味でなくて、むしろはっきりと、私は反対の気持ち持っていますが、条例にまで盛り込みたいんだと。しかし、それが是か非かも含めて検討委員会、あるいはそれ以外の団体、市民含めて大いに議論を展開してほしいと、この方がいいんじゃないかなと、こう思うんですね。 私も市会議員がすべてではありますけども、一つの職業柄から、多くの弁護士さん全国におられて、たまたま東京と千葉の弁護士さんが行政関係の立法関係に明るい方ですので、この新聞が出た段階での記事をもとにして、早い先になりますが、お聞きしましたところ、議会に対する女性の割り当てを条例に盛り込むと仮にしたら、それは各種法律に抵触すると、現法下ではそういう対応はあり得ないと、私がむしろ玄関払いされたような判断を示されました。弁護士さんでもいろいろ、右か左という極端に分かれる判断される微妙なところのある業界ですから、これは私が聞いた判断がそう示されたから、それがすべてだとは言いませんが、こういう法律専門家の判断について、今市長がそういう方向を考えていられるかどうかも含めて明確にしてほしいし、検討委員会にゆだねるのだとはおっしゃっていても、今回提案される最高責任者として条例に盛られるんなら盛りたいんだと、そこをもうちょっとはっきりしてほしいなと。今はまだそれをはっきりできないんだとなれば、それはまたそれでやむを得ないとは思いますが、こうしたことで、クオータ制、私以下何人かの方が今回総括で取り上げられることになっているようでありますが、こういう意見が多く、総括で6人というのは私は最近では珍しいと思うんですが、それだけ関心を呼んでいるということは、バロメーターが高まっていると。先ほど申し上げましたが、市長の頭の中にはそれも織り込み済みで、まあまあ順調に進んでいるなと、こう計算されているんでないかと推察するんでありますが、私はやっぱり割り当て制を条例に盛り込むということと、女性の参加を3分の1でもいいし、半分でもいいですが、どんどん盛り上げていくということと別にしてやるべきでないだろうかなと。そうでないと、法律的にやや無理がある。 例え方が適当とは思っておりませんが、一つのグラウンドでサッカーと野球を同時にやっているようなもんで、観客はこれもなかなかおもしろいな、いいなと言うかもしれませんが、審判はこれは困ったもんだと、こういうようなことに似ているかなと。私は、21世紀になっても意識改革なり、法律や制度の大胆な改革をねらって地方からそれを発信し、今までは国、国会任せで、全部とは言いませんが、もう21世紀からがらりと変えるべきだと、こういうのを現実に実行されている全国唯一の市長だなと、こう思っておりますが、先ほど申し上げた性別平等、差別一切しない日本国憲法以下関連法律、これ関連があるところからすべて法律できているんですから、そういうものは私の浅はかな知識でも、21世紀になっても大きくは変わらんだろうし、変わってはいけないなと、こう思っています。 私も市長の足元にはいきませんが、日大に8年、現在法政大学4年在学中で、もちろん通信制ですが、毎年スクーリングに出席しながら、法学部に所属して法律の勉強をしてまいりました。行政なり市長の政治的なものは、法律のもととはいえ、また違った意味があるということは承知しておりますが、将来基本的な法律が変わる時期が来れば別として、条例にクオータ制を、文言であればいいのかもしれませんが、数字が入っちゃうと大変難しいなということで、御答弁が可能であれば、その辺が念頭にあるのかどうか。新聞には、そういうことにとられるような記事で出ておりましたが、この議会と市民の見守っている本会議で表明いただければ私も今後の対応がはっきりするなと、こう思っております。 この問題については、同僚議員も多く同時に取り上げておりますので、あえて私は市長との質問に決着をつけたり、深く理解するなどという必要もありませんので、この辺に留保して、留保の状態のままバトンタッチをしていきたいと、こう思っておりますが、今ほどいろいろ申し上げた点についての最後の質疑であります。よろしくお願いをいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 まず、私の記者会見を行ったときの新聞記事等についてのお話がありましたから、その辺からちょっとお話し申し上げますが、記者会見のときはいろんなことを申し上げるわけでありまして、その中でやはり注目されるところは、聞かれた側の立場で紙面をつくるにはどうかという、そういう選択の問題で、結果的にそれがどんと出たということで何ら問題ないと、こう私は思っていますし、ある意味ではそこが非常に重要なポイントであるというあかしでもあるんではないかなと、こう思いますが、私は決してそうではないと、こう思っておるんです。要するに、この基本法ができて、この基本法にはっきりと明示されております。地方公共団体がとるべきスタンスとして、国の施策に準じた施策及び区域の特性に応じた施策の策定実施の責務と。つまり、基本法を受けて地方公共団体もしっかりやりなさいよと、こういうふうにうたわれているわけでありますから、それを真摯に受けとめて実効性を上げるということを、これ当然の義務であるということで、この条例制定に向かうということがまず第一義です。その次は中身の話でありますから、そこは履き違わないでほしいと思います。ですから、せっかく、ちょっと繰り返して、皆さん方はよく御存じかと思いますけど、男女共同参画社会基本法の前文に、先ほど私申し上げたとおりのことを書いてあるんです。これをちょっと読みますが、短いです。一方、少子高齢化の進展、国内経済活動の成熟化等、我が国の社会経済情勢の急速な変化に対応していく上で、男女が互いにその人権を尊重しつつ、責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は緊要な課題となっていると、こういうふうに前文でうたわれているんですね。まさにこれなんですよ。これを国と地方公共団体、あるいは国民もいろんな分野のところでそれを実現していきましょうと、こういうことをうたわれている法律なんですね。ですから、非常に高い理念の法律でありますから、我々もそれを真摯に受けとめて、可能な限り速やかに対応するということが、これは私どもの責務であると思います。 そこで、翻って考えますと、私はこれは、ある意味では21世紀の新たな価値観づくりかなという感じもしているんです。つまり、ここに手をつけていかないと、充実した豊かな社会、男女がともに協力し合って、お互いの能力を十分発揮していく社会がつくられていかないんだろうというふうに実は思っているんです。ですから、非常にこれは時間軸も長いレンジの中で考えて取り組んでいかなきゃならない、そういう大きな普遍的な課題ではないかなと、こう私は受けとめておりますから、この基本条例の制定は、これは避けて通れないだろうと私は思っているんです。 そこで、今具体的にどうつくるかということになるわけでありますから、これはむしろ私が独断的に、独善的に、そうやっていないのにそう言われている向きもありますから、特別また慎重にやっていくというわけでもありませんけど、これは私の手法であります。ですから、こういった検討委員会等を開いて、広く専門家等の識者の意見を謙虚に聞きながら、条例制定をどうするかということを議論するわけでありますから、ですから私は、今新聞記事とおっしゃいましたが、それは先ほど申し上げたとおりのフラットな気持ちで私が言っていることを理解していただくことから始まるわけでありますから、3分の1とか3割とかということも一例として申し上げました。これは、既にそういった動きもないことはないんでありますから。条例は制定していないけど、例えば審議会とか行政委員会の登用率を3割ぐらい目指していこうじゃないかという、こういう目標設定をしていって、実行上行っている実態も一方あるわけですね。ですから、それは一つのメルクマールだろうと。 しかし、先ほどおっしゃったように男女の割合が5割、女性は51%ぐらいですけどね、おおむね半々と。ですから、大原則はこれは半々ですよ。大原則は5割ですよ。これは、黙っていたってそういう答えは出ているんですよ。それをあえて5割にするかということは言えないから言わんだけであって、じゃそこに持っていくにはどうしたらいいかということが、これはいろんな手段、方法あるという中で、クオータ制ということが考えられたものだと私は思っているんです。つまり、インセンティブをどうするかということでもあろうと思いますから、余りそこにこだわりをされますと、こだわる人が一体何かあるのという感じにならんとも限りませんから、こういったことは、条例はどういうふうにつくられるかという検討、結果ですね、それは御提案申し上げます。あるいは御提案が、私ども申し上げる前から皆さん方から御意見があれば、それは私ども幾らでも聞くにこしたことはありませんから、いいものをつくろうというために幅広く議論をしていただくというところが第一歩であるということを一番大事なポイントに置いていかないと、今おっしゃったように、かなりというか、相当重要な、先ほど申し上げたように21世紀の価値観づくりみたいなそんなところがありますから、そういうことで慎重を期して、このたびの提案した検討委員会を設置していただいて、それでこまを進めていきたいと、こう思っております。 ○石平春彦議長 14番、山岸行則議員。          〔山 岸 行 則 議 員 登 壇〕 ◆14番(山岸行則議員) 私は、グリーンネット議員団を代表して、今議会に提案されました議案第81号平成11年度一般会計決算認定についてと議案第93号平成12年度一般会計補正予算、議案第97号美術品取得基金条例の制定についての三つの議案について総括質疑を行います。 なお、今ほどの市長の答弁にありましたように、今議会は市長を初め行政の方々より、議会に対して幾つかの議案で挑戦状を突きつけられているような状況でございますので、私は受けて立つ決意で、徹底的に討論させていただきます。 まず、平成11年度一般会計決算認定について、大枠6点に絞って質疑を行います。決算の概要は、先ほど市長を初め理事者の皆さんの説明にありましたように、歳入総額651億6,919万円に対して、歳出総額545億1,538万円でありますので、12億1,333万円の黒字であり、経常収支比率は前年度より1.1ポイント改善されて77%であり、経常一般財源比率も前年より3.9ポイント改善されて100.6%であり、公債費比率も前年度と同様に15.4%など、健全財政に向けて努力されていることが数字であらわれております。 しかし、一方起債残高の増加や市税徴収率の低下や使用料の減収や、経常収支比率の中における物件費や補助費の年々増加傾向や不用額の増加傾向など、まだまだ改善しなければならない部分も多くあります。また、市民ニーズや上越市の将来を考えた場合、厳しいこの不況といえども、自主財源は年々減少し、特に市税が減少するなどの問題もあり、一方では一般財源における起債の増加と土地開発公社などの借金の急激な増加などは危惧すべき大きな要因であります。 以下、発言通告に基づき、具体的に質疑を行います。 まず、第1点は、地方交付税の増収理由についてであります。提案理由でいきますと、当初予算よりも8億6,800万円増加して76億7,894万円となり、平成10年度よりも10億4,240万円の増であります。その主な理由として、景気低迷による税収の落ち込みや減税などによる財源不足に対する補てん措置による増加であると言われておりますが、なぜ当初予算を組むときからその辺がわかっていなかったのか、大変疑問であります。また、国の税収も大幅にこの厳しい不況の中で落ち込んでおる状況の中で、交付税に回せる財源が大変厳しいにもかかわらず、なぜ当初予算よりも6億からの増税となったのか、この交付税算定における当初予算の問題点について、まずお聞きをいたします。 次に、市税徴収率の低下についてであります。私は、この項目を質問するからといって、行政担当者の職務怠慢などとは決して思っておりませんし、むしろ担当職員は夜も含めて一生懸命努力されていることは十分承知をしております。したがいまして、厳しい生活環境の中できちっと納税されている方々が圧倒的でありますけれども、一部慢性的に滞納されている方もおられるのではないかと思います。これらの方々には、何らかの対処の方法も必要かと思います。 さて、この徴収率は総体で、前年度より今年度は0.5ポイント低下をして94.4%であります。特に滞納繰り越し分の徴収率は16.5%であり、前年よりも1.7%低下している状況にあります。この総体で0.5%の低下は、金額に換算すると1億からの税収不足という状況であります。滞納繰り越し分の区分を見ますと、法人税や固定資産税や都市計画税などが前年度よりも落ち込んでいるような状況でありますけれども、それらの原因についてお聞きをいたします。 三つ目の質問は、使用料の減収についてであります。私は、この項目で過去何年となく、収入予算に対する決算の収入不足を指摘してまいりました。その結果、昨年あたりから当初予算も収入段階では大幅に落ち込み、むしろ厳密に計算した結果、今年度も当初予算から見れば、決算の収入はそれほど落ちていない状況にあります。しかし、使用料総体は前年度に比べて1,687万円の減収であり、総額は6億6,562万5,000円であります。施設的には、前年度よりも雁木通りプラザがふえて、一方ではくるみ家族園が委託されたため、減収になった状況もあります。このことは、単年度のみの減少であったらさしたる問題はありませんけれども、過去の統計を分析してみますと、6年前の平成6年度の決算では7億4,481万8,000円の使用料が、7年度には7億1,578万4,000円となり、年を追うごとにこの使用料が減収してきているのであります。この6年間で使用施設は増加しているにもかかわらず、使用料は平成6年度と比較をいたしますと7,919万3,000円も減収となっているのであります。このことは、後の委託料の増加との関係もありますが、施設維持費に投入される一般財源の枠を拡大していくことであり、市財政の圧迫をも意味するのであります。なぜこのように使用料は毎年確実に減少していくのでしょうか。施設維持管理との関係も含めて抜本的な改革が必要かと思われますけれども、理事者側の見解をお聞きいたします。 次に、77%の経常収支比率の中の10.9%に当たる物件費、特にその物件費の中の34億1,489万6,000円の委託料についてお尋ねいたします。確かに経常収支比率は前年度の78.1%から、今年度は77%に改善され、特に人件費は1.6ポイント改善されてきています。しかし、物件費は毎年確実に上昇し、今年度は前年度よりも0.4ポイント拡大して10.9%であります。この物件費の内訳を見ますと、今年度は68億3,587万9,000円であり、平成10年度から見て2億5,493万4,000円の増であります。この2億5,000万からの増の中で、委託料だけでも1億5,800万の増であります。平成9年度から比べれば、委託料は4億1,800万の増であり、毎年確実に増加している傾向にあります。したがって、裏を返せば委託料の増加が物件費の増加につながり、物件費の増加が経常収支比率のアップを招いている大きな要因であり、その経常収支比率のアップが、結果して市財政の硬直化を招いているのであります。この委託料には、施設管理や運営委託や基本設計の委託などもありますけれども、時代背景に伴う業務委託なども大きな要因かと思われますが、各種施設の委託のあり方も含めて、今までの努力もありますけれども、さらに検討を深めていかなければ、努力をしていかなければならないんではないかと思われますけれども、行政の見解をお聞きをいたします。 ちなみに、私は平成8年から今年度までの4年間の決算概要に記載されている市内の34の施設の委託料を分析してみました。その結果、これら34の平成8年度の委託料が約5億8,500万であったのが、平成9年度は6億800万となり、10年度は6億3,000万となり、今年度は6億6,700万といったぐあいに、毎年確実にこれら施設の委託料も大きく増大してきている状況にあります。確かに施設の増加もありますが、委託契約のあり方をも含めて検討していかなければならないんではないか。 なお、ちなみに今までよりも委託料が減少になっている部分も多くあることも事実ではございますけれども、総体的にそのように上がってきているという状況でございますので、これらをも含めて理事者の答弁をお伺いいたします。 五つ目の質問は、貸付金を除いた不用額についてであります。いわゆる商工費の中における貸付金を除いた12億からの不用額についての質問だけにさせていただきます。今年度の不用額総体は24億9,800万であり、最終予算に対して4.3%の不用額であります。このうち、今言いましたように商工業の貸付金の不用額は9億8,700万であり、予備費の不用が2億2,300万でありますので、これを除いた残りの12億8,700万円がむしろ私は問題であるというふうに思っております。 説明では、給付事業の対象者の変更や事務執行段階の見直しや経費節減などによる効果的、効率的な執行による結果であると言われておりますけれども、本当にそうなのでしょうか、若干疑問であります。この経費削減や給付事業対象者の減などによる不用額は、毎年これも確実に拡大をして、平成6年度では6億1,400万円の不用額が、7年度には8億2,400万となり、8年度では8億4,700万円となり、9年度では10億4,400万となり、そして10年度では11億1,800万となって、今年度、12年度では12億8,700万円となってきているのであります。毎年確実にこの不用額がふえてきているのであります。予算編成のあり方と事務執行のあり方に問題があるのではないでしょうか。確かに入札差金や各事業の項目における10%や15%前後の差額は仕方がないと思いますけれども、しかしこの当初予算の事業計画の見直しや当初予算における計画の甘さから来る不用額も多いのではないかと思われます。 例えば100万円以上の不用額となった各部門別の節別の決算状況を見ますと、歳出予算額に対して35%以上のいわゆる未執行の不用額の部分が大変多くあります。中には、50%以上の不用額を出している部門もあるという状況でありますので、これらはもう経費節減などの以前の問題であるというふうに言わざるを得ませんので、この辺の見解をお聞かせください。 決算認定の最後の質問は、起債の増加傾向についてであります。平成11年度の市債は40億9,980万円であり、そのうち通常分は26億700万円であり、前年度よりも抑制した発行でありました。しかし、起債残高は確実に増加をし、平成11年度決算では平成10年度よりも8億1,346万8,000円の増の463億9,405万円であります。通常分のみでは、前年度より1億2,500万円の増であり、315億3,300万円であります。これに特別会計の起債残高468億5,529万1,000円をプラスすれば932億4,934万1,000円であり、そのほか通常会計には出てこない土地開発公社の平成11年度末の借金残高254億173万円などを含めると、何と1,186億円からの借金となってまいります。このほかにガス、水道の企業会計を含めれば、1,300億からになってまいりますけれども、ただ私はそれらの特別会計や企業会計をさしたる問題とはいたしません。むしろ、ここではこの436億の一般会計の起債と、この土地開発公社の254億、いわゆる土地開発公社の場合は、いずれ市が買い求めていかなければならない事業である。どこからも大して収入が入らない、一部入るのもあるかもしれません、収入が入らない、いわゆる市が買い戻さなければならない、いずれ市が起債を起こして買っていかなければならない内容であるということをも含めると、この二つの中身が一番問題であるんだろうなというふうに思っております。特に先ほどからの説明にありましたように、新幹線脇野田駅の整備だとか、これからの上越市の大型プロジェクトなどを見たときには、まだまだ市債を起こしていかなければならない上越市の現状があるときに、今この状況の中では、むしろ一般会計における起債残高をふやすんではなくして抑えていく、そういう姿勢を持っていかなければならないにもかかわらず、結果的にまたことしもふえているというところが、私はやっぱり問題にしなければならないというふうに思っておりますので、その辺の見解をお聞きをいたします。 次に、議案第93号平成12年度一般会計補正予算の男女共同参画基本条例検討委員会の設置についてお尋ねをいたします。先ほど市長の答弁もお伺いいたしましたけれども、若干私は角度を変えて、この問題についての質問をさせていただきます。先ほどからの論議にもありましたように、マスコミ報道でいきますと、市長は市の職員や各種審議会委員におけるクオータ制を条例化したいということだけではなくして、むしろ私たち議会をも含めてそれらの検討をしたいというのが今市長の答弁にあった中身であります。私は、むしろ4年前に一般質問をいたしました各種審議会委員の重複問題をも含めて、女性の登用はもっと多くすべきであるということをこの間一貫して言ってまいりましたので、国からの男女共同参画法令が制定されたからというよりも、むしろ女性の社会進出に向けた各種審議委員などをも含めて、もっともっと上越市が前倒しをして前からやらなければならなかった問題であるというふうに、むしろ遅いくらいであるというふうにも思っておりますし、今回の条例制定に向けた審議会にクオータ制なども含めた男女共同参画社会に向けた条例制定は、私は大いに賛成でありますので、積極的に検討委員会を開いてやっていっていただきたいというふうに思っております。 ただ、私はここで質問するのは、その審議会の中に議会も入れるという問題であります。むしろ、これ1点に私は絞って市長の見解を聞きたいと思っておりますけれども、行政の裁量、いわゆる条例などの制定でできるものと、議会の枠など、いわゆる法的に整理をされている内容を一緒に上越市の予算である検討委員会で検討することができるのかどうかという問題であります。たとえそこでどんな検討をしようとも、法にまさるものがない以上は、上越市が幾らそこで論議をし、そこに結論を出しても、それ自体は何の拘束も持たないという状況であって、むしろその辺に私は一定の法的な問題から含めてルールを引かなければならないんだろうと思っておりますけれども、そのルールを今回の場合を通して度外視をしていくことが本当に地方自治の中においてはいいことなのかどうかというのは、大変疑問であります。 先ほどの市長の答弁でいきますと、地方自治法や公職選挙法との兼ね合いも含めて、十分その辺も理解をするけれども、市議会自身についても特別視することなくして、地方から問題提起をする一つの意味をも含めて対応したいというふうに言われておりますけれども、私から言わせると、それはおのずから一定の限度があるものだろうと。いわゆる先ほどから論議をされている地方自治法や公職選挙法に抵触するなどという中身までも一自治体で論議ができるのか、ましてや一自治体の財政を使って法律問題の枠の中まで論議が果たしてできるのかというところが大変疑問であります。だから、その意味では市長は、最初から一切のタブーを外して、いわゆるバリアを取り除いて、すべてを平等の平らな立場で論議をしたいんだろうというふうにも思いますけれども、しかしたとえそれはしたいとしても、議会の定数などの問題でクオータ制が果たしてなじむのかどうかというのが大変疑問であるというところでございますので、その辺の見解をお聞きをしたいなというふうに思っておりますし、もし新聞等で出ておりましたように、これは私の一つの勝手な言い方ではございますけれども、万が一にも検討委員会でそういうものに議会も論議の対象にしていくんだとすれば、縦も横も含めてすべてのタブーをなくしてというんであれば、議会や各種審議委員や行政職員など数多くおられる部分の、いわゆる横の部分がクオータ制の検討に入るという意味でありますけれども、すべての分野をタブー視をするんであれば、私は縦も横もないだろうと思っています。その意味では、市長の、首長の選挙制度のあり方も逆に論議をするのかという問題にまで入ってくるだろうというふうに思っておりますので、その辺も含めて見解をお聞きをしたいというふうに思っております。 次に、市民プラザの整備に伴う各種センターの運営方法についてであります。今議会に備品購入などの予算が計上されておりますけれども、基本的な運営方法は全く見えておりません。これは、私は井上副市長の担当だとは思っておりませんで、ベテランの山口副市長の担当だと思いましたので、以下このような質問をさせていただきます。 行政は、何を考えているのか大変疑問であり、議会を侮辱しているのか、軽視しているのか知りませんけれども、備品購入の予算だけを審議して、具体的事業内容を明らかにしない姿勢は甚だ問題であります。去る6月議会で、PFI方式で建物を改造し、その中にどういう施設が入るかについて検討いたしました。それでいきますと、今回提案されている会議室や体験学習室や総合ボランティアセンター、女性センター、国際交流センター、環境情報センター、こどもセンターなどが入ることとなっています。この間の経過で、ここまでは理解しておりますが、その後の具体的事業内容は一切明らかにされておりません。したがって、これらのセンターなどに、そこに入ってどういう事業を行うのでしょうか。発表されているのは、環境情報センターとこどもセンターのみでありました。これが私が質問をつくった段階で、8日の段階で、今度は私どもの要望や議会からの申し入れ、また私自身の質問通告によって、ようやく8日の日に追加資料として総合ボランティアセンターと女性センターと国際センターの業務運営内容が提起をされました。むしろ、このことを今回の議案の最初から提起をされていれば、私はこんな総括質疑をやることは全くなかったという状況であり、一部問題点はありますけれども、あえて総括質疑にまで取り上げる必要はなかったというふうに思っておりますけれども、何で私どもから言われて初めて、予算の中身は出ているけれども、その事業内容を何で出してこなかったのかというところが甚だ問題であります。市長が絶えず言っておりますように、「安・近・短」行政とは言っておりますけれども、この内容から見れば全くそれとは違った、「安・近・短」行政なんていうもんではなくして、市民や議会よりも距離を置いた姿勢であり、スピーディーな最も身近な対応をとるんではなくして、最も議会と離れた姿勢をあえてとっているというふうに言わざるを得ませんので、若干質問内容とは違ってしまいましたけれども、市長、この辺の見解をお聞きをいたします。これは、私が違ったというよりも、行政の姿勢によってそうならざるを得なかったという状況でございますので、よろしくお願いをいたします。 最後に、議案第97号美術品取得基金条例の制定についてお尋ねいたします。この条例は、大変複雑に見ております。一つは、上越市出身などの画家の作品を郷土に保管し、展示することは大変すばらしいことであり、私から見れば、過去の富岡惣一郎さんなどの作品が上越市出身にもかかわらず、他の自治体にとられてしまったかのような過去に禍根を残した例もありますので、このような制度をつくって対処することはよいことであります。しかし、一方では厳しい財政状況のもとで、市民の日常生活の環境整備すらままならない状況の中で、これらの基金に一般財源をどれだけ投入するのかわかりませんけれども、多額に投入していくとしたならば、大変疑問であります。 そこで、今回の基金を設置し、その資金を一般篤志家の寄附を中心とするのか、それとも一般会計などの繰り入れを中心とするのか。一般会計からの繰り入れであるとするならば、今までの博物館費における年間の美術品購入費などとの関係も含めてどのくらいの予算を考えているのか。また、美術品の取得や基金確保の運用などの判断、検討はどこの機関で行う予定なのか、委員会制度などを設置する予定があるのかどうか、その辺をお聞きいたしたいと思います。 以上、よろしくお願いいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 お答え申し上げます。 まず初めに、地方交付税についてでございますが、御案内のとおり、地方交付税は地方公共団体の財政需要と収入を一定の基準に基づいて算定し、収入の不足分を補てんするもので、所得税及び酒税の32%、法人税の35.8%、11年度だけは32.5%であります。消費税の29.5%並びにたばこ税の25%の合算額を原資として、普通交付税として94%、また残りの6%を特別交付税として交付されることとなっております。 しかしながら、長引く景気低迷と平成6年度以降の所得税減税などにより、原資である国税収入も減少していることから、この間、交付税特別会計への借り入れにより交付税総額の確保が図られていることは御存じのとおりであります。そして、平成11年度も地方の財源不足に対処するため、特別会計において8兆円を超える借り入れを行うこととし、平成10年度に比べ、19.1%増の20兆8,642億円の交付税総額が確保されたところであります。 さて、ここで国の交付税予算の決定段階から、各自治体の普通交付税決定に至るまでの状況をかいつまんで申し上げないとわかりませんもんで、申し上げます。国家予算案が決定される年末の段階においては、交付税総額と主要な改正等の方向性が示されるのみであります。詳細については、全く未定の状況にあります。普通交付税における財政需要額の算定は、各費目ごとに測定単位(人口等の数量)と単位費用(単価)及び各種補正係数を掛け合わせて算出されるわけでありますが、人口等の数値はそれぞれの自治体において把握できるものの、肝心の単位費用(単価)については2月から3月にならなければ発表されません。このときには、既に私どもは予算を編成して提案している段階、審議をいただいている段階であります。また、補正係数は7月の算定時点まで発表されないのであります。補正係数は、さらにおくれて7月段階であります。さらに、基準財政収入額も国が見込む推計値を用いることになっておりますが、これも7月の算定時点まで示されないのであります。したがって、このように例年、当初予算の編成時点においては情報が極めて少ない中で、推計して計上せざるを得ないという状況にあります。これは、私どもばかりでなく、全国の自治体すべてであります。平成11年度においても全力を挙げて情報収集に努めながら、約70の算定項目について試算を行っております。58億1,000万円を計上したのであります、その結果。そして、当初予算編成時、県を通じて自治省から示された情報によれば、経常経費は1.5%程度の増、投資的経費は1.5%程度の減、また市町村に比べ、減税影響が大きくなると考えられる道府県に傾斜配分するとのことでした。これは、まさに配分の基本的考え方がおくれてなされるわけであります。これらを参考に試算して、同一の基調で計上したところでありますが、その後の単位費用や補正係数の変動などによって、実績上は経常経費が3.5%の増、さっきは1.5%と言いましたね。3.5%の増に、投資的経費は逆に0.4%の減、さらに基準財政収入額も当初見込みの2.0%減に対して3.5%減で算定されるなど、結果として予算を大幅に上回って交付されることになったわけであります。 以上のように、当初予算編成時点においては、普通交付税を正確に見積もることが極めて困難な状況であることでありますから、こうした中で私どもが推計しますと、やはり安全的な推計をせざるを得ないと、こう私は思います。後にまたお答え申し上げますが、結果的に財政の均衡がそのようなことで健全の方に出ておりますが、これは逆に見積もりを間違えますと、赤字ですね、交付税欠損ということになりますから、非常にこれは危険な要素をはらんでおります。また、昨今の経済状況が厳しいから、交付税となる原資が、つまり先ほど申し上げた国税3税を中心としたこれがどうなるかわからないということで、交付税特会全体としてその財源をどうキープするかという問題がありますから、やはりトレンドとして景気が悪いとなると、交付税も結果的に減るだろうという、こういうことを予測しなければいけませんね。これを安穏としてですね、いや、前年よりかまたプラスになるというと、これとんでもないことになります。ですから、これは安全を期して積算するという事柄でありますから、余ったからといって、当初の見積もりよりふえたからといって批判されることは毛頭ないものであることを申し上げておきます。つまり、そういった慎重な積算こそ、私の堅実な健全財政の運営の手法でもあります。 そういうことで、これ笑う人がいるかもしれませんけども、いいかげんなことでそういうおちょくることはしないでください、これは。こういう見込みが実は責任につながっていきますね。つまり、黒字であるから、まだよかったんですよ。これが赤字だったら、おまえの責任だと、こういう単純に追及されるという、そういうたぐいの性格のものであるんです。だから、うまくいって当たり前、失敗したら一方的な責任という、こういったことをはらんでおる、そういう費目であるということでありますから、よっぽどこれは慎重にやらなきゃならない積算で、これまでもそういう積算を行ってきたことを御理解をいただきたいと、こう思っております。 したがって、非常に極めて困難なことを申し上げたわけでありまして、県内他市の状況を見ても、当初予算額と決定額との間にはいずれも大きな乖離が生じていることをつけ加えさせていただきます。ですから、私どもばかりでなく、そういう財政的なことを責任持ってやるという、そういう姿勢でおるならば、大体そういう傾向でやっているということであります。 次に、特別交付税でありますが、特別交付税は普通交付税では捕捉されない特別な財政需要に対して交付されるもので、特に災害時の突発的な、あるいは緊急的に必要とする経費に優先的に配分されるため、予算の見積もりが困難な状況であることから、平成11年度は5年度から9年度の平均の交付額10億円を予算計上したところであります。これは、全く予期しないファクターでありますから、そういう平均的な計上をしております。11年度は、当市においても幸い大きな災害等はありませんでしたが、コンピューター西暦2000年問題や介護保険制度の導入に向けた広報活動などに対する経費が新たに算定の対象となったことや、副市長制を初めとする大胆かつ斬新な行政改革や先進的な環境施策の取り組み、さらに旧国立高田病院にかわる上越地域医療センター病院の設置に向けた当市の単独のこういった取り組みに対する支援を強く措置をしてくれということを国に働きかけたことが、結果的に当初予算を2億5,000万円上回る12億5,000万円の交付決定となったところであります。これ私、官邸まで行って要望したことをつけ加えておきます。かなりこういった先進的な取り組みについての評価は分かれますから、私がトップに話していかないとこの意味がわかっていただけないもんで、そういうところを私はきちっと要請活動してですね、結果的にこのような予算がとれたということであります。 次に、市税徴収率の低下した理由についての御質問でありますが、御案内のとおり、長引く景気低迷の中、企業の倒産件数は平成10年の22件に対し、平成11年は14件と減少したものの、事務所、店舗等の閉鎖は前年の123店舗から、さらに139店舗となり、引き続き高い件数で推移しているなど、納税を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。こうした経済情勢のもとで、市税全体の収入未済額が前年度に比べ、1億170万円増の10億8,062万円となりました。この収入未済額の内訳について税目で申し上げますと、個人市民税は2,763件、2億4,412万円で全体に占める割合は22.6%、固定資産税及び都市計画税では1,530件、6億5,132万円で60.3%、この3税目の合計で4,293件、8億9,544万円となり、件数では77.5%、未済額で82.9%と大きなウエートを占めております。 このような状況の中、平成11年度の収納率は、現年課税分については前年度に比べて0.1ポイント減の98.4%、滞納繰り越し分については1.7ポイント減の16.5%、市税全体では0.5ポイント低下し、94.4%となったところであります。この低下の要因は、特に滞納繰り越し分において平成10年度の調定額は9億693万円で、そのうち18.2%の1億6,474万円が収納されましたが、平成11年度については、前年度からの繰入金は2億8,779万円で、調定額が9億7,354万円とふえた上に、収納額が1億6,049万円と前年度並みとなったため、収納率が16.5%と低下したことにより、全体の収納率も下げたものであります。 ちなみに、県下20市の状況を見ますと、市税全体での収納率は低下傾向にあり、前年度に比べ、17市がマイナスとなり、そのうち0.2から0.5ポイントの減が7市となっております。当市は、この0.2から0.5ポイントの中に含まれておりますが、さらに0.6から0.9ポイント減が6市、1.2ポイントから1.4ポイントの減が4市でありました。20市の平均では、0.6ポイント低下して95.1%でありましたが、当市は平均をやや下回る94.4%で、13番目となっております。 とりわけ経済情勢の影響から来る資金繰り難により、法人、個人を問わず、営業不振や倒産により、事務所、店舗、工場等が競売事件となるケースが多く、事件によっては長期にわたり売却処分ができない事案や、自己破産等により財産が皆無となり、徴収が困難な事案も増加しております。 なお、収入未済額の82.9%を占めている市民税、固定資産税及び都市計画税で50万以上の滞納の状況を申し上げますと245件で、6億3,068万円となっております。全体に占める割合は、件数では5.7%、滞納額で70.4%となっております。そして、この滞納の主な要因は、倒産等によるものが65件で3億8,750万円、営業不振が93件で1億7,481万円、生活困窮が68件で4,666万円等であります。 なお、市税の1,000万円以上の高額滞納者は7件で、収入未済額全体の38.4%を占め、滞納額は4億1,450万円になっております。7件で4億1,450万円です。 昨年の9月議会でも答弁申し上げたとおり、大多数の市民の皆さんが懸命に納税の責務を果たされておられる中で、特に法人については納税困難というやむを得ない事情があったとしても、経営者としての社会的な責務はもとより、連帯責任という立場から、役員の道義的な責任を厳しく問われてしかるべきものと思いますし、万難を排して納税に尽くしていただかなければならないと、このように考えております。 今後とも滞納整理については納税者の自主的な納付を基本に、滞納者の状況把握に一層努め、休日、夜間の訪問を行うとともに、上越財務事務所との共同徴収も実施し、個々の事案ごとに財産差し押さえなど、法的な手続による滞納金の早期回収に鋭意努力し、収納率の向上に努めてまいりたいと考えております。 次に、使用料についてお答え申し上げます。まず、平成11年度の使用料の状況について概略を御説明申し上げますと、決算額は6億6,562万円で、前年度に比べて1,687万円、2.5%の減となりましたが、平成11年度から上越市環境衛生公社に運営を全面的に委託したくるみ家族園及び昨年4月にオープンした雁木通りプラザの増減要因を除いて比較いたしますと、10年度の6億6,420万円に対して11年度は6億5,830万円と、590万円、0.9%の減となっております。 また、主な施設の状況を見てみますと、リージョンプラザが前年度に比べ158万円、3.2%増の5,079万円にふえております。オールシーズンプールが171万円、16.9%増の1,185万円となった一方、総合博物館では1,227万円、62.3%減の742万円に、水族博物館は1,610万円、8.5%減の1億7,261万円となりました。総合博物館では、平成10年度に開催いたしましたいわさきちひろ展が幅広い年齢層から大変好評を得て、近年にない入館者を記録したこともあって、それと比較いたしますと、11年度は減少する相対的結果となったわけであります。また、水族博物館は、夏休み期間中に長野市でサンシャイン水族館による移動水族館が開催されたことなどの影響を受けて減少したのではないかと分析しておりますが、ことしの8月現在の水族博物館の入館状況は、全国の同種の施設が軒並み10%前後の落ち込みを見せている中で、当市では上信越自動車道の全線開通もあって、前年同期に比べ5.1%の増加となっております。各種施設の利用者数等は、一般的に見てオープン後、年数を経るにつれて漸減する傾向にある、これは当たり前であります。また、近隣市町村に類似の施設が整備されてきていること、これも当たり前です。さらには、景気の低迷や少子高齢化の進行という社会情勢も背景となって減少してきているのではないかと考えております。 こうした中で、私はより多くの皆さんから施設を利用していただくため、これまでも上越こどもの日の制定やシニアパスポートの発行など、さまざまな工夫を凝らしてきたところでありますが、例えばシニアパスポートの利用者は、対象年齢を75歳から70歳に引き下げた効果もあって、制度がスタートした平成10年度の2,149人に対して、11年度はその約7倍に当たる1万4,597人の利用があったほか、上越こどもの日の利用者も10年度に比べ15.4%増の2万6,687人となるなど、大きな成果を上げております。ですから、使用料が減ったからといって利用者数が減ったんではなく、利用者数はふえているんですから、すべて使用料に換算する、そういう効果を期待する面ばかりではないと、こう私は思います。多くの市民が施設を利用していただくことがまず第一であって、もちろん両方がうまくいけば一番いいんでありますが、このようにシニアパスポートを実施しますと、これは半額で7倍もふえたんでありますから、こういった経営感覚は私の得意とするところであります。 それからまた、バランスシートの取り組みなどを契機として、各施設のコストの見直しを進めると同時に、より品質の高いサービスをより多く提供できるよう、職員の意識改革にも努めているところでありますが、こうした中で一例を申し上げれば、図書館においては開館時間を延長し、利用者の利便を図ったことにより、利用者数や図書の貸し出し冊数が増加するなど、徐々にではありますが、取り組みの成果があらわれているものと感じております。いずれにいたしましても、今後さらに見直し、工夫を重ね、経営感覚を持って、効果的、効率的な施設運営に当たることは当然でありますし、よりよいサービスの充実に努めてまいりたいと考えております。 なお、山岸議員も御質問の中で言われたように、平成6年度と比較してみますと、使用料の決算額は6年度の7億4,481万円から11年度には6億6,562万円と7,900万円余り、10.6%の減となっておりますが、外部に運営委託した施設等に係る増減要因を除いて比較しますと4,800万円余り、6.9%の減となっておりますので、参考まで申し添えておきます。 次に、経常収支比率の中の委託料についてお答え申し上げます。経常収支比率は、財政構造の弾力性を示す指標の一つとして用いられております。これは、私ども自治体ばかりでなく、全国の自治体すべてが同じような状態の中で比較しておりますから、特別に上越市云々ということではありません。ですから、数値が一般的に低いほど弾力性があるとされていますが、おおむねそのメルクマールは70%~80%の間に分布するのが通常であると言われております。 当市の最近の経常収支比率の推移を見てみますと、平成7年度が75.9%、8年度が2.2ポイント上昇し、78.1%、9年度は0.9ポイント上昇し、79.0%となりましたが、10年度では0.9ポイント下がって78.1%、11年度ではさらに1.1ポイント下がって77.0%となっているわけであります。県内20市中、10年度の3位から、11年度は2位にランクを上げる結果となったわけであります。 ちなみに、経常収支比率、これはちょっと古いのをさかのぼって、ことしは県内2位、去年は3位、その前は3位、3位、6位、4位、8位と、こういう流れで、2位になったのは今回は初めてですかね、直近では、私の最近の知るところでは2位が上位であるようであります。 お尋ねの物件費を構成している委託料についてでありますが、平成11年度は34億1,400万円余りとなり、10年度に比べ1億5,800万円余り、4.9%の増となっております。増加した主な内訳について御説明申し上げますと、老人デイサービスを初め老人ホームヘルプサービス、訪問入浴サービス、さらにはふれあいランチなど、福祉施策の充実に伴い、関係委託料が9,800万円余り増加しました。このほか、資源物回収の拡充など、快適な市民生活に欠くことのできない環境施策の推進に伴って、回収委託料等が4,000万円余り増加したものであります。ですから、御批判を受けるような内容とはなっていないなと私は思っています。こういった福祉とか環境とか、そういうものに委託料として充てんしたという結果がですね、今山岸議員のお尋ねでありますが、じゃこれやめたらいいかという話になったらとんでもない話になるわけであります。かねがね申し上げておりますとおり、私は不要不急のハード事業を抑制し、市民生活に必要なソフト事業の充実に力を入れて取り組んでいるところであり、その結果として福祉関係を初めとした委託料が増加しているということをぜひ御理解をいただきたいと存じます。また、各施設の管理等については、専門事業者等のノウハウを導入して、より適切な管理を図るとともに、市直営に比べてコスト面においてもメリットが期待されることから、可能な限り外部委託を推進してまいりたいと考えておりますが、そのことによって職員に余裕が生じた場合は、これを新たな行政需要の分野に充てるなど、トータルとして効果的、効率的な行財政運営を図ってまいりたいと考えております。 なお、施設の管理委託につきましては、常に点検、見直しを行い、所定の手続を経て委託しているところでありますが、よりよいサービスの提供に向けて、今後とも引き続き適切な運営に努めてまいりたいと考えております。 次に、不用額についてお答え申し上げます。提案説明でも申し上げましたが、平成11年度の不用額は予算額の4.3%に当たる24億9,800万円余りとなりました。これは、長引く景気低迷の中で、中小企業の皆さんの資金需要などに機動的に対応できるよう、各種貸付金の予算を十分に準備したところでありますが、結果として予算の9.9%に当たる9億8,700万円余りの預託金が不用となったこと、年間の補正財源等として確保しておいた予備費が2億2,300万円余り不用となったこと、また各種給付事業の対象者数の変動や、事業執行段階における見直し及び入札執行差金、さらには経費節減努力等々が主な要因で、12億8,700万円が不用となったものであります。 この主なものをかいつまんで申し上げますと、知的障害者入所措置費や生活保護費などの給付費等で1億700万円、道路工事や学校建設費などの入札差金等で1億5,600万円、庁舎や学校の光熱水費の節減などで1億900万円、除雪費で4,700万円、また人件費全体で5,700万円などとなっております。 もとより予算計上に当たっては、さまざまな角度から十分な検討を加え、適切な計上に努めているところであり、その執行に当たっても重ねて点検、見直しを行うなど、効果的、効率的な執行に努めながら、計画した事業をほぼ予定どおり執行したところでありますが、部分的にはさらに見直しを要する箇所もあろうかと存じますので、このたびの決算を踏まえ、今後ともより一層適切な予算計上、事業執行に努めてまいりたいと考えておりますが、不用額の今概略を内訳申し上げましたが、その他の細々としたものが6億円ほどあります。これが実は、毎年この程度細々したものを積み上げますと出てくるんですよ、これは。ですから、全体的に今各年度が不用額ふえているんじゃないかというような御批判めいたことをいただきましたが、実は予算規模がふえていけば、それにリンクして不用額もふえていくという、こういう細々したことの積み上げが結構大きいんですね、半分ぐらいあるんです。ですから、これは一々説明しますと日が暮れちゃうということでありますから、大まかなところで御理解をいただきたいと、こう思います。 続いて、起債についてお答え申し上げます。私は、市長就任以来、常に財政の健全化を念頭に置いて財政運営を行い、市債の抑制等に努めていることはこれまでも幾度となく申し上げてきたところであります。平成11年度においても、この基本姿勢のもとで新規発行の抑制に努めてきたことは提案説明でも申し上げたとおりでありますが、こうした不断の抑制努力が着実に効果をあらわしており、例えば公債費比率はこの間年々低下、改善し、平成5年度及び6年度には16.6%、全国663市及び県内20市中、いずれも最下位グループであったんです、平成5年、6年ぐらいは。であったものが平成10年度には15.4%、全国670市中379位まで改善、浮上してきました。県内20市中も7位と改善し、平成11年度では県内20市中13市の比率が上昇、悪化する中で、当市は前年度と同率の15.4%にとどまり、県内20市中5位にランクアップしたところであります。 ちなみに、平成5年のところを申し上げましたけど、18位、県内20市。5年、18位、6年、18位、4年のときは20位、最下位。平成7年が17位、8年が12位、9年が10位、10年が7位、そして11年度が5位と、著しい進歩をなし遂げているんです。 また、減税補てん債や財源対策債など、国の地方財政対策の枠組みの中で発行せざるを得ない市債が多額に上っていることもあって、これは他動的要因ですね。ですから、そういう市債が多額に上っております。これは、各自治体もいずれもそうであります。市債の残高が増加しております。ですから、国の施策、あるいは国全体の傾向がそういうことで、景気対策等が矢継ぎ早に行われたということ、あるいは減収等があって市債の残高が総体的に増加しておりますが、平成11年度末における市民1人当たりの一般会計債残高を見ますと、34万9,629円と県内20市平均の38万4,343円及び類似団体9市平均の41万3,461円を大きく下回り、抑制努力があらわれた結果となっているのであります。借金がふえた、ふえたと言いますけど、総体的に見れば、それは努力の成果が大きくあらわれているという、こういったところを高い評価をしていただきたいと、こう私は思っております。 ちなみに、この市民1人当たり残高は、少ない方、良好な方から数えて、平成10年度には県内20市中8位であったものが、平成11年度では7位にランクアップしておりますので、参考まで申し添えさせていただきます。ですから、実質改善をされているということです。 なお、土地開発公社の財務内容等につきましては、例年議会にも報告しております決算書等のとおりでありますが、保有している土地のうち、市として公共利用をするものにつきましては、これまでに引き続き、今後とも計画的な買い取りを進めてまいりたいと考えております。 参考までに申し上げますと、公社の保有土地は、平成11年度末現在の簿価で278億円となっております。御存じのとおり、公社は企業団地の造成、販売等を初めとするプロパー事業や、国、県の代行事業及び代替地あっせん売買なども手がけており、これらに係る土地が全体の44%を占める122億円余りとなっておりますが、こうしたプロパー事業等は直接市に影響を及ぼすものではなく、したがってこれを除いた155億円余りの土地について、市が公共事業用地として今後も計画的に買い取りを進めてまいりたいと考えております。 議員も御承知のとおり、この間国鉄清算事業団や県からの強い要請を受けて、高田、直江津駅周辺の土地や中央病院跡地などを合わせて37億円余りを取得したこと、また一連の経済対策において、公共用地を積極的に取得するよう政府の方針が打ち出されたことなども、公社の保有地が増加した一因となっておりますことを御理解をいただきたいと存じます。保有している土地の中には、取得後の状況変化などにより長期間にわたっているものも見受けられますが、これらについてはできるだけ早い時期に適切な対応を図りたいと考えているところであります。 皆さん既に御案内のとおり、大きな土地が、例えば今泉団地とか杉野袋とかいろんなところがあるわけですよ。私が来る前にいっぱいあるんですよ。私がもちろん担当してからも買っておりますけど、全部それは裏づけをして取得しております。ですから、これはまた土地開発公社の資料提出させていただいたときに御質問をいただければ、懇切丁寧に御説明申し上げます。 このことが実は先般全国によからぬケースが散見するということがあって、土地開発公社の土地の取得と処分のあり方についての指導要綱が私どものところにもこの4月に来ております。ですから、今後は経営感覚に沿ってきちんとするような、そういうことで対応してくれと、再検討すべきだと、こういう指導があったことを申し上げておきます。原則は10年ぐらいのめどで、今後取得する場合は行政目的に使用したり、あるいは取得した目的、先ほどプロパーのを取得するという要素もあるということを申し上げましたが、そういったことを含めて、今後の取得については慎重に一つのメルクマールとして、10年程度を基準としてやるようにという、こういったことが指導として参っておりますことを申し上げておきます。 特に過去に大きなロットとして取得したものについては、その土地の活用について、例えば杉野袋については里のこどもの国整備構想に置きかえていこうという、そういう構想をようやくまとめてきましたし、あるいは今泉団地においても当時そういったことを想定しないで、別の目的で、あえて申し上げませんが、取得したものであるようでありますが、今次新幹線の動きが明確になってきましたから、新幹線の周辺整備の一体として、この土地の使い方も検討していきたいと、こう思っていますし、またつい最近取得しました市民プラザの土地、これについても、これは先刻私が申し上げているとおり、あそこに隣接する西側の農地と一体となって区画整理をするということで、今回の線引きからも都市計画区域の中に編入するということで今進めておりますから、これが決まり次第、そこに一体として土地を有効活用するという、こういったこととか、すべて取得したものについてはちゃんと裏づけがあってやっているということだけを申し上げて、きょうは時間がありませんから、これ以上は差し控えさせていただきますが、きちんと健全経営を行う方向で取り組んでいきたいと、このように思っております。いずれにいたしましても、将来に過大な負担を残さないよう、引き続き市債の抑制を初めとする適切な財政運営に一層意を用いてまいりたいと考えております。 次に、男女共同参画基本条例制定に関しての御質問でありますが、さきの早津議員にお答えしましたとおり、男女共同参画社会の実現のため、基本条例制定を目指し、検討委員会を設置するものであります。検討委員会では、聖域を設けず、各種委員会や審議会、市議会、市職員の採用・昇任など、官民問わず、すべてを検討対象としたいと考えております。 市議会をクオータ制の対象とすることは法律に抵触し、有権者である市民の権利を制限するのではないかとのような御質問でありますが、憲法や公職選挙法などに抵触するような条例を制定できないことは、私も十分承知をしているつもりであります。しかしながら、日本国憲法では法のもとでの男女の平等がうたわれてはいるものの、一方で女性の社会参画が十分でない現実は議員も御承知のとおりであると思います。男女共同参画社会基本法施行のゆえんも、そこにあるということであろうかと思います。私といたしましては、男女共同参画社会基本法及び関係法令に配慮した上で、女性の社会参画、とりわけ政策決定の場への参加をいかに確保するか、またこのラインに沿っていかなる条例を策定し得るか、検討委員会で十分議論をしていただきたいと、こう考えております。決しておこがましいというか、私の予断を入れた形の検討委員会を開くつもりはございません。 続いて、市民プラザの基本的な運営方法についてでございますが、大変失礼でありますが、このことについては数年前からですね、市民プラザをどうつくるかという検討委員会を市民参加の中で進めてきたわけでありますが、ちょうど山岸議員が御在籍でないときにあったことが、実はちょっとミスマッチされているんではないかなと、こう私は思っています。また、資料請求をしたから出たというふうにおっしゃっていましたけど、これは決してそうじゃなくて、私も知っています。ちゃんとこれは用意して出せよということで準備していた、ちょうどそのときに、出会い頭みたいなことがあったのかもしれませんが、タイミングよく、そういうふうに受けとめられたんであれば、それはそれでいいんでありますけど、私どもは決して言われたからというんじゃなくて、こういったことは重要なことでありますから、準備をしていたということを確認をしておりますから、申し添えておきます。その上に立って、お答えを申し上げます。 市民プラザ整備事業につきましては、さきの6月議会において事業の契約等に関する議決をいただきました。相当長期間で、長時間をかけて慎重審議をいただきましたもんで、よく記憶されていると思います。来年春のオープンを目指して鋭意工事を進めておりますが、現在施設内の間取り工事に入り、進捗率はおおむね22%であります。施設整備後の運営体制は、プラザの事務局を初め、五つのセンター部門と民間によるテナント部分をもって構成しております。プラザ事務局は、プラザの総合調整、維持管理、貸し館業務を所管いたします。一方、五つのセンターは本庁の関係課が所管し、それぞれ連絡調整して運営に当たります。テナント部分については、整備事業の契約相手である株式会社上越シビックサービスが事業者に転貸する形で管理運営をすることになります。 各センターの主な業務をこの際、申し上げておきます。一つのセクターとして、総合ボランティアセンターでありますが、本庁の男女・老参画社会推進課の所管とし、ボランティア推進係をセンターに配置し、市民のボランティア活動への参加促進、交流支援、いわゆるサポートなどを行います。 女性センターでありますが、同じく男女・老参画社会推進課が所管し、同課の男女共同参画室職員をセンターに配置するとともに、女性相談員を増員して、男女共同参画社会に向けた施策の推進、女性団体の活動支援、女性相談などを行います。 国際交流センターについては国際交流課の所管とし、同課の国際交流係のうち、事業担当職員及び国際交流協会職員をセンターに配置して、ホームステイなど海外交流事業の運営、在日外国人への支援並びに国際交流協会の諸事業などを行います。 それから、環境情報センターは、現在雁木通り美術館の一角に部分開設しておりますが、当センターの職員を本センターに配置するとともに、職員を増員し、環境情報の受発信、リサイクルプラザやリサイクル工房、環境実験室の企画運営などを行います。 こどもセンターについては、こども福祉課の所管とし、保育士を含む職員を配置して、子供たちの仲間づくりのための遊びの場の提供、子育てに不安を持つ保護者の相談など、現在市内6カ所で実施している子育てひろばの新たな拠点施設として、育児講座の実施や育児ボランティアの育成を行う予定にしております。また、館内利用者の要望にこたえるための託児室も設置いたします。このほか、本プラザには各種情報を提供できるITコーナーや市民相談室などをも設ける予定にしております。 以上のような運営体制に基づき、それぞれ必要な備品等を調達したく、今議会にその購入費等1億1,255万1,000円の補正予算をお願いしているところであります。この主なものとして、プラザ内の各センターや会議、研修室等で使用する机、いすなどの購入費9,394万2,000円、イベント情報等のソフト作成委託料等749万2,000円、オーディオ機器のリース料439万円、その他臨時職員賃金333万2,000円などであります。 市民プラザは、一人でも多くの皆さんから自主的に、かつ積極的に利活用していただき、市民文化の向上や双方向行政の進展を図ることが大きな目的であります。本プラザの開設を通じて多様な市民交流を創出し、市民と行政が一体となった新しいまちづくりを推進してまいりたいと存じます。 以上です。 ○石平春彦議長 斉藤弘教育長。          〔教 育 長 登 壇〕 ◎斉藤弘教育長 山岸議員さんの方から、上越市美術品取得基金のねらいにつきましては既に深い御理解をいただいているものと思いますが、改めて申し上げたいと思います。 美術品の取得業務につきましては、市議会の特別な理解をいただき、平成7年度から上越市出身またはゆかりのある作家の作品を取得する費用として、3,000万円の予算で対応してまいりました。特に今年度からは、小林古径邸復原事業の完成を見据えて、古径画伯の貴重な作品群を取得するための特別枠として3,000万円を追加し、合計6,000万円を計上させていただいております。 小林古径画伯の顕彰事業につきましては、昭和54年に総合博物館で開催した小林古径展が縁となり、その後有志により高田公園内に小林古径記念塔を建立され、また大町1丁目には生誕の地の標柱も立てられたところであります。さらに、平成7年度には古径邸の部材を購入し、現在復原工事が着々と進行しており、あわせて小林古径保存会より貴重な作品群の購入も進めております。当面は、従来からの3,000万円と古径画伯の作品取得を中心とした特別枠3,000万円の二本立てで進みたいと考えておりますが、予算内での取得が難しい作品が出たような場合には緊急対応が間に合わず、これまでチャンスを逃してしまうこともありましたので、緊急購入の財源とするため、基金を設けることも考えておりました。このような中、小林古径画伯の顕彰事業に賛同される篤志家から寄附の申し出をいただきましたので、これを機に古径画伯の作品を初め、当市にゆかりのある作家の美術品及び美術に関する資料の取得を円滑かつ効率的に行うため、新たに美術品取得基金を設置することにいたしたものであります。 次に、基金の具体的運営方法についてお答えします。今回の基金は、篤志家からの寄附金10万円に合わせて、平成11年度決算余剰金の中から5,000万円を積み立てるものであります。今ほど申し上げましたが、予算内での取得が難しい作品が出た場合には、まず諮問機関であります上越市美術資料収集委員会に諮り、緊急性はもとより、その価値、価格の妥当性など、当市が取得、収蔵するにふさわしいものであるかどうかを総合的に審議していただいた上で、基金繰入金という形で歳入予算に計上し、それを財源に、美術品購入費を歳出予算に計上した中で取得を図るものであります。寄附金を財源とする積み立てのほか、一般財源からの積立額につきましては、作品の所在等の情報を丹念に収集し、時の財政事情を慎重に見きわめながらも、柔軟かつ総合的に対応していく問題であると考えております。 なお、小林古径画伯の顕彰事業に賛同される市民から寄附の申し出もありますので、このような場合にはその篤志家に感謝を申し上げるとともに、貴重な財源として基金に積み立てていきたいと考えております。 なお、先ほど申し上げました資料収集委員会は、中央の専門的な権威のある専門家を含めた4人と市民代表6名、計10名により構成されております。 なお、基金総額の上限について御期待もあろうかと思いますが、後ほど宮越市長さんの方から触れていただけたらと願っているところであります。 以上です。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 玉突きで私質問受けたみたいでありますが、先ほどの質問の趣旨はその辺のところもあったというふうに私も聞いておりましたもんで、これを幾らにするとかという話は、そもそもそういうことを規定することになじまない性格のものでありますが、ある程度の目安みたいなものを置かないと野放図になってしまうおそれがありますし、そういう基金の性格からして、歯どめ的なことが考えられたならば、市の規模とか財政的なこととか、あるいは私ども取り組んでいる事業的なことからすると、おおむね1億円ぐらいが基金の積み立てる基準のところかなという感じしますね。多少でこぼこあるかもしれません。それは、市民の、あるいはいろんな方々からの篤志的な御厚意で、金額的なでこぼこはありますから、おおむね1億円を基準としたところではないかなと、こう今のところ考えています。 ○石平春彦議長 14番、山岸行則議員。          〔山 岸 行 則 議 員 登 壇〕 ◆14番(山岸行則議員) 御答弁ありがとうございました。ジャブを一つ市長にかけたら、二つばかりパンチが返ってきたような感じでありますので、相当多くの時間を割いておりますので、また今後もいっぱいごとあるんで、余り長く言うと嫌われるんだろうと思いますけれども、ただ幾つか質問いたしましたけれども、その中で全部もう一回聞きたいんでありますけれども、時間もございませんので、何点かに絞って再質問をさせていただきます。 一つは、市税徴収率の関係でございますけれども、先ほど言いましたように、担当者の皆さんが一生懸命努力をされて、一生懸命この間市民の税金を徴収するために努力されていることは、私自身も十分承知をしておりますし、全国的に、また全県的に、今市長の答弁にもありましたように、徴収率が低下をしてきているというのは確かに私もわかります。県内20市の統計だとか一般の市税だけではなくて、国民健康保険の中身だとかそういうものなども含めて、ただ国民健康保険などの場合は、これまた後ほどでありますけれども、相当上越市の場合は悪いんですね。18番とか19番という状況になっていますから。ただ、いずれにしても全体的に低下をしてきていると。その中で上越市が一生懸命努力をされているということは、数字的にはわかるところであります。 ただ、一方私どもからすると、平成8年度の場合は95.9%の徴収率であったのも、これも年度的に言うと、今言ったようにだんだん、だんだん下がってきているという状況で、平成11年度でいくと94.4%と、この4年間で1.5%徴収率が下がってきていて、まさに金額に換算をすると3億以上の市税の未収金という状況に逆になってしまうという状況でございまして、一生懸命担当者が努力されていることは私どもは知っておりますけれども、まさに先ほど言われておりましたように、1,000万以上が7件も滞納されている方があるという状況もあって、一部市民の中での、不心得と言っちゃ若干問題あるのかもしれませんけれども、一生懸命努力されている市民が多いにもかかわらず、その中で長期滞納をされている方の結果としてこのような数字が払われているという状況でございますので、したがってこれを放置をしたならば、ますます市税徴収率が低くなっていくという状況にもなってくるんだと思いますので、行政として追徴金を取っていて、その後まださらにやることがあるのかというと、なかなか厳しいかもしれませんけれども、何らかの対処方法を工夫をしながら改善をとっていかなかったら、大変悪い言葉でありますけれども、納めなかった者が得をするかのような状況をつくっていったら大変だろうという状況でございますので、今後も含めて引き続き努力をしていただきたいし、何らかの対処方法がないのかどうか改めてお聞きをしたいというふうに思います。 それから、使用料や委託料の問題については、これは市長が個別の問題をとって一生懸命反論されておられました。確かに私もそれもわかりますし、先ほど言っておりますように、使用料の問題や施設の委託の問題など、特に施設の委託などの問題でいきますと、私も調べましたけれども、相当行政の皆さんが努力をされて、例えば平成11年度と10年度のそれぞれの施設の委託料などを見ますと、34施設に対して15の施設が前年度よりも委託料を減少させてきているという努力なども含めて相当頑張っておられるなというところもありますし、各種施設の歳出合計などを見た場合にはですね、今言った34の施設のうち、平成9年度から10年度に比べてみて、34中21の施設の歳出合計が減少しているという状況であり、11年度の場合は34に対して19の、10年度から11年度に対して総体的な歳出予算を減少させているという状況でございますので、それぞれの施設において一生懸命努力をされていることは十分わかるということではございますけれども、しかしそうはいっても、委託料総体がふえていて使用料が減っていくという状況だとすると、総体的に見て上越市の財政をますます圧迫をしていくという結果になってきますので、特に先ほどから言っておりますように、上越市の自主財源がこの4年間で見たときにも、平成8年度が61.7%であったのが今年度は60%というこの厳しい経済情勢でありますので、やむを得ない部分もございますけれども、自主財源もさらに厳しい状況になっているという状況の中では、各施設の使用料と委託料や維持管理の全体的なトータルで、どれだけ納めていくかによって一般財源の使える中身がさらに出てくるという状況でございますので、これら総体をも含めて、さらにやっぱり努力をしていかなければならない内容があるだろうと思いますし、私から見れば34の施設中、幾つかの施設は思い切ってとめるならとめるぐらいの整理もしなければならない部分もあるのではないかなという感じがいたしますけれども、それらをも含めて、来年度の予算編成との兼ね合いもなってまいりますけれども、もう一度市長の答弁をお聞きをしたいというふうに思います。 それから、不用額の問題でありますけれども、これは市長、捨てぜりふのように、予算が上がっているんだから、12億ぐらいの不用額は当然だというような言い方をされておりましたけれども、(「そんなこと言ってないよ」と呼ぶ者あり)だったら私も反論をさせていただきますという状況で、例えば先ほど言いましたように、確かに平成6年度から見れば、6億1,000万に対して今年度は12億8,700万円の不用額であって、じゃ予算を見れば、6年度が489億であり、今年度が587億でありますので、予算が100億ふえた。予算が倍ふえているんじゃなくて、予算が100億ふえたにもかかわらず、不用額が倍になっていると。予算も倍になったら、不用額も倍になるというなら、統計的には私はわかります。だけれども、予算が100億しかふえていないにもかかわらず、不用額が倍になっているという状況である以上、まだまだこの辺の問題で整理をしなければならないのではないかなという感じがいたしますし、特に私が思うのでは、各項目別に見ますと、いわゆるパートや臨時を雇う賃金の問題や旅費の問題や役務費などの問題がそれぞれあるわけでありまして、これらの部分は統計的に見ると非常に未執行が多いという状況になっておりまして、先ほど市長も言われましたように、それぞれ個別のやつを見ていけば、やむを得ない部分も相当あるんだろうけれども、当初予算との絡みからして、毎年毎年77%から八十何%で終わっているというポイントがずっと続いているというところも、逆に言ったらもう少し改善ができる中身なのではないのかなという感じがいたしますので、これは毎年毎年、いわゆる自主財源がふえて、予算がふえていく時代であったら結構でございますけれども、端的に言って厳しい財政状況のもとで、厳しい中で市民要望をどれだけ達成していくかという今日の状況の中においては、厳密な予算を組みながら、最少額の不用額にしながら、その予算を市民要望にきちっと当初予算から回していくという観点が私どもとしては必要だろうというふうにも思っておりますので、こういう質問をさせていただいているところでございまして、行政の努力は努力として、私自身も大いにわかっておるつもりではございますけれども、そういう中においても、さらに一段と努力をしていただきたいなというふうに考えて質問をさせていただいておりますので、改めてこの問題について市長の見解をお聞きをいたします。 それから、起債残高の問題についても、これは先ほど市長が言われておりますように、私自身も市長が就任以降この間の中で、先ほどの公債費比率が15.4%、18%台から、ずっとこの6年間でここまで下げてきたし、繰上償還も含めて相当努力をされてきているということも十分わかります。ただ、もう一方では、国の財政難のために、国が自分たちで独自に借金することができないために、交付税算定するから自治体で借金を起こしなさいといって、国の財政措置との関係で自治体に転嫁をされてきているという今日の財政のからくりも十分わかっておりますので、その意味では上越市だけがどうのこうのと言える状況ではないし、逆に言ったら、宮越市長のこの間における起債残高をも含めて、公債費比率や財政全体の中において相当努力されてきていることは、私自身もやっぱり承知をしております。ただ、私どもは上越市の全体の今後との兼ね合いを見たときに今年度の決算はどうなのかと。特に今年度、単年度で終わるんではなくして、これがまた平成12年、13年と続いていく。先ほどから言わさせていただきましたように、上越市のこれからの将来を見たときに、脇野田駅周辺の整備事業だとか各種の大型プロジェクト事業がある以上は、自主財源が減少して一般財源から自由に出し得る財源がない以上は、ある程度起債または市債の発行もやむを得ないという状況が一方にはある以上、今この段階で起債残高を極力抑えていくのが必要なんではないのかなという感じがいたしておりますので、一生懸命努力をしていることは十分わかりますけれども、今後との兼ね合いを含めたときには極力、私から言わせればとんとんぐらいに抑えていかなければならない情勢ではないのかなと。にもかかわらず、前年度よりもさらにふえて、一般会計では463億と、それから先ほど土地開発公社の関係も言われましたけれども、上越市分が155億と。確かにこの155億分、市長になって以降とそれ前では、平成5年度ぐらいのときには確かに80億とか90億ぐらいあることは事実でありますので、市長がすべてつくってきたという意味じゃないということも、私どもは十分承知をしておりますけれども、しかしこれらの起債との兼ね合いと今後の将来との状況を見たときですね、極力今抑えておかなければならない内容なのではないかなという感じがしております。 なお、私はそうは言ったからといって、先ほどから若干出ておりましたように、特別会計における下水道だとか農業集落だとか、またガス水道の企業会計の起債までどうのこうの言うつもりはございません。いわゆる収益のある部分についてはやむを得ない部分であり、収益がある以上は、返す財源があるというところについては少々の起債はそれほど問題にしておりませんけれど、いわゆる一般会計で賄わなければならない部分については最大限、やっぱり今後の将来との兼ね合いも含めて抑えていかなければならないんではないかという立場でございますので、その辺も含めて再度市長の決意も含めた見解をお聞きをしたいというふうに思っています。 それから、最後にクオータ制の問題でありますけれども、私は先ほどあえて男女共同参画社会に向けたクオータ制を含めた検討委員会は決して否定はしませんと、大いに結構ですというふうに言っているんでありますので、あくまでも整理をしてもらいたいのは、その部分は私どもは大いにこれから論議をし、検討委員会で論議をしてもらうのは大いに結構ですということを言っているんであります。ただ、そこに議会も入れることに対する異議を唱えているし、見解を聞いているという状況でございますので、先ほどから言っておりますように、聖域やガードを設けるべきでないということも私は一方ではわかります。しかし、しょせん上越市の税金を使って行う上越市の検討委員会というのは、本来上越市の、とりわけ宮越市長の諮問的機関である検討委員会であったら、市の行政機関のある程度範疇に入っていくんだろうと。それを国の法的論議の中身まで論議をしてみたところで、しょせんはそれはどうにもなるものではないし、そこまで論議をしていったら、上越市の検討委員会のあり方そのものに一定の整理がつかなくなってしまうんではないかという問題があるんじゃないかということで、私は先ほどから聞いているところでございますので、あくまでも上越市の検討委員会を設置する以上は、市行政の枠の中で改善でき得る、その範囲で一定の論議ができ得る中身が対象になってくるのではないか。地方自治法や公職選挙法などに抵触するような問題まで、一自治体で果たして論議すべき問題なのかというところをお聞きをしているところでございます。 また、この間の議会の中で、例えばポスターの掲示枚数などの問題で、公営掲示板が設置されたときには、景観や美観の立場から、公営掲示板以外に掲示しないような申し合わせは確かに議会でありました。これは、私どもも賛成をしてやってきた一人でありますので、これらは私どもからすれば、法律の枠の中における精神条項の分野であって、法の枠を度外視していく部分とは全く違うという状況でございますので、そういう中身とは、今回の男女共同参画におけるクオータ制の議会導入の方向性というのが全く違っているんではないかというふうに考えておりますので、その辺の見解を改めてお伺いいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 お答え申し上げます。 大変財政運営が厳しいという中で、滞納、いわゆる市税の徴収率向上のための何かいい知恵がないかということでありますが、なかなかこれはあるようでいてないのが正直なところでありまして、こういったことが一般的に議論されますと、大体あるという通り相場は、いわゆる高額滞納者を公表するかしないかということではないかなと思います。考えてみれば、長者番付、高額所得者が発表されておりますから、その裏返しとして滞納者が出ても、別に考えとしては全くない話ではないなということで、そのことでそういう議論をされているということでもないんでありますけど、何かないかといって、苦し紛れの一つの効果を期待するということの一案として、そういうこともあるということを申し上げて、このことが検討に値するかどうかということを含めて少し問題提起をいただきましたもんで、勉強してみたいと、こう思います。 それから、施設がふえているが、使用料が年々減少しているということで、努力の跡を御評価いただきましたもんで、それでよしとするところであろうかと思いますが、なお一層そういった経営感覚をもとにこのような施設の見直し、先ほど来何度も申し上げておりますけど、すべてに当たって総点検、総見直しをしているのが実は今の市政の基本的なスタンスでありますから、それらの視点からそのような必要性あるいは事業評価等も含めながら、検討、研究を重ねていきたいと、こう思います。 それから、経常収支比率の話で、ぎりぎり詰めていきますと、これはフラッシュするんですよ、この話は。これは、たまたま整理上、人件費、物件費として分けているんですね。物件費を見れば、委託費というのは物件費というふうに分類されているからそうなってあって、中身は人件費がかなりあるということで、じゃ実質は何だといえば人件費であるという見方もできますね。つまり、そういうことでなくて、経常的にそういう固まってしまっている硬直的、硬直というか、ロットとして固まって優先的に使わざるを得ない、そういう義務的経費的な要素になりがちであるということで、経常収支比率、弾力的なチェックをしているんでありまして、これが物件費であっても割と増減するような内容であれば、必ずしもそう批判されるもんでないし、また人件費においてもそういう増減がフレキシブルになっているならば、そう大きな問題ではないんでありまして、本当にぎりぎり詰めていきますと、すべての世の中の価値が全部人件費に転化するんですよ。よく考えてもらうとわかりますようにね、ダイヤモンドとか、ああいう特別な付加価値があるものは別にしまして、一般的には人の手が最初にかかったものが物として付加価値が高まって価格に反映しているという、そういうことが原則ですよね。そうしますと、すべてが人件費だと言っても構わないんです、これは価値としては。ですから、そういったいろんな見方がありますから、これは一定の整理の上でこうやっているわけでありますから、それはそれとしてチェックして見ていくべきものであると思っていますから、そういったことで、なおのことそういうトレンドを硬直的トレンドということが見えるようなことはなるたけしない方が臨時的、あるいは緊急的に、あるいはその時々の財政需要に十分に対応できるような、そういう体力を常に一定の水準、7割から8割と言っているんですけど、持っているという、このことが意味があるんであって、多少、1%、2%ぶれたとしてもですね、それはそんなに大ごとな話ではないんでありまして、トレンドとしてずっと100%でいっちゃうということは、これは決してよくないということであります。それらのことについて意を用いて今後とも財政運営に努めていきたいと、このように思っています。 それから、不用額の増加でありますが、先ほど私が申し上げたのは、主な、大きな、把握できるようなことについてピックアップして申し上げた残り、細々としたものについては、大体予算の規模に連動して発生するものであると。要するにその他の部分ですね、こういったものでありますから、全体をとらえて私言っているつもりじゃありませんから、そこは御認識、改めていただけるところは改めてほしいんでありますが、もう一方、私は自治体経営ということを標榜しておりまして、予算主義から決算主義へということで、バランスシートも昨年に続いて、2年続いて公表しておりますが、つまり予算主義の考え方を変えていきますと、不用が出やすくなるということが出てくるんですよ。余りぎりぎりやっていきますと、予算主義にはまってしまいますと不用が出てこないと。だから、むだなものにも使っちゃえと、予算があったから使っちゃえというふうになれば、これは不用出ません、基本的には。だけど、極端なことにはもともとならんとは思いますけど、私は就任以来そういった視点で、不要不急なもの以外には使うなと、予算が余っても責めないと。だから、的確な市民サービスがきちっと量的に、質的に担保されておれば、結果して予算が余っても構わんという指導をしてきましたから、そのことが特に最近ということかどうかは、はっきりと検証はできないところもありますけど、基本的な考えとしては、予算主義から決算主義へと移行をして、職員もそういう方向で今学びつつあるという過程ということもこの中にあるということを御認識いただければありがたいと思います。 それから、起債の増加理由でありますが、これは中長期的に見たときにどうかということの押さえ方は大事なんですよ。今一定の評価をいただきました。平成6年からずっと比較しても、1人当たりの、特に通常債においては、まだ1人当たりは減っております、横ばい程度に。ふえておりません。通常これはふえています。どこの自治体もふえていますから、公債費比率も悪化していますから、総体的に私どもはランキングを改善しているということになるわけでありまして、五百数十億の予算規模の中でいろんなことをやるわけでありますが、ちょっと大きなロットが動くと相当起債の方もぶれるという、こういうことの宿命を負っていますから、この辺のコントロールは非常に難しいんでありますが、今日それでも市長にさせていただいた中で財政再建ということでスタートしましたから、これはきちっと今でもその理念を貫いている結果として、今の評価につながっていると私思っております。 じゃ、今後どうかということになりますと、今お話ありましたような新幹線のみならず、大きな事業も控えております。これらについてはどうするんだということになりますと、やはり何といっても抑制ということは一般論として当然抑えつつ、税源涵養という話が出てこなきゃならんと、こう私は思っているんです。ですから、私の財政戦略としては、企業団地とか、あるいは流通業務団地とか、そういうものは今整備しておりますが、そういうところに企業誘致を図り、あるいは民間のいろんな知恵と協力をいただきながら、上越市内に税源涵養できるような、そういう企業立地等々をまずやるという当面の取り組んでいくことに加えて、御案内のとおり、火力発電所という大きな税源の核事業が今順調に進んでおりますが、これにすべてをある意味ではかけていきたいというふうに私は思っておるんです。ですから、これは平成19年の運転開始、第1号機でありますが、二、三年前からこの交付が一部いただける、そういう制度になっていますから、はっきりとはまだ断定できませんが、十五、六年からですね、そういう特別な税収が担保されるという、こういったことも視野に入れながら、それらの税源との中長期的な視点に立っての支出のプランづくりですね、こういったものを私どもは中長期的、中期財政計画というか、そういうことで収支バランスずっと見ています。常にこれ持ってます。ただ、これは公表してはどうかという話が一般論ではありますが、これは非常に危険です。つまり、ちょっとした動きのファクターで収支バランスが崩れますから、これは大蔵省が発表しています中期財政計画見ても、余り実効性がないということは既に御案内のとおりであります。一つの目安みたいな話で、それをきつく追及すれば追及できる。しかし、実際は先のことを見ていますから、そこに責任性の担保がないということでありますから、絵にかいたもちみたいなところが実はあるんです。どういった事業を先にやるかということについても、担保性がないものを織り込むとか織り込まないとか、そういう問題が根本的にありますから、中期財政計画というのはなかなか私ども内輪としてつくることは、これは十分考えられますし、当然また考えていかなきゃなりません。ですから、つくっています。しかし、それを公表することが何のメリットがあるかといったら、かえって混乱を生じてしまうという、そういうことが一般論でありますから、これはそういうことで御認識いただきたいと思いますが、今おっしゃったように新幹線とか、あるいは連続立体交差とか、あるいは総合運動公園の整備とか、あるいは直江津の駅前再開発とか、こういった大きな事業が軒並みに出てくるんです、これから。それをうまく、バランスよく、どう実施していくかというプログラムを設定するには、税源の裏打ちがないとできないですね。ですから、その税源の見通しがあって初めてそういう事業に着手できるという、こういう極めてリアルな、現実的な問題として財政運営をしていかなきゃならんことがあります。そういうことでありますから、そういうところに意を用いながらですね、だから今は極端に抑えろということもわからんことはないんでありますが、しかし喫緊の課題がたくさんあります。ですから、基本的には財政の悪化を招かないような、横ばいということを一つのメルクマールにして、そして必要なものに対して向かっていくという、こういう財政運営が基本であってよろしいんではないかなと、こう私は思っています。 それから、男女共同参画基本条例の問題でありますが、これは先ほど早津議員にもお答え申し上げましたから多くを語りませんが、いわゆる検討委員会で検討をすべきものではないというもともとの入り口論の話があるじゃないかと、こうおっしゃっておりますが、実は私もそれは正直自信を持って、他の法律とか憲法とかいろんなことから推して絶対的にいいとか悪いかということは、私は確信を持って申し上げる自信がないんです、正直言いまして。ですから、そういったことまで広がりの中で検討していただくんですから、しかもそれは検討した結果がすべてということでもないんです。これは、検討した結果、後はどうするかということは、私は提案者でありますから、そこでまた一つ議論をできる機会もありますし、またその間において、提案に至るまでの間に議会の皆さんにも特別に今回このように関心をお持ちであったことそのものがもう既に意義があるんでありますが、そういった形で御意見がちょうだいできないとも限りませんから、いろんなそういう動きの中で、じゃ実際にどういう形の条例として提案するかという、そういうプロセスを踏んでいこうと、こう私は思っております。 ですから、スケジュールとしてはどの程度検討委員会でもまれて、その範囲は普遍性を持ったフラットな気持ちでやっていただくというつもりでおりますが、果たして3月までに答えが出るかということも、実はやってみないとわからんところがあります。ですから、そういった、まず検討に一歩踏み出すというこのことが非常に重要だなと、こう私は思っておりますし、そういう中で、またいろんな御意見をいただきながら、どういうタイムスケジュールで、どういう形で条例へと進めていくかということの運び方の方がよろしいんではないかなと、こう私は思っております。したがって、この部分については議論なしと、こういうことではなく、そういったこともいろんなことが想定されますから、とにかく議論を始めて検討していっていただきましょうやと、こういうところが私の基本的な考えであります。ですから、先ほども申し上げたように、クオータ制にとらわれるんでもないわけですね。いろんなことを男女共同参画型形成のために資するための条例というのは何だというところをいろんな議論をしていただくという検討委員会にしてみたいなと、こう思っておりますもんで、よろしくお願い申し上げます。 ○石平春彦議長 14番、山岸議員。          〔山 岸 行 則 議 員 登 壇〕 ◆14番(山岸行則議員) 御答弁ありがとうございました。時間も来ておりますので、一番最後のクオータ制だけに絞って、もう一度再質問をさせていただきます。 私は、上越市の市長、宮越馨が県や国に向かって自治体の自治法を改正しながら、女性の議会の枠を設定しようではないかと、国会議員にもこういうふうにやろうではないかというのを大いに発することは、大いに結構だと思います。私は、それは全く否定するものではないし、たとえ一市長という肩書であったとしても、大いにやってもらって結構だろうというふうにも思いますし、おまえたち議会でも議会の意見書として決議をして国に上げろと言えば、それは論議に十分なり得るだろうというふうにも思います。しかし、一自治体の長が市の税金を使って検討委員会にやる範囲として、そういう法律的に抵触する範囲まで果たして、やってもいいのかもしんないけど、そうすると、じゃ自治体の一市長の諮問機関としての検討委員の枠というのはどこまであるのかと。全くその枠がなくなってしまうんじゃないか。端的に言ったら、上越市の市長の諮問検討委員会であるのが、今度は12月議会には憲法問題の諮問委員会が設置されましたとか、これだって当然あるんだろう。じゃ、その先へ行ったら、3月議会へ入ったら、またそれこそ防衛問題をも含めたものが検討の課題に上りましたというのも出てくるかもしれない。少なくとも一自治体の財政を使ってやる市長の検討委員会は、いろいろな論議はタブー視しないで大いに論議はしていいんだろうけれども、市の財政を使ってやる検討委員会の枠とすれば、市の行政の具体的に執行していく、それが大まかわかる範囲の中で検討委員会として論議をしてもらうのが基本的な筋なのではないかなという感じがいたしますので、それをはみ出していったら、今ほど言ったように、じゃどこまでも上越市がやれるのかと。市長が発想で思ったら、何でもすぐにやっていけるのかというところは、きちっとやっぱりけじめをつけていかなければならないんではないのかなという感じがいたしますので、先ほどから何度か聞いているところでございますので、改めてもう一度御答弁をお願いいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 これは、立場立場で考えがそれぞれあるのと似たような議論になるおそれがある問題でもあろうかと思っております。この検討委員会に付するということは、特別にどうこうというふうに私は申し上げるつもりないんですね。男女共同参画型社会基本法の実効性を上げるために、我々が地方公共団体としても責務を負われていると。その流れで、実効性を上げるいろんな諸政策についてどういうことがあるかということを議論することがまず第一でありますから、次にじゃ議会をどうするかとか、いろんなことが出てくるんですよ。そのときに、議員の立場から申し上げるならばということでおっしゃったことはよくわかります。しかし、別の観点からも議会をどう見るかという考え方もあるはずですね。ですから、これはあくまでも客観的にまず置いておいて、それで議論を進めていって、その中でどういう結論が出るかということをまずすることが先ではないかなと。だから、余りこれはこだわらずにですね、私もどうしてもということは一言も言っていません。ですから、フラットな特別扱いとかそういうことはないんでありますから、まずそういう論点整理をする中でスタートして、何を議論するかというその前段の議論も当然出てくるんではないかなと思いますね。ですから、今御心配のことではないと思いますけど、そういったことについても検討委員会での議論をする方向性を決める、その中に、例えば私がこう思っていても、検討委員会の方々から、市長、それは無理だよという御意見も出れば、それはそれでいいと、こう私は思っていますよ。ですから、余りこだわらずに、硬直的に考えるんじゃなくて、何でもかんでもというんじゃなくて、つまり男女共同参画型社会を形成するということが第一義でありますから、それを実現するためにいろんな方法論があるはずだから、御検討をお願いしたいということで出てくる、次のステップが。そして最後に結論が出てくると。さらにまた、条例等をつくって提案するときに、またワンクッション、チェックが入ります。これは、場合によっては検討委員会と離れてという場合もあります。そういう意味で、お任せ主義ということでもない。そういうことで、早津議員にもお答え申し上げたようなことも含めながら、そういう趣旨で御理解をいただければありがたいと、こう思っております。 ○石平春彦議長 この際、しばらく休憩いたします。          午後5時50分 休憩          午後6時20分 再開 ○石平春彦議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます。 17番、小林克美議員。          〔小 林 克 美 議 員 登 壇〕 ◆17番(小林克美議員) 私は、市政クラブを代表して、今議会に上程されました議案のうち、議案第93号平成12年度上越市一般会計補正予算中の2点について質疑をいたします。 まず、1点目は、2款1項23目女性政策費のうち、男女共同参画基本条例検討委員会に関することでありますが、この条例の制定については、私どもの会派の渡辺明美議員が昨年3月議会において、市長に強く要望したところであります。その後、昨年6月には国会において男女共同参画社会基本法が成立し、その第9条に「地方公共団体は、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関し、国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」とあり、これを受けて全国の自治体でも幾つか既に条例制定がされ、またその動きが多く見られるところであります。 昨年3月の渡辺明美議員の質問に対し、市長は「女性と男性の真に平等なパートナーシップの確立を図り、活力ある人づくり、まちづくりに向け、男女共同参画に関する基本条例の制定の必要性について、さらに研究を進めてまいりたい」と答えられ、それがこのたびの検討委員会の設置ということで、このことは大きな前進と考えるところでありますが、いま一度市長の男女共同参画社会の基本的なお考えをお聞かせください。 また、このことに関していま一点、市長は提案理由の要旨の中で「クオータ制を視野に入れ」と言っておりますが、これについても平成10年3月の議会において、やはり渡辺議員の質問に、「女性の人材育成と人材把握に努め、より広く多様な背景を持つ女性の登用促進を図り、これに並行してクオータ制についても導入可能な分野や、また手法、実効性を担保する仕組みなど総合的に検討したい」と答えておられ、それが今回の提案の中に盛り込まれたと思うのであります。そして、提案理由の中にそれに続けて、「市民及び事業者、そして行政の責務などについて、あらゆる角度から専門的に検討、調査を」と言っておられますが、新聞報道では、市長は定例記者会見で「市議会議員も含めクオータ制の導入を検討する」と報じられておりますが、そのとおりなのかどうか。国の基本法では、男女共同参画社会の形成の定義として、「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会を形成することをいう」とあり、その実現のため、2号の積極的改善措置として、「前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう」と言っており、政治的にもクオータ制を認めているととらえられます。 確かに外国の例を見ると、北欧諸国では政党が自発的に執行部の役員や立候補者数の一定割合を女性に割り振っており、また韓国ではことし2月政党法が改正され、比例代表の候補者名簿に3割以上の女性候補を掲載することが義務づけられ、フランスでもことし、選挙の候補者数を男女同数にしなければならないという男女同数法という法律まで施行されましたが、それはそれぞれ議会定数の中の割り当てではなくて、あくまで政党の候補者数のことであります。現に我が国では、法律による強制的な割り当て制には強い批判があるところであります。しかし、そうした世界の潮流をとらえ、日本の政党の中にも女性候補に対し、自発的に割り当て制を導入したり、資金的に支援する制度をつくったりしておりますが、それは自然にふえてくるのが本来の姿であって、まさにそのために今男女共同参画社会基本法が施行され、地方自治体においても条例を制定し、それを実効あるものにし、結果として選挙に出やすい、あるいは議員になりやすい環境を整えようということではないでしょうか。これから設置される上越市の検討委員会で、議会のクオータ制まで踏み込むのはいかがなものでしょう。市長が個人的見解として、また運動論として政府なり、あるいは政党なりへ発言、提言することまでとやかく言うものではありませんが、市民の税金を使っての検討委員会での論議としては全くなじまないと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。 次に、7款1項2目商工振興費中、中心市街地活性化緊急対策事業、具体的には直江津駅前市街地整備促進のための雁木建設補助金についてであります。昨年の11月7日未明、我が家の近くでけたたましく響く消防自動車のサイレンの音に飛び起き、出てみると目の前に真っ赤な火が吹き上げておりました。とるものもとりあえず駆けつけ、少しでも家財道具を出そうと手伝いましたが、余りに火の回りが早く、身の危険さえ感じました。ある家では、たまたま留守にしていて全く出せなかった方もおりました。古い家並みで、天井裏が煙突のようにつながっているところの火災の恐ろしさをまざまざと思い知らされたものでありました。被災された方々は、直江津駅新駅舎の完成が間近になる中で、駅前市街地整備との兼ね合いで家がすぐ建てられるのだろうか、商売はできるのか、前の見えないことへのいら立ちと不安でいっぱいだったことでしょう。その後商工会議所が間に立ち、市当局との話が進められてきたと聞いております。今は数軒が建築中でありますが、この間被災された方、また関係の機関でどのような合意が得られたのかをお聞かせください。また、今回の補助金の事業概要では、直江津駅前市街地整備を円滑に進め、中心市街地の活性化を図るため、市が同整備を施行するまでのおおむね10年という暫定的な間、直江津駅前商店街振興組合が行う雁木建設について、地元の負担を軽減するため補助するとなっておりますが、この雁木建設や現在建設中の建物、これから建てられるものが直江津駅前市街地整備との関係で足かせとならないのか。提案理由の要旨の中には、直江津駅前市街地整備を促進する観点から助成するというふうに言われております。促進する観点とはどういう意味なのか、それと私はそうじゃない、逆に足かせにならないかなと心配するものであります。あわせて、今後の市街地整備の方向、その具体的なスケジュールについて市長のお考えをお聞かせください。 以上、よろしくお願いいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 お答え申し上げます。 最初に、男女共同参画社会を基本的にどのように考えているかということと、条例制定に向けての検討委員会の設置等についての御質問でございますが、少子高齢化の進展や国内経済の成熟化など、急速な変化に対応していく上で、女性と男性が互いにその人権を尊重し、性別にとらわれることなく、その個性と能力を十分発揮できる男女共同参画社会の実現を図ることは、21世紀における我が国の重要課題の一つであると認識していることは先ほども申し上げたとおりでありますし、この基本法の前文にうたっているとおりであります。 私は市長就任以来、女性政策に殊のほか意を用い、委員会や審議会などにおける女性の登用にも配慮してまいりました。これらを踏まえ、今回さらに女性の社会参画をより一層促し、その実効性を高めるため、クオータ制の導入も含め、基本条例制定の検討委員会を立ち上げるものであります。 この基本条例制定検討委員会で、議会をも含めクオータ制を検討するのかとの御質問でありますが、さきに答弁いたしましたように、聖域を設けず、委員会や審議会、市議会、市職員の任用など、官民問わず、あらゆる範疇を対象とし、大いに議論していただくのが私の本旨であります。しかし、一方で関係法令との整合性についても検討委員会で議論していただくことになるものと考えております。 先ほど来、早津議員と山岸議員にもお答え申し上げたとおりでありますので、それについては御認識いただけたと思いますが、どんな状態で検討委員会の作業が進むのかなということを想定したことを申し上げる中で、本日総括質疑でこのような御質問をきちんといただいたということも検討委員会を開いたときにこれはしっかりとお伝えしてみたいなと、こう思います。先ほど来私申し上げておりますように、分け隔てなく、いろんな分野すべてあまた、フラットにということが基本でありますから、そこの論点整理のことがまず一つあって、そして検討が進められていくだろうと私は想定しております。ですから、私は予断を入れないということが正しいと思っておりますから、私の考えの一端は私が申し上げたとおりでありますが、実際上検討が始まりますと、実は議会においてもこの問題については、例えばクオータ制で議会を入れるのはいかがなものかと、こういう御意見がありましたということを私はお伝えすることはやぶさかでないし、当然そういったことはそうあるべきだと、こう私は思っておりますから、議会の諸議員からいただいたことについては、そのような対応をすることからさせていただくことといたしたいと思いますので、御理解を賜りたいと、こう思っております。 次に、直江津駅前市街地整備促進のための雁木建設についてでございますが、平成11年11月7日に発生した直江津駅前商店街の火災で7棟が焼失したわけでありますが、被害に遭われた方々に改めてお見舞いを申し上げる次第であります。当市では、現在県下に先駆けて上越TMO  上越商工会議所で中心に進めておりますが、による中心市街地の活性化に取り組んでいるところでありますが、将来の駅前再開発事業を見通した直江津駅前市街地整備は、平成10年度に策定いたしました上越市中心市街地活性化基本計画に位置づけられた重要施策となっております。私は、当該被災地区が本年4月に供用開始された直江津新駅舎とともに、直江津中心市街地の顔に当たる部分であること、また再建に当たり、直江津駅前市街地整備との整合性をいち早くとる必要があることから、昨年暮れに地元の皆さんと直接話し合いの機会を持つなど協議を重ねてまいりました。 その結果、一つに、被災者の皆さんは今後上越市や上越TMOが推進する直江津駅前市街地整備に協力し、将来の移転について同意する。このため、再建に当たっては今後の事業を見据え、あらかじめ容易に移転または除却することができる構造で建設する。2点目は、市は今回の再建が直江津駅前市街地整備を施行するまでのおおむね10年間という暫定的なものであるという特殊なケースであることから、直江津駅前商店街振興組合が建設する雁木の建設資金について100%の支援をするとともに、被災者の皆さんが建設する店舗部分についても低利な融資を用意する。以上の2点のことについてお互いの了解が得られたのであります。このように、今回の措置は将来の直江津駅前の再開発事業を促進するため講じるものであることを御理解いただきたいと存じます。 直江津地区の発展、活性化を図るためには、直江津駅北側地区の特徴ある整備が極めて重要であります。この地区の整備に当たっては、平成8年に住民説明会やフォーラムを行い、土地区画整理手法による市の整備構想について御意見をお聞きするとともに、平成9年には関係住民の皆さんによる直江津駅前まちづくり協議会を設立し、これまで住民の皆さんと検討を重ねてきたところであります。 今後のスケジュールといたしましては、本年度調査費を計上し、想定換地案など、より具体的な計画案の検討を行い、平成16年度からの着工を見据えながら、次年度以降、関係地権者、平成16年がちっというんじゃなくて、平成16年度ごろという受けとめ方をしていただいた方が的確かもしれません。着工を見据えながら、次年度以降、関係地権者並びに関係機関との調整を進めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、今後も積極的に地元住民の皆さんの御意見をお聞きしながら、十分な理解をいただいた上で事業を推進してまいりたいと思いますので、整合性のとれた形の雁木建設に向かっていきたいと、こう思います。 ○石平春彦議長 17番、小林克美議員。          〔小 林 克 美 議 員 登 壇〕 ◆17番(小林克美議員) 御答弁ありがとうございました。 既に早津議員、山岸議員がクオータ制についてお話しして、それに関して今ほど冒頭に、検討委員会を立ち上げたときにこういう意見があったということをお伝えするという話でありましたが、先ほど早津議員が同じグラウンドで野球とサッカーをやるというような例え話をされましたが、ある種そういうような感覚で突き詰めていくと、例えば市長という立場もある種、3期のうち1期は女性でというような荒唐無稽な議論になったり、あるいは町内会長さんが、三百幾つ町内ありますが、そのうち3分の1は女性で、じゃどこの町内がみたいな、ある種荒唐無稽な論議になってしまうんじゃないかな、論議することがまさに無意味なような感じさえ若干する部分かなというふうに感覚的に私思っているんですけれども、その検討委員会の中で、この議会で出た意見をお伝えするということであります。検討委員会の方がどのようにとらえられるかあれですが、別に議会が聖域だとかなんとかというふうには思っておりませんけれども、いわゆる次元の違うものを持ってきているというような感覚がしますんで、もしその辺、じゃ市長の場合はというような感覚になったときに、どんなふうに市長はとらえられるか、ちょっとお聞かせいただければと思います。 それから、駅前でありますが、今回1,200万という100%の補助金ということで、いよいよ本気になって直江津の駅前の再開発にいよいよ取り組んでいくのかというような、そういう前向きな、積極的な形でとらえられて、まちの方もその方向で合意され、またなるたけ早くそういう方向へいきたいということでおられるんだろうと思います。TMOが立ち上がって2回ほど委員会が開かれて、若い人たちが本当に真剣になって、高田も含め直江津の駅前、空き店舗、にぎわいのまちづくりをどうするのかということで、本当に真剣になって検討し、具体的に実行に今まさに移そうとしておられますし、先般2回目のTMOに若干出たときに、既にカフェを何とか駅前でやりたいんだ、そのために知恵をかしてくださいよというような方もあらわれて、本当に頼もしく思っております。そういう意味で、その人たちがこれから、若い人たちです。ぜひ直江津のにぎわいのあるまちづくりをしていくんだという、そういう意気にこたえられるような、また早く駅前再開発のスケジュールを具体的に進めていってほしいなと。いま一度、今触れておられなかったんですが、直江津南小学校の移転というものに関してはどんなふうな手法、方法で考えておられるのか、その点をお聞かせください。よろしくお願いいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 ほとんどの皆さん方はおわかりいただけていると思いますが、要は男女共同参画型社会をどう形成していくかということでありまして、それのプロセスというか、段階的実効性を上げていくという過程のありようが問われているという面もあるわけでありますから、極論的な話をされてしまうと前へ進んでいかないだろうと、こう私思うんですよ。ですから、あくまでもそういう予断を入れないで、まず私自身の一人の提案者として条例案をつくることも可能なんです。こういう条例を提案しますということは、それは憲法違反とか、あるいは極端なことは法律違反、あるかもしれませんけど、それは可能ですね。ですから、そういう極論をおっしゃると、なかなかこういった問題は前へ進んでいかないんですよ。だから、そういう議論する中で、やれるところが絞られてくるんですよ。焦点が合ってくるんですね。だから、そういうところを探るということがまず、それは謙虚な気持ちでということになるんです。私がもし謙虚でなかったら、いきなりどんとやっても別に構わないんです。そこでわっと議論するということもあります、これは。だから、そのやり方が、私が今こういうやり方でいきたいと、こう思っていることを御理解をいただきたいと、こう言っているんでありますから、今あれがこうだとか、これがこうだとか、こうしたらどうだとか、1人のポストに対してどうだとか、町内会長がどうだとか、農業委員会がどうだとかという話をいろいろと言っちゃうと、むしろ前へ進んでいかないと。結局は、この基本法の精神すら、地方自治体としてやらなければならない責務すら達成できないということになってしまうおそれがあるから、そこは理解をする中で、半歩でも一歩でも前へ進んでいくという形の検討委員会にすべきことではないかなと、こう思っておりますから、どうかそういった意味で、先ほど申し上げましたように、議会で皆さん方からいただいた議論をしっかりと私も受けとめておりますから、そのことを検討委員会のメンバーの方々に、この検討委員会の設置に当たって、この予算を審議する過程でいろんな御意見をいただきましたということで、実は御検討をいただきたいという流れでいくことについては、私はそういうことはやらせていただきたいなと、こう思っていることを申し上げ、大所高所から御理解を賜ればありがたいなと、こう思っております。          それから、直江津駅前のことについては、具体的に南小学校の話が、ちょっとこれは総括質疑の範疇ぎりぎりのところかもしれませんが、再開発の話に関連する雁木の整備でありますから、あえて申し上げますが、私もこれもうっかりそこだけをピックアップして言っちゃいますと、思わぬ余計な混乱に入っていってしまうというおそれがありますから、そこは余りきちっとした形で申し上げるすべもないんでありますが、南小学校を含むエリアとして、再開発区域としてゾーン設定をしていくのがこれまでの住民あるいは関係者の方々の御意見も踏まえながら、そういう方向でいくのが正しいんだろうと、こう思っておりますから、といって、すぐにあしたにもという話でありませんから、これについては継続的に県と関係者の御意見やら、今後のまちづくりの基本的な考え方もですね、どう整備するかということを研究していく過程でそういう問題についてもクリアしていきたいと、こう思っていますんで、きょうのところはその程度にさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○石平春彦議長 11番、杉本敏宏議員。          〔杉 本 敏 宏 議 員 登 壇〕 ◆11番(杉本敏宏議員) 日本共産党議員団を代表して、幾つかの議案に対し、総括質疑を行います。 まず最初は、議案第81号平成11年度上越市一般会計歳入歳出決算の認定についてであります。六つの質問をします。まず、第1点は、市税収入が減少しているのに、予算規模を拡大したツケが市債にあらわれていないかということであります。昨年3月の議会での予算審議で、私は「市税が約7億円もの大幅減収となっているにもかかわらず、予算総額の対前年度比7.7%増の531億円……大幅な伸びを示しております。しかし、その税収不足を補うのに、財政調整基金などの基金を取り崩すと同時に、対前年度比で10%、3億8,000万円増の43億円もの市債を発行しているわけであります」という質問を行いました。そういう予算審議の経過を踏まえての質問でありますが、市税収入は191億2,000万円ほどになっております。これは、1999年度の予算に比べますと2億4,000万ほどの増になっておりますけれども、98年度決算から見ますと1億2,000万もの減収であります。ここ数年の市税の動向を見ますと、98年度をピークにして減少し始めておりまして、ことしの2000年度の予算では、市税収入180億円というような予算計上がされております。最高時から見ると、十数億円の市税収入の減少ということになるわけであります。予算審議での指摘は、こうした事態にどう対処していくのかということを提起したわけでありますが、収入が減れば、それに応じて支出を減らすというのが世間の常識ではないか、このようなこともお話ししたわけであります。そうした世間常識と逆に、支出をどんどんふやしてきているわけでありますから、どこかに無理が生ずるのではないか。その無理のあらわれの一つが市債ではないかというふうに指摘もさせていただきました。 12款公債費は50億4,000万の決算ですが、そのうち元金の返済は繰上償還1億円を加えて32億8,000万にとどまっております。逆に新たな市債を41億円発行しておりますから、市債残高は御承知のように8億円増加いたしました。このような財政の現状をどのように考えておられるのか、市長のお考えをお答えいただきたいと思います。 二つ目の質問は、国庫支出金の実質減少、県支出金の減少は、国、県との関係のあらわれではないかということであります。国庫支出金は52億円の決算でありますが、98年度の39億円から見ますと、大幅増のように見えます。しかし、特例交付金、臨時交付金などが私の計算では約17億円含まれておりますから、それらを差し引きますと、実質的に減少ということになります。 県の支出金は、前年度と比べ災害復旧費補助金が3億円以上増加したにもかかわらず、約2億円の減少であります。義務的な県の負担金は、大きな変化はありませんけれども、県の補助金1億円、県委託金4,000万円、県貸付金1億円減少しております。減少した費目を見ますと、農林水産費補助金が12億円から6億円へ半減しているのが大きな特徴で、土木費委託金も1億700万円から6,200万円へと約半分になっております。商工費の補助金も2,000万円から1,000万円に半減しております。商工費貸付金は、2億6,000万円から1億7,000万円へ9,000万円も減少しているのであります。国、県の支出金の減少、とりわけ県支出金の減少は、新潟県と上越市との関係をあらわしているのではないでしょうか。市長の見解をお聞きしたいと思います。 さて、3点目は、市税及び諸収入等で収入未済額が年々増加する傾向にあるが、どのように対処していくのか、特に住宅新築資金等貸付金の収入未済額の収納対策についてお聞きしたいと思います。市税収入を見ますと、203億円の調定額に対して収入済額は192億円ほどであります。収入未済額が10億8,000万、不納欠損額も5,000万円を超えております。1994年度、平成6年度は、これは市長が就任されて最初に組まれた予算の年度だと思いますが、収入未済額が6億2,780万円、不納欠損額は2,686万円でしたから、この6年間でほぼ2倍になっておりまして、この傾向は市税収入だけではなく、分担金及び負担金の1,900万円、使用料及び手数料2,850万円、諸収入1億5,450万円、さらに会計は違いますけれども、国保会計が6億2,000万、下水道事業1,700万、農業集落排水事業1,100万など共通した傾向であります。全体を合わせますと、20億円にもなる膨大な額になるわけでありますが、これに対してどのような対処をしてこられたのか、またこれからどのようにしていかれるつもりかお聞かせいただきたいと思います。 中でも、特に住宅新築資金等貸付金は、これ1件だけで1億5,000万もの滞納であり、一般会計収入未済額の14%を占めております。この問題は、これまでも毎決算のたびに取り上げてきたところでありますが、なかなか改善されないどころか、状況は悪化しているのが実情であります。御承知のように、この貸付金は同和対策の事業でありますが、法が改正された結果、平成6年度から新たな貸し付けがないのであります。それにもかかわらず、6年度1億520万円であった収入未済額が7年度は1億1,642万円、8年度1億2,502万円、9年度1億3,368万円、10年度1億4,249万円、そして11年度が1億5,020万円、6年間で5,000万円もふえているのであります。新たな貸し付けがないのに、収入未済額が1.5倍にも膨れ上がるという全く奇々怪々としたものでございますが、平成10年の9月議会、一昨年の9月議会でも示しましたけれども、9年度末の貸付残高は2億2,289万円でありましたから、貸付金の3分の2以上が滞っているという、こういうことになります。また、この貸付金は、そのときにもお話ししましたけれども、原資は市債であります。1億7,534万円の市債がこの滞納に充てられているわけであります。市債残高の増大の問題も議論になってまいりましたけれども、そうした一端をこうした資金が占めているというのは大変大きな問題ではないかと。まさにこの異常事態、どのような収納対策をとってこられたか、これからどうするかお聞きしたいと思います。 4点目は、上信越道全通記念イベントの負担金に関連し、赤字補てんの報道なども行われておりますが、処理方法はどうなったかという点をお聞きしたいと思います。このイベントは、昨年10月に行われました。1年近くたった去る8月18日の実行委員会の会合で収支が報告され、約1,399万円の収入不足が示され、イベント会場の上越、新井両市で補う方針を申し合わせたとマスコミで報道されました。しかしながら、今提案されております11年度決算を見ますと、上信越自動車道全通開通を祝いまちづくりを考える負担金として50万円余、上信越自動車道全通開通記念観光イベント負担金として400万円が計上されているだけであります。 9月5日の新井市議会の全員協議会で新井市長は、正式決定ではないが、200万円ほど負担したいとの方針を示した。だが、議会側から、理屈に合わない負担で絶対に承服できないなどの強い異論が出たというふうに翌日の新聞で報道されております。11年度の決算は、この議会で認定されますと締められてしまうわけでありますから、もし負担するとなりますと、一たん締めた会計をもう一度あけて、補助金を補正で計上するか、あるいは名目を変えて12年度のどこかに潜り込ませるか、こういう方法しかないと思うのでありますけれども、どのような処理をされようとしているのか、またこれまでしてこられたのかお聞きしたいと思います。 5点目は、信越本線の連続立体交差化のために需要予測は行ったかということであります。提案理由の要旨では、新都市市街地機能強化事業では、信越本線の連続立体交差化を視野に入れ、……本事業の国庫補助事業採択を目指し、工法や事業化に向けた調査検討を行いましたと述べております。私は、以前にもこの事業に関しては、まず信越本線の需要予測を行うべきであると提言してまいりました。高田のまちの中を走る信越本線が立体交差化になれば、交通の便などがよくなることはだれでもわかることであります。しかし、問題は、北陸新幹線が開通した後の信越本線の見通しであります。新幹線の開通とともに、信越線は第三セクターに移行することになっております。今でこそ長野新幹線への接続客などがありますが、新幹線の開通によって、これらの乗客が減少することは明らかです。おまけに、名立たる豪雪地帯を走るこの路線がそうした段階でも維持できるのかどうか、それが大問題なわけです。もし維持することができなければ、高架橋はつくったけれども、電車は走らないで、鉄筋コンクリートの橋だけが残ると、かえって邪魔になるということになりかねません。工法や事業化に向けた調査検討は需要予測をきちっと行った後でも十分だと思いますが、この需要予測を行ったのでしょうか、お聞かせください。 議案第81号の最後の質問は、自給自足できるまちづくりというが、そのための流通機構の整備にどう取り組んだのかということであります。地域内自給を基本とした安全な食料を安定的に供給すること、自給自足できるまちづくりを目指し、さまざまな施策を力いっぱい推進しましたと述べております。3月議会の食料・農業・農村基本条例の審議の際にも述べましたけれども、地域内で生産された農産物を市内の消費者にいかにして届け、消費してもらうかという視点が抜けますと、一方ではつくったけれども、売るルートがない、他方では買いたくてもそのルートがないということになりかねません。自給自足というのは、農業の問題であると同時に、商業の問題でもあるわけであります。流通機構の整備にどのように取り組んだのか、市長の見解をお聞きしたいと思います。 次に、議案第93号平成12年度上越市一般会計補正予算について質問いたします。これまでも、前の質問者がそれぞれ質問をされてきた問題でもありますが、議会にクオータ制を導入するという発言についての質問であります。市長の9月1日の記者会見を受けて、マスコミは一斉に「クオータ制導入を検討」、「議会に一定女性枠」などと報じました。その中で、議会の一定女性枠の検討も対象にすることについて、「例外のない普遍的な仕組みとして受けとめてほしい、議論の範疇に入っているという段階」として、法的抵触の懸念にも言及し、「議論を誘う一石を投じることが大事、議会の反応にも大いに期待している」との考えを示したと報じられております。先ほど山岸議員も言われたことでありますが、これは議会への一種の挑戦ではないかというふうにも思います。 もとより男女平等は、大いに進めなければなりません。しかし、それとクオータ制を導入するということとは別の問題でありますし、こうした制度を導入したからといって、女性の進出が進むわけではありません。一つのきっかけにはなると思います。女性の進出を阻む政治的あるいは経済的な制約を取り払うことに力を注ぐことこそが、今行政に最も求められていることではないでしょうか。職員や各種の行政委員会、審議会の委員などの選任には、市長の力が大きな意味を持っております。逆に言えば、クオータ制を導入しようがしまいが、市長にその気がありさえすれば、女性の登用を大いに進めることができるのであります。例えば情報公開についても言えることでありますけれども、条例がなくてもどんどん情報を公開している自治体がある一方で、条例を隠れみのにして情報を非公開にしている自治体もあります。行政について言えば、トップの意思がすべてを決すると言っても過言ではありません。しかしながら、議会にクオータ制を導入するということは、こうしたこととは全く異質の問題であります。 一番最初に質問されました早津議員は、憲法の話をされました。法律を学んでおられるということでありますが、私は工学系の出身でありますから、十分学んだわけではありません。工学系の学校で教えられる範囲内での知識しかございませんが、そこで習ったことからいたしましても、例えば憲法11条は、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる」として、第14条では、これは早津議員も読まれたところでありますが、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されない」としております。また、15条では、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民の権利である」というふうにうたい、その15条第3項で、「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する」と規定しているのであります。さらに、憲法第44条では、国会議員についての規定でありますが、「両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によって差別してはならない」と定めております。 なお、昭和43年12月4日の最高裁大法廷での判決でありますが、ここでは公職の選挙に立候補する自由は、本条、これは第15条でありますが、第15条1項の保障する重要な基本的な人権の一つと解すべきであるというふうに明確に判示しているわけであります。 このように、議会にクオータ制を導入することは、憲法の規定からして大いに疑義があるのであります。市長が議会にもクオータ制をと提起したわけでありますけれども、そうした考えのもとにはこうした憲法の要請、こうしたことを十分検討し、熟知された上でされたのかどうか、また提起された基本的な考えをお聞きしたいのであります。 二つ目は、(仮称)市民プラザの建設に関してであります。市民プラザの建設が進行しており、今議会に事業用備品購入の補正予算が提案されております。この市民プラザの整備に当たってPFI手法が導入され、プロポーザルにより審査1位の鹿島建設を差しおいて2位の熊谷組に業者が指定され、同社と日本管財とが新たに設立した特定目的会社である上越シビックサービスとの間で契約が締結されました。6月議会での審議の際にも指摘しましたが、熊谷組は建設業界最大規模の借入金を抱えて再建中の準大手の建設会社であります。最近の報道では、主力銀行などに4,500億円の債権放棄を要請し、あわせて大手ゼネコン、鹿島との提携による信用補完など、包括的な再建計画を検討しているとされていましたが、債権放棄で一時しのぐが、再建の道、なお険しと言われ、6日の報道では、鹿島、熊谷組への出資見送りというふうに言われております。この事態は、今になって明らかになった問題ではありません。6月の時点で、既に再建途上ということは明らかになっていた事態でありますが、このように経営が危ぶまれている熊谷組を核とした上越シビックサービスとのPFI契約、先ほども答弁がほかの方にあったようでありますけれども、本当にこのままで大丈夫なのかどうか、市長の見解をお示しいただきたいと思います。 最後の質問は、議案第98号上越市ファミリーヘルプ保育園条例の制定についてであります。6月議会に提案された(仮称)ファミリーサポート保育園が名称を変えて、その設置条例が提案されてまいりました。この保育園は、店じまいした洋品店の店舗の無償提供を受け、その敷地を市が購入するという形で進められてきました。こうしたやり方は、旧ジャスコの店舗を無償で譲り受け、土地を購入などして整備を進めている市民プラザに続くものであります。 このような店舗を無償提供し、かわりに土地を買ってもらうというやり方が、今市内の商工業者の間で波紋を呼んでおります。長引く不況のもとで、多くの中小零細企業の商工業者の皆さん方は大変な苦労をしておられます。そうした中で、自分の代だけで終わり、子供には継がせないというふうにおっしゃる方もたくさんおられます。そうした方々の中から、うちも建物を無償で提供するから、土地を買ってもらえないだろうか、このような真剣な声が実は出されているのであります。今まで2件お示しいたしましたけれども、このような建物無償提供、土地購入というやり方は見直すべきではないかと思いますが、市長はどのように考えておられるかお答えをいただきたいと思います。 以上です。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 順を追ってお答え申し上げますが、まず平成11年度の一般会計の市税収入が減少しているのに、予算規模を拡大したツケが市債にあらわれていないかということでありますが、11年度の状況につきましては、先ほどの提案説明でも詳しく申し上げたところでありますが、私は極めて厳しい経済情勢の中で苦労をしておられる市民や中小企業の皆さんに対する支援を初めとして、地元の景気に最大限の配慮を行いながら、平成11年度も引き続き当初予算の段階から、できる限り予算手当てを講じ、福祉、環境、都市基盤整備など、今対応しなければならない施策を力いっぱい推進してきたところであります。そして、企業活動や市民の生活現場における声をつぶさにお聞きしながら、年度途中においても国の経済新生対策を受けて、一般会計、特別会計合わせて23億円を超える公共事業費を追加補正するなど、市民生活の安定と一日も早い景気回復を図るため、全力を挙げて取り組んでまいりました。 このような中で、その財源の一つとして市債も活用したところでありますが、常々申し上げておりますとおり、市債の発行に当たっては真に必要なものを厳選して対応しているところであり、平成11年度においても数多くの事業を力いっぱい推進しながらも、極力市債の抑制に努めてきたところであります。公債費比率を初めとする各種指標が、こうした不断の抑制努力の効果を反映したものとなっていることは、先ほど山岸議員の御質問にもお答えしたとおりで、このような状況を見ても、平成11年度も引き続き適切な財政運営であったことを御理解いただけるものと存じております。 なお、市債の新規発行を極力抑制するという私の基本姿勢につきましては、これまでも幾度となく申し上げているとおりでありますが、その一方で市民生活に欠くことのできない各種基盤整備を進めていくことも市長である私に課せられた責務でありますので、今後とも市債につきましては、事業を推進するために必要な財源として節度を保ちながら活用し、引き続き健全財政を旨として行財政運営に当たってまいりたいと考えています。したがって、無理な財政運営のツケが市債にあらわれているのではないかという御心配は全く当たらないところでありますし、ちょっとおかしな質問だなと思ったのは、税収が落ちている、これは政策減税ということをお忘れになっているんではないかなと思います。一方、それで減収補てん債とか、そういう市債の増発も当然これはやってきたということは、よく承知の上であると思うにもかかわらず、そういう減収の体制の中で、市債に安易に転換したというふうな発想そのものが不可解でなりません。ぜひそのような認識を改めてほしいと思いますし、今ほど申し上げたとおりであります。 次に、国県支出金の増減についての御質問でありますが、これにつきましても提案説明で申し上げたとおり、補助対象事業の新規実施や完了などに伴い、それぞれ前年度に比べて増減が生じているものであります。国、県補助金等は、国や県の補助制度にのっとり交付されるものであり、補助対象事業の多寡など、それぞれの年度における事業内容等により増減が生ずることは、改めて申し上げるまでもなく、当然のことであります。 ちなみに、最近の国県支出金の推移を申し上げますと、国庫支出金は平成8年度が前年に比べて15.0%の減、9年度は12.6%の増、10年度は6.9%の増、そして11年度は34.0%の増となっておりますし、また県支出金は8年度が2.7%の減、9年度は3.7%の減、10年度は22.0%の増、そして11年度では7.8%の減となっております。これらは、それぞれ直江津駅周辺の整備を初めとする都市計画事業やリフレッシュビレッジ事業、さらには景気対策事業の実施など、その年度における各種補助事業にあわせて推移しているものであり、年度によって増減することは当然のことであります。こうした財政や予算の基本的な仕組みをしっかりと御理解をいただきたいと存じますし、このような御質問が何を意図しているのか、理解に苦しむところであります。増減で関係がいいとか悪いとかということを言ったら、これはまたたまったもんではありませんね。知事選も控えているから、そんなことをおっしゃっているのかしれませんが、増減で減ったからといって関係が悪くなった、ふえたから、じゃいいのかという、そういう幼稚な評価の仕方は慎んでほしいと、こう思います。 次に、市税の収入未済額についての御質問でありますが、先ほど山岸議員にもお答えいたしましたが、市税の収入未済額は平成11年度末で10億8,062万円となり、また収納率では現年課税分は前年度に比べ0.1ポイント減少し、滞納繰り越し分についても前年度より1.7ポイント減少し、市税全体では0.5ポイント低下し、94.4%となりました。こうした収入未済額の増加は、もとより好ましいことではなく、今後滞納者の状況把握に一層努め、文書、電話、訪問等を通してきめ細かな納税相談や分割納付の指導を行うとともに、個々の事案についても十分調査しながら、時には法的な手続なども行い、収入未済額の縮減に取り組んでまいりたいと思いますし、先ほど山岸議員の御質問にお答えしたようなことも研究、検討していきたいと、こう思っております。 次に、住宅新築資金等貸付金の収入未済額の収納対策についてでございますが、御案内のとおり、住宅新築資金等の貸付事業は、歴史的な経過の中から生まれた身分差別により、同和地区の方々が理由のない差別によって経済的、社会的、文化的に低位の状態に置かれ、同和地区の住環境が劣悪であったことから、住民の健康維持及び生活の安定のため、国を挙げて行ってきた同和対策事業の一つであります。このため、返済能力を勘案しながら貸付決定を行う他の貸付事業とは違って、回収には多少困難が予想されるものであっても、住環境の改善は差別解消のためにも喫緊の課題であるとして、全国的に実施されてきたものであります。 現在当市における貸付金の返済状況につきましては、リストラなどによる就労の不安定や一家の中心である世帯主が病気であったり、また個人経営の事業の不振、さらには景気低迷の長期化という厳しい社会状況なども加わり、28人の方の返済が滞っているところであります。このような実態の中で、市では部落解放同盟上越支部の役員の協力も得ながら、10年度には58件であった滞納者宅や保証人宅への訪問を、11年度には97件と大幅に件数をふやして返済を促すとともに、生活困窮者の定期的な返済額については分納方法を指導するなど、収納率の向上に努めてきたところであります。こうしたことにより、昨年度は滞納額を一括返済された方が1名、また全額繰り上げ返済された方が2名おられました。今後も電話での督促や家庭訪問を引き続き行い、家庭状況、収入状況にも配慮した納入指導を行うなど、地道に粘り強く滞納額の減少に努めてまいりたいと考えております。 次に、上信越道全通記念イベントの処理方法についてのお尋ねでございますが、このイベントは昨年の上信越自動車道の供用開始に先立ち、10月23日、24日の2日間にかけて、上越地域22市町村と北信濃及び佐渡小木町を合わせた26市町村が従来の枠組みを超えた広域連携を実現させ、待望久しかった上信越自動車道の全線開通を祝うとともに、高速交通時代における地域の活性化と振興を図る絶好の機会としてとらえ、共通の資産である豊かな自然環境、歴史的遺産、さらにはスキー、海水浴など、さまざまな観光施設などを広くアピールするとともに、地域の特産物や伝統行事なども含めた産業・文化の広い分野にわたって全国発信したのであります。イベントの実施に当たっては、26市町村が実行委員会を組織し、構成市町村の担当職員がまちづくりの夢とあらゆる知恵を出し合いながら、従来のように単なる一過性で儀式的な催しに終わらせることなく、地域が主体となった新たなミレニアムへのかけ橋にふさわしい歴史的なイベントにするべく、より多くの住民の皆さんから御参加いただけるよう数多くのプログラムを企画し、実施したわけであります。 その結果、沿線地域、県内はもとより、北信越、遠くは首都圏から、延べ11万人もの方々の御参加をいただき、大成功のうちに終了したわけであります。そして、地域の参加者からは、家族でハイウエーを歩き、楽しむことができた、いろんな人々と交流し、地域のよさを再発見できた、高速道路の生かし方を学んだなどの声が、また県外の参加者からは、首都圏と近い、長野と上越が結びついていることを実感した、海、山、そしてまちがストーリー性豊かにつながっている等々、高い評価を得たのであります。また、施工主体である日本道路公団や建設省からも、地域に根差した画期的なイベントであり、これからのモデルにもなるものとの高い評価をいただいたものであります。11万人にも及ぶ参加者数、今ほど御紹介した参加者と関係者の声、さらには開通後の交通量の推移、そしてたにはま・なおえつの海水浴場や道の駅あらいなどの主要観光施設の利用客数などを見ると、このイベントの事業目的は十分に果たされたものと考えているところであります。ちなみに、たにはま・なおえつ海水浴場へ車でお越しになった方々の割合が前年に比べて五十数%増でございます。 私どもは、こうした成果をその後の上越ジャンクション・信濃町インターチェンジ間の4車線化早期着工運動にもつなぎ、中央要望なども積極的に進めておりますが、このような地域の取り組みに大きな関心が寄せられ、4車線化の実現に向けた大きな力にもなっているものであります。 さて、このイベントの開催経費につきましては、昨年8月の実行委員会において、その収入は構成市町村の負担金と協賛金で賄うことが決定され、そのうち協賛金につきましては、昨年来地域内の企業、団体を中心に御協力を呼びかけてきたところでありますが、昨今の経済環境の厳しい中で、予定どおりの成果が得られなかった状況にあるわけであります。 このような状況を踏まえ、去る8月18日に開催された実行委員会において収支の中間報告が行われ、その処理のあり方等について協議の結果、今後の企業等の協賛金協力の推移等を見きわめながら、収入不足が生じた場合は、前段申し述べましたとおり、住民の参加性が高く、かつ事業効果が大きく、普遍的、持続的であることから、公金をもって充てることもやむを得ないとの共通認識の理解のもとで、構成市町村の中でインターチェンジとパーキングエリアを有し、イベントの会場地ともなった当市と新井市でそれぞれ負担し合うことの確認がなされたのであります。 なお、その後マスコミ報道等によってこうした状況がオープンにされたこともありまして、御心配された企業の皆さんから、イベントの効果や4車線化の早期実現を支援していきたいとして、新たに自主的な協賛金の協力申し出が出ております。既に一部入金をしていただいている状況にあります。したがって、こうした動きなども見ながら、開通後おおむね1年後ぐらいの最終段階で、当市及び新井市の負担のあり方について検討してまいりたいと考えております。 次に、御質問の信越本線の連続立体交差化のために需要予測は行ったのかということでありますが、この連続立体交差事業は、のびやかJプランの10大構想の一つである中心市街地連携構想に基づく事業であることは、既に御承知のとおりであります。現在高田市街地では、信越本線により東西の市街地が分断されている状況でありますが、信越本線の連続立体交差化により分断状況が解消され、市民生活の利便性、中心市街地の活性化、冬期間の円滑な交通の確保など、都市機能の総合的な改善策となるばかりか、地球環境時代に対応した公共交通機関の整備、強化につながるものであると考えております。また、北陸新幹線の延伸整備の具体化に伴い、信越本線はJRから経営分離されることとなっておりますが、県が責任を持ってその存続を図ることとされており、北陸新幹線へのアクセス鉄道として、また都市内路線としてその必要性はますます高まってくるものであり、鉄道と連携するバス交通なども含めて、総合的な公共交通のネットワーク化など、鉄道利用の促進策が必要であります。 昨年度、中心市街地における補助採択が可能と想定される区間についての整備手法や、事業化に関連する市街地の整備事業等を検討するとともに、本事業の事業主体となる県の調査事業への格上げを目指した調査を行ったことは、先刻御案内のとおりであります。そして、この需要予測については、県調査への格上げになった段階において、事業主体となる県が基本構想の実現方策を検討する中で実施することになりますので、市といたしましては、現段階では高田市街地の東西間の分断解消を考えながら、駅周辺の土地利用構想、連続立体交差の事業効果など、都市整備サイドの基本構想について調査検討に努めておりますことを御承知いただきたいと存じます。 次に、農都市条例における流通機構の整備についてでございますが、御案内のとおり、本条例は地域内自給を基本として、安全な食料の安定的な供給のもと、「みどりの生活快適都市・上越」にふさわしい、いわば農都市の形成を図ることを新たな理念に掲げ、昨年度末施行されたものであります。このため、お尋ねの流通機構に関して、市民や事業者は、地域で生産された食料を中心として消費または使用するように努めることを責務として規定するとともに、食料に関する施策の柱として、流通の活性化を掲げたところであります。 なお、今年度本条例に基づき基本計画を策定することとしておりますが、地域内流通の活性化に向け、学校給食に地場産をできる限り供給するシステムの構築や、朝市等の活性化に加え、農業ビジネス拠点構想における公設市場を初めとした農産物の流通基地の方向性などについても検討しているところであります。 次に、男女共同参画基本条例制定に関しての御質問でありますが、既に申し上げておりますとおり、真の男女共同参画型社会の実現に向けて基本条例の制定を検討するための委員会を立ち上げるものであります。本条例の中で、恒常的な女性の登用を確保する有効な手法の一つとしてクオータ制の導入も含め、多面的に委員の皆さんから御検討いただきたいと考えております。もとより憲法や公職選挙法などに抵触するような条例を制定できないことは十分承知しておりますが、現在女性の市議会議員は3人であり、議員定数のわずか1割であるという現状が示すとおり、政治の場においての女性の進出が進んでいないことは明白であります。このような状況を踏まえ、聖域を設けず、議会をも含め大いに議論していただくことが私の意図するところであります。議員の皆さんにおかれましては、私の真意をお酌み取りいただき、この際女性の皆さんが大いに議会へ進出するための一方策として、クオータ制の導入についてぜひとも議論を深めていただきたいと存じます。 なお、このことについては、先ほど来逐一私の考え方を申し上げているところでありますから、重ねて申し上げることは差し控えさせていただきます。 それから、市長が決めれば何でもできるようなことをおっしゃいましたが、とんでもない話であります。これは、男女共同参画社会基本法にうたってある一つの柱としましては、国はもとより、地方公共団体もそうでありますが、国民の責務ということが第10条に記してあります。ですから、市民、事業者等々の立場からもこういったことに取り組んでいっていただく、そういう環境づくりも一つのねらいとなっておりますし、私が決めれば何でもできるというふうな、そんなおこがましいことは毛頭考えておりません。 次に、経営が危ぶまれている熊谷組とのPFI契約はこのままで大丈夫なのかについてお答え申し上げますが、先ほど早津議員にお答えいたしましたとおり、市民プラザの整備事業については、特定目的会社である株式会社上越シビックサービスが行っているところでありますし、万が一出資者のいずれかが撤退したといたしましても、もう一方の出資者がその株式を購入するという株主間協定が締結されております。このように、PFI契約の骨子はあくまでも事業の存続を旨としたものであり、公共側のリスクが極めて少ないように措置してありますので、改めて御心配のないことを申し上げさせていただきます。 最後に、ファミリーヘルプ保育園等の取得方法等に関連しての御質問でありますが、現在整備を進めておりますファミリーヘルプ保育園及び市民プラザは、空き店舗となった旧商業施設の無償譲渡を受けて、これをリニューアルし、公共施設として活用を図るものであります。当該建物については、既に御説明したとおり、旧所有者側との交渉の中で無償で譲渡していただくことになったわけでありますが、市にとっては、必要な改装を行えば公共施設としてまだ十分に活用できる施設を無償で入手できること、一方、旧所有者側にとっては、建物除去という非生産的な、しかも極めて多額の費用をかけなくても済むという双方にとって資源の有効利用のみならず、経済的メリットも極めて大きく、さらには空き店舗対策の手法としても大変有効な対応となるものであります。 ファミリーヘルプ保育園及び市民プラザは、子育て支援や市民の多様な活動を総合的に支援する拠点施設として、この間整備構想及び整備計画の検討を進めてきたところでありますが、こうした中で交通利便性などの立地条件、整備計画に適合する施設規模、そして整備を必要とするタイミング等々、さまざまな条件が合致したことから、すなわち逆に言えば、そういう条件が合致できないというところは、こういったことが申し出あってもそれは対象にはなりません。こういった条件が合致したことから、無償譲渡をいただいて整備することにいたしたところであります。今後公共施設の整備を進めていく上で、こうした既存施設の再利用も大変有効な手法の一つであると考えておりますが、公共利用の計画がないものまで無計画に取得するということではないことは当然のことであることを念のため申し添えておきます。 以上です。 ○石平春彦議長 11番、杉本敏宏議員。          〔杉 本 敏 宏 議 員 登 壇〕 ◆11番(杉本敏宏議員) 答弁いただきましたが、幾つか再質問をしたいと思います。 市債の問題でありますけれども、ここのところずっと40億円前後の市債の発行をしているわけであります。返済が大体11年度と同じ程度の32億円前後でありますから、これは単純な計算でありまして、毎年毎年8億円前後ずつ市債残高がふえていくわけであります。財政再建等々ということになりますと、少なくとも逆の方向に返済する市債の元金以下に発行額を抑える必要があるのではないかなというふうにも思いますけれども、現状がそうではなくて、先ほど言いましたように、毎年ふえていくということなわけで、これはこのままふえていきますと、既に460億円超えましたから、500億円を超えるのも間近な問題かなというふうにもなってまいります。そういうふうな財政運営の仕方が本当にいいのかどうかということが問われているんではないかと思いますが、改めてそうした市債の発行についての市長のお考えをお聞きしたいと思います。 住宅新築資金等の貸付金の問題でありますが、これは先ほども質問で申しましたけれども、市が借金をして貸し付けているお金でありますから、ほかの貸付金や、あるいは税収のところの収入未済額とはかなり重みが違うといいますか、質が違うというか、そういうふうに思うわけです。 上越市であるかどうかわかりませんけれども、関西の方の状況なんかをお聞きしますと、この資金は返さなくてもいいんだというふうにうそぶいているような人たちもいるように聞いております、ここではないと思いますけれども。そういうふうなことになっては困るわけでありまして、市債でもって賄っているわけでありますから、市はその市債の利息も払っているわけであります。その利息については、それを含めて取り立てるというようなことはやっていないわけでありますから、それは純粋に我々の税金の中からの持ち出しになっているということでもあります。そういうことでありますから、私はたびたびこの問題を取り上げるのは、そういうほかのものとは質が違いますよということが大前提にあるわけであります。そういう点で、先ほど言われたような対処の仕方、わからないでもないですけれども、もう一歩踏み込んだ対策が必要ではないかと思いますけれども、お答えをいただきたいと思います。 上信越道の記念イベントの負担金についてでありますけれども、新井の市議会では、理屈に合わない負担で、絶対に承服できないというふうな意見が出たというふうに報道されております。これは、このイベントの経過についてのことを言っているようでありますが、当初は1,500万円ほどの予算でこのイベントは計画されたというふうに言われております。それがマスコミでも当時報道されましたし、皆さん方も御承知だと思いますけれども、上越高田インター、あの当時は(仮称)南インターとなっていましたけれども、そこでのイベント、さらにリージョンプラザでの集会等々をこれにつけ加えるということになって、たしか青海町と能生町だったと思いますけれども、やめたというような話が一たん出て、それが修復されてイベントが行われたと。その段階で、今回の予算であります3,500万円ほどの予算に膨れ上がったという経過が指摘されています。理屈に合わない負担というのは、どうもこのことを言っているようであります。上越市がそういうふうに、彼らに言わせますと、ごり押しをしてイベントを膨らませて予算を膨らませたんであるから、ほかの自治体で負担をする義務はないということのようでありますけれども、そうした経過を踏まえてですね、この問題、対処しなければならない負の負担を上越市は負っているんではないかと思います。その点で、その経過も含めて、なぜこのような予算規模が膨れ上がって赤字を生み出すようなことになってしまったのか、その辺の経過などについても明らかにしていただいて、この負担のあり方について、いま一度市長の見解を伺いたいと思います。 また、今の答弁の中で、このイベントには11万人も集まって大成功したというようなことを言われましたけれども、しかしどれだけ多くの方が集まってイベントが盛大に行われていたとしてもですね、最後の財政的な問題でこんなに大きな赤字を出して、本当に大成功だと言えるのかどうか。私は逆に、これは大失敗だったんではないかというふうにも思います。財政的な裏づけというか、そういうことを抜きにしてやって、よかった、よかった、成功した、成功したと言って喜んでいるわけにはいかない問題ではないかというふうにも思うのであります。 それから、これだけのたくさんの人が集まって成功した集会で、市民の皆さんや参加者から望まれているというか、そういうものでもあったから、財政で支出しても問題ないのではないかというふうなことを言われたかと思いますけれども、これもちょっと違うのではないかなと。これは、実行委員会の事業でありますから、当初に負担を決めた額を超えて新たに負担をする必要というのは、これは当然ないわけであります。その当初決められた負担の割合の範囲の中でこの事業が当然行われるべきでありますし、それはもし赤字が生ずれば、その実行委員会の中で新たな負担を市町村に強いるというのではなくて、独自の努力で解消すべきではないかと思います。その点についても、市長の御見解を伺いたいと思います。 信越本線の連続立体交差の需要予測の問題では、今ほどそれは県の方に上げた段階で県が行うことだというような答弁がございました。しかし、何度も言うようでありますけれども、私はこの需要予測というのは、こうした事業の最優先でやらなければならない仕事ではないのかと。本当に県が第三セクターの面倒を最後まで見るというようなことのようでありますけれども、しかし電車が本当に走らなくなったら、例えば走ったとしても1日に2往復か3往復しか走らないというような第三セクターの線路をわざわざ連続立体交差にしなければならないかどうかというようなことも考えなきゃいけないわけであります。今は、そういう需要予測が全くやられていないわけでありますから、1日10往復するのか、20往復するのか全くわかりませんし、ゼロ往復かもしれないんです。ゼロだったら、全くやる必要のない事業です。だから、今財政が逼迫している、いろんなことが言われております。それは、市だけではなく、国も県もそうでありますし、当然これをやるとなれば、国の補助金も当てにしなければなりませんし、県からも金出してもらわなきゃいけない。どこも財政が逼迫しているわけでありますから、本当に必要なのかどうか、これを連続立体交差にして将来電車が走るのかどうか、それを見きわめてからでも絶対に遅くはない、このように思うわけですが、県に提起する前に、上越市独自でもこの需要予測は絶対にやるべきだと思いますけれども、市長の見解をいま一度お示しください。 自給自足できるまちづくりの問題で、流通機構の整備の問題を私が取り上げました。今の答弁の中で、給食などに使うとか、あるいは朝市などというような話が出てまいりましたが、自給自足の農産物の量というのは、そういう朝市とか学校給食で間に合うような量ではないんだと思うんですね。少なくとも上越市で見れば、13万市民の食料を賄うわけですから、朝市程度の問題で片づく話ではないんです。その程度の認識でこの問題を、自給自足ということを考えておられるんだとしたら、これは大きな考え違いではないのかなと。13万市民の胃袋を満たす食料が、毎日毎日大変な量で今流通、流れているわけです。スーパーもあれば小売店もありますし、魚屋さんから八百屋も含めて、お米屋さんもみんなあります。こういうところへ農家の方がつくったものがどういうルートでどうやって行き着くか。お店に並ばない限り、私たちはそれを買うことはできませんし、そうすれば自給自足、自給自足といって物はつくったけれども、先ほども言いましたけれども、そういうことになります。まさに絵にかいたもち。ですから、本当に自給自足ということを考えるんであれば、農家の方がつくった農産物が八百屋さんの店先やスーパーの物品棚、陳列棚に毎日並ぶような方策、流通ルート、これを考えない限り、自給自足というのはあり得ないと思うんです。縄文時代や弥生時代のような自給自足といいますか、物々交換の時代とは違うわけでありまして、量的に全く違うこの状況を本当に把握してこういう自給自足ということを言われているのかどうか、先ほどの答弁を聞きまして大変心配になりました。改めて市長の見解、お聞きしたいと思います。 クオータ制の問題でありますけれども、環境づくりが大事だというふうに言われました。行政の職員の問題、それから委員会や審議会の委員に女性を登用するという問題、環境、大変大事であります。例えば、今ある民間会社に勤めておられる女性の方に委員になってもらおうというふうなことを考えたときに、その方が応募されたとします。今の多くの民間会社は、できればリストラなども考えているような時代でありますから、たびたびそういう審議会や委員会等々に出ていって席をあけるというようなことを好みません。できるならば、そういうことであればやめてもらいたいというような話が出てきかねない情勢です。私は、環境を整える、整備する必要があるということであれば、そういう方が出てこられてもきちっと応援できる、そういう生活部面を応援できる、そういう環境を整えることこそ必要ではないかと思うんです。 これは、女性に限った問題ではありません。男性でもそうです。男性の委員が、現職の会社で仕事をされている方が気軽にこういう委員会や審議会などの委員に手を挙げて出てこれるような状況が今あるか。ないと言わざるを得ないと思うんです。今クオータ制ということで女性の問題だけがクローズアップされておりますけれども、私が先ほど読み上げた憲法の問題からいえば、それは女性だけの問題ではなくて、男性についても同じことが言える。そういう環境をきちっと整える必要がまずあると思うわけでありますけれども、これはある意味では、この条例ができようができまいがやらなければならない課題でありますし、また本当に市長にその気があれば、そういう委員の職場といいますか会社へ出向いていって、どうしてもこの方に委員になってもらいたいんで、そういう便宜を図ってほしいという直談判をするぐらいの気概が、決意がなければ、そう軽々に言えない問題ではないかなというふうにも思います。この問題というのは、そういう大変大切な意味を持っているというふうに考えております。 先ほど女性の議員が3人になったという話がありました。しかし、皆さんも御承知だと思いますけれども、男性のトイレはここにございます。男性議員のためのトイレはありますが、女性議員のためのトイレはありません。これは、議会の方の怠慢と言えば怠慢かもしれませんけれども、少なくともそういう対策、あそこへ行けばあるよという話とは違うと思うんですね。やはり男性の議員のための特別のトイレがあるわけですから、女性議員のためのトイレも当然用意されてしかるべきだと思いますが、まずはこういうところから環境整備、行っていくべきではないかと思うんです。これは、それこそ何度も言いますけれども、こうした条例がつくられる、つくられないにかかわらず、やればできることであって、またやらなければならないことではないかというふうにも思います。 そういうことで、先ほど市長は、市長がやろうとしてもできないんだみたいな話をされましたけれども、私があのときに言いたかったのは、今言ったようなことであります。条例がつくられればやりやすくなるという面はあると思いますが、しかし条例がなくても、その決意があればできる部分というのはたくさんあるわけで、そして中でもとりわけ審議会や委員会のメンバーの構成などというのは、ある意味では市長の意向が相当大きく左右するわけですから、これはクオータ制導入するしないにかかわらず、例えばある審議会を半分女性にしようということで提起されれば、これはできないことではないんだろうというふうにも思うんです。ですから、問題を提起されたことは、それはそれとして意味のあることでありますけれども、こういう問題を提起する以前にやらなければならないこと、やれること、決意次第、気持ち次第ですぐできること、いろいろあるわけで、まずそういうところにも手をつけていただきたいなというふうに思うわけですが、改めて市長のお考えを伺いたいと思います。 PFIの問題でありますが、契約をしたのは上越シビックサービスだという、これはもう間違いのないことであります。片方がおかしくなったら、最初の質問者の方の答弁にもありましたけれども、もう一方の企業が全部引き受けてこれをやっていくんだという話がありました。しかし、この事業はプロポーザルということで募集をしたわけですが、その募集の際に条件がありました。熊谷組がこの条件に合ったからここに残ったというか、応募してこれたわけですね。これは、いろんな条件があったと思うんですが、しかしもう一方の日本管財という会社は、相棒として特定会社をつくるときに出てきただけであって、その前の段階での実際の審査のときにはどこにも出てきていない会社です。その会社が熊谷組がいなくなると、最初の応募のときにはどこにもいなかった日本管財という会社が中心となったシビックサービスだけが残るという、こういうことになります。そうすると、私はこれ逆ならばあってもいいかなというふうに思うんですけれども、問題はやはり逆さでして、日本管財の方が再建計画中じゃなくて、直接この審査の対象になった熊谷組がひっくり返りそうだというところが、これが大問題だと思うんですね。根底からPFI事業のあり方といいますか、性格が問われる時代ではないかというふうに思うわけですけれども、そういうもともとの募集条件、応募条件、たしか建設会社でないとだめだったんではないかというふうに、私の記憶ではそういうふうに受けとめているんですが、そういう条件の全く外れた会社だけが残るということになります。そういう点で、本当にそれでいいのかどうか改めてお聞きしたいと思います。 まだほかの案件でも聞きたいところはあるんですが、以上にとどめます。 ○石平春彦議長 クオータ制の関係ね、これ検討委員会の内容についての質疑ですから、その前にやることがどうのこうのというのは、それは質問の内容とは違うんじゃないんですかね。そういうことをやる前にどういうふうに考えているんだ、やることがあるじゃないかとおっしゃったでしょう。それは、ちょっとこの質問の内容と違うんじゃないですか。 ◆11番(杉本敏宏議員) 委員会にかける前に、もっとやることがあるんじゃないかと…… ○石平春彦議長 だから、それは検討委員会の内容とは違う話じゃないですか。 ◆11番(杉本敏宏議員) 検討委員会を提起すること自身に疑義があるということなんです。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 まず、第1点目の市債の発行の考え方、これはもう何回も言っていますから、また重ねて言うような時間もないぐらいであります。何でこういうお話をされるのかなと思って、気がついたのは、やっぱり共産党の政策とのミスマッチではないかなと、こう私は感じました。これは、基本的な政策がですね、その辺のところでずれていますと、いわゆる政策減税とか、あるいは財源対策債とか、あるいは市債の発行のルールとか、こういったものが根底からおかしいと言われたら、これどうもならんわけでありますから、それはそういうことだというふうに私は受けとめておきたいと思いますが、累積市債がどんどんふえているとは言っておりますが、よく見てほしいと思うんですね。通常分と特例分を常に私は別に考えてほしいと言っているのは先刻御承知だと思います。例えば通常分、11年度末の残高が315億、10年度末が314億ですから、1億の増であります。ふえたことはふえたかもしれませんが、それは例えば平成5年度、6年度残高を見ると323億ですから、315億、引き算すれば8億も減っているんですよ。こういうところをきちっとシビアに押さえて議論してほしいと私思います。特例債については、今の基本的な政策の違いがあることはあるんだろうと思いますけど、減税補てん債とか臨時財政特例債とか、あるいは財源対策債等々がふえておるんです。しかし、そういう特例債は80%から100%交付税算入で、私どもは交付税としてもらえるんですよ。ですから、そこまで緻密に勉強して質問してもらわんと、話が表面的なことしかされませんと誤解をされますから、よく勉強の上御質問をお願いしたいと、こう思います。 それから、住宅新築資金等貸付金の未済の分でありますが、これは先ほど申し上げましたように、私ども最大限、最善の努力をしているところでありますから、そのとおりで御理解をいただきたいと思います。 それから、イベントのことでありますが、当初計画からふえたとかという話も、確かに当初計画というのは当初計画であって、最終計画じゃないんですね。最終計画というのは、実行委員会で議論して、議論の中でいろいろあったかもしれませんが、最終的に決まったのがその一案しかないんですよ。当初のことは経過的なことでありますから、何もオーソライズされたということでスタートしたわけではありませんから、最終的にスタートしたそこから考えないといけないんであって、そんなことを言ったら、それぞれの議論の中で途中のことを引っ張り出して言ったらもう切りがないということで混乱を生じますから、そういう整理をした上で認識をしてほしいと思います。 それから、これが成功したとかしないとかということの見方については、それぞれの価値観もありますし、私が先ほど申し上げましたように、建設省初め、いろんな観点から高い評価、参加された方々の満足感とか、あるいは感動とか感激とか、こういった外形的なチェックをした上で成功に終わったんではないかというふうに、私は謙虚にそのように評価をしているわけであります。見込み違いといえば見込み違いかもしれません。そのことは、私が先ほど申し上げましたように景気動向が大変厳しいことから、特にこの協賛金を当て込んだところが大きく減っているということだけですから、恐らくそこのところが若干見通しというよりも、恐らく働きかけというところにも問題があったような感じします。私も実行委員会の事務局等が中心になって動いたということでありますから、お願いということの協賛金になろうかと思います。そのようなお願いの仕方については、景気が悪ければ余り積極的に強いことも申し上げられませんから、結果的になかなか金が集まらなかったということではなかったかなということで、つらつら考えてみれば、こういった公共的な基盤、インフラはあまたの人たちが利用するわけでありますから、考え方によっては税金ということもあながち間違ってもいないと。 したがって、当初から税金から一部負担するということで予算計上していることを見ても、税金で全部というわけにはいきませんから、相当の負担というのは、これはあってもおかしくないということで、先ほど申し上げたように、こういった状況がつまびらかになったときから、民間等の協賛金が特に予定が確保されていなかったということが新聞紙上等で報道されたこともあって、先ほど来申し上げたように、既に自主的なそういう協力要請も現にいただいておりますから、これがどの程度、正直いただけるか、まだ予断を許さないところはありますが、いましばらく時間がありますから、そういった状況を見ながら、どうしてもというところについてはまた皆様方にお諮りいたしまして、それ相応の対応策を検討していきたいと、こう申し上げたとおりでありますから、余り評価を大失敗じゃないかと、こういうふうに決めつけることはいかがなものかと思います。みんないいと思って喜んでいて、今使っている人たちも大変便利だなと、それから今ほど申し上げたように、海水浴シーズンにおいては相当の量が高速道路を利用されたということも事実でありますし、何しろこれは1年間で答えが出る話じゃないんでありまして、今後、未来永劫にこの高速インターが使われて、はかり知れない利便性を享受していただける、そういうことでありますから、イベントにおいては、その規模の云々についてはいろんな見方があろうかと思いますが、私はそんなにたまげたものでもないし、建設省からは、これは先例となるいいイベントだというふうにお褒めをいただいているわけでありますから、そこは素直に評価をしていただいたことが正しいというか、それが姿ではないかなと、こう私は受けとめておきたいと思います。先ほど申し上げたとおり、今後の処理方法についてはそのように進めさせていただきます。 また、信越本線の連続立体交差化の需要予測。需要予測をやるのは当たり前の話であって、この問題、えらく強調されておりますけど、こんなの当たり前の話であります。こんなことをしないでやみくもにやるなんて、まさに無謀な話でありまして、こういうことも当然に考えておるわけでありまして、その調査を段階的に行っていくという、こういうシステムになっているんです。だから、それを私どもがやれと、あるいはやるんだということになっておれば、当然それはやっても構いませんけど、しかしやたらに調査したりですね、そんなことをやっても先に進まないようなことまで幾らやっても、これは意味ないものもあります。つまり、県レベルに上げるということが、実現性が一歩前へ進んでいくということになって初めて、実際のリアルな予測とかそういったものが行われていくことが今までの手法でありますから、これはあえて変えてまでも、市がどうのこうのとかというそういうことではないし、また需要予測をしなかったら、今現在多くの方々が鉄道、あるいは駅を利用しているんでありますから、そんなことが心配だったら駅前整備も手をつけられないと。あるいは駅のつくりかえも、これもあってはならないという、そういうことで、何にもちっとも足が前へ出ないと、手も出ないということになりますから、それは他のまちづくりという観点から、そういった使うということばかりではなく、そこの東西の、あるいは雪の状況の中での交通の安全、あるいは利便性を確保するための他の道路に着目して上に上げるんですから、連続立体交差というのは、道路が鉄道を邪魔だと、場合によっては鉄道が道路を邪魔だという場合もあろうかと思いますが、これは道路サイドから上に上げてほしいということが基本でありますね。そこを勘違いしないでほしいんですね。ですから、そういったまちづくりという他のインフラとの関係、そしてもっと積極的に我々は三セクになるだろうということを想定しながら上に上げて、交通安全を確保しながら、もっと使い勝手のいいような新交通システムなどのことも視野に入れながら検討して、このような連続立体交差の方がよりすぐれているんではないかという総合的判断で行っているわけでありますから、単に何人通るか通らんかだけのことを議論して、それでいいか悪いかという話じゃないんです、この話は。 それから、自給自足できるまちづくりということでありますが、これはまた朝市でこんなものをできるかという短絡的な得意のそういう表現されましたけど、そうじゃないですよ。私先ほど申し上げたように、農業ビジネス拠点構想における公設市場を初めとした農産物の流通基地の方向性などがセットとなって、地場産のものを地場消費ということもこの中で総合的に検討していくということが重要であるから、そのようなことを取り組んでいるわけでありますから、朝市がどうのこうのという話だけではないんでありますから、勘違いしないでほしいと思います。 それから、クオータ制については、先ほど来いろんな方の質問を受けて申し上げておりますから、そういうことであります。 市長が云々ということについては、私はできるところからやっていますから、したがって私が就任したときは13.6%ですかね、それが24.1%に10%ぐらい上がっているんですから、だからやるところはやっているという、そういう目に見えた効果がもう既に上がっている、さらにそれをということで、こういったこともあながち否定するものでないというふうにおっしゃっておりますから、そのとおりであります。ですから、条例があった方がいい、なくてもいいということのあった方がいいの方に御認識いただければ、それで答えが出ているんではないかなと私は思います。 それから、PFIの話でありますが、これは前回議会で十分に議論を尽くされたと私は思っているんですよ。ですから、日本管財云々という話は当然提案のときからそういうシビックサービスでやりますよということで、当然日本管財も承知でこれやっているんですよ。だから、今さら突然出てきて、おら知らんよとなるような話じゃないんですよ。よく前回議会の議事録をごらんいただいた上で、審議が重ならないようにお願いしたいと、こう思っております。 以上です。 ○石平春彦議長 11番、杉本議員。          〔杉 本 敏 宏 議 員 登 壇〕 ◆11番(杉本敏宏議員) 再々質問を行いますが、一番最後の問題から先にお話聞きたいと思いますけれども、私は勘違いしているわけではなくてですね、6月議会の審議で日本管財が出てきたのは、これは承知しています。私が言ったのは、プロポーザルで応募した中に日本管財はなかったという話をしたんです。早とちりをしないで答弁をいただきたいと思いますが。 それから、市債の問題でありますけれども、共産党と考えが違うからだみたいなことを言われましたけれども、それはそういう問題とは違います。その中で、交付税で措置されるという例の話がまた出てまいりました。昨年の9月議会でもその話をさせていただきました。平成6年のときには、交付税算入は平均でたしか25%だという話だったと思います。当時がたしか50億円ぐらいの交付税で、その25%ですから、借金返済に回るのは12億5,000万ぐらいかなという話をしました。あとの残りは、38億円ぐらいは上越市が借金返済以外のところで自由に使える財源ですねと。昨年のときは、今は45%ぐらいに交付税算入率が上がっているという話を市長はされました。当時60億円ぐらいでしたから、60億円の45%借金返済に回るわけです。そうすると、残るのは30億ちょっとしかない。自由に使える部分が38億円から30億円に減ったじゃないですかという話をたしかさせてもらいました。 そのときにあわせてお話ししたのは、この交付税算入率が7割、8割ということになったらどうなるか。例えば100億円の交付税が来たとしても、8割借金返済に回るとすれば、上越市として自由に使えるのは20億円しかなくなってしまいます、交付税の中身としては。そういうことなんですがという話をたしかさせていただいたと思うんです。交付税に算入されるから、これはあるところでは、借金にはいい借金と悪い借金があって、交付税に算入されるのはいい借金で、されないのは悪い借金だという議論もよそのところではあるようです。私は、これはちょっと認識が甘いんではないかなと。借金はあくまでも借金ですし、国が交付税で面倒見る、面倒見ると言っても、その分を通常計算した交付税の上に上乗せしてくれるんであれば問題はありません。しかし、今の交付税制度というのはそういうふうにはなっていないですね、残念ながら。上乗せはしないわけです。私もこの議論をするためには、そこまで勉強させていただきました。その上でこの議論をしているわけですが、今ほどの市長の答弁ですと、将来的には7割、8割のも出てくるから、もっといいんだみたいな言われ方をちょっとされたように思うんですけれども、今そうじゃないよというふうに横でやじが飛びましたけれども、そうでなければいいんですけれども、交付税に算入されるから、安心だ、安心だというわけには言っていられないというのが私の認識で、これまでもずっとそうした議論をさせてもらってきているわけですが、改めてその辺の市長の見解を伺いたいというふうに思います。 それから、上信越道の開通イベントの話、若干混乱されているのかなというふうにも思いましたけれども、イベントの問題と開通して車が通行するようになったという問題というのは、実は別の話なんですね。イベントを行おうが行うまいが、開通すればそれを利用する人はふえるんです。イベントをやったから、利用者がふえるとかふえないとかということにはならないわけで、何かその辺少し混乱されて答弁をされたように思うんですが、それを分けていただいて、改めてこの負担の問題お聞きしたいと思うんです。 それで、これはやはり当時のマスコミで言われているように、また新井の議会でも議論になったように、上越市が強引にというふうに言っていますよね。当時のマスコミにも書かれていましたけれども。それでほかの市町村反発をしたというふうにも言われていますが、そのツケですよね、回ってきているわけで、その辺の認識、そして精算の仕方どうするのか、改めてお聞きしたいと思います。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 再々質問に沿ってお答え申し上げますが、PFIのことについては、これは先ほど申し上げたとおりでありますし、プロポーザルに日本管財として名前の単独のことはない、これはもう明々白々ですね。ところが、熊谷のプロポーザルの中にそういう維持管理、管理運営、あるいは整備するということについては、特定目的会社をつくって日本管財の出資でやりますよということが入っているんですよ。それでもう答えだと思うんですね。それ以上でもないんですよ。だから、そういうことで、それは前回議会で審議していただいておりますから、何ら問題ないと、こう私は認識しております。 それから、市債のことでありますが、結局は借金を非常に強く思っている人は、じゃどうしたらいいかと言えば、仕事やらなきゃいいんですよ、簡単なこと言えば。しかし、一方財政需要とかニーズがいっぱいあるんだから、何とか市民ニーズにこたえる、納税者に対する適切な対応をしなきゃならんと、こう思えば適切な市債が当然出てきます。その考えの違いです、これは。議論したって、これはかみ合いません。つまり、先ほど言った政策の違いであるということが根底にあります。 それから、イベントの問題、この問題については、上越市が強引、そんな話じゃないんです。それは、受け取る方はいろんな人がいるかもしれませんが、やっぱりこれは認識のずれということもあるんでしょう。だけど、これはいたし方ないんですよ、いろんな人があまたいるんですから。いろんな会議があって、26市町村が同じテーブルに着きますと、いろんな方々が出てくるのは当たり前でありますよ。そういうことを調整しながら、この実行委員会というものを、実行委員会ばかりでないですよ、いろんな会議とかそういうものは、必ずでこぼこのいろんな意見が出てきて、最終的に決まると。だから、決まったところからスタートしなければ、そんな途中のことをですね、ああいったとかこういったとか言い出したらもう切りがないです、これは。ですから、そういった一つの価値基準というか、一つのスタートラインを合わせてスタートしたところから見ていかないと、話が前に進んでいかない、整理もうまくいかないということでありますから。 それから、私が何か勘違いしているということでありますが、勘違いしているのは杉本議員じゃないかと私思いますよ。それは、イベントとイコール利用するのと、これは厳密に言えばそうじゃないかもしれませんが、私どものねらいはそういうねらいでやっているんじゃないんです。だったら、イベントなんてみんなやらなくていいじゃないかと、こういう話になりますよ。それは、ですから考え方の違いなんですよ。これもいろいろ議論したって、これはかみ合いません。 以上です。 ○石平春彦議長 この際、しばらく休憩いたします。          午後8時20分 休憩          午後8時35分 再開 ○石平春彦議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます。 21番、小林林一議員。          〔小 林 林 一 議 員 登 壇〕 ◆21番(小林林一議員) 大分時間も経過しておりまして、お疲れとは存じますが、いましばらくおつき合い願いたいと思います。 私は、自由クラブを代表して総括質疑をいたします。既にこれまで4人の質問者が先に立ち、質疑応答が繰り返されましたので、重複する部分もございます。しかし、それぞれの質問の観点が違いますので、私なりの質問をさせていただきます。 冒頭ちょっと訂正をさせていただきますが、通告書の中で金額に私の事実誤認がございました。土地開発公社の借入金残高を合算すると1,380億円になるというところ、1,340億円の誤りでございますので、冒頭訂正させていただきます。 それでは、始めます。まず、大きな項目の第1点は、議案第81号以下に示されました平成11年度決算を総括して、グローバルな観点から市長の基本的な認識をお聞きいたします。これまで宮越市長は、あれもやる、これもやると華々しくいろいろな諸事業をやりました。そのことによって恩恵をこうむり、喜ぶ市民も多いでしょう。宮越市長は大したもんだと称賛の声の多いのも確かです。しかしながら、その結果として残るのは、決まって借金の山であります。上越市の体力以上に無理をした事業展開は、結局は借金である公債残高が平成11年度決算において一段と上積みされたという結果になっております。 改めて、このたび示された各会計の借り入れ残高をつぶさに検証してみますと、一般会計では464億円、下水道特別会計417億円、農業集落排水事業特別会計50億円、ガス事業会計44億円、水道会計111億円、土地開発公社会計254億円となり、総計は実に1,340億円になります。この数字がいかに大きいものか、宮越市長が初めて市長に立候補するとき、上越市の財政は危機的な状態だ、自分が財政再建をしなければならないと公約の対象に挙げられた平成4年度の借金と比較してみるとき、はっきりと見えてまいります。 まず、一般会計においては、平成4年度369億円に対して平成11年度は460億円と28%、106億円の増加にとどまっておりますが、先ほどの特別会計、事業会計、公社会計まで合算しますと、平成4年度669億円に対し、平成11年度の1,340億円は実に100%の伸び、671億円の増加を見ているのであります。つまり、一般会計の借金残高は464億円でありますが、他の合算では876億円と、ちょうど一般会計の2倍に近い借金残高を示しているのであります。これは、一般会計での借金は極力抑えているものの、特別会計でどんどん借金を膨らませている姿を反映しているものであります。その結果、宮越市長が就任されてから7年間で、上越市の借金は総額でも2倍に膨らんだことになります。見方を変えれば、この7年間、毎年100億円近くの借金が上積みされてきたと言えるのであります。どんどん、どんどん借金の山がつくられてきたのであります。 私は、そのような中でも特に懸念するのは、このような一般会計の2倍もの借金残高が特別会計、企業会計、公社会計にあるにもかかわらず、上越市の示す財政分析の数値、例えば先ほどから言われています公債費比率や経常収支比率、財政力指数等の数値はすべて一般会計中心であるという点であります。上越市全体の借金の3分の1にすぎない会計数値で多くなった、少なくなったと論議しても、実態を正確に反映した数値でないことは、少なくとも財政を知る者の常識となっております。この点は、国の指導も悪いのであります。既に時代おくれとなっていることの反省から、先進的な学者や地方自治体、さらには自治省の内部でも従来の普通会計中心の財政分析では限界があるとの認識に立ち、連結決算方式による総体的な財政分析の必要性が強く求められてきておるのであります。 上越市においても、昨年度からバランスシートの作成、連結バランスシートの作成等、かねがね私が指摘した方向に取り組まれることになったことは喜ばしいことと評価はいたします。が、まだまだ十分説得力のある財政分析に至っていないことは、事務方の職員が十分承知しているところであります。今後より一層の御努力を期待をしております。 しかし一方、相も変わらず監査委員の意見書並びに市長の発表文書は普通会計中心の財政分析にとどまり、市民にはさもさも健全財政を貫いているかのような印象を与えようとしておりますが、市民に正確な財政状況を知らせない危険な手法と言わざるを得ないのであります。オープンシステム、開かれた市政に反し、アカウンタビリティー、説明責任を明確にした市政に反する姿勢と言わざるを得ないのであります。これらの指摘を冒頭申し上げ、以下具体的な質問をさせていただきます。 まず、第1番目として、公債残高は一般会計464億円、特別会計、ガス、水道事業会計との合算では1,086億円となります。特別会計での伸びが特に大きい点をどのように認識しておられるかお聞かせください。 2番目に、下水道特別会計の公債残高の増加の要因として、一般会計からの繰入金の減少があると思います。ちなみに、平成5年から7年までは15億円から20億円近くまであったものが、ここ数年は10億円程度になっております。この点についてどのような認識を持っておられるかお聞きいたします。 3番目は、一般会計から事業会計、土地開発公社の借入金残高を合算して、上越市単独の借入金残高全体では1,340億円の借金が残っていることになります。上越市として、公債残高、借入金残高の適正値について一体どのくらいが妥当と判断できるのか、その判断基準はどのように設定しているのかお聞きいたします。 4番目は、先ほども申したように、一般会計、普通会計だけでは自治体の財政分析が適正に論じられない今日、特別会計、企業会計、公社会計を連結した中での財政分析が求められておりますが、上越市としてどのような取り組みをしているかお聞かせください。 5番目には、平成11年度254億円、平成12年度は345億円もの借金を残すことになる土地開発公社会計でありますが、この土地開発公社の取得する土地及び土地造成費の中には、本来一般会計で行うべきもの、一般会計で取得すべきものと思われるものが多くなっております。例えば平和記念公園整備事業や親鸞聖人上陸の地整備事業等、いろいろ挙げられるのでありますが、一般会計でできない理由は何かお聞きいたします。 6番目として、このようにますます膨大になる借金残高、しかもそこに至る事業が必ずしも十分な比較検討の期間と計画性を持ってなされたとは思われない、時として、宮越市長の思いつきのままに実行に移された事業ではないかとさえ思われる節が目立ってきているだけに、上越市の中長期の財政計画はどうなっているか、計画的な財政運営はどのように図られているか、具体的にお示しいただきたいと存じます。 大きな項目の2番目は、議案第81号平成11年度決算認定並びに第93号平成12年度一般会計補正予算に計上されております(仮称)市民プラザ整備計画につきまして質疑をいたします。この市民プラザ整備計画につきましては、さきの6月議会で大きな論議が交わされた問題であります。それだけに、議会運営上一事不再議の原則がありますが、御案内のとおり、これは同一会期内での原則であり、会期の改まった9月議会で再度取り上げることは何の問題もないのでありますが、私としても重複した質問はできるだけ避け、その後の新たな状況変化並びに新たな資料に基づいて新しい角度から質問をさせていただきますので、答弁も的確にお願いしたいと存じます。 まず第1に、最近の新聞報道等において熊谷組の経営再建に向けての債権放棄要請が出され、熊谷組本体の解体等を含め、今後の熊谷組の先行きにつきましては全く予断の許さない状況が続くようになってまいりました。熊谷組の信用不安につきましては、今表面化したとはいえ、二、三年も前から業界筋では公然とささやかれてきており、当然上越市としても承知の上であったこととは存じます。それにもかかわらず、向こう20年間毎年1億4,000万円ずつ、合計28億円もの大金を払い続けていかなければならない契約をなぜこの熊谷組に任せることになったのか。しかも、審査段階では、鹿島建設が提案内容としては一番すぐれていたにもかかわらず、結果としてこのような信用不安の渦中にある熊谷組との逆転契約になぜ至ったのか、改めて疑問と不安を持つのは私だけではなく、多くの市民の中にその声を聞きますので、宮越市長に改めて質問いたします。 まず第1に、熊谷組の債権放棄の要請が表面化してまいりましたが、このことが今後市民プラザ整備事業に与える影響がどのようなものがあると考えておられるか、まずお聞きいたします。 次に、契約交渉において優先交渉権者である鹿島建設との交渉を打ち切り、次点者、熊谷組との交渉に移った経緯につきましてお聞きいたします。これは、6月議会でも争点のポイントになったものでありますが、その後我々の手元に入ってきた資料を検証いたしましても、どうしても不可解なものがございます。改めて、最終決裁権者であります宮越市長から、この点を明快に、わかりやすくお聞かせ願いたいと存じます。 3番目は、この事業の特定目的会社である上越シビックサービスの資金調達先がどこになったのか明らかにしていただきたいと存じます。 いま一点、提案審査委員であり、この事業の立ち上がり段階から深く関与していたと見られる日本政策投資銀行、これは日本開発銀行と北海道東北開発公庫、これが合体した政府系の銀行でありますが、この銀行が最終的にこの事業の融資に加わらなかったようでありますが、それが事実としたら、その理由は何か明らかにしてほしいと存じます。 4番目は、鹿島建設の積算額と熊谷組との積算額を比較検討すると、最終的には工事費や運営費にそう大きな差は見られず、一番の違いが借り入れ金利の額において熊谷組が相当大幅な額になっているように思われます。その差額を明らかにしていただきたいと存じます。 5番目は、申しわけありませんが、井上副市長に御登壇を願います。このたびの事業の業者選定に当たり、三つの委員会の流れがございました。平成12年2月9日から10日にかけて提案審査委員会が開かれ、7社の提案書が示され、ここにおいて鹿島建設が優先交渉権者、熊谷組が次点者と決定されました。その後3月2日に市民代表による市民プラザ整備検討委員会が開かれ、市民層の意見としては熊谷組の方がすぐれているとの意見が大勢を占めたと報告されています。それを受けて、3月9日PFI事業庁内検討委員会が開かれ、熊谷組の提案を採用することが望ましいとの全員の意見集約を見たとの報告であります。この結果、鹿島建設との交渉を打ち切り、熊谷組への交渉に移ったという重要な意義を持つ委員会となりました。3月2日の市民代表の意見は、失礼ですが、素人の方々の委員会ですので、参考意見としてこれは尊重し、承っておくという程度のものでしょうが、庁内検討委員会となりますと、それぞれ職責上責任ある発言であり、機関としても最終的に熊谷組に交渉権を移した重大な委員会となったようでありますので、個々の皆さんの発言は非常に重いものと受けとめなければならないので、あえてお聞きする次第であります。 この庁内検討委員会の協議結果報告書によりますと、井上副市長は御出席はされておられないのでありますが、代理として田村文化生涯学習課長が出席し、井上副市長も市民プラザのにぎわいという観点で、熊谷組の提案が妥当であると判断しているとの発言が冒頭報告され、所管の部門になるだけに相当重みのある発言という印象を与えています。 そこで、改めてお聞きいたしますが、鹿島建設、熊谷組、それぞれの提案に特徴があり、比較検討されての御判断だったと思いますが、副市長はそれぞれの特徴をどのようにとらえ、結果的にどの点に熊谷組案がすぐれていると御判断されたのかお聞かせください。 さらには、とりわけ事業費において熊谷組が高い、特に金利負担に差があるという資料のもとに比較検討されたことと存じますが、事業費の高い熊谷組の案の方にそれを上回る、すぐれていると判断される理由は那辺にあるのかお聞かせいただきたいと存じます。 大きな項目の第3点は、議案第98号、一般会計補正予算中の(仮称)上越市男女共同参画基本条例制定に向けての検討委員会の設置についてお聞きいたします。この委員会の設置については、市長から議会への説明は、先ほどいろいろ論議がございましたが、我々には提案理由以外、資料としては全くなく、新聞報道により推量するよりほかになかったわけであります。議会審議のための十分な資料も整わないままの新規事業の立ち上げということは、十分な庁内検討を経ないで補正予算が組まれたように思わざるを得ません。特に最初に新聞報道されたのが8月18日の日本経済新聞新潟版でありました。特にこの基本条例の目玉は、各種審議会や市議会に一定割合の女性、市長は3分の1を目安にしたいとの意向であります。 今日本の人口の半数以上が女性であり、女性がこれからますます社会進出をし、女性の考えや意見が積極的に反映する社会づくりが必要であることは私も十分承知しております。また、これまで女性ゆえに発言が抑えられてきたこの日本の歴史風土を考えるとき、ある程度の強制力を持って女性を引き上げていく働きかけは必要なのだと理解もしております。そういう意味において、市長としての裁量権の及ぶ範囲の審議会や委員会に一定の女性枠を設けることは、市民の理解を得られると思います。同時に、一日も早くこのような一定枠を設けなくても適材適所の人員の配置の中で、おのずとその立場、役割が果たせる女性が地位を占める社会になるのが望ましい、そう思います。しかしながら、議会においても女性の定員枠を設けようとするのが宮越市長の真意だとしたら、民主政治の原点である選挙制度そのものを冒{とく}し、先ほど憲法第14条並びに普通選挙を保障する憲法第15条等にも違反する発言であります。まことに常軌を逸した発想と言わざるを得ないのであります。その点を申し上げながら、以下2点を質問いたします。 一つは、委員会設置の意義は何か。二つは、議会も3分の1の女性議員を考えているとのことでありますが、その真意は何か、以上お聞きしたい点であります。 以上であります。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 時間も押していますから、要点をまとめてスピーディーにお答え申し上げます。 初めに、特別会計の市債残高の伸びが大きい点をどのように認識しているかとの御質問でありますが、私は数多くの事業を積極的に推進しながらも、市債については極力抑制に努めているところであり、例えば公債費比率はこの間年々低下、改善し、平成5年度及び6年度には16.6%、全国663市及び県内の20市中いずれも最下位グループであったものが、平成10年度には15.4%、全国670市中379位、恐らく11年度のランキングが発表されましたら、これよりもさらに改善されるものと思います。県内20市中7位と改善し、平成11年度では県内20市中13市の比率が上昇、悪化する中で、当市は前年度と同率の15.4%にとどまり、県内20市中5位にランクアップするなど、各種指標等にもその効果があらわれていることは、先ほどの御質問にもお答えしたとおりであります。したがって、十分御理解いただけるものと思います。 こうした中で、特別会計の市債残高は、市民の生活環境の改善や水質汚濁の防止を図るため、これまで立ちおくれていた公共下水道の整備や農業集落排水、いわゆるミニ下水の整備に全力を挙げて取り組んでいることに伴い増加したものであり、以前から再三申し上げているとおり、特別心配する必要は毛頭ないと、このように御理解をいただきたいと思います。 先ほど平成4年のときの金額が現在倍になっているということで、かなりセンセーショナル的に、わざわざ4年はなぜかと、6年でも7年でもいいじゃないかというふうに思って聞いておりましたが、倍になったことの起点を探したら、ちょうど4年だということではなかろうかと思いますが、その当時の下水道は始まったばかりであります。したがって、今日ずっと七、八年整備してまいりまして、12年度末では4割の水準に持っていこうということで、公約をしておりますのは実現できそうな見通しになったわけであります。これは、ひとえに下水道整備事業に力を入れて、今ほど申し上げましたように、生活環境整備等、改善を強く求められていることで、そのような事業を伸展した結果として、特別会計が特別に市債がふえているわけであります。この辺のところの見方をよく勉強されて発言してもらわんとですね、みそもくそも一緒になって借金が倍増したという、こういうふうな極端な言い方しますと多くの市民が混乱をしますから、どうか実態を伴って、そんなに特別会計等の市債がふえるのはけしからんと言うのであれば、下水道整備事業はやめろということをはっきりと申し上げた上でそのような議論をしてほしいと、こう私は思っております。ここは間違えないようにしてくださいよ。下水道整備事業をやっているから、特別会計の主なところがぐっと伸びていて、一般会計のところについては、先ほど来から申し上げましたように、特に通常分においてはむしろ減っているんですから、減っているということの認識と倍増するという認識が二つ市民の頭に入りますとパニックになると私思いますよ。ですから、そういったことで、物を申し上げるときはきちっと現実を踏まえて申し上げてほしいと思います。 そして、一般会計の方でも特例分というのは、特に最近の減税等の特例債等が政策的に行われているわけでありますから、これがよくないと言うんだったら、先ほど杉本さんに申し上げたように政策の違いが根底にあるということでありますから、我々の現財政運営のあり方、あるいは政府のそういう方針も否定されるということをはっきりと申し上げた上でこういう市債の議論をしてほしいと、こう私は思います。繰り返し申し上げますから、再三そういうことのないように注意をして発言をお願いしたいと思います。 また、2番目としまして、公共下水道事業は快適で潤いのある都市環境を守るため、ちょっとダブるようなことでございますが、せっかくの御質問でありますから、昭和54年に事業認可を受けて以来、順次認可区域を拡大しながら積極的に整備に努めていることは御案内のとおりであります。この結果、平成11年度末では供用開始面積が942ヘクタール、普及率は28.8%となり、下水道が整備された地域の皆さんから、生活環境が改善されたと大変喜ばれているんです。御承知のとおり、下水道の整備には多額の経費を要しますので、御利用いただく皆さんから納めていただく受益者負担金や国庫補助金のほか、残余については市債を発行することによって賄っているところであります。一般会計からの繰入金につきましては、平成11年度も平成10年度とほぼ同額の10億円を繰り入れており、繰入金の減少が公債残高の増加要因とは考えておりません。公債残高の増加は、下水道整備に対する市民の要望にこたえ、積極的に事業を推進した結果であります。 一方、今議会でも提案しておりますように、公債費軽減のため、平成11年度繰越金により平成12年度の資本費平準化債を減額しております。下水道事業も、市全体の計画の中で中長期的な視点に立って進めている事業であり、また下水道債の償還に当たっては半分が交付税に算入されるルールとなっていることからも、将来の負担増にはならないものと考えております。ここも勘違いしないようにしてほしいと思います。全部が全部返すんじゃないんです。半分、55%くらいですか、交付税に、また交付税に算入されるからいいじゃないかという話も飛んでいきますが、それは現行の制度がそうなっているんですから、これは国民共通の制度運用であって当然であります。そういうことで、交付税算入というこういった現実にある制度の中で、そういう前提として下水道事業を立ち上げたという、立ち上げるときの原点に立ち返ってみてほしいと思います。私が急に借金をふやしたというんじゃないんです。ある程度というか、多少私は財政の専門家でありますから、私がもしやらなかったら、もっとひどい市債の増加があったと、こう私は断言します。もし小林林一さんがおやりになったら、もっとひどいことになっていたでしょうと、こう私は予測されます。 次に、公債残高等の適正値はとのお尋ねでありますが、先ほど申し上げたとおり、一般会計の市債残高はこれまでの抑制努力などにより、市民1人当たりの残高や公債費比率など、各種の指標等から見てもおおむね適切なところに位置しているのではないかと考えております。 なお、特別会計等の起債残高につきましては、各自治体における社会基盤の整備水準や地域のさまざまな情勢により千差万別であり、一概に基準を論ずることは論外であると言っても過言ではないと、こう私は思っております。余り意味がないということであります。 次に、普通会計に特別会計等を連結した財務分析に対する上越市の取り組みについてお答えします。私は、地方分権時代を迎える中で、自治体経営の理念に根差した自立した上越市をつくり上げていくため、この間さまざまな行財政改革を実践してまいりました。こうした取り組みの一環として、昨年統一された基準がない中で、他の自治体に先駆けて普通会計のバランスシートを作成し、公表いたしましたが、バランスシートに対する自治体等の関心の高まりを反映して、自治省を初め、自治体や研究者等から多くの照会や資料請求、さらには視察を受けたところであります。小林林一さんが、自分が言ったからやったんだろうということをおっしゃいましたけど、全くそんなことはないことを改めて否定をしておきます。前回、いつかの議会においても、私は経営学部を学問としてとったということで、根底に自治体経営という経営感覚は、私は会社の社長はしておりませんけど、そういう経営感覚は他に比較してすぐれていると、こう私は思っていますから、そういう中でこのような取り組みになったことを改めて申し上げておきます。ことしは、さらに取り組みを進め、特別会計との連結バランスシートの作成も試み、参考資料として議員にもお配りしたところでありますが、今後ともなお一層研究を重ね、工夫、改善を図ってまいりたいと考えております。 次に、土地の取得等に関してのお尋ねでありますが、「みどりの生活快適都市・上越」の実現を目指して、これからのまちづくりを計画的に進めていく上で、また秩序ある都市景観をつくり上げていく上でも、必要な土地の計画的確保は欠くことのできない要素でありますし、そのような旨で土地開発公社があるわけであります。市が公共施設として整備する土地につきましては、一般会計や特別会計で取得することが基本でありますが、整備計画の進捗状況、周囲の開発の進みぐあい、地権者との関係、さらには市の予算など、さまざまな状況の中で必要な土地を着実に確保できるよう、土地開発公社の設立趣旨にのっとり、先行取得等を行っていただいているところであります。 なお、市が公社から計画的にその買い取りを進めていることは、先ほども申し上げたとおりであります。 次に、財政計画についてでありますが、昨年3月議会においてあなたの同じ質問にお答えしたとおり、のびやかJプランや総合計画を基本に、中長期的な視野に立って内部的に当然のこととして作成しておりますし、これらの見通しを踏まえて毎年度の予算編成に当たるなど、計画的な行財政運営を行っているところであります。 次に、市民プラザ整備計画についての御質問でありますが、最初に熊谷組の債権放棄要請が表面化したが、今後この事業に与える影響はどのようなものがあると考えているかについてお答え申し上げますが、先ほど早津議員並びに杉本議員にもお答えいたしましたとおり、本PFI事業は特定目的会社である株式会社上越シビックサービスとの契約により進めているところであり、御心配の向きはなく、この事業への影響はないことを重ねて申し上げさせていただきます。 次に、第1優先権者、鹿島建設との交渉を打ち切り、次点者、熊谷組との交渉に移った一番のポイントは何かについてお答え申し上げます。このことにつきましては、さきの6月議会で細部にわたる十分な説明の後、聞くところによると約1日ぐらいかけたという話を聞いていますから、本当にこれは十分な説明の後に慎重な御審議をいただいたものと思っております。議会承認を得た上でありますから、この議会承認なければ契約ができないんでありますから、議会承認を得た上で契約を締結されるということを忘れてはならないと、こう私は思っています。しかも、現在事業が進捗している中で、議決直後の議会において再審議するかのような質問をされる意図をはかりかねるとともに、議員みずから議会の議決を軽視されているのではないかとさえ考えますし、多くの市民に誤解を惹起させかねず、厳に慎まなければならないことではないでしょうかと思っております。 次に、株式会社上越シビックサービスの資金調達先はどこか、日本政策投資銀行は結果的に加わらなかったようだが、理由は何かということでございますが、資金調達先については特定目的株式会社、すなわち株式会社上越シビックサービスが事業者の責任において選定し、決定することであって、市がかかわるものでないことは当然のことであります。したがいまして、この質問の内容につきましては事業者と金融機関の契約関係であり、日本政策投資銀行のことも含めて市としてかかわることでなく、私がお答えすることではないと考えておるところであります。 次に、結果的に鹿島案と熊谷案との金利負担に大きな違いが出たようだが、その差額は幾らかについてお答えします。金利の差額そのものにつきましては、結果的に20年間でおおむね3億100万円であります。しかしながら、PFI事業におけるプロポーザル方式では、金利だけで事業者の選定を行うものではなく、全体事業費による評価はもちろんのこと、民間事業者の創意工夫や利用者の立場とニーズに沿ったものであるかなど、総合的な評価を行った上で事業者を選定し、契約するものでありますので、金利負担という一面のみを取り上げて議論することは、制度的、技術的な観点からもなじむものではなく、かつ合理性に欠けるとらえ方であると判断するところであります。 さて、次に男女共同参画基本条例の制定に向けての検討委員会設置の意義は何かという御質問でありますが、これにつきましては既にこれまでの質問の中で、それぞれの御質問をいただいた中でお答えしたとおりでありまして、女性の社会参画をより一層促し、その実効性を高めるためにクオータ制の導入を含め、基本条例制定の検討委員会を立ち上げるものであります。 次に、新聞報道によると、議会も3分の1の女性議員を考えているとのことであるが、その真意は何であるかということでありますが、この件につきましても既に答弁しているとおりでありますが、私の政策的理念から、市議会を特別視することなく、女性の社会進出にかかわるあらゆる分野を対象として、このあらゆる分野というのは男女共同参画社会基本法の前文にもうたわれております「あらゆる分野を対象として」ということになっております。検討委員会で、大いにそういった観点から議論をしていただきたいという考えに基づいているものであります。 3分の1という割合は、すべての分野における意思決定に影響を及ぼし得る比率という一般論でありますが、したがってこの3分の1の是非についても検討委員会で、どういう検討委員会に出すかということについては、これは先ほど来議論をいただいておりますから、議会の皆さん方の御意見をちゃんと踏まえながらということを申し上げたとおりでありますから、そういったことを総合勘案して、私が検討委員会にどういうふうにするかということは、これから慎重に検討、私自身が申し上げる内容を詰めていくということになろうかと思います。 以上です。 ○石平春彦議長 井上副市長。          〔副 市 長 登 壇〕 ◎井上隆邦副市長 それでは、私の方から、3月9日のPFI庁内検討委員会において熊谷組の提案が妥当との判断を伝えているが、事業費の違いを踏まえても熊谷組の提案がすぐれているとの判断は何かとのお尋ねにお答えいたします。 御案内のとおり、私はPFI庁内検討委員会設置要綱により同委員会委員になっておりましたが、3月9日の会議は所用のため欠席させていただいたところでございます。しかし、市民プラザ整備事業は、私ども文化部門にかかわる重大事業であり、特に将来にわたる管理運営等は私が所管する業務として責任を持って遂行しなければならないことから、当日会議に出席する文化生涯学習課長を初め、部門内課長と十分な意見交換を行ったところであります。その結果、本施設が真に市民のための市民の手による市民プラザとなるためには、年間を通じて大勢の皆様が訪れ、利用されるというにぎわいの創出というものが極めて重要であり、そのための創意工夫がなされているか否かが大きなポイントとなるという結論に達しました。この意味から、私は熊谷組の提案が妥当であると判断し、その旨当日出席いたしました文化生涯学習課長が発言したものでございます。本施設が市民文化の向上や双方向行政の実現を図る拠点施設であり、将来にわたって充実した管理運営を行う必要があるという観点からも、当然の判断であるというふうに考えております。 ○石平春彦議長 21番、小林林一議員。          〔小 林 林 一 議 員 登 壇〕 ◆21番(小林林一議員) 再質問をさせていただきますが、例によって若干私の質問と答弁とはポイントがずれているなというものが何点もございました。井上副市長の答弁も、私の質問に的確に答えていないというものがございます。残念なことでございます。 特に市長は、まず何で平成4年度と比較するんだということの中で、ちょうど倍になったからということで単純に見ていますが、決してこれはそうではなくて、先ほども申したとおり、宮越市長が市長に就任される前、当時の市長選挙において、平成4年度の上越市の財政状態が危機的な状況にあるんだと、それを自分は再建するんだという強い決意を述べられ、そして市民の賛同を得て市長になられた。だからこそ、その危機的な状況と言われている平成4年度と比較して、今の状況がどうなんですかということで問うていることであります。この点をひとつ踏まえた上でお答えいただきたいと思います。 それから、議場で言うのも、みそもくそも一緒にという言葉、ちょっと汚いなと思うんですが、そういう言葉を発せられましたので、下水道のとり方についてそういうふうな認識をされている、非常に残念でございますが、これは今るる私の考えを説明したいというふうに思います。それぞれちょっとポイントがずれていますので、私の質問、あえて何でこれだけの質問をしたかということの根拠、裏づけを明らかにして再質問したいと思います。 特に一般会計と特別会計以下等、これらは一見独立しているようではありますが、それぞれ密接につながっている。これは、すべて市の借金であります。市の借金ということは、市民の借金であります。そのような中で交付税措置が講じられていたり、またそれぞれ会計の特殊性、例えば使用料収入で賄う部分があるんだというところや何かで、それぞれの会計の特徴はありますが、しかしこれらは全体が上越市の借金総額であり、市の借金の総額ということは市民全体の借金の総額であるからこそ、これはきちんと論議をして、その適正値はどこなのかということを絶えずチェックしていかなければならないと、これは行政も議会も両方の責任であると思うからであります。 例えばみそもくそも一緒だと言われた下水道の特別会計でありますが、上越市のようにまだ整備率が30%くらいの、まだその状況であります。まだまだこれから大きなお金をかけていかなければならない。トイレの水洗化、下水道の普及は文化的生活の大きなバロメーターであり、地方自治体としても政策の第一に掲げなければならない重要施策であります。それだけに下水道事業の予算を確保するためには、一般会計において他の施策を極力抑えても優先的に予算を確保しなければならない事業であります。私は、こういう認識をきちんとしているのであります。 それだけ重要な施策であるからこそ、一般会計からこの特別会計に予算を回せるか、それを示すのが、今数字としては下水道特別会計の一般会計からの繰入金であります。この一般会計からの繰入金を検証してみますと、平成4年から7年までは8億、15億、16億、19億と事業規模拡大に応じて増加し、歳入総額、特別会計のですが、この歳入総額に占める割合も22%から26%と常に一定額を確保してまいりました。しかし、平成8年からこれがぐっと減って、先ほど市長が言うように10億円前後になったのであります。これは、平成8年からであります。歳入総額に占める割合も14%、11%となり、平成11年度決算では8%にまで落ち込んでいるのであります。当然、そのはね返りは借金に頼る形となっております。下水道特別会計の借金残高は、平成4年度は134億円だったものが平成11年度は417億円となり、本年、平成12年度の見込みでは486億円となります。一般会計の平成12年度の公債残高見込みが490億円と見込まれておりますので、これと平成12年度は肩を並べるということになるのであります。しかも、今後何十年かかって、これが100%整備が完了するのかわかりませんが、今のやり方で進めば、公共下水道が100%整備の段階では借金は下水道事業だけで1,500億円を超えるという計算になるのであります。市民に大きなツケが回るという結果になるのであります。だからこそ、このまま下水道特別会計に対する一般会計からの繰入金がこのような低い割合で推移してよいのか、一般会計の中に不要不急の事業はないか、十分検証する中で両会計の整合性を図っていかなければならない。だからこそ、両会計をトータルに見るためにも各会計を連結した中長期財政計画が示されなければならないと申しているのであります。農業集落排水特別会計においてもしかりであります。 さらに、土地開発公社会計でありますが、本来上越市が公共事業用の土地を確保したり土地造成を行う場合、一般会計に予算さえあれば、何も土地開発公社で買わなくてもよいのであります。一般会計で直接買えばよいのであります。しかしながら、多くのケースは一般会計に予算がないものだから、便宜的に土地開発公社で買っているのであります。ところが、いつの間にか土地開発公社で買うのが当たり前になり、整備事業までも土地開発公社で行うのが当然のようになってきているのではないのでしょうか。ここに危険が潜んでいるのであります。ある学者に言わせれば、土地開発公社は麻薬のようなもの、一度その味を覚えるとどんどん深みにはまり、最後には健康な体も完全にむしばまれていく。地方自治体も土地開発公社のディスクロージャーを図り、常にチェックしていかないと、自治体の財力そのものを奪い、最後には自治体破産に追いやられる危険が高いと指摘しております。 上越市の現状を見ても、平成4年度の借入金残高が68億円だったものが、平成11年度は254億円にもなっている。しかも、平成12年度には345億円にもなると予定されています。これも一般会計の借金残高に迫る勢いでふえているのであります。この場では、土地開発公社の内容を論ずることはこれ以上は差し控えますが、少なくとも土地開発公社で買ったり整備をしている事業の中には、本来一般会計予算で行って当然という事業が年々目立っています。また、5年をめどとされている自治体の再取得も、このことは先ほど市長も国の指導で10年と言っておられましたが、これはやむを得ない場合、最大限10年で買うようにという国の指導が出たのであって、理想はあくまでも本来の指導は5年であります。一般会計に予算がないばかりに買い取ることができずに、いたずらに土地開発公社の借り入れ金利のみが膨らんでいる土地事業も多くなっています。 このように、一見独立している会計のように見えても、一般会計とは密接不可分な連動をしているのであります。だからこそ、一つの土地を買うにも、どうしても必要なものと言うなら、本来一般会計の予算の中で買うべきが本筋であります。仮に土地開発公社で買っても、他に転売できるものならともかく、上越市の事業として生かすものであるならば、5年以内に一般会計で再取得できるよう予算立てを図っていく、そういうグローバルな中長期財政計画を立てて、計画的な各会計の予算執行が今日どの自治体でも喫緊の課題であります。特に上越市においてもその必要性が高いと思うからこそ、質問しているのであります。 きのうも平山知事が上越に来られてのお話の中に、地方分権の時代だからこそ、自治体自身が責任と計画性を持った財政運営を進めなければならないとおっしゃっておられましたが、私も全く同感であります。上越市においても、財政全般のディスクロージャーを図るとともに、計画的、重点的な財政運営を図っていかないと、むだな投資や事業のために、本来市民のために進めていかなければならない事業や施策が十分になされないままになってしまう危険性が高くなってしまうから質問するのであります。改めて、各会計の借り入れ残高の増大に対して宮越市長はどのような認識をしておられるか、各会計の借入金残高の適正値の判断基準をどのように設定しているかお聞きしたいのでありますが、先ほどの答弁で、上越市の中期財政計画はあると、しかしそれを公表することは危険だからと言うわけでありますが、なぜ危険なのでしょうか。新潟県はちなみに、これはきちんと公表しています。何の危険もありません。上越市だけがなぜ危険なのか、むしろそのことをお聞きしたいのであります。まことに理解に苦しむ見解であります。財政運営の責任者としての市長の答弁を改めて求めます。 次に、市民プラザの整備計画につきましても、私の手元に情報公開で得ました資料の一つに熊谷組の積算数字と鹿島建設の積算数字の対比表がありますので、これを明らかにして私の質問の趣旨を徹底したいと思います。これによりますと、熊谷組の最終案、当初提案、それから見直し提案、そして最終提案と積算表がございました。そして、鹿島建設の提案との対比表になっております。これによりますと、熊谷組の最終案は28億円、鹿島建設は22億円となっているのであります。そのうち工事費、維持費等については、熊谷組は17億9,500万円、鹿島建設は18億1,000万円で、両者にさほど違いはないのであります。ところが、金利負担においては、熊谷組は6億2,500万円、鹿島建設は3億2,400万円で、先ほど市長が答弁されたように3億円もの差が出ています。しかし、これだけでおさまらないのであります。諸経費がさらに加わっているのであります。この金利と諸経費をプールで見ますと、熊谷組は10億1,300万円、鹿島建設は4億1,700万円と、約6億円もの差がついているのであります。これは、熊谷組に事業を任すことによって、熊谷組の金利負担、諸経費に6億円も余計上越市の税金をつぎ込んでやらなければならないことを意味します。なぜこのような金利負担に差が出てくるのか。この資料から推定する限りでは、熊谷組では政府系金融機関からの金利の安い資金が得られず、オリックスという民間のファイナンス会社からの借り入れに頼らざるを得ない。その結果が諸経費合わせて6億円も余計にかかるようであります。事業費にかかるお金ならば、建物内部がその分立派になり、上越市の施設に還元されるわけでありますが、金利と諸経費ということは、上越市にとっては全く無用なお金を余計に払わされることになります。宮越市長は、このことをどう認識し、市民にどう説明するのか、ぜひお答えいただかなければならない点であります。 熊谷組解体が新聞、雑誌等で連日報道されている中、上越シビックサービスという特定目的会社とはいえ、実質上熊谷組の責任で遂行される市民プラザ事業をこのまま任せておいてよいのか、その点とあわせて御説明願いたいと存じます。 井上副市長も今私が明らかにしたように、要は鹿島建設の案と、それから熊谷組の案が実質的にこういう金利差、諸経費合わせて6億円も上回る、なおかつそのよさが単なるにぎわいの創出ですぐれているというその一言だけで市民に説明できるのかどうか、その点をきちんと担当の副市長として明らかにしていただきたいという、そういう質問をしているのであります。お願いいたします。 3番目のクオータ制度の導入についてでありますが、先ほどからの質疑、また今ほどの答弁を聞く限り、必ずしも庁内において十分検討を尽くされ、成案化されたものではないように感じられます。しかし、これには79万円の予算が計上されているだけに、これまた税金のむだ遣いに終わらなければいいがと懸念をいたします。 この点につきましては、日本経済新聞の記事を紹介しておきます。宮越市長は、行政改革の一環で導入した副市長制度で、最後のくだりでありますが、環境部門の副市長に女性ジャーナリストを登用し、同副市長から女性差別発言をしたなどと非難され、解職したことがある。このため、来年に予定されている市長選に向けた女性票獲得をねらう措置との見方も浮上しそうだと言っているのであります。断っておきますが、私が言っていることではありません。日本経済新聞の8月18日の記事であります。しかも、これまで上越市の行政施策に紳士的、好意的な記事を載せていた日経の記事だけに、マスコミの見方も随分変わってきたなという印象を受けましたので、私から警告の意味を込めて紹介をしておきますが、とりわけこの基本条例制定の検討委員会設立の大きな目玉は、議会にクオータ制を設けるか否かであって、議会以外にクオータ制を設けることについてはそう難しいことはない。何も鳴り物入りで、別枠で予算を79万円を計上してまで検討委員会を設立するまでもない。今の上越市の職員レベルで、少し勉強していただければ条例の原案ぐらいは十分に作成できる能力はあると私は思います。それでなくても、先ほどから申すように、上越市の財政はまことに厳しい状況であるということを真摯に受けとめ、むだな税金は極力使わないようにしてほしいと思いますが、改めて市長のお考えをお聞きしたいのであります。 以上であります。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 市債発行等の話については、やっぱりこれは水と油みたいな感じでありますから、議論を重ねても無益なような感じがいたします。つまり、特別会計でこのような事業を行う結果として市債がふえたということでありますから、そのもとをどうするかということを議論しないと、これは全然歯車合わない。ですから、そうおっしゃるんだったら、下水道事業はやめろとはっきりと宣言されたらいかがでしょうかと、こう私は言います。私はやりますから、どうぞそういうことについては、今までのいろんな予算の編成のための審議をいただいて賛成をされてきたんじゃないですか。矛盾するんじゃありませんか。御自身もたび重なる一般会計や特別会計を含めて、各年度の予算編成で反対されたのはたしか1回あったんでしょうかね、そのほか全部賛成されていることとの整合性はいかがでしょうか、御自身の考え方。根本的なそこのところが間違っているということが議員らしからぬ、そういう判断ではないかと思います。ですから、いろいろな議論はされてもいいんですけど、ほどほどにしないと、自分の言っていることとやっていることが整合性がとれなくなってしまうという、そういうことにつながっていくように私は警告しておきます。 ◆21番(小林林一議員) それはそっくり市長にお返しします。 ◎宮越馨市長 だれからか聞いたような言葉だな。そっくり返すという言葉、だれかから聞いたな。 ○石平春彦議長 小林林一議員、自席での発言やめてください。 ◎宮越馨市長 それから、土地開発公社のことを云々と、これちょっと余り質問の趣旨がよくわからなかったですね。自分の御意見か質問か、議員であるならば質問は質問、意見は意見というふうに分けてやってもらわんと、幾ら時間あってもこれはたまったもんじゃないですね。ということで、常識的な質疑のあり方をお願いしたいと、こう私は思います。 それから、中長期財政計画について、これは山岸議員のときにお答え申し上げたことをお話しされましたけど、別に危険なんて言っているんじゃないですよね。だから、こういった小さな自治体になると、それが余り実効性のないということになりがちだということで、私はむしろオープンにするという考えでありますから、オープンにしたいんですよ。しかし、オープンにしますと、小林林一さんみたいな方がいて、それをすぐに逆手にとってどうのこうのという話になりかねないという心配があるから、私は出せないということを言っているんですよ。ですから、そういったことを考えて、県とか国とかというのはかなり実は大きくなってきますから、規模が大きければこれは出せるんですよ、ある意味では。ところが、小さくなるとですね、一つの事業を例えばリフレッシュビレッジに入れると。そうすると、15億も20億もかかりますね。そういったことはぶれてしまいますから、これは余りそういうことが有益ではないというか、小さな五百数十億の枠の中の予算の規模でありますから、これが10億とか20億とか、あるいはもっと50億というような事業を将来入れるとか入れないかという判断が大変大きな重大な判断になってくることをあえて入れて公表するとか、あるいは入れないでやるということになると、ぶれが大き過ぎて余り実効性が期待できないということで私は言っているんであって、あくまでも私どもは内部できちんと真摯な、あるいはまた誠意を持って行財政運営に当たっている側にとって、いろんな検証する材料としてつくっているということを申し上げたわけでありますから、曲げてとることがお得意でありますから、こういう話になるとすぐそういう話になるから、余り議論をできないということになることを申し上げておきます。 それから、先ほども私申し上げましたとおり、市民プラザの整備計画についての御質問でありますが、これはさっきも申し上げたように、何か聞くところによりますと1日近く審議をされて了とされたんでありますから、それをもって契約したわけでありますから、契約がけしからんということであるならば、また別の対応を議会としてとられることが先ではないかなと、こう私は思っております。私は、きちっとした審議をいただいてですね、市議会の承認をいただいた、決議をいただいたことを受けてやっているんでありますから、勝手にやったわけではないということで、その辺のところを勘違いしないで、また余計にあおるようなことで不安感を持つようなそういう発言は厳に慎んでくれということを警告しておきます。 それから、男女共同参画社会形成のための日経の記事でありますが、私はそんなことを言った覚えもないし、日経の記者がどうとらえたか、これは記者の立場でお書きになったんでありますから、それが何かどうのこうのという話に広がっていくことはないだろうと、こう私は思っています。 それから、井上副市長がお答えしたことにかかわるわけでありますが、にぎわいの創出が極めて重要であるということが大きなポイントということになるのは当たり前の話でありまして、私も先ほど申し上げたように、そればかりでなく、総合的な評価を行った上で事業者の選定を行ったということを申し上げているわけであります。 また、金利云々の話もありますけど、私の記憶では、熊谷組以上にプロポーザルで出された会社の中で、それを上回るところも幾つもあったというふうに、今はっきりと覚えていませんが、そういうことでありますから、何か二つ比較してどうのこうので、それが極端に開いているからおかしいんじゃないかという、そういう誇張するような言い方は慎んでほしいと思います。いずれにいたしましても、前回議会で慎重審議の結果として契約していいと、こう私どもはお墨つきをいただいた中でやっているんですから、これ以上のことでもないし、これ以下のことでもないんでありますから、これは議会ルールでやっていただいておりますし、私どもも提案して真摯に説明を、本当に疲れ切るような形でいろんな質問をされたことを聞いています。それに対して全部まじめに答えた結果として了とされたということをお聞きしておりますから、議会が大変熱心に御審議いただいて契約に至ったわけでありますから、それをまた覆すような、またもとに戻すような、そんな議論をまた議会がかわったからといって簡単にやるということは、これはいかがなものかと、こう私は思うことを申し上げて終わります。 ○石平春彦議長 井上副市長。          〔副 市 長 登 壇〕 ◎井上隆邦副市長 先ほどの小林議員の御質問なんですが、PFI方式によるプロポーザルの選定につきましては、もちろん御案内のとおり、全体事業費の評価の問題、それからやはり民間事業者がどういう提案をしてきて、その創意工夫がどういうものか、それから利用者の立場とかニーズとか、そういうものも総合的に勘案して決めるわけでございます。特に文化部門を担当している私としましては、今後みずからが運営に携わらなきゃなんないという立場もございまして、できるだけ市民の皆様にとって動線もよくて使い勝手もよくて、 なおかつ施設としての魅力もあると。それから、当然先ほども申し上げましたようなにぎわい、これは非常に不可欠なものですから、そういうものを非常に希望したわけです。 そういう中で両者の提案を比較しまして、鹿島は確かに御案内のとおり全体事業費の部分というのは非常に低く抑えられておりますが、私はそれを超えて、熊谷の方がより魅力的なプロポーザルだというふうに判断いたしました。ここで、なぜ魅力的なプロポーザルかというのを事細かに申し上げるのはいかがかと思いますが、三つほど申し上げておきますと、一つは、熊谷の提案というのは1階から屋上にかけて吹き抜けになっておりまして、屋上部分がグラスハウスというような形になって、日光が降り注ぐような形になっているんですが、非常に開放的で、若い方からお年寄りまで非常に喜んでもらえるんじゃないかなという感じがいたしますし、特に温室のような感じなもんですから、冬場などちょっと閉鎖的になりがちな雰囲気の中でですね、グラスハウスというのは非常にいい雰囲気を醸し出すものなのかなというふうに思います。もちろんそのグラスハウスの中でキッズルームとか、子供たちとか親御さんが遊んだりするということもできますし、そういうような提案というのも非常に魅力的だと思いましたし、場合によってはコンサートなどもできるのかなというふうに思いました。 それから、2点目の点につきましては、もともとスーパーマーケットでしたので、たしか建物の両側に階段があったんですが、これだけでは流動性がないのかなという感じがしまして、プロポーザルでは外側にらせん階段がついておりますし、また建物中央に新しく中央階段を新設するということでですね、人間の動きを非常に活発にすると。特に外側についたらせん階段につきましては、外から中に入ったり、また中から外に出たりということで、非常に仕掛けとしては魅力的な仕掛けになっているなというふうに思いました。 それから、3点目なんですが、屋上部分の活用の仕方がうまいといいますか、常設のステージのようなものを設置して、イベント広場的なものというんでしょうか、できるだけ市民の方々に屋上まで積極的に利用してもらうということで、相当創意工夫というものがなされているというふうに私は考えましたし、この三つが中心になって、一つ大きなにぎわいが創出できるのかなというようなことから、熊谷組のプロポーザルが妥当と判断したような次第でございます。 ○石平春彦議長 21番、小林林一議員。          〔小 林 林 一 議 員 登 壇〕 ◆21番(小林林一議員) 市長からのお話、相変わらずなかなかポイントが常にかみ合わないという状況でありますが、市長がるる言われたこと、自席で申しましたけれども、私はそっくり市長にそのお言葉をお返しをしたいと思います。特に公開、ディスクロージャーに対してなぜ恐れるのか、危険を感じるのか。今ますますオープンに開かれていかなければならない。財政を開き、皆さんにお示しして、そしてともに財政再建を考えていかなければならない、かかっていかなければならない、これが分権時代の新しい自治体のあり方であります。むしろそれに後退する宮越市長の姿勢を非常に残念だと思います。 先ほどから市民プラザの問題につきましても、なぜ一度6月議会で議決されたものをまたここで蒸し返すかということでありますが、今私が質問のもとにした資料は、情報公開で求めた上越市の市民プラザに関する資料が、我々6月議会の段階にも既にあったにもかかわらず、こういうものが出されていないで我々にこの2部だけのほんの薄い資料だけで、これだけをもとにして議論をしたわけであります。その後いろいろ内部の検討資料、これだけじゃないんです、もっともっと何部もあるんであります。そういうたくさんあるそれらを比較検討した上で、そして最終的に熊谷組の案がいいんだということであれば、それでよかったと思いますけれども、その資料が十分なされないままでの検討であったがために、しかも今後20年間にわたって28億円という市民負担を強いる契約であるだけに、今もう一度見直す必要があるんではないかということを問題提起するんであって、これを問題提起するに当たって、議会において提案するに何の問題もあるわけではありません。むしろ、それをおかしいという宮越市長のその議会感覚、これこそおかしいと言わざるを得ないのであります。これ以上は、議論は市長として市民感覚の相違だと、市民がどう思うか、その相違であると思いますので、市民があとどう判断されるか、この9月議会を通して私はじっくりと詰めたいと思います。そのことを申しまして、総括質疑を終わります。 ○石平春彦議長 質疑なしね。 ◆21番(小林林一議員) いいです。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 これは市民が聞いていますと、議会で何を議論しているんだというふうな感じで受け取られるんではないかなと、こう私は危惧をしますもんでお答え申し上げますが、前回議会であれほど慎重審議をされまして議決をいただきました。私どもは、議決がなければ契約はしません。今何か新しい提案をされたような感じしますが、それならば今の工事をストップして契約をやり直せと、こういう提案をしたらいかがでしょうか。私は一向に差し支えないですよ。これ議会の責任においてやってください。これは、もしそうなったら、その損失とかいろんなことについて責任を一たん持つという形の中で、そのようなことを堂々とやってほしいと思います。 今情報公開でいただいた資料を得々と自慢げに御披露されておりましたけど、私どもは何も隠すということはしていないんですよ。今山口副市長にも聞きましたけど、説明は今示された資料等をもとに十分に説明をしたということを言っていますから、資料を出す、出さんの話じゃないでしょう、これは。資料を出さなかったから疑惑があって問題があるという、そういう結びつきをされようとしているから、おかしな発想になるんですよ。むしろ資料が何もなくて、お互いに言葉同士で、極論すれば目と目と合わせて……          〔「そんなばかな話」と呼ぶ者あり〕 ◎宮越馨市長 確認するというような、最高のこれは、極端なことかもしれませんが、例えばの話を言っているんでありますけど、資料がなければすべてなしと、そんなことは話にならない。そういうことを言っているんだから、めちゃくちゃですよ。だから、情報公開とかそういう制度をきちっとしていますし、皆さん方から資料要求されれば、ちゃんと資料をお出しするということになっていますから、そんな話で議論しているんではもう話にならないと、こう私は申し上げておきます。 そういうことで、今確認しましたら、十分に1日もかかって、どうも延ばし延ばしするような感じを受けながらも、真摯に、まじめに本当に余りある説明をして決議をしていただいたことでありますから、これは私は議会の決議は大事にしたいと、こう思っておりますから、そういう形で進めていかなければ何も前に進んでいかないということであります。 それから、中長期財政計画について、また何か危険だとかいうようなたぐいのお話を申されておりましたけど、どうも私の言っていることが御理解いただけないんでしょうか。やっぱり財政的な専門家ではないから、そういうことなのかもしれませんけど、やっぱりそういうものなんですよ。ですから、財政運営を私どもは責任を持ってやっておりますから、きちっとする中でそういったことをしっかりとつくっておりますが、それは一つのいろんなケースを前提としてつくってシミュレーションをするいろんなバリエーションを考える中で中期財政計画というのをつくるんでありまして、決めるということになりますと、わけが違ってくるんです。外に出てくると、これは一つの意思がそこで固まるという前提で数字が出ますから、だから大きなぶれのある場合は、普通はむしろ出した方が混乱してしまうというケースもあるわけでありますから、何でもかんでも出せばいいという話じゃないんですよ。ですから  まあいいや、おもしろおかしく例えて言うと、また揚げ足取られますから、そういうことは申し上げませんが、そういうことでこういう……          〔何事か呼ぶ者あり〕 ○石平春彦議長 自席での発言やめてください。 ◎宮越馨市長 中期財政計画等についてはそういう考えでいることを申し上げ、意見のかみ合わないということもある意味での議会審議の一面かということで受けとめざるを得ないと私は思います。根本的な違いがあっても別にいいわけでありますが、私どものこういった対応についてもしっかりと御理解いただきたいと、こう私は思うところであります。どうかそんなことで、この市民プラザ事業については引き続き事業をさせていただきたいと思うわけでありますが、どうしてもそれはやめろとおっしゃるんだったら、手続を踏んで再スタートをしても一向に私は何の後ろめたいこともありませんから、どうぞそういうふうに措置をとってください。 以上です。 ○石平春彦議長 4番、古澤弘議員。          〔古 澤 弘 議 員 登 壇〕 ◆4番(古澤弘議員) 新風の古澤でございます。時間も大分経過をしておりますけれども、できるだけ簡潔に質問いたしますので、よろしくお願いします。 それでは、新風会派を代表いたしまして、提案のありました議案第81号平成11年度上越市一般会計歳入歳出決算認定に関し、行政改革実行元年の総括について並びに議案第93号平成12年度上越市一般会計補正予算よりクオータ制の導入についての2点について総括質問をいたします。 私たち新風会派4人は、地方分権、まさに地方の時代、そして21世紀の新たな時代を迎えるに当たり、市政に新しい風を送り込み、市民の暮らしの安定と、未来に向け発展と希望のあるのびやか快適上越市の創造を目指し、今春の市議選に当選をさせていただいた新人議員であります。その観点から、現在進められている宮越市政の自治体経営を基本理念に掲げ、先進的かつ斬新的、そして積極的な政策については共感し、賛同するものであります。 その上に立って質問させていただきますが、まず初めに、議案第81号平成11年度上越市一般会計歳入歳出決算認定に関し、行政改革実行元年の総括について質問いたします。この種の質問は、総論的かつ抽象的になりますが、平成11年度の行政執行の根幹に関する内容であり、今後の行政執行上重要と判断し、質問いたします。 本年4月に地方分権一括法が施行され、自治体は自己決定、自己責任、自己負担の時代を迎えたことは、御提案のとおり理解するものであります。既に宮越市政は、こうした時代の変化と社会の求めているニーズを先取りし、平成7年度に21世紀の新しい時代に向け、地域行政のあるべき姿としてまとめられた上越市行政改革大綱をもとに、新しい地域社会の課題と自治体経営の理念を描き、共同と参画を基本理念に据え、開かれた市政を初めとする五つの行政スタイルを打ち出され、先進的かつ積極的な数々の政策を実行されていることは十分理解するところであります。そして、これまでの行政執行の過程と現下の情勢を踏まえ、平成11年度を行政改革実行元年と位置づけ、副市長制の導入を初め組織及び職制等かつてない大規模な機構改革、さらにはコスト意識を高めるためバランスシートの作成、経営感覚のもとで行政並びに政策及び財政の執行など、数々の政策を積極的に遂行されたことについては理解し、一定の評価をするところであります。しかし、大切なことは、行政改革実行元年として執行してきた結果を今後の行政執行に生かし、反映するために、その成果と問題点や積み残された課題を明確にすることが必要と考えます。特に問題点や実現できなかった課題を分析し、総括することが今後の行政執行の上で重要と考えます。提案説明では、成果については随所に説明をされておりますが、問題点や積み残された課題についてはやや明らかにされておらない点もあり、不十分と思います。したがって、行政改革実行元年の総括について説明を求めるものであります。内容は、副市長制の導入を初め、組織・機構改革を含め多岐にわたりますが、その中で特に次の3点についてお答えを願いたいと思います。 まず、1点は、「安・近・短」の行政の成果がどのようにあらわれたか。すなわち権限と責任を明確にしたもとで、より安く、より近く、より早くの行政であったか。二つ目といたしまして、職員の意識改革についてどのように変化したか。コスト意識、経営感覚、行政サービスの付加価値を高め、行政の運営に当たったか。また、人材の育成のため、職員の教育研修はどうであったか。3点目といたしまして、行政組織及び財政のスリム化に向かって実行されたか。また、目標の達成はどのようであったか等々御質問いたしますので、簡潔な御答弁をお願いしたいと思います。 それから、2点目でありますが、議案第93号平成12年度一般会計補正予算の中で、クオータ制の導入について質問いたしますが、この件につきましては、提案説明ではクオータ制が先にありき、またマスコミ報道でも議員を含めたクオータ制の導入ということでありましたので、質問につきましてはクオータ制の導入の必要性とその考え方、あるいはまた議会のクオータ制導入について、行政サイドから提言されている意図は何かという質問を通告しておりますが、これまで5人の皆さんから御質問をされ、その件につきまして市長からるる答弁がありましたので、確認の意味で質問をさせていただきます。 私たち会派は、これまでの男女の固定的な役割分業を解消し、すべての分野において男女の性別にとらわれず、対等的なパートナーとして参画できる男女共同参画社会の実現に大いに賛同するものであります。また、市の職制にとどまらず、多くの分野において女性が重要な任務を担当し、その持つ能力を十分に発揮されることは必要と考えていますし、そのための環境づくりを行うことが重要と考えております。真に対等な男女共同参画社会を実現するためには、男女の数のバランスではなく、その能力や資質により必然的に形成されるべきものと考えております。したがって、女性職員の登用について一定の枠を定めるクオータ制について、単なる数合わせ的なものだということで危惧したところでありますが、先ほど御質問ございましたので、以下の点について確認をさせていただきます。また、議会の中で議員の女性の枠をふやすことにつきましても、私ども会派といたしましても当然それについては賛同するところでございますが、法律の枠を超えてまでそのことを論ずることについては若干疑義の残るところでありますし、問題があると考えております。したがって、確認させていただきますけども、現行の法のもとでこれから検討されると思いますが、そういった法のもとで、男女共同参画基本法をもとにして広く女性の皆さんがいろんな場に参画できる環境づくりとか、あるいは人材の育成とか、その他含めて聖域を設けないで検討していくんだということで理解していいかどうか、その辺について御質問いたします。 以上、2点について御質問いたしますので、よろしくお願いいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 お答え申し上げます。 最初に、行政改革実行元年の総括という御質問でございますが、まず「安・近・短」行政の成果がどのようにあらわれたかというお尋ねでありますが、御案内のとおり、私は市長就任以来、さまざまな行財政改革に積極的に取り組んでまいりました。本格的な地方分権時代の到来を控え、これに対応していくためには、従来型の行政運営には限界があるため、自己決定、自己責任、自己負担の原則に基づく新たな自治体経営の理念と執行システムの確立が不可欠であるとの非常に厳しい認識を持ち、直ちにこの構築に着手したところであります。 私は、時代の大きな節目に当たる昨年、平成11年を行政改革実行元年と位置づけ、複数担当副市長制の導入や組織・機構の簡素化などを21世紀を見据えた行政システムの一大改革として果断に実施したわけでありますが、このことは古澤議員も十分御承知であり、また評価をいただいているところと存じます。私は、行政改革の推進に当たり最も重要なことは、それを支える理念であり、哲学であると確信をしております。現場行政の底辺を支える職員に対しては、就任以来あらゆる機会をとらえ、自治体職員としての持つべき理念を繰り返し指導してまいりました。それらの理念を集大成したものが、いわゆる五つの行政スタイルであります。オープンシステム、マネジメントシステム、マーケティングシステム、アカウンタビリティー、テクノクラートという五つの行政スタイルをキーワードとして掲げ、職員に対してそのあるべき姿を、意識改革の方向性と基本理念を明確に提示いたしました。さらに、「安・近・短」行政の推進、すなわちコストが安く、市民に身近で迅速な行政執行により、市民本位の行政サービスを提供することを最大の目標として位置づけ、職員と一丸となり、その実現に向け、取り組んできたことは御案内のとおりであります。 行政システムの大改革から1年と数カ月経過しましたが、この間組織の運営面では、副市長制と組織・機構の改革により権限と責任の明確化を図るとともに、各行政部門の執行責任者としての副市長と市民がしっかりと双方向で結びつくことに意を用いてまいりました。また、副市長の専門的知識と経験を行政施策に直接的に反映させるための提案型の予算編成や、副市長によるJトーク、Jウオークなども実施しておりますが、これらに対して市民から期待と評価をいただいているところであります。 なお、残念ながら環境部門担当の副市長を1年足らずのうちに解職せざるを得なかった事情等については、既に十分御承知のことと存じますが、前副市長が引き起こした一連の事件は当市に多大な損害を及ぼしたばかりか、市民の皆様にも少なからず御心配をおかけしたと存じます。私も選任の責任をとり、給料の一部を減額いたしましたが、そもそも副市長制は権限と責任を明確にして、副市長が執行責任者として市長からその権限を分任されるものであるところ、資質、能力に欠ける場合には市長の専権によりこれを退任させるという緊張感を伴う関係を有しているものであります。今回辞職願を認めずに解職に処したことは、この点からいって、まさに副市長制のメカニズムが健全に機能したものであると認識をいたしております。さらに付言するならば、事件後も全国各地から視察等が絶えないことは、副市長制が21世紀型の自治体経営を進める執行スタイルとして、引き続き高い評価をいただいていることのあかしであると考えております。 また、ISO14001の認証取得を機に導入したP・D・C・Aのマネジメントサイクルの考え方をいわゆる目標による管理として科学的業務遂行マニュアルにまとめ、日々効率的な行政運営に取り組んでいるほか、職制を簡素化し、職員の給与体系を年功・横並び主義から、権限と責任に見合った能力重視の仕組みに転換するなど、人件費の縮減に努めておりますが、人件費の縮減は将来の財政運営に大きな効果を生むだけでなく、職員にコスト意識に基づく自治体経営の理念を認識させる要因であると考えております。さらに、今日までに公会計のバランスシートの作成、政策評価、事業評価システムの構築、自治体経営計画の策定に向けた調査研究など、「安・近・短」行政の具体的な推進施策を展開しておりますが、このように間断なく行政のイノベーションを図り、行政を進化させていることを十分御理解いただきたいと存じます。 「安・近・短」行政は、改革の一つ一つの要素が有機的に結びつくことにより、また不断の努力の積み重ねにより、その実効性が確保できるものであると考えておりますが、行政改革は一気呵成、果敢に行うべきものがある一方、本来的には息長く、持続的に行うものであると考えておりますが、より効果を高めるためには相互に組み合わせて実施することが肝要であります。その意味からも、単に当面の成果、効果のみをとらえるのではなく、大局的、長期的な視点に立っての検証が必要であると存じます。 次に、職員の意識改革についてどのように変化したかというお尋ねでございますが、職員の意識改革なくしては、これら一連の改革は到底なし得ないものと認識をいたしております。これらの改革が行政運営や職員意識にどのような変化や効果をもたらしたかを把握し、検証するために、過日職員の意識調査を実施いたしました。調査結果については現在集計中であり、結果がまとまり次第、いずれかの機会に報告させていただきたいと存じますが、回答状況の概略を見ますと、職員の意識改革は着実に進んでいることが判断できますので、御参考までに若干の事例を御紹介してみたいと思います。 例えば設問の中に、五つの行政スタイルについての理解度及び実践度を問う質問がありますが、ここでは7割を超す職員が理解し、実践していると回答しております。また、「安・近・短」行政の推進について工夫の有無を質問しておりますが、ここでも7割の職員が何らかの工夫に取り組んでいると回答をしております。そのほかISOの認証取得に伴う科学的事務遂行、数値データの導入、分析による費用対効果などのコスト意識、納税者を意識した業務遂行などの回答から、意識変化の実情をうかがい知ることができると存じます。この要因としては、民間企業などでの外部研修や政策形成能力の向上を図るための中央省庁及び民間シンクタンク等への長期派遣研修を積極的に推進してきたこと、科学的勤務評価制度を設け、成績主義を導入したほか、業務遂行における目標設定と達成状況や仕事の進め方の検証など、職員のモラール向上に努めたこと等が大きな効果を上げたものと考えております。多くの職員が従来のような受け身ではなく、主体的に物事に対処するように変化し始めたことは、これまで機会あるごとに行ってきた指導が広く理解されてきたのであり、その結果職員の意識転換が、徐々にではあってもしっかりと進んでいることに対して意を強くしているところであります。 3点目の行政組織及び財政のスリム化に向かって実行されたか、また目標の達成状況はどうかというお尋ねでありますが、行政のスリム化は行財政改革の一環であります。この観点から、行政のスリム化に際して重要なことは、スリム化が行政サービスを低下させたり経費を増加させることなく、必要最小限の経費で多様なニーズに柔軟に対応できる組織体を構築することにあると考えております。すなわち、単に組織の見直しや人員の削減、財政の緊縮のみに視点を当てて取り組むことではなく、あくまでも市民本位の良質な行政サービスを提供することがその究極の目標であるということであります。従来の漫然とした事務処理や既成概念にとらわれることなく、むだを省き、惰性を排し、その結果生み出される人員や財源などの資源を新たな行政需要に振り向けることにより、市民へのサービス向上が実現されるものと認識をいたしております。 いずれにいたしましても、このような自治体経営の理念を職員一人一人が理解し、実践することが組織を末端まで活性化させ、そして市民本位の「安・近・短」行政を推進させる要諦であることを念頭に置き、今後とも意識改革の徹底と問題点の改善を怠ることなく、市勢発展のために鋭意努めてまいりたいと存じます。 次に、クオータ制の導入の必要性と、その考えについての御質問でありますが、先ほど来何度もお答え申し上げておりますように、私は市長就任以来、女性政策に関し、意欲的に諸施策を推進してまいりました。その結果、各種委員会や審議会などにおける女性の登用率が10ポイント以上向上するなど、男女共同参画社会の形成、とりわけ女性の社会参画を促す上で一定の成果をおさめてまいったと自負をしております。しかし、真の男女共同参画社会の早期実現を図るためには、より実効性の上がる普遍的な仕組みづくりがぜひとも必要であると考え、クオータ制の導入を含めた基本条例を制定するための検討委員会の設置を提案いたした次第であります。 次に、議会のクオータ制導入について、行政サイドから提言された意図は何かということでございますが、この件につきましても先ほど来何度もお答え申し上げておりますとおり、私の政策的理念から、市議会を特別視することなく、女性の社会進出に係るあらゆる分野を対象として、検討委員会で大いに議論をしていただきたいという考えに基づくものであります。議論を深めていただくことにより、必ずや男女共同参画社会実現のためのさまざまな問題や課題が明らかになってくるものと期待をいたしております。そして、これこそが新しい発意、発想に基づく地方からの国づくりにつながるものと確信をいたしておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと存じます。 以上です。 ○石平春彦議長 4番、古澤議員。          〔古 澤 弘 議 員 登 壇〕 ◆4番(古澤弘議員) 新人の議員の質問ということで御丁寧に答弁していただき、本当にありがとうございました。その上に立って、再質問を若干させていただきますが、行政改革実行元年としての市長のこれまでの執行されてきた内容につきましては、今のお話のとおり高く評価をするものでありますし、また副市長制の導入が行政執行に大きな寄与を果たしている、またISOの認証取得が市民の環境意識に非常に貢献していると、あるいはまたそういったことが実践されている、あるいはまた自治体経営の理念が職員の間に浸透してきたというそういった観点については十分評価するものでありますし、「安・近・短」行政がようやく地についてきたなという感じを受けるわけでありますけれども、若干その上で、問題点や課題については各部門で個別に検討され、それが平成12年度の行政執行に生かされておるとは思いますが、今までの市長の御答弁ですと、いい面がかなり出ておるわけでありますが、もし課題等がありましたら改めて御答弁をお願いしたいわけでありますが、その中で積極性あるいは斬新的、あるいは副市長の導入によってやらなければならないということが、先入観を持って執行するためにちょっと行政の窓口が広くなったり、あるいはまたオーバーなアクションをしたいというところがなかったかどうか。 それから、あわせて意識改革の面で、昨年のマスコミ報道でありますが、経営管理課のアンケート調査の結果を見ますと、44%ぐらいの皆さんが余り変わりないというような結果も出ているということもありますので、それはアンケートのとり方、中身によって数字が変わるもんでございますし、先ほども着実に意識改革が70%進んできているということと、我々実際職員の皆さんと接した中ではそういった意識を持っているわけでありますが、そういったことがこのアンケート調査と若干のずれがありますので、この辺について再度答弁をお願いをしたいと思います。 以上です。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 基本的には、私どもの取り組んでいる行政改革については御理解いただけているものと思います。その上に立っての、さらに問題点等についてということでありますので、私の感じているところを一つ二つ申し上げてみたいと思いますが、要は形をつくって、仏つくって魂入れずという言葉のとおり、魂がどういうふうに根づくかということが私は一番注目していることでありますし、そのことが実は一番対市民の関係において注目をしているわけでありますから、その辺のいわば浸透性の問題ですね、これは簡単に言いますと、私としょっちゅう意見交換なり、あるいは庁議なり、あるいは会議なりしている職員はかなり浸透度が高いと私は見ております。大体言いますと課長クラスですかね、そこまではおおむねこのようなアンケートの結果として、先ほど申し上げた以上に浸透していると思いますが、その先のことになりますと、どう浸透しているかということになると、まだまだ道半ばのようなところがうかがわれます。ですから、末端の職員まで本当にきちっと浸透するには、ある意味では長期的な戦略でやっていることからすると、まだ入り口に、緒についたばかりでありますから、これはいたし方ないと私は思っています。大きく大胆に改革をしましたから、ある種の当初は戸惑いというものは当然あります。意図するところは何だというところも、なかなかわかりにくいところがあるのは、これは一般論でありますし、そういったことで職員の方も変わろうとしている気持ちが非常に強いと私は思っています。 そして、市民とのアクセスにおいても、とにかく何か改革をしなきゃならんという意識を非常に高く持っていると、このように出ておりますから取り組んでいるわけでありますが、本当に宮越市長の理念が浸透しているかということになるとですね、これは私のみならず、そういう立場に立っている者が新しい改革を目指すときにどの程度浸透力を持っていくかとなると、これは至難のわざに近いぐらい大変な努力と、またその徹底さが求められるわけでありますが、私も歯を食いしばって向かう新しい行政スタイルがまさに21世紀型といって、日本計画行政学会の賞までいただいているんでありますから、これは決して間違っていないという確信のもとでやっておりますから、それはつらくてもそういう方向を浸透させて理解を深めていくということに向かっているわけでありますが、まだまだ完全に浸透しているとは私は思っていません。といって、職員が決して質が悪いというんじゃなくて、そういうものであるということですね。 なかなかこういった本当の根本的にスタイルを変えるということは、あるいはまた新しく構築していくということは並大抵でない努力が要ることからしたならば、それはいたし方ない、あともう数年かかるんではないかなと率直に思っておりますけど、しかしそれは一方比較論で見ると、これは相当な変化が出ているというふうに私は聞いています。つまり外部の、外の自治体の職員、つまり外から来られた方が他の自治体をよく知っている方、大学の教授とかですね、いろんな専門的な観点から、いろんな形で講師とか講演とかお願いしますね。そういう方々が応じてほかの自治体にも行っておられますから、その対比をすると、上越市の職員は非常に機敏で優秀だという話は私はよく最近耳にします。ですから、そういった外からの評価は確かに手ごたえがあります。ですから、これでいいかなという感じもしないでもないんでありますけど、より一層こういった厳しい財政運営を強いられている昨今の現下の情勢でありますから、私どもよりも一層厳しい経済環境、生活環境に置かれている多くの市民の方々のことを思えば、決してこれでいいと甘んじることはないということで厳しくやっているところでありまして、そういったところが今後さらに実効性を上げていくというところが問題点であれば問題点ということであるんではないかなと、こう私は思っております。決して悪い意味での問題じゃなくて、そういうさらに努力をしなきゃならないというところがやや残っているかなという感じがいたします。しかし、くどいようでありますが、対外的、総体的な評価は非常に高くなっているということを私は職員にも申し上げておりますから、その点についてはかなり実効性が、効果が上がってきているんではないかなと、こう私は思っております。 それから、ちょっと先ほど職員の派遣のことも申し上げましたが、これは言ってみれば人材育成の投資なんですね。この投資を決断してやらせていただいているという、これは議会の皆さん方からも御理解いただいて、派遣研修等の予算の計上についてもお認めいただいておりますから、大変ありがたく思っておりますが、いわば人材の育成の投資的視点、これを今私は実行しております。それらの優秀な職員が今帰ってきています。リターンしてまいっています。ですから、そういう職員がまた新たな刺激を職員同士で与え合っているという、これも大きな効果になってつながっているんではないかなと、こう私思っていますし、何よりも市民の側においても、私どもの取り組んでいるこの画期的な21世紀の行政スタイルに対して幅広く受け入れられて理解をしていただいているんではないかなと、こう私は思っております。これは、Jトーク等、いろんな市民と接する中で感じ取っておりますし、最近始めました副市長のJトークにおいても大変効果的だということで高い評価をいただいている、そういう個々具体的な動き、そういうことが実は市民との信頼関係が再構築できるという、そういう基盤ができましたならば、新しい取り組みについては、市民の負担があることにおいても積極的にその事業に参画していただいているということは、例えば今ごみの分別収集は22分類やっているんですね、3地区で。恐らく普通でしたら、これは初めからギブアップだと私思っているんですよ。ところが、環境先進都市と、ISO14001を取得してから、全国の環境都市としてはトップランナーに立っているという、こういう自負心が市民の中にも根づいていらっしゃるんではないかなと、こう私は思っています。ですから、そういったことでこういう難しいチャレンジについても、これは永久に22分類にするかどうかは別にしまして、それらのモデル事業に積極的に取り組んでいる姿を拝見するにつけて、市民の皆さん方も大変意識が変わっていらっしゃるんではないかなと、こう私は分析しております。 ですから、さらにこういったいい関係を私どもは真剣に取り組んで、さらに市民の信頼確保のために、また一層いろんな事業が円滑に推進できるような、そういうところをもっとさらに磨きをかけていくという、こういったことが私に課せられた問題というか課題ではないかなと、こう私は思っております。どうかこういった姿勢を今後ともきちっと継続していきたいと思いますので、それらの観点については温かい目で見ていただければ幸いだと、こう思います。 以上です。 ○石平春彦議長 以上で通告による質疑は終わりました。 ほかに質疑はありませんか。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○石平春彦議長 これにて質疑を終結いたします。 ただいま議題となっております議案第81号より第112号及び報告第8号は、お手元に配付いたしてあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。                                     午後10時28分 散会   地方自治法第123条第2項の規定により署名する。            上越市議会議長     石  平  春  彦            上越市議会議員     仲  田  紀  夫            上越市議会議員     西  沢  幹  郎...